バルサ惨敗の原因!? ロナウジーニョPS3に没頭 忙しい(?)
合間に子どもたちへ心温まるメッセージ
http://www.zakzak.co.jp/spo/2006_12/s2006121812.html ロナウジーニョ不発はプレステのやり過ぎ?!
サッカークラブ世界一を決める「TOYOTAクラブW杯」決勝は、欧州王者バルセロナ(スペイン)が
インテルナシオナル(ブラジル)に0-1で敗退。優勝候補の筆頭と目されながら、
バルサの世界一はならなかった。
長時間の移動などで体調不良も指摘されたロナウジーニョだが、実はホテルに引きこもって
ゲーム漬けの日々だったという。これも、気楽に外出もままならないスーパースターならではの“悲劇”といったところか。
6万7128人の大観衆が呆然と立ちつくした。
ドイツW杯では準々決勝でまさかの敗退を喫したブラジル代表。ロナウジーニョにとっては、ドイツの借りを
日本で返すはずだった。バルサにとってもクラブ世界一は悲願のタイトルだった。だが、勝利の女神は
最後までほほ笑まなかった。「一言でいうと悲しみだ。でも人生とはこういうもの」 試合後、淡々と話したロナウジーニョ。
敗戦を引きずることなく、「われわれには帰って大事な大会が待っている」と、欧州No.1を目指すチャンピオンリーグの
『連覇』に心を切り替えた。
図らずも、「寝不足と時差でわれわれが不利」と言い続けていたロナウジーニョの“予言”が的中した格好だが、
調整不足の原因はそれだけではない。
ロナウジーニョは11日に来日するや、スペインではまだ発売されていない「プレイステーション3」を入手。
チーム全体で出かけた秋葉原へのショッピングも辞退し、横浜のホテルに引きこもって一人、PS3に熱中していたというのだ。
同行したスペイン人記者によると、「PS3を入手したロナウジーニョは『これが最高に欲しかったんだ』と大喜びだった。
PS3はまだソフトがそろっていないこともあって、PS2用のサッカーゲームに自分自身を“登場”させてプレーしまくっていた」という。
来日してからというもの、ロナウジーニョの元には取材のリクエストが殺到。「5分でもいいからロナウジーニョを出せ!」
と同行した記者団も殺気立つほどだった。プレステをやるヒマがあるのなら…と思いたくなるのも当然だが、
今やロナウジーニョはサッカー界の王様。年俸は13億5000万円だが、このほかに、CM出演の副業などで
年間32億円を稼ぎ出す。日割りにすると、実に1247万円(!)。
これでは1時間拘束の取材など不可能といっていい。
だが、そんな“神の領域”のロナウジーニョも、大会最終日に人間らしい一面を見せた。日本サッカー協会の要請で
色紙3枚に直筆メッセージを寄せたのだ。サッカー協会では子どもの健全育成に貢献するための「こころのプロジェクト」を
来年4月に立ち上げる。
同プロジェクト推進室が来日前から依頼し続けていたが、決勝戦の直前になって、「そんなことならお安い御用」と快諾。
色紙3枚に「生きろ!生きろ!生きろ!強くあれ!自殺なんかするな!」「絶対に夢をあきらめるな。きみの人生を精いっぱい生きろ」
「人生は美しい。心にたくさんの喜びと愛を持って生きよう」とメッセージをしたためた。
今でこそスーパースターのロナウジーニョだが、ブラジルの貧しい家庭で生まれ育ったことから、激しいいじめや差別も経験してきた。
それだけに、日本でいじめやそれに伴う自殺者が急増している現実を聞かれ、他人事とは思えなかったようだ。
18日午前、チームとは別の便で帰国の途についたロナウジーニョ。バルサは来年夏にアジア遠征を行う予定で、すでに
北京で試合を行うことが決定。日本遠征も実現の方向で検討されている。
レッドソックスに移籍した松坂大輔と同じ26歳。
華麗なプレーと色紙3枚を残し、代わりにPS3をお土産に持ち帰ったロナウジーニョは、今後、どのような成長を見せるのか――。
(夕刊フジ編集委員・久保武司)