ジーコのやり方は間違っていた4

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ジーコの退任会見での「世界との体格差を感じた」という言葉には日本中が
唖然としたと思いますが、そんなことは誰もがわかっていること。
筋力についてはもちろん少しずつ改善するにしても、そうした日本人の短所
を、オシムも言ってくれた長所、つまり敏捷性や持久力、テクニックや戦術的統制
といったアドバンテージを活かした戦術・戦略をとってこそ監督は仕事を果たした
と言えるはずです。
常時数的優位を作る、前線からプレスを連動的にかける、それらを実現するために
ラインを上げてコンパクトにする、結果ゴール前でのスクランブルや安易な1対1を作らない…。
ラテン特有の筋力の強さはあるにせよ、同じような体格のメキシコはそうしたことを実践し、
強豪と渡りあっています。
ドイツで惨敗した日本のように守備の約束事もなく後ろに退いて守っていては、
守れもしないし、奪ってから相手ゴールまでたどり着けるわけもないのです。

また、モチベーションマネージャーとしての資質にも疑問符が付きます。
「選手として偉大な経歴を持つが指導者としての経験が浅い」こんな監督が成功する時、

それはしばしば偉大なモチベーションマネージャーである場合が多いと思います。
スタープレーヤーをコントロールしつつ、チームとしての緊張感を保ち、一体感の
中で闘う集団とする。
しかし、ドイツでの日本代表は一体感に欠け、チームの和も闘争心も感じられない、
核家族の現代っ子の集まりのようなぬるいチームでした。
戦術的スキルが低い上に、モチベーションも維持・向上させられないようでは…。

今一体感に欠けるという話で、ヒデの強烈な個性のせいでチームがひとつになれ
なかったという意見もありますが、これはヒデの問題ではなく、監督のマネージ
メントの問題だと思います。
ヒデの表現や性格に難しい面があったとしても、ヒデの主張は日本代表に必要なもの
であったと思うし、ジーコもそう思うのなら彼を孤立させることのないよう、
マネージメントするべきでした。
またジーコがヒデの選手としてのポテンシャルを差し引いても、チームに悪影響を
与えると思えば、代表から外すことも考えるべきだったと思います。
まあ、そんなことできないと思いますが。
でも、ヒデを煙たがってる選手がもしもいたなら、その選手もどうかと思いますね。
じゃあ、ヒデ以上のパフォーマンスを、闘志を見せてくれたのか、って言ったら、
少なくとも伝わらなかった。まあ、ベンチにいたのかもしれないけど。
そんなちっちゃいことじゃなく、勝利に向かって一丸となってくれよ、と。