五輪代表に若手欧州組を呼ばないのはなぜか
英国初ゴールのFW宮市とかイキのいい19歳がいるのに
ロンドン五輪アジア最終予選・シリア戦(5日)の敗戦で予選C組の2位に転落した日本五輪代表(23歳以下代表)。1位シリアとは「勝ち点9」「得失点差プラス4」で並んでいるが、総得点数(シリア8、日本7)の差で2位となった。
1位通過で五輪本大会出場を決めるには「残り2試合でゴールを荒稼ぎして連勝する」ことが必要。何よりも22日のC組最下位マレーシア戦で何点取れるのかが焦点になる。
しかし、五輪代表は清武、山崎、山田直の攻撃陣がケガで戦列を離れてしまい、合流予定のドイツ・ボルシアMGのFW大津(21)は、昨19日になって「クラブから《チーム事情で参加ができなくなった》と連絡が入った」(専門誌記者)。
欧州には、18日のイングランドFA杯でゴールを決めたボルトンFW宮市、ドイツの超名門バイエルン・ミュンヘンFW宇佐美の19歳コンビやドイツ・ドルトムントFW香川(22)など大津以上に結果を残している若手選手がいる。
16日に左足首を痛めた香川は仕方ないとして、どうして日本協会は宮市や宇佐美をマレーシア戦に呼ばないのか?
「国際サッカー連盟(FIFA)には《国際Aマッチ年間7試合を上限として自国協会は強制招集できる》という規定があるが、年齢制限のある五輪代表戦はAマッチに認定されないので所属クラブに拒否されたらどうしようもない」と専門誌記者が前置きして続ける。
「もともと欧米では五輪サッカーが人気薄なのに加え、選手に年俸を払っている所属クラブ側から《たとえば全治1カ月のケガをした場合、年俸の12分の1を補償してくれるのか?》などと言われたら日本協会はグウの音も出ない。
マレーシア戦と予選最終戦バーレーン戦(3月14日)の2試合だけでも招集したいところだが、可能性はゼロに等しいので日本協会もお手上げ状態なのです」
五輪大好きの日本では「男女五輪代表アベック出場」が至上命令。五輪に出場できない場合、男子サッカーの人気低下にもつながりかねない。今からでも遅くない。札ビラを切って宮市、宇佐美を招集したらどうか――。
日刊ゲンダイ 2012/2/20
http://v.gendai.net/q?uid=1&sid=A817&i=article%2Fdetail&aid=257643&p=1