文藝春秋(2011/06/01)雅子妃、被災者とともに回復す−避難所訪問で被災者からの言葉に励まされた1/4
・友納尚子氏による6頁の記事。
・味の素スタジアムを訪問した雅子妃は、深い悲しみの中でも懸命に生きていこうとする姿は
言い表せないほど感銘した、と知人に感想を述べた。
・半年ぶりの外出公務、16年ぶりの避難所訪問は大きく報じられ、雅子妃の回復が
はっきりと現れた日でもあった。
・3/11。皇太子ご一家は東宮御所で過ごしていた。
・雅子妃と愛子様は初等科から帰宅直後。愛子様は「6年生を送る会」に出席し、
自信に満ちあふれた表情で内容を何度も雅子妃に伝えた。
・2時46分。地震発生。雅子妃と愛子様はその場に座り込む。
愛子様は皇太子さまを呼んだというが別室で聞こえず。
雅子妃は愛子様をテーブル下へ避難させ皇太子さまの元へ。
同時に別室から皇太子さまが出てくる。二人は揺れの続く中、脅える愛子様を宥める。
・皇太子さまはいつまでも収まらない地震にただならぬ異変を感じ取った。
雅子妃にしばらく愛子様をしっかりと抱き離れないこと、机などの下に隠れるよう指示すると 両陛下の安否を確認。
・皇太子さまは70人からなる東宮御所を束ねる長としての職責がある。敏速で冷静な対応に努めた。
・皇太子さまは報道以上に被害が広がっていることを心配し、すぐにでも避難場所に行く意志があることを職員に伝えた。
・深夜になっても皇太子ご夫妻は被災地の情報をくまなくチェックする作業を続けた。
侍従達に震源地と震度を再確認し自らも活断層を調べる。
・後日、関係者などから進講を受け、国民の被害状態を懸念し続けていた。
荒れ果てた地や死者行方不明者が増えていく悲惨な状況を見聞きするのは、
心の病を抱える雅子妃にとって健常な人よりショックの強いことだったのではないか。
文藝春秋(2011/06/01)雅子妃、被災者とともに回復す−避難所訪問で被災者からの言葉に励まされた2/4
・震災直後の雅子妃は想像を絶する被害状況や度重なる余震から抑鬱的な気分になった日があったと
言われている。一方で妃殿下としての義務感から被災者を見舞いたいという強い気持ちから
すぐに前向きな気持ちに切り替えることができたそう。
震災直後から皇太子さまと一緒に避難所訪問を望んでいた。(東宮関係者)
・だがこれまでの症状からすれば、訪問実現のために越えなければならない二つのハードル。
一つは被災者と至近距離で接して長時間励ますことができるか。
二つめは大きな緊張感を伴うことがある病気の性質から、大勢から突然、
しかも近くからの声かけや見られることが負担になるのではないか。
・オランダ訪問の際には外国人カメラマンが声を掛けながらシャッターを押したため
リラックスした表情ができたが、日本のカメラマンは無言で撮影することが多いため
ストレスを生じていた。
・東宮職から報道側に説明しておけば無問題。御会釈・園遊会への出席が無理なのも同じ理由。
・避難所訪問については主治医の大野氏に相談。(本人は)バッシング報道などから
妃殿下として人気がないと思っている。
被災者を励ますことができれば逆に自信につながるのでは(宮内庁記者)
・両陛下が迅速かつ精力的にお見舞いされているのに皇太子ご夫妻が行かないという批判、
また、雅子妃が公務に行きたがらないのでは、という見方があるが明白に事実ではない。
熱意があっても千代田側の判断や受け入れ先の都合、両陛下お見舞いの日程や
場所などの兼ね合いなど順番があるため勝手に行けない。
・東宮御所では昼間でも薄暗い場所があるが時間制限をしてブレーカーを落としている。
愛子様も「節電、節電」と言いながらスイッチを切ったりコンセントを抜くなどちょっと忙しい。
「昼間はほとんど電気が付いていない。両殿下は毛糸の洋服で非常に厚着をしていた」(野村東宮大夫)
文藝春秋(2011/06/01)雅子妃、被災者とともに回復す−避難所訪問で被災者からの言葉に励まされた3/4
・3/22。NZ地震の犠牲者へ「ご黙祷」。漢字の成り立ちや言葉の意味に関心がある愛子様は
意味を両殿下に尋ね、4/11には予定表に「黙祷」と書く。
・雅子妃避難所訪問の発表は当日朝。到着時には緊張した様子だったが、被災者と話し始めると
迷いやためらいは感じられなかった。
予定時間をオーバーし板の間で正座し続けて励ます姿に被災者は涙した。
・被災者と笑顔で(携帯電話の)写真に写る雅子妃は(公園デビュー)その頃とは別人のよう。
静養中に初めて国民と長く対話した日でもある。取材を続けている筆者にとって
ここまで回復を実感したのは初めて。
・毎年出席の5月のみどりの愛護のつどいに出席して、6月には被災地に行くのではないか。 (前出・宮内庁記者)
・理想は静養中に負担がないように公務を増やしていきいつの間にか復帰。
今回の訪問は大きく復帰に踏み出したと言ってもいい。(宮内庁幹部)
・雅子妃にとって愛子様の不規則登校も気がかりだろう。
妃は教師や母親達ともコミュニケーションを取ろうと心がけている様子。
長期休みには多くの友人を招くが、去年の夏祭りには「乱暴男子」まで招いていた。
学校の指導もあり、乱暴男子達も落ち着いて仲良く過ごすように。(同級生母親)
・愛子様は2時間目の授業から出席することが目立つように。
9時台に登校し6時間目の授業をうけてから徒歩で下校することも。(女性誌記者)
文藝春秋(2011/06/01)雅子妃、被災者とともに回復す−避難所訪問で被災者からの言葉に励まされた4/4
・愛子様の心は想像以上に傷ついたため通常登校ができるまでに時間が掛かっており、
皇太子ご夫妻も焦らずに見守る考え。
・だが親の子どもへの関わり方は年齢によって違ってくるという。一年以上経過した今こそ、
雅子妃が校門までは見送られても、くるりと背を向けて車に乗り込んでいただきたいとも願っている。
今回の訪問をきっかけに進講や国連大学の受講再開という話を野村氏の会見から聞けることが楽しみ。
・春休みの愛子様は節電で薄暗い室内で楽しそうに遊び、外へ出たのは雅子妃と犬の散歩に出たときくらい。
・愛子様は大きな地震があったとき、誰がどの生き物を抱いて保護するか悩んでいる
(犬は大きくて抱っこできない、猫は捕まえるのが大変、亀は外にいるのでどうするか)。
・4/11、愛子様は皇太子ご夫妻と共に初めての「ご黙祷」。(義捐金や寄付が送られている中)
自分で何ができるか何日も考えて折り鶴を数羽折った。
〆は両陛下から受け継がれた国民への想いは皇太子ご夫妻を通じて受け継がれている。