女性セブン 2011年9月8日号
■ 雅子さま「那須ご静養」に住民たちが泣いた! @
空間放射線量0.5マイクロシーベルトの御用邸に一家3人で
福島第一原発から100kmほどにある栃木県の観光地、那須。
放射線の影響もあり、この夏は訪れる人も激減している。
毎年、この地にある那須御用邸で夏を過ごされる皇太子ご一家だが、
当初は現地でも「さすがに今年は・・・・」と来訪を諦める声が圧倒的だった。
しかし、ご一家は今年も変わらずいらっしゃった──
毎年、夏休みになると多くの家族連れで賑わう栃木県那須高原の
『 りんどう湖ファミリー牧場 』。しかし、この夏は、例年に比べると訪れる観光客は少ない・・・・。
8月21日、この日は朝から雨模様だったが、夕暮れ頃から雨足は弱まり、予定通り、
花火大会が開催された。 午後7時30分過ぎ、一台のワンボックスカーが止まった。
中から皇太子ご一家が姿を見せられ、桟橋に停泊していた屋形船に乗り込まれた。
「 東日本大震災により被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
皆様の安全と一刻も早い復興をお祈りし、これより花火大会が始まります 」
開始のアナウンスとともに、次々と花火が打ち上げられる。
夜空を彩る花火が湖畔に映り、「キャー!きれい」「すごい!」という声があちこちであがる。
約20分間で1000発の”光の競演”に、皇太子ご一家も屋形船から笑顔で惜しみない
拍手を送られた。
女性セブン 2011年9月8日号
■ 雅子さま「那須ご静養」に住民たちが泣いた! A
空間放射線量0.5マイクロシーベルトの御用邸に一家3人で
翌22日、皇太子ご一家は、那須御用邸近くのリゾートホテルにある温水プールで
2時間ほど水泳を楽しまれた。雅子さまは、愛子さまの泳ぎの上達振りに、
目を細められていたという。
また、ご一家はこの日の夕方、那須ハイランドパークに出かけられ、同パークで
開催されている『 レゴスタジアム 』を見学。
「スタジアムの中には、3mぐらいの東京タワーや等身大 ダース・ベイダーなどが
展示されていて、その大きさに愛子さまはご一緒したお友達と驚きの声をあげられていたそうです。
またスタジアムの内のショップでは、お土産も買われたようですね」(宮内庁関係者)
皇太子ご一家が、毎年恒例のご静養のため、那須入りされたのは8月11日。
新幹線でJR那須塩原駅に到着された際、出迎えた栃木県の福田富一知事が
「 アカトンボとセミがお待ちかねですよ 」 とお話すると、愛子さまは、それは嬉しそうに
笑顔をみせられた。
しかし、この那須ご静養を巡って、地元住人の間では、こんな声があがっていた。
「 今年は、皇太子ご一家はいらっしゃられないのでは・・・・」
東日本大震災以降、福島第一原発事故の影響で、那須は放射線量が高い
ホットスポットとなっていると幾度となく報じられてきた。
そのため、地元住人たちは、被曝する可能性がある那須を皇太子ご一家は
お訪ねにならないと考えていたようだ。
実際、那須は震災により大きな打撃を受けている。
「 レジャー施設を訪れる観光客は例年より約30%減。マイカーで那須を訪れる人は
15%落ち込んでいます。福島県に近いので、放射能の影響が懸念されるからでしょうが、
風評被害がそれに輪をかけているのが現実で、当分明るい見通しは立ちそうに
ありません 」 (那須町観光商工課)
観光客が減ったことで、地元住人の中には、経済的な面で ” 苦い涙 ” を流している人も
多いという。
女性セブン 2011年9月8日号
■ 雅子さま「那須ご静養」に住民たちが泣いた! B
空間放射線量0.5マイクロシーベルトの御用邸に一家3人で
*地元の食材で作った料理も召し上がって
本誌は、那須御用邸近辺の放射線量を、現地に赴いて測定してみた。
ガイガーカウンターで計測したところ、その放射線量は毎時0.53マイクロシーベルトと
いう高い数値が示された。
ICRP(国際放射線保護委員会)が定めた、一般の人が自然放射線意外で
浴びてもよいとされる放射線量が年間1ミリシーベルト。
これを1時間あたりに換算すると0.114マイクロシーベルトとなる。
つまり、那須御用邸付近は基準値の約5倍の高さなのだ。
しかし、それでも皇太子ご一家は、今年も那須御用邸でのご静養に赴かれた。
諸般の事情からすれば、お取りやめということも考えられたと思われるが、
「 那須には例年行かれているのに、今年ご静養を取りやめにされれば、国民は
” やはり放射能で那須は危険だ ” と思ってしまう。
皇太子ご夫妻はそのことをいたく懸念され、それだけは避けたいと思われたのだと
思います。そして、那須にご自分たちが行かれることで、”大丈夫”と、アピール
されたかったのではないでしょうか 」 (前出・宮内庁関係者)
ご静養に入られて数日がたったころ、皇太子ご一家は、前述したリゾートホテルとは
別のホテル内のレストランにお出かけになった。
その日は愛子さまのお友達親子数組と一緒に夕食をともにされた。
「 そのレストランの料理で使われる野菜、卵、肉、ミルクなど、すべての食材は
地場産で、地元の契約農家が作っています。 地元でとれたものをお出ししましたが
皇太子さまも雅子さまも、そして愛子さまも、それは喜んでお召し上がりくださり、
本当に嬉しく思いました 」 (レストラン関係者)
女性セブン 2011年9月8日号
■ 雅子さま「那須ご静養」に住民たちが泣いた! C
空間放射線量0.5マイクロシーベルトの御用邸に一家3人で
那須の食材に、舌鼓を打たれた皇太子ご一家に、レストラン関係者はじめ、
地元農家など、かかわったすべての人々が胸を熱くさせたのはいうまでもない。
「 私たちはここで生活しているから、放射線量が高いといわれても、どこかに
引っ越すというわけにはいかないんです。
でも、皇太子さまご一家が来ていただいたことは、” 安全ですよ ” といってくださって
いるのと同然です。心から感動しました 」 (40代の男性)
「 観光客がどんどん減って、泣きたい気持ちを堪えるのが精一杯だったけど、
雅子さまに今年もこの那須に来て頂いて、あの笑顔を見たら、
” ああ、普通にしてて大丈夫なんだ ” って、本当に希望を与えてくださいました。
これからも、この土地で生きてゆく力をもらうことができました 」
そう話す那須町に住む50代の主婦の目には涙が光った。
大震災から5ヶ月半がたち、いまなお、困難に向き合う人々がいる。
この夏の皇太子ご一家のご静養は、多くの人の不安を解消し、
生きる勇気を届けるものになっている。 (終)