川澄奈穂美「主将外し」の裏にクラブ側の願い
なでしこジャパンFW川澄奈穂美(26=INAC神戸)のキャプテン剥奪≠ノは意外な理由があった。昨季なでしこリーグを初制覇したINAC神戸は23日に始動し、星川敬監督(35)は今季のチーム主将を川澄からFW大野忍(28)に変更した。
この交代劇の裏には、川澄をプレーに専念させることで覚醒させ、MF沢穂希(33)の後継者就任と女子バロンドールを獲得させるという意外な戦略があった――。
INAC神戸の始動には約70人の報道陣が詰め掛け、注目度の高さをうかがわせた。そんな中、星川監督は今季の主将に川澄ではなく、FW大野を指名する人事を発表し、周囲を驚かせた。ただ今回の主将交代劇に、クラブ関係者は「川澄をさらに大きく売り出すための戦略です」と明かす。
昨季なでしこリーグでは得点王とMVPに輝くなど、大ブレークした川澄も国際舞台で戦うなでしこジャパンでは実績に乏しい。優勝した女子W杯(昨年7月、ドイツ)はスーパーサブ。五輪アジア最終予選(同8月、中国)でスタメンに定着したものの、まだまだ世界的には無名の存在だ。
そこで多忙なうえ、精神的な負担も大きいキャプテン職から解放し、プレーに集中させることでさらなるレベルアップを実現させるという。星川監督も「川澄はもっとやれる。まだまだ選手として成長できる」と明かし、世界レベルにまで引き上げたい考えだ。
川澄がなでしこジャパンの一員として、世界の舞台でも存在感を示せるようになれば、日本女子サッカー界やINAC神戸が不安視する「エース沢の後継者がいない」(星川監督)という難題解決につながると、大きな期待を寄せているのだ。
同時にクラブ側は川澄に、沢が受賞した国際サッカー連盟(FIFA)の年間最優秀選手賞を取らせたいという。川澄がロンドン五輪で金メダルに貢献すれば、可能性は十分。
公認選手代理人のユン・テジョ氏(47歳)も「ロンドン五輪で金メダルを取り、活躍した選手が来年の女子バロンドール」と明かしたが、これはINAC神戸の文弘宣会長(60)も切望していることという。
そんな川澄は「いよいよ始まるという気持ち。W杯で優勝したのは通過点として、今年もしっかり結果を残せるようにしたい」と気合十分だ。リーグ連覇とロンドン五輪金メダル、さらに沢の後継者就任と女子バロンドールの獲得。クラブ側の期待はハンパではない。
一方、新主将に任命された大野はこの日が28歳の誕生日。沢から熱く抱擁されるなどチームメートの祝福を受け「このチームメートと一緒に全タイトルを取っていく。あとは、ぜひ、結婚します!」とまさかの結婚宣言も飛び出した。
主将はく奪!!川澄ちゃんに何があった?INAC仰天人事の裏事情
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