なでしこジャパンに出版界ラブコール 狙いは監督?
ドイツで開催中のサッカー女子W杯で初の準決勝進出を果たしたなでしこジャパンが、早くも出版業界から熱視線を浴びている。
男子では昨年の南アフリカW杯で16強入りした代表メンバーの著書が立て続けにベストセラーになっており、男子以上の成績を挙げた女子は、大会が終わる前から争奪戦≠フ様相を呈しているのだ。
9日(日本時間10日)の準々決勝で優勝候補の地元ドイツを1―0で破り、初のベスト4進出を決めたなでしこジャパン。出版関係者は「男子サッカーでは代表選手の本があれだけ売れてますから、女子への期待も大きい。既に選手の親に連絡を取った出版社もあるようだ」と指摘する。
男子の日本代表で最も売れているのは、主将のMF長谷部誠(27=ヴォルフスブルク)が書いた「心を整える。」(幻冬舎)。既に85万部を突破し、100万部も確実とみられている。
100万部を超えた本は、今年は一冊もなく、長谷部の著書はすべてのジャンルを含めて年間トップになる可能性が高い。
またDF長友佑都(24=インテル)の「日本男児」(ポプラ社)も30万部を突破した。
女子は男子に比べ知名度が低い点が気になるが、「男子でも本田圭佑に比べて知名度の落ちる長谷部の本が最も売れているし、大事なのは中身。むしろ今まで知られていない方が、一気にブレークする可能性がある」(同関係者)。
そうした中、出版業界が最も「本を出したい!」と熱望する選手は、ドイツ戦の決勝ゴールを挙げた丸山桂里奈(28=千葉)だ。丸山はかつて東京電力マリーゼに在籍したことがあり、東日本大震災での原発事故の際に「東電は悪くない」とブログに書き込んで炎上したことがある。
「『東電は悪くない』というところだけクローズアップされたが、彼女は『一生懸命原発内で戦ってる東電作業員がいることを忘れないでほしい』とも書いている。福島第1原発で働いていたこともあり、サッカーに加えて原発のことも書けば確実に売れる」(大手出版社関係者)。
丸山以外では主将のMF沢穂希(32=INAC神戸)やドイツで活躍するFW永里優季(23=ポツダム)、安藤梢(29=デュイスブルク)らの人気も高いが、選手以上に注目されているのが佐々木則夫監督(53)だ。
「組織論≠ニして書かれた本は多いが『女性の部下にやる気を出させる方法』という内容の本はあまりない。実際に『なでしこジャパン』を率いて結果を出した佐々木監督の言葉なら説得力が違うでしょう」(同)。
プロ野球・楽天の野村克也名誉監督(76)など、スポーツ関係の書籍を数多く手がけてきた出版プロデューサー・渡辺拓磁氏は「最近のサッカー本は組織論≠ニして書かれているものが多く、企業の経営者や管理職によく読まれている。
佐々木監督の女性の組織論≠ネら、ベストセラーになる可能性が高い」と指摘する。
ベスト4進出でもここまで過熱しているだけに、もし優勝でもしたら出版社によるなでしこ争奪戦≠ヘさらに激しくなりそうだ。
東スポ芸能 2011/07/13
http://g.tospo.jp/v/entame/ArticleTop.asp?uid=1&sid=BWT7&Cornerid=004&Entid=0000032518 2011年07月14日(木)付の東スポ「女子W杯準決勝進出のなでしこジャパンに出版界が熱視線」
http://www.tokyo-sports.co.jp/touspo.php?tid=519