宇都宮徹壱

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例えば今日の会見で「今後も巻には先発のチャンスを与えるのか?」という質問があった。
確かに、今年5月9日のキリンカップ・対ブルガリア戦以来、巻は代表でのゴールから遠ざかっている。
6試合連続でスタメン起用されながらも、結果を出せないことについて、その実力を疑問視する声が
出るのも当然の話なのかもしれない。しかし、それでもオシムは巻をかばい、このチームにおける
彼の存在意義を主張する。

「巻が果たす役割は、汚れ役だ。大事な役割を果たしていることを忘れてならない。
相手のゴールとハーフウエーラインの間を走り回り、時にはスライディングタックルまでする。
そういうFWがほかにいるだろうか?」

確かに今日の巻は、いつも以上に前線で“鬼プレス”を掛け、相手の攻撃を遅らせることに少なからず貢献していた。
こうした目に見えにくい、記録に残りにくい選手の働きというものを、オシムは何より尊重する。
こうした、記録に表れない功労者の存在こそが、実のところ、現在の日本代表の屋台骨を支えている。
そして、そういった選手たちに対して、ありったけのリスペクトを惜しまないのが、指揮官・オシムの本質だったりする。

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/column/200611/at00011273.html