☆ ロンドン五輪世代part98

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問題児・原口でサッカー五輪代表生き返る
和を乱す?スポンサーが逃げ出す?それがどうした

 U―23(23歳以下)日本代表が、5大会連続本大会出場に王手をかけた。その原動力となったのが「チームメートを蹴り倒して肩関節を脱臼させた超問題児」浦和MF原口元気(20)だ。

 ロンドン五輪アジア最終予選C組はシリアと日本が勝ち点9、得失点差+4で並んでいたが、総得点数(シリア8、日本7)で日本は2位。この日のマレーシア戦で大量点を奪って勝つために「真面目な関塚五輪監督は原口みたいな素行不良選手は大嫌い」(サッカー記者)だが、その超問題児に命運を託すことにした。

 能力的には「ザッケローニ日本の常連になってもおかしくない」(専門誌記者)原口は、格下マレーシア相手に自慢の攻撃力を見せつけた。前半35分、ボールをキープしながら相手ゴールまで迫り、攻め上がった右SB酒井に絶妙パスを送って先制点をアシスト。
2―0で迎えた後半10分、右サイドをえぐった酒井からのクロスがファーに飛んだ。走り込んだ原口がスライディングしながら左足ボレーで3点目。1ゴール1アシストの大活躍で土壇場の関塚五輪代表を救ったのである。

「原口の良さは《ボールを受けると素早く前に仕掛けて決定的なチャンスをつくる》ところ。彼の良さが存分に出ました。
暴行事件など素行に問題があり、関塚監督は原口をレギュラー格として扱っていませんが、勝てば文句なしでロンドン行きが決まるバーレーン戦(3月14日、国立)に必要な選手であることをプレーで証明しました」(現地で取材中のサッカージャーナリスト・六川亨氏)

 マレーシア戦終了後に行われたバーレーンとシリアとの一戦は、前節までC組首位だったシリアが1―2で敗れた。それもこれも原口の活躍で日本が大勝し、シリアに余計なプレッシャーがかかったからである。

 これまで原口は「とにかく自分勝手で協調性がない」「チームの和を乱して平然としている」など評判は最悪だった。男子五輪代表を前面に押し出してCMを企画しているスポンサー企業も
「原口抜きのチームじゃないと不安。また暴行事件でも起こされたらシャレにならない」と二の足を踏んでいるともっぱら。

 それがどうした。何よりも予選を突破し、本大会で好成績を収めるのに必要だったら、どんな超問題児でも使うに限るではないか――。

日刊ゲンダイ 2012/2/23
http://v.gendai.net/q?uid=1&sid=A817&i=article%2Fdetail&aid=257976&p=1