現代サッカーにおいて完全にマンマークだけ、完全にゾーンディフェンスだけなんて戦術はありえない。
どのチームでもこの二つの守備戦術をある程度併用しながら現実の戦術運用を行っている。そんなのは
当たり前の話で、わざわざ語るまでもない事。まあそんな当たり前の事も分からずにゾーンディフェンスだけで
すべての戦術運用を賄おうとした馬鹿監督がトルシエなんだが。
ヒディンクは変幻自在の戦術を取るが基本的には、マンマークが主だ。そして何度も指摘している通り
マンマーク主体のサッカーは日本人の能力適性にあっていない。また
>>86でも書いているようにゾーンディフェンス主体
だからってマンマークを全否定する訳ではない。時にはゾーンを放棄して個人につかなければならない状況だって
十分ありえる。
しかし例外を増やせば増やすほど、ゾーンが薄くなって局面での守備力が上がっても全体としての守備力は
逆に低下する。だからマンマーク適性の低い日本代表の場合、ギリギリまでゾーンディフェンスで守って、
それでもどうしても守り切れない時に限定してマンマークに切り替えるという戦術選択が必要になる。
その判断の分かれ目を教えるのが監督の技量でもある。
現在主流のDFラインをフラットに揃えて押し上げるゾーンディフェンスというのは、元々南米の高い個人技に
対抗する為に欧州が考えた組織戦術だ。最終ラインを押し上げて、前線から守備ラインまでの距離を縮め、
選手を狭いエリアに集中させる事であらゆる場面で強力なプレスをかけて高い個人技を持った選手の動きを
封じ込める。高い個人技にマンマーク戦術だけは対抗しきれないからゾーンディフェンスが発達したの。
ド素人はまずこの基本すら理解していない。
ヒディンクが指摘するように確かに高いラインを保ち、守備をゾーンで受け渡すゾーンディフェンスは、
個々の選手に深い戦術理解と高度な判断力が要求され、マンマークディフェンスより不安定性は否めない。
しかし逆に言えば、これが壺に嵌れば個々人の実力を遥かに超えた爆発的な組織力をも生み出すのが
この戦術の利点でもある。つまり技術面でも体格面でも圧倒的に劣る日本代表が、世界の1流国と
伍して渡り合う可能性を考えるなら、例えリスクの高い戦術であっても戦術熟成を高めてそれを克服していくしか
道はないと言うこと。ま、ド素人には話が高度すぎて理解不能なんだろうがな。