中田英、フィオレンティナでは戦力外危機 モンドニコ監督ガッカリ
【フィレンツェ(イタリア)22日=寺下亨、倉石千種】セリエA・フィオレンティナのモンドニコ監督(57)がMF中田英寿(27)の体調が戻らない限り、リーグ戦で起用しない方針であることが22日、明らかになった。
前日のスポーツ報知のインタビューでも、チームの中心とした“中田システム”の撤回を示唆。22日のパレルモ戦で遠征メンバーから外れた中田は今後、カップ戦要員に“降格”させられる可能性が高まった。
カップ戦要員に降格も
誤算だった。期待が大きかった分だけ落胆も大きかった。モンドニコ監督は近い関係者に、こう漏らしていた。「もし、中田がカリアリ戦(19日)のようなプレーを続ければ、結果的に私が責任を問われる状況になる」
リーグ戦デビューとなった19日のカリアリ戦で、中田は後半22分から途中出場。パスミスやトラップミスもあったが、FKでは2度の見せ場も作った。
公式戦復帰となった15日のブレシア戦(イタリア杯)では、ほとんどボールに絡むこともできなかったが、カリアリ戦のパフォーマンスは、より指揮官の印象を悪くしていた。
指揮官は中田に大きな期待を寄せていた。股(こ)関節痛のリハビリ期間中も「司令塔は中田しかいない」と明言。チームの中心に据えた4―2―3―1の攻撃的なシステムを理想に掲げてきた。
だが、本紙とのインタビューの中で「1つのアイデアであって戦術を変えることはある」と路線変更を示唆。けがによるブランク明けということを差し引いても、落胆の色は隠せなかった。
モンドニコ監督はトリノを率いていた2000年3月5日にASローマと対戦し、中田のアシストでローマが1―0で勝った。その時の印象が強く指揮官の脳裏に残っていたが、4年という月日は長かった。
「今後は無理して起用するつもりはない。それならばイタリア杯のブレシア戦(29日)で先発させた方がいい」と関係者に話し、26日のリーグ戦(対サンプドリア)でのメンバー落ちを示唆。監督の期待に応えられない司令塔は、早くも“戦力外”のピンチに陥った。
http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=sports&d=20040923&a=20040923-00000005-sph-spo