女の子がほしい―という声が今、母親たちの間で強まっている。
男女の産み分けに協力的な全国約五百カ所の産婦人科医師でつくる「SS研究会」。
約二十年間に五千人以上の妊産婦を診てきた。「昭和の時代は、
跡取りの男児を望む夫婦がメーンだった。平成になって逆転し、女児の産み分け希望が約90%を占める。
男女の比率が十年前と、そっくり入れ替わった。
中川仁志院長(40)は男女逆転の背景を、こう推し量る。
「男児を望んでいたのは主に、中小企業の経営者や商店主にお寺さん。不況や競争社会で勝ち組、負け組に分かれ、跡継ぎ事情が何か変わったとしか思えない」
広島都市圏の夫婦に尋ねた中国新聞情報文化センターのアンケートでも昨年十二月、女児希望は78%あった。
「友達みたいな親子になれる」「結婚後も実家に居着いてくれそう」「老後に頼れ、安心」などの理由が挙がった。
回答者で娘一人がいる会社員小川亜紀さん(35)=西区=は「本心は娘がほしくても、嫁の立場を背負っていた昔は言えなかっただけでは。
自立し、働く女性が増え、それだけ夫婦間や家庭での発言権も高まったんだと思う」とみる。
http://www.chugoku-np.co.jp/kikaku/child/mago/mago2-4.html