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準決勝 アルゼンチン戦
順々決勝の壮絶な試合を制したのは開催国ドイツではなく、
死のC組を全勝で通過したアルゼンチンだった。
奇しくもフランス大会の初戦の相手。神はまだ忘れ物があるといいたいのか。
因縁についてたずねられたカズは、一言、
前夜岡田監督から電話があり激励を受けた事実を語る。
スタメン出場のカズは開始1分、簡単にポストをすると見せかけ突然反転、
まだ準備の出来てなかったアルゼンチンDF陣を置き去りにし
あっという間の先制点を挙げる。これまでに無いほどの咆哮を見せるカズ。
この劇的な点が日本イレブンに力を与えた、アルゼンチン相手に互角の、
いや互角以上の戦いを見せる選手達。必死さがスタンドにもつたわるのか、
ドイツの観客も日本を応援し始め素晴らしいホーム状態。
後半26分、エリア内で進入してきた福西が倒される。PK。
スタンド上に湧き上がるカズコール。キッカーはカズ。
豪快に蹴ったボールはキーパーの手に触れるもそのままゴールへ、
ゴール裏に走り喚起のポーズを見せるカズに起きたのは、
スタジアム全体に響き渡るキングカズコールであった。
2−0この大会初めての完勝を準決勝、アルゼンチン相手に得る。