[なでしこリーグ再開]切符バカ売れで「神戸さまさま」
川澄2ゴール
ロンドン五輪予選で中断されていた「なでしこリーグ」が昨23日、再開された。MF沢、FW川澄、大野、高瀬、DF近賀、田中、GK海堀のなでしこジャパンの主軸を擁するINAC神戸はこの日、アウェイで千葉レディースと対戦した。
この試合の前売り券はなでしこ異常人気で6000枚以上も売れ、当日券を求めて家族連れや小中学校の女子生徒らが次々と押し寄せ、9274人もの観衆で大賑わい。
試合は「8戦8勝。得点31・失点2」で首位独走中の神戸のワンサイドゲーム。前半38分、沢のスルーパスを大野がシュート。GKがはじいたボールを川澄が押し込んで先制。川澄は後半15分にもゴールを決め、終わってみればシュート15本の神戸が、4本の千葉に力の差を見せつけた。
それにしても、今季のなでしこリーグは完全に「1強・8弱」の図式となっている。2位を争う日テレ・ベレーザ、岡山湯郷ベル、新潟レディースでさえ神戸とのレベル差は際立っており、一部サッカー関係者は「なでしこリーグ全体のレベルアップ、女子サッカーの底上げにつながらない」と憂慮する。
しかし、この「1強・8弱」を歓迎する声が大きいのも事実。某サッカー記者がこう言う。
「神戸の代表7人は知名度抜群だし、チームには韓国代表司令塔のチ・ソヨン、美人FWとして大人気の南山らもおり、まさになでしこ版ドリームチームなのです。この人気・実力を兼ね備えた神戸は、アウェイのスタジアムに出掛けるたびに多くの観衆を集め、
試合を主催する相手チームに以前では考えられないような入場料収入をもたらします。神戸が行く先々でマスコミなどの注目を集めることで地元チームへの関心も飛躍的に高まる。本当に神戸さまさまです」
J1観客動員力トップの浦和が2000年にJ2降格。1年でJ1に復帰したが、J2常連クラブの関係者は「5年に1度のペースで降格して欲しい。1万人、2万人単位の浦和のサポーターが来てくれると財政的に大いに助かる」と真顔で話していたものだ。神戸はなでしこリーグの屋台骨を支えているのである。
日刊ゲンダイ 2011/9/24
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