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2008/10/29(水) 11:45:20 ID:HVxj14a70
フットボールの熱源
サッカーとは次々と味方にフリーの人間を作っていくゲームだと言える。
人を余らせていってできれば最後にGKと1対1の状況を作る。
ではどうやって・・・。
たとえば、相手を引き寄せれば、その背後に味方がフリーになるスペースが出来る。
だが、技術の低い選手は十分に引き付ける前にボールを放してしまう。オランダでは何メートルまで相手を引き寄せられるかによって、
「この選手は年俸5000万円、あの選手は2億円」と評価するらしい。
オーストラリア代表のピム監督(元大宮監督)などオランダの指導者と仕事をともにしてきた大宮の中村順コーチは
「その指標をもとにすると、日本最高の選手は間違いなく遠藤(G大阪)なんです」と言う。
「遠藤には複数の相手のプレッシャーの矢印がどう向いているかが読める。できるだけプレッシャーを吸収して、
しかも矢印が向ってくる方向にパスを出せる。」中村コーチの言葉遣いは独特だが、つまり前から相手が寄せてきても、
パスを後ろや横に逃がさず、向ってくる相手の背後に通せるということだ。そこにはフリーの味方がいる。
寄せては、ぎりぎりのところでボールを放される相手は「えっ」という感じで腰砕けになる。
その作業は、職人芸といえるあのPKと共通する。GKが先に倒れるまで、ゆったりと待って、空いたところに転がす。
持って生まれた特殊な感覚で、GKの体重がどちらかに掛かったかを読み取り、プレッシャーの矢印の向きを読む。
駆使するのはほとんどすべてがインサイドキック。「子供たちはロナウジーニョのような派手なプレーにあこがれるけど、
遠藤のプレーこそをスタンダードにしてほしい」と中村コーチは説く。遠藤のプレーはシンプルに映るが、奥が深い。