>>298 同じ号続き
週刊新潮 2013年6月20日号
■「秋篠宮は即位すら辞退」が頂上会談で了解された深い事情 @
皇太子殿下が生前退位しても、秋篠宮は天皇に即位しない──。
宮内庁が思い描くシナリオは一見、あまりに突飛だ。
しかし今上陛下、皇太子、秋篠宮両殿下の三者の間では、すでにこの件は了解済みなのだという。
なにゆえ「兄宮から弟宮への皇位継承」は否定されたのか。
その背景にあるのは、太古から続く天皇家の暗闇の歴史だった。
* * *
・天皇陛下と皇太子殿下、秋篠宮殿下ら3人の会議が御所で行われるように
なったのは、一昨年半ばの頃である。
「これは病気療養中の雅子妃のことを心配されるあまり、皇太子さまが国民の期待に
充分に応えられていないのではないかと懸念された陛下が、招集されたものです。
実は本来の意味は、もしもの時には、秋篠宮さまにも皇位継承があるやも知れぬと
お考えになった陛下が、自らの経験を語り、帝王学を授けようというものでした。
しかし、秋篠宮さまだけを呼ぶと、変に勘繰られるので、皇太子さまにも同席
頂くことにしたそうです」 (宮内庁担当記者)
ところが現在では、宮内庁が秋篠宮の即位を想定していないのは、前述の通り。
つづく
>>300 つづき
週刊新潮 2013年6月20日号
■「秋篠宮は即位すら辞退」が頂上会談で了解された深い事情 A
・「むろん、皇太子さまの生前退位や悠仁さまへの譲位は、宮内庁が勝手に判断して、
官邸に相談できる案件ではありません。
すべて天皇・皇后両陛下の思し召し。すでに天皇・皇太子・秋篠宮の三者による
頂上会議でも話し合われ、納得されている話なのです」
と解説するのは、さる宮内庁の幹部だ。
・「皇太子さまは、天皇の重責を担い続けることより、雅子妃や愛子さまのことを慮り、
一宮家として3人で平穏な生活を送りたいというご意向をお持ちです」
雅子妃のご病状を考えれば、これもやむを得ない選択なのかもしれない。
しかし、弟宮が後を継がないのはどうした訳か。
*兄弟騒乱の凄惨な歴史
・「宮内庁が官邸に説明した理由は、イメージの問題でした。 兄が健在なのに、
弟が継承すると、兄宮がダメを出された観が強い。しかも、弟宮が行為を簒奪したような
負のイメージがつきまとい、生々しすぎる。
過去に皇位継承をめぐって兄弟が争った暗闇の歴史が思い返されるので、それは
避けたいとのことでした」 (警察庁関係者)
・それをよく理解されているので、秋篠宮も身を退くお考えなのだという。
確かに古来より続く皇室の歴史をひもとけば、兄弟間での抗争はいくつか伝わる。
暗殺された安康天皇の後継をめぐり、雄略天皇が兄を含め皇族を殺害したという。
つづく
>>301 つづき
週刊新潮 2013年6月20日号
■「秋篠宮は即位すら辞退」が頂上会談で了解された深い事情 B
・また直接的な兄弟間の戦いではないが、天智天皇から後継指名を受けていた
弟・大海人皇子は「兄が自分の野心を疑っている」と、これを辞退。一旦は仏門に
入ったが、兄が崩御し、その皇子が即位するや、挙兵してこれを自害に追い込み、
自身が天武天皇となった、とされる「壬申の乱」である。
・平安時代に入ると、天皇が譲位して上皇となり、院政を敷く事が、一族間で争いや
悲劇を生み出す元ともなった。
「そこで、明治時代に、譲位による問題が起こらないようにするため、これを縛る
旧皇室典範が作られた。 その思想が戦後、一般法令となった言行の典範にも
受け継がれたのです」 (山下晋司)
それを今度は、兄弟間の諍いのイメージを払拭するために、改正しようというのだから、
皮肉としか言いようがない。
当事者は皆、忸怩たる思いがあろうが、こうするよりほか、雅子妃の長期療養問題を
解決する術はないということか。
(おわり)