ZEH パッシブ無暖房住宅 年間3兆円燃料費節約

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2名無しさん@お腹いっぱい。
ドイツ国交省は、国内のあらゆる建築・住宅にかかわる統計情報を集積し、取りまとめて、年に一度年鑑を公表しています。

その年鑑には、
1.ドイツに存在する4047万戸の住宅ストックの合計延べ床面積の推移(毎年15〜20万戸の新築が追加されている)と
2.その住宅で消費される暖房用の最終エネルギー消費量が、統計されており、同時に、建物ストックに対する
3.省エネ改修を推進するための予算額(主には、低利子融資OR無利子融資の財源)

の数字も出されています。
これを見ていただければ一目瞭然ですが、すでにドイツでは住居などをはじめとする建物の数の増加を上回る勢いで、省エネが進んでいます。
具体的には2000〜2010年における10年間の省エネ改修を累計で

1兆円ばかりの予算措置で進めた結果
12兆円程度の省エネ改修工事が建設業市場に出て、毎年40万人程度の雇用を生み出し、あるいは維持しながら、
1.9兆円は19%の付加価値税でしっかりと国が自分の懐に戻し、2010年の段階では1年間で1000PJの暖房用エネルギー消費を省エネしている、ということになります。

さあ、1000PJをみなさんは、燃料費換算でいくらに計算することができますか?
ドイツの暖房用のオイルの発熱量は1リットルあたり38.4MJです。ですからおおよそ260億リットルとなりますね。
現在の暖房用オイルの価格は、1リットル0.85ユーロ程度ですから、220億ユーロの節約となります。

今は円安になり、1ユーロ≒120円ですから、
毎年ドイツ人は、建物の改修工事によって、暖房費をなんと!!!   2.6 兆円 !!!節約している計算になります。
このへんの詳しいロジックは、私の著書『キロワットアワー・イズ・マネー(kWh=¥)』に記していますから、興味のある方はそちらをご一読下さい。
とにかく、脱原子力2021年、脱化石2050年というドイツのエネルギーシフトは、50%のエネルギーは省エネによって、残りを再生可能エネルギーでというシナリオですので、この省エネの部分により注目していただければと思います。

2011年度の温室効果ガスの排出量の集計も上がって来ました。311の影響で、原発8基を一斉に廃炉にしたドイツでは、この年の温室効果ガスの排出量が増加したのではないかと言われていましたが、
3%のGDP経済成長を達成しながら、同時に2.9%のCO2の削減に成功しています。 つまり成長とエネルギー消費量がリンクしなくなったのが、今のドイツ経済の強みでもあります。
雇用効果の面でも、財政投資額 対 市場への投資額の面でも、それほど優れるとはいえない100%の公金で賄わなければならない公共インフラへの潤沢な予算の一部でも、
こうした理性的な民間建築事業への投資に振り向ければなあといつも嘆いるている今日この頃でした。

キロワットアワー・イズ・マネー エネルギーが地域通貨になる日、日本は蘇る
http://www.amazon.co.jp/dp/4861310350/

ドイツの省エネ政策の成果
http://blog.livedoor.jp/murakamiatsushi/archives/51762291.html