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ttp://www.sis-web.jp/about/dialogue-with-sis/vol13/dialogue-with-sis-vol13-02.html 清水 まず、今回のシム・レイをガソリン換算、つまりこのクルマを走らせるための発電に必要な化石燃料の量で考えると、70km/Lになります。
現在、日本車の燃費の平均は、中型車の場合で10〜15km/L。
それをベースに考えると、すべてのクルマが電気自動車になったとすると、クルマで使用するエネルギーの消費量が1/5になります。
では、クルマのエネルギー消費量はどれくらいかというと、輸入される石油の35%を占めています。ということは、約30%ほど、石油の輸入を減らすことが可能なんです。
あとの5%を使って夜間に火力発電で充電すれば、全く発電所を増やさなくても、電気自動車の充電はできる計算です。
武藤 ピークカットの意味でも、なるべく夜間に充電することが重要ですよね。
クルマの場合、夜は車庫に入っているのが一般的だから、とても現実的に思えます。
もっと言うと、「クルマに乗るのは主に週末だけ」という人が多いわけですし、電気自動車って実は、蓄電池代わりに使えたりするのではないでしょうか。
清水 その通りです。シム・レイをフル充電した場合、一般家庭なら2日分の電気をまかなえる蓄電池となります。
そういった意味でも、近い将来に実現するであろうスマートグリッドの重要な構成要素として、電気自動車の普及は急務なのです。
武藤 環境に優しく、エネルギーセキュリティの改善にもなり、かつ走行経済性も高い......。
電気自動車のメリットが非常に高いことは理解できましたが、まだまだ需要がアーリーアダプターに限られているのは、やはり初期コストが高いことが要因でしょうか。
特にまだ、リチウムイオン電池の価格が高いですよね。現在の相場は、1kwhあたりおよそ5万円と聞いています。
シム・レイの場合は約25kwhですから、単純に電池代だけで125万円のコストアップという計算になります。
国からの補助金や燃料費のコストダウンを考慮しても、なかなか相殺できる額ではまだない気がしますが......。