列車内にトイレのない東武線を通勤手段とする俺は
一駅の区間が長めに設定されている埼玉地区に合わせて
下痢を我慢する訓練を通勤時間の日課としていた
(つづく)
>>3つづき
それと同時に、生活のリズムを完全に狂わした学生時代からの
悪習を断つべく、結婚もし、生活パターンを整える努力もしていた
為か、ガキの頃から俺の人生を狂わず原因であった「ウンコ漏らし」
について、多少の改善がみられてきた頃であった
(つづく)
>>4つづき
すっかり気をよくした俺は越谷あたりで多少の便意を
感じつつも、乗り込む乗客をよそ目に余裕の笑みを
浮かべていた
(つづく)
>>5つづき
「しかしそれは起こった!」
その日もやはり越谷あたりで少々の便意を感じていたが
”まあいつものことだ。ドア付近を確保するまでもないだろう”
と自分の実力を過大評価していたことが命取りとなった・・・
(つづく)
>>6つづき
突然全身から吹き出る冷や汗、急降下する血圧、耐え難い大潮流、
”まっまさか・・・!?もう昔の俺じゃないはずだ。俺は生まれ変わった
はずだ!”などと妄想するうちにも、オーナラの洗礼を周囲へ浴びせかけ
大潮流が実感として認識できた今、最悪の事態へと突入する「これからの俺」
に想像を巡らせ、最後の思考力を振り絞り、現在草加をすぎたことを考慮に
おいた上で一つの解を得た・・・・
「西新井で降車」
(つづく)
>>7のつづき
社内アナウンスと同時に大幅な遅れもなく滑り込むように西新井のホームへ
と滑り込む列車・・・と同時に、厳しい現実とうっかりミスを自分に気づく俺・・・
”社内がこの混雑なのにホームに控える乗客数・・・俺が降りる前に乗客が乗り込んだら?”
>>8 車内から開くドアを待ち受ける俺、その反対側では「絶対この列車にのっちゃる!」という気合い
マンマンのリーマン達・・・
そのほんの一瞬だけ俺は大潮流を忘れかけたが、次の瞬間思わぬ敵に終止符を打たれる
結果となるとは・・・
(つづく)
>>9つづき
”ちょっとー降ろしてよー!すいませーん!降りまーす!”
一人の中年女性があまりにも強引に混雑した車内をかき分け
俺の背後に迫っていた
と、同時にドアが開き、背後に注意を惹かれていた俺は前方からの
突進を防御無しで受ける格好となってしまったのだ
おまけに後ろからは中年女性が
”ちょっとアンタどいてよ!降りられないじゃない!”
と俺の左後方脇腹にひじ鉄をグイグイを押しつけてきた
「前方からリーマンのひじ鉄圧迫」+「左後方脇腹に中年女性ひじ鉄攻撃」
この責めに俺はひとたまりもなく・・・・何故かそのとき俺の頭の中に流れていた
曲は、ケツメイシの「友達」だった・・・・
(終わり)