短篇【続リーマン物語】長編

このエントリーをはてなブックマークに追加
204愛のシルエット
(9)
このままでは拙い。
重男は焦りを感じた。
童貞はともかく、早漏男と思われたんじゃないだろうか?自分のチンコが自分以外の
女性・・・というか女猪八戒の手でいとも簡単に玉砕するということは予想外だった。
精液を極限まで溜めていたので、杏子の容姿でも勃起する自信はあったが、
まさかこうもあっさりと放出するとは思わなかった。
口でこんなに感じてしまうのだから、まして陰部に挿入でもしようものなら、
それこそ漫画に出てくるような三こすり半で終わりそうな予感がした。

杏子が男経験のない処女だったなら、いくらでも誤魔化しができるが、何といっても
子供二人生んだ再婚者なのである。
男の価値は女を逝かせてナンボのものであることは重男もわかっていた。
しかし、あの臀部から想像するに、果たしてあの肉ひだをかき分けて自分のチンコが
奥深く到達できるのだろうか?
杏子を逝かせるどころか、チンコが膣に到達する前にパイズリならぬ、股ズリで自分の方が
逝ってしまったらもう誤魔化しが効かない。
かといって、持続させるためにちょっとでも気を緩めると、小錦とがっぷり四つに組んだ自分を想像をしてしまい、
一気に萎んでしまいそうだ。

杏子が洗面所で口を洗っている音がドタンバタンと聞こえてくる。
「まさか、四股を踏んでいるんじゃ・・・」
どうしても杏子のしぐさは何でも相撲を連想してしまう。

夫婦たるものは、男がおのれのチンコで女を喘がせ、逝かせれば、どんな女も
男の前にひざまずくものだという、それこそエロビデオでしかお目にかかれない
男女観を信じ込んでいるのが童貞男の悲しさであった。