ジーコ監督でなぜ日本代表は弱くなったのか?10

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579.
「ジーコのやりたいことが見えない」よく言われるところだ。
ジーコがやりたいのは往年のブラジル代表チームのクローンと言われていたが。

でもこれは間違いだと思う。
日本人選手にブラジル人みたいな個人技あるわけじゃなし、不可能だ。
ジーコは各選手の能力を買いかぶりすぎだ。
高原がロナウドになれるわけないのだ。加地がカフーなわけないのだ。

対してトルシエは一体何をやりたかったのか?と改めて考えると全く逆なことに気付く。
トルシエ戦術はフラット3、フラット3とよく言われる。
攻撃食らったときに逆にDF3人がフラットになって上がって極力オフサイド取れ!という戦術がフラット3。
後ろを押し上げて中盤をコンパクトに、オフサイドを狙って取れ、というの自体は
レアルマドリードでもどこでも現代のサッカー戦術では流行の近代的な戦術。

でもそれをもっと極端に無茶にやれってのがフラット3。
当然うっかりうまいこと後ろ取られたら、DF陣全員一気に抜かれてキーパーと1対1のシーンになる、
ものすごいリスキーな戦術だ。
フラット3はそんなわけで危なっかしい状況を生み出すこともあり、批判も多かった。
でも今考えるとトルシエの意図が理解できる。トルシエは日本人DFには敵からボール
奪うなんて鼻からできないと考えていたのだ。
なので、もうリスキーなの承知でオフサイドだけ狙う代わりに、押し上げまくって攻撃にも
参加しまくる超攻撃的なディフェンス思想を取っていたのではないか。

ジーコの日本人選手の能力を買って信頼するのとは正反対。
580.:2008/11/22(土) 23:22:21 ID:4lGpZpJB0
トルシエの特徴的な戦術に、FWに守備を要求することがある。
ボール貰いに戻れ!というのもある。
そしてMFにはFWを追い越して飛び出せ!だ。
FWを下げてDFを上げてという、「中盤をコンパクトに」思想の極端なのを狙っている。
これはなんなのか? これはFWにFW的にドリブルで持ち込んでゴール奪う
なんてのを鼻から期待してないのだ。
FWはあくまで「おとり」。混戦に持ち込んで森島や中田らMFが追い抜いて飛び出して不意を突いてシュート。
これまた日本人FWには相手DFを抜いてシュートなんてできやしねぇ、と期待してない考え方だ。
FWがFWじゃないとか、DFがオフサイドしか狙わないとか、かなり革新的なトルシエ流トータルフットボール
的なもんだったように思う。
トルシエは何がやりたいんだ?と最初は思ったものだけど、今思えばやってることにすべて辻褄が合うのである。
が、今思えばこの日本人選手の1対1の個人能力に全く期待しないという戦術はピタっとはまってたんじゃないか?

ジーコは日本人選手にブラジル人的役割を期待しているが、実際にはFW陣は相手DFをやっぱり相変わらず抜けず、
DF陣はやっぱり相手FWをまともに止めれずヒヤヒヤシーンばかり。

同じヒヤヒヤならリスキーな代わりにフラット3で思いっきりDF陣も上げて中盤で超パス回ししたれ!
という発想は正解だったんじゃないか。
フラットかどうかは別にしても、とりあえず3バックでオフサイド狙い中心ってののほうが、
ジーコの4バックや3バックでちゃんと普通にマークして止めるってのよか、MFの人数増えていい気がする。
攻撃面でもMFの追い越しで得点狙う戦術はもっと追求したらおもしろいと思う。
日本のサッカー界は「得点能力のあるMF」という人種がやたら人材豊富だし。(たぶんキャプテン翼のせいだ)

明らかにトルシエ時代の日本代表のほうが強く感じる。
トルシエは選手交代とかとんでもなくドヘタで何もできない人だし、選手選びも好き嫌いで選んでる
臭いとこあるし、アレな人だが、やろうとしてた戦術自体は日本サッカーに向いていたように思う。
絶対対戦相手からしてもジーコの日本代表は普通のアジアのチームで、怖さを感じないよ。
581.:2008/11/22(土) 23:23:05 ID:4lGpZpJB0
トルシエ時代のFW下がってDF上がって、やたら中盤に人間うじゃうじゃでめちゃめちゃパス回し
で相手翻弄という異様なサッカーのほうが、敵には脅威だったろう。
(何で本来MFの中田浩二をDFにしてるんだ?というトルシエの謎もこれで解ける。DFなんて居ないのだ。
DFもMFなのだ。総MFこそがトルシエジャパンだったのだ)

イタリアとW杯前に対戦したときでさえ、あのイタリアがパス回しに翻弄されてたじゃないか。
あの辺りだけはワールドカップでもやっぱり世界レベルだった。

変にブラジルを当てはめるんじゃなくいいとこを伸ばして欲しいなあ。