一寸に満たない剣士の刃は鬼を倒すことが出来るのか?
正体不明の笛吹きの音色は鼠を退治することは出来るのか?
出来る、出来るのだ
見よ!異形と化すまで縮み込まれた体
見よ!万力の如く市民を締め付ける多額の報酬
そこから放たれる恐怖の展開を見る者は立ち読み禁制の場にて話の展開を楽しみにページをめくる二人の子供
桃太郎の剣名が日本一帯に広がり最盛期門弟千匹を越えるほど隆盛を示したのには理由がある
他種のもの丁重に扱うべし
たおすことまかりならぬ、満腹にして帰すべし
かかる者の姿は「黍団子旨し」を世に知らしめ桃太郎の名声を高むるに至るなり
「お猿さん、お待ちくださいやし」
「なにか用か」
「へえ、あっしの柿がまだにございやす」
猿の契約不履行を咎めたのは柿の木の持ち主・蟹
「おお、忘れておった」
ゴッ
猿が支払ったのは青い柿であった
甲殻類一匹、無礼討ちにしたくらいでは他種族は動かぬ
そう自惚れていた
じいさま「あの折ばあさまを狸汁だと騙し食わされた恨み忘れようとて忘れられぬわ。狸が一族根絶やしにしてくれる」
じいさま「首級じゃ兎、狸の息子の首級をこれへ。伊良子藤木(兎)のうち仕遂げた方を恩人とする」
前年、
師範クマーより熊殺し印可を授かった金太郎の拳は、
無斧であろうとも凶器そのものである。
継母「パーティーに出席したければ王子様にお願いしては」
義姉「王子さま御指名の招待状ならば貴方だって出席可能にございますよ」
シンデレラ「お、王子様」
王子様とは、
昔々あるところの王国の第一王位継承者であり、
並の貴族以上の家蔵を構え、
親衛隊十三人緩々と暮らし、
王権の威光を楽しむ身分の者である。
シンデレラの身分では王子様に謁見することなど到底不可能である。
シンデレラ「母様姉様、貴方たちはそれをわかっていながら」
11 :
さく・え/ななし:2006/02/22(水) 04:09:21 ID:x89FGeem
その爺の頬には、柿ほどの瘤がある。
二年後、
父親の買ってきたお土産が、
ちびくろサンボをおしゃれに変えていた。
そのちびくろサンボが、
虎に捕獲されていた。
万事休す、
そう思ったとき、
虎の拘束が緩んだ!
虎の眼が見ているのは、
サンボではなかった。
(生意気なもの身に付けてるなあ……)
サンボの装いはシャツにズボンに靴に傘という姿。
白人支配下植民地原住民という身分のサンボには、
着用することの許されぬ出立ちである。
「サンボどの。今宵の晩御飯は虎バターにございまするか」
傾国の美女とうたわれた尼僧、
玄奘三蔵法師のお供に、
斉天大聖他と恐れられた三人の弟子がいた。
全裸の王を嘲笑うことなど不可能であった
「「ぬふぅ」」
ぐりとぐらは今日も同時に達した。
鬼の城での魔の宴より六日後
村を離れること七里可児川にほど近き場所
温羅の魔手より師を守るため一刻たりとも村を留守にしたくない犬であったが
桃太郎「これを怠ることまかりならぬ!」
師の命令は絶対である
門前にて笑みを浴びせ悠々と道場に踏み入る
ぶっ
ほどなく奥へと通されると島主の鬼大将は門弟指導の宝物なるものを差し出した
間の月十五夜近き頃看板に鬼が島と書かれた島を巡り同様の所作を繰り返すこれは
「鬼許し桃参り」と恐れられた若き日の桃太郎の路銀調達法であった
赤ずきん「どうしておばあちゃんのお口はそんなに大きいの」
牛股「それはね」
ちょ
藤木www
牧草地を求め遠出したちいさなやぎのがらがらどんは霧の中で奇妙な光景に出くわした
早朝 橋の上で男がうずくまっている
「物狂いか」
男に構わず歩み始めたちいさなやぎのがらがらどんは恐るべき事実に気付いた
「人に非ず!」
さらに恐るべき事実
うずくまっているのではない
男は既に構えているのだ
あの折
儂がグレーテルの指と思うたのは小枝
はかった喃
はかってくれた喃
金太郎がマサカリをかついだら用心せい
正気にては玉の輿ならず
「シンデレラの姉たちは足を切ってガラスの靴に押し込みました 」
社交道はシグルイなり
玉手箱という器は…
ひとたび
ひとたび蓋を開けば二度とは
二度とは
(何が出来るというのだ その体格で…)
(小さい!小さすぎる)
一寸法師は最小の斬撃で倒す
三寸切り込めば鬼は死ぬのだ
26 :
さく・え/ななし:2006/02/24(金) 19:21:42 ID:CdKvdAzG
あげ
桃太郎「お、鬼〜」
外人「鬼ではありませぬ!鬼では!」
王妃「とぼけまいぞ。うぬらも鏡と同じく白雪姫の方が美しいと思っておるのだろう。白状せえ!」
王様「誓うて左様なことは…」
(王妃が鏡を王の頭に叩きつける)
四十九日ぶりに、誰が最も美しいか鏡に尋ねた王妃は鏡の答えを聞くや憤怒の形相に変じ
王妃「儂の目は節穴ではない。うぬらも白雪姫の回し者ならん!」
それ以上の事情説明は不可能となっている
王妃「口では何とでも申し開き出来よう。
儂の方が美しいと思うならば…娘の肝にて身の証を立てい!」
狩人「し…白雪姫の肝と?」
王妃「 明 朝 じゃ 」
西フリースランドの小都市フラネッカーを血に染める猟奇事件
"子どもたちが屠殺ごっこをした話"の幕開けであった
絵本じゃなくて童話や昔話になってるな
もっと絵本よりのネタ振りしてくれ
>>29 王妃の執念であろうか
毒りんごのかけらが白雪姫の喉につっかえた
毒か!
白雪姫が世界で一番美しい人の名声を失うのはまさにこの夜である
赤ずきん「お祖母さま…
これが我が家で作った――」
・・・・・・
赤ずきん『誰じゃ!?』
祖母の顔が別人に見えたのは日も暮れかかった薄暗さゆえ
赤ずきんは自分にそう言い聞かせた
祖母の瞳孔が犬科動物の如く拡大した
失うことから全ては始まる。
白い馬「その時が来たら、私は血も心も捧げます」
正気にては大業ならず
スーホ「憎い 憎い憎い」
馬頭琴はシグルイなり。
さらに、兵十が懐中で手にしたものは火縄銃と呼ばれる鉄砲である。
それはおよそ一切の書物に
聞いたことも見たこともない奇怪な桃であった
これは尋常の桃ではない
読めぬ……中身が全く
爺さま
切る
切るのです
一尺七寸のナタを神速にて操る爺さまの腕は
包丁であろうと容易に人体を破壊しうる
油断したか桃太郎・・・
桃の中で正中線を抜かれるとは・・・
赤ん坊、正中線より血を流しつつ、
桃太郎「ようやく外に出られ申した
桃中の月日今は悔ゆるのみ
今日ただいまより親子の礼をとらせて頂きたく…」
ピウ
我が家は芝居をするところではござらぬ
桃太郎「て、てめえら」
桃!俺の桃!
桃太郎「どけ!己の桃だ」
婆さま「桃は食するためのもの
逃げ込む場所ではありませぬ」
この時桃太郎が見せた跳躍は
鍛錬によって到達しうる領域を明らかに凌ぐものである
爺さま「彼奴め 天稟がありおる」
婆さま「否、彼奴はすくたれものにござる」
爺さま「黍 を も て」
桃の中より生まれ出でた赤子は
生まれたその日に二本の足で飛び回り、人語を話した
五月目には近所の黍畑を食い荒らし
四つの時には十三歳の子供の黍団子を奪い取った
九つの時には人外の言葉を解し
十二の時には「日本一」と称する浪人者と立会い、これを打ち負かした
爺さま婆さまを相手にするよりも、はるかにたやすいことを知った
いや、それなら爺さん婆さんが鬼退治にいけよw
>>47 爺様が
心の平衡を失ったのは
いつの頃からであろう
神妙である筈の
指の動きを 制御
できぬと自覚した時
ではなかったか
おつかいの用事を帯びた赤頭巾が祖母の家に入った頃
すでに夜が明け始めていたが
家の中で奇妙な光景に出くわした
ベッドの中で老婆が横になっている
詳しい容貌は判別できぬがどうやら祖母らしい
赤頭巾「どうしてそんなにお口が大きいの?」
かまわず問いかけた赤頭巾は
恐るべき事実に気付いた
赤頭巾『おばあさんにあらず!』
さらに恐るべき事実
寝ているのではない
それはすでに構えているのだ
「こやつは、こやつがおばあさんを…」
明朝
仮死状態となった赤頭巾がいたのは
狼の腹腔の中であった
明朝
死体となった蝶がいたのは
ハナカマキリの胃袋の中であった
>死体となった蝶がいたのは
>ハナカマキリの胃袋の中であった
>>49のコピペ元は野生動物板にござるか
「うぬか ぽちを殺めしはうぬか」
爺が灰を担いだ
花咲か爺さんの必勝形である
狸「あの折わしが泥舟を作りたるは兎が指図。はかった喃、はかってくれた喃」
>>46 桃太郎「…日本一(と称した浪人の死体)が発見され申した」
婆さま「一刻も早く下手人を仕立てねば。
まごまごしていると、世間が気づきはじめまする。
お上の聴取が始まってからでは遅いのです!
一度口にした言葉は二度とは戻りませぬゆえ」
爺さま「遠方の下手人を立てる」
桃太郎・婆さま「!」
爺さま「下手人を討伐するため、ただちに旅立つ。
そうでなくてはお上の追及から逃れられぬ」
桃太郎・婆さま「…」
爺さま「誰でもよいというわけには参らぬ。
それなりに腕の立つ下手人でなくては」
桃太郎「鬼が島の鬼などは」
爺さま「ふさわしかろう」
56 :
さく・え/ななし:2006/03/04(土) 14:47:01 ID:H/MnEyEP
雀の学校の先生「痛くなければ覚えませぬ」
兎「まことお痛ましや」
プギュ、プギュ、プギュ(婆汁を食う音)
兎「仕置きつかまつりまする。奥方様をかかる破目に陥れた狸を仕置きつかまつりまする」
昏倒した白雪姫の口中には毒りんごが押し込められていたが
小人の家に毒りんごを持ち込んだ者など誰一人として目撃していなかった
そして
始まりの一息は走り
響く
藁の家が地に崩れゆく音
狼を迎えたその国で
荒ぶる豚どもは知る
始まったのだ
狩りが
己たちが狩るのではない
己たちが狩られるというのだ
豚どもは微笑む
そんなことを敵に飢えた
己のこの無敵の家が
許すと思うか?
残酷無惨絵本劇
新章開幕
>>60 「兄者は藁の家であったな」
豚の家には藁の家、木の家、レンガの家の三つがある
用心せい
敵は相当の者ぞ
オオカミは息を吸い込んだ
オオカミの必勝型である
次兄「うぬか
兄者を喰らいしはうぬか」
次兄は木の家を組んだ。
子豚流建築の必勝形である。
肺活量、風速ともに木の家を凌駕する息であった。
油断したか兄者。木の家を吹き飛ばされるとは。
「お前さまは命がいらぬのかえ。
三匹の子豚の童話…あれは偽りではござりませぬ」
「子豚を食ろうただけで死ぬるものなど」
まーぬけなおおかみ がうがう
ななひきのこやぎ おーそったら
あーかいはーな(開腹手術) さーいた
むーざん むざん
「この絵本を描かれたのはアンデルセンどのの差配であったな」
「いかにも」
「血迷われたか」
「なんと申される」
「跛足のカーレンに赤いくつをはくことは出来ぬ。
赤貧のマッチ売りには夢を見ることすら許されぬ。
ならば、この絵本…
このような童話と呼ぶに値せぬ見世物にて書店店頭を汚したとあれば
いよいよもっておかあさま方に申し開きできぬ羽目に陥り申す」
「否!」「…」
「見られい読者どの」
「不屈の闘魂を持った少女にあっては 自己に与えられた過酷な運命こそ
かえってその若い闘魂を揺さぶり ついには…」
71 :
さく・え/ななし:2006/03/09(木) 07:40:41 ID:Plqizn8S
息で…
子ブタ相手に大工道具は用いぬ
狸「かっち かっちいうのはなんだべな。」
兎「かちかち山のかっちんどりさ。」
狸「ぼうぼういうのはなんだべな。」
兎「ぼうぼう山のぼうぼうどりさ。」
じゅうう・・・・・・ぶすぶすぶす
形容しがたい異臭がたちこめ焼けた脂肪が山にしたたり落ちた
「うぬか うなぎを盗みしはうぬか」
兵十が火縄銃をかついだ
あの折服を脱いだは仕立屋が指図
はかった喃
はかってくれた喃
仕置きつかまつりまする
王様をかかるはめにおとしいれた仕立屋を仕置きつかまつりまする
光が熱を持つ。
冷気をはらむ風が吹く。
コートを深く着込んだ旅人に
北風と太陽は対峙する!!
腹の辺りがじわりと痛くなった
脱糞かと思ったが腹の具合がただ事ではない
井戸に落ちた際自分の腹に感じた「異物感」の真相を知った時
狼平兵衛の心臓は停止した
ようは皮一枚 石詰めによっても狼は死ぬのだ
「どうしてお婆さんの口は裂けているの?」
にちゃああ
二人の鬼の友情が途絶えて
赤鬼青鬼の風評どのようなものになったか?
村人A「八百長?」
村人B「おうさ八百長よ。青鬼どんとの殴り合いは八百長だったそうな」
村人A「なにゆえ赤鬼どんは八百長などを?」
村人B「わからぬか、赤鬼どんにとっては青鬼どんなど八百長のダシに過ぎぬと・・・」
パキイ ドサア
赤鬼「八百長と申したか」
村人A「拙者はさような事は・・・」 パキイ
真実を語ることなど不可能であった
子狐「このお手々にちょうどいい手袋下さい」
それはおよそ一切の人間に聞いたことも見たこともない奇怪なお手々であった
帽子屋(これは尋常の注文ではない
読めぬ…
寸法が全く………)
謀った楠 謀ってくれた楠 バギンズ
目の前のフロドはビルボとは別人である
スメアゴルには明確なのだろうか
失うことから全ては始まる
「幸せの王子」
子狐ノ指ハ常ヨリ一指多く 六ツ御座候
帽子屋評シテ曰ク「狼爪かな?」ト
オオカミの腹部は ほぼ二倍に膨れ上がっていたが
寝込んでいた祖母の形相は 一変していた
いや 一変していたのは形相だけではない
己の牙が向けられたのは 小動物ではなかった
食欲を抑制出来ぬ オオカミの本性が剥き出しになっていたのだ
87 :
さく・え/ななし:2006/03/16(木) 12:28:44 ID:3985fPLB
留守の間に何者かが置いた文
その芳香は 初めて青鬼と会ったあの日 赤鬼を悩ましめたあの芳香であった
赤オニクン。
ニンゲンタチトハ ドコマデモ ナカヨク マジメニ ツキアッテ タノシク クラシテ イッテ クダサイ。
ボクハ、シバラク キミニハ オ目ニ カカリマセン。
コノママ キミト ツキアイヲ ツヅケテ イケバ、ニンゲンハ、キミヲ ウタガウ コトガ ナイトモ カギリマセン。
ウスキミ ワルク オモワナイデモ アリマセン。
ソレデハ マコトニ ツマラナイ。
ソウ カンガエテ、ボクハ コレカラ タビニ デル コトニ シマシタ。
ナガイ ナガイ タビニ ナルカモ シレマセン。
ケレドモ、ボクハ イツデモ キミヲ ワスレマイ。
イツカ ドコカデ マタアエルカモ シレマセン。
サヨウナラ キミ。
カラダヲ ダイジニ シテ クダサイ。
ドコマデモ キミノ 友ダチ 青オニ
赤鬼 (我が家…) 「まこと広うなり申した」
キツネ「あとは待つのみ お前がスープを振舞う時間(とき)を」
しかしこの時キツネが注視すべき部位はスープではなかった
キツネの注意がスープに集中している隙にツルはスープを入れる容器を変化させていた
人間が花を生けるが如き異様な器
ツルの脳裏に甦るものは
平たい皿に入ったスープを出された日の屈辱か
キリギリス「
アリ…
お前は働け
俺は歌う」
働かなくては(冬は)越せませぬ
ブリキの兵隊は心臓を貰うことができるのか?
臆病なライオンは勇気を貰うことができるのか?
できる!
できるのだ!
このとき臆病なライオンが見せた跳躍は
訓練によって到達しうる領域を明らかに凌ぐものであった
「彼奴め、天稟がありおる」
「否、彼奴はすくたれ者にござる」
「勲章をもて!」
94 :
さく・え/ななし:2006/04/09(日) 20:30:48 ID:3WOdiJ22
落ちておる喃
96 :
さく・え/ななし:2006/04/29(土) 21:01:58 ID:NgbUoRV2
過疎スレと申したか
いらぬなら貰うぞ
シグルイ風に絵本を語るスレにおけるレスを具体的に検討する初めての打ち合わせの日、
現れたななしは私たちを前に、ごく当然のことのように静かに言った。
「それでは『日本名作絵本かぐや姫』を始めます。タイトルは『タケトリ』が良いでしょう。」
変わらぬ高揚感があった。
ティル・オイレンシュピーゲルのあまりのトリックスターっぷりにぶちキレた領主は、
ついにティルを捕らえて斬首刑を言い渡した。
刑吏「ほんとうにティルめの首をちょん切るおつもりで?」
領主「なに、悪ふざけは悪ふざけよ、やつを刑場に引き出して、切られる!と思う瞬間、首筋に冷たい水を一滴たらしてやればよいわ」
刑吏「……つかぬ事を伺いますが、殿は『シグルイ』をお読みになったことは?」
領主「ん、なんだそれは」
オイレンシュピーゲルは死んだ。要は水一滴、恐怖によっても人は死ry
母ひつじの不在中
家の扉は完全に閉ざされ
開くことはないが
ゴトン
鍵をはずす音がした
ようやくまことのおかあさんにめぐり会い申した。
人(トリ)違いの月日今は悔ゆるのみ。
今日よりふたたび、実子の礼をとらせて頂きたく…
フクロウはちゅんちゅん申す鳥ではござらぬ
102 :
さく・え/ななし:2006/06/17(土) 12:48:10 ID:L3UqCgyP
土に埋もれたそれは
あまりにも大きなカブであった
「ぬふぅ」
老人達は同時に抜いた
間に合う!そう確信していた
うさぎの俊足はすでに八合目
バオッ!!
(待っていろ、亀!)
猫の十二支への夢は絶たれた
「あのとき元旦を寝過ごせしはネズミが指図
はかった喃・・・はかってくれた喃・・・!」
105 :
さく・え/ななし:2006/07/10(月) 23:30:51 ID:sGftAnpF
腰のあたりがじわりと重くなった
失禁かと思ったが小便の色ではない
目の前の小人を食った際、自分の腹部に感じた「熱さ」の真相を知った時
鬼の心臓は停止した
姫「ホォォ」
要は胃壁一枚。針によっても鬼は死ぬのだ
106 :
さく・え/ななし:2006/07/16(日) 14:14:43 ID:WN/7P96d
おばあさんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃が
ぬふぅ
と流れてきました。
107 :
さく・え/ななし:2006/07/18(火) 22:28:58 ID:0MYac47d
>>106 おばあさんは桃を家に持って帰り、桃を切ってみることにしました。
おばあさん「爺様!」
おじいさん「応!」
おじいさんとおばあさんは桃投げの極意を身につけ
昔話流免許皆伝の業前を持つ剣士である。
108 :
さく・え/ななし:2006/07/27(木) 21:31:14 ID:mCZ9rQiH
この時ひなた丸の放った白玉の一閃は
まさに神速と呼ぶべきものであったが
その回転はひなた丸自身も思いもよらぬものであった
ぶつけた手首が偶然に生み出した新手
この捻りこそ
雲隠流奥技白くもの術の骨子となる技法である
玉はまだなん者ひなた丸を見放していなかった
109 :
さく・え/ななし:2006/07/29(土) 01:28:41 ID:vj1gzFw4
「桃拾いの経験がお有りのようだ」
「一度」
「これは?」
「その折に」
(流れ桃!このような怪しい桃を むやみに食べても良いものだろうか)
(ばあさんはなぜこの桃を・・・)
「!」
(何たる異様な盛り上がり!)
拾った桃の果肉の隆り 米一俵分の腹持ちは充分にするものと覚えたり
「隻腕と盲目の剣士…このような取り組みが…」
「この企み、じいさんの差配であったな」
「いかにも」
「血迷われたか」
「何と?」
「心優しい拾い子では犬ころ一匹殺すことはできぬ
桃生まれの剣士には桃を断つことすらできぬ!
ならばこの鬼退治・・・
このような武勇と呼ぶに値せぬに腕試しにて
折角の息子を死なせたとあれば
いよいよもって仏様に申し開き出来ぬ破目に陥り申す」
「否!」
「・・・」
「見られい ばあさん
不屈の精神を持った剣士にあっては
拾い子(おのれ)を育ててくれた夫婦への恩義(さだめ)こそ
かえってその若い闘魂(たましい)を揺さぶり ついには・・・」
ズズズズズ
「・・・!」
それはおよそ一切の御伽噺に
聞いた事も見た事もない
奇怪な お供であった
「ああ あれこそは桃太郎さま必勝のお供 犬・サル・きじのお姿・・・」
鬼「・・・怪物め!」
111 :
110:2006/07/29(土) 01:41:33 ID:???
「最初の一行 改変されていないと見受けられるが・・・無作法御許しあれ」
112 :
110:2006/07/29(土) 01:50:58 ID:???
凡ミスなれば 再投稿にて・・・
「『桃から生まれた桃太郎』」
「このような名付け方が・・・」
「この企み、じいさんの差配であったな」
「いかにも」
「血迷われたか」
「何と?」
「心優しい拾い子では犬ころ一匹殺すことはできぬ
桃生まれの剣士には桃を断つことすらできぬ!
ならばこの鬼退治・・・
このような武勇と呼ぶに値せぬに腕試しにて
折角の息子を死なせたとあれば
いよいよもって仏様に申し開き出来ぬ破目に陥り申す」
「否!」
「・・・」
「見られい ばあさん
不屈の精神を持った剣士にあっては
拾い子(おのれ)を育ててくれた夫婦への恩義(さだめ)こそ
お腰に付けた 持ち土産(きびだんご)を揺さぶり ついには・・・」
「・・・!」
それはおよそ一切の御伽噺に
聞いた事も見た事もない
奇怪な お供であった
「ああ あれこそは桃太郎さま必勝のお供 犬・サル・きじのお姿・・・」
鬼「・・・怪物め!」
113 :
さく・え/ななし:2006/08/17(木) 05:29:05 ID:kEdCIFeq
これがモチモチの木…
なんという妖しい輝きよ…
「お腰のものを」
鉄砲を預け、悠々と帯皮を解く。
山中に迷う身の上とは思えぬ大胆さであるが、
東京にもない、作法の厳しい料理店は
貴族と近づきになれる機会。
注文の多い料理店は、田舎の山中より安全と思えた。
紳士の顔というものは
ひとたび
ひとたび紙くずのようになれば
二度とは
二度とは
116 :
さく・え/ななし:2006/08/29(火) 22:49:21 ID:x01mruFs
館の主人の瞳孔が猫科動物の如く拡大した
117 :
◆0A6td9LmWY :2006/08/30(水) 00:28:23 ID:P/tPbY4v
119 :
さく・え/ななし:2006/09/10(日) 10:42:41 ID:UBGmH5oz
120 :
さく・え/ななし:2006/09/11(月) 04:35:45 ID:USWTY+l+
121 :
さく・え/ななし:2006/09/11(月) 17:59:15 ID:iSSn1Bn5
残念!そこはシグルイだ
122 :
さく・え/ななし:2006/09/13(水) 08:22:20 ID:4uoPHoRH
異な掴み…。
りんごを満載したバスケットを指二本でつかみながら闊歩する赤ずきんに狼は恐怖を覚えた。
かおるには小さすぎる
ふしぎな ふしぎな ながぐつの
左半分は
垣根の上で
空しく月を
睨んでいた
「100万回生きたこがん」
(中略)
こがんはもう、けっして生きかえりませんでした。
よい
もうよい虎眼
回想は連載物の宝
わしの言いたきはそれぞ
おむすびがうどん玉のようにごろりと転がった
あの……「本当は怖い○○」とは、どのような童話でしょうか
ネタが無い・・・・これは辛い・・・・
「132」
「はい?」
「うまい狸鍋じゃの」
「はい…」
hosyuう
過疎と申したか
シグルイネタというスレは ひとたび ひとたびネタが尽きれば
二度とは 二度とは
ほ、保守ぅ……
139 :
さく・え/ななし:2007/01/08(月) 16:07:40 ID:rk9eKO5z
「ひとつ申し述べておく
人の背中で焚き木をするのはやめにいたせ」
「はて?なんのことか
これはかちかち山のかちかち鳥が鳴いている音
その後に音が変わりし理由はぼうぼう山のぼうぼう鳥が鳴いておりますゆえ
や ま し い こ と は 何 ひ と つ 」
140 :
さく・え/ななし:2007/01/10(水) 17:25:33 ID:hIioBaqk
「一つ申しのべておく
子羊だけで留守番をする森の家に通うのはやめにいたせ」
「はて?なんのことか」
「尾けたのだ、おぬしが粉とチョークを買った雑貨屋の帰り…」
「この手が白いのは、子羊ちゃんと手を繋いで遊ぶ時、母羊を
思い出してもらうためだけのこと
声がハイトーンな理由(わけ)は、子羊ちゃんがものまね合戦を
せがむゆえ、時折クロちゃんのモノマネをして差し上げまする」
俺のチンコはカチカチ山
柿で蟹一匹殺したところで子蟹は動かぬ
猿はそう過信していた
かちぃ
「開けるか!?玉手箱を開けられるか浦島太郎!開ければたちまち煙の贄ぞ!」
なんの躊躇もなく浦島は箱を開けた
亀「ぬわっ!こ、こやつ!」
ヘンゼルの鼓動は早まり 生ぬるい汗が全身を伝った
己がまんまと策に溺れ 森に捨てられるべく 陽動されたことに気づいたのだ
この日 森の帰り道に 道しるべと落とされた 兄妹の黒パンはない
魔女のおばあさんに敗れ
座敷牢に放り込まれたグレーテルであるが
ここへ連行される際に目撃したべっこう飴の窓
バタークッキーのテーブルなどを思い返すと
涎を垂らさずにはいられない
「さすがは迷いの森名うての人食い魔女の屋敷……」
「三百万カロリーはある!」
「仕置きつかまつりまする」
「私をかかる破目に陥れたおとしいれたお母様を、仕置きつかまつりまする」
じゅうう・・・・・・ぶすぶすぶす
形容しがたい異臭がたちこめ、焼けた脂肪が鉄板の上にしたたり落ちた
――果たして白雪姫は正常なのだろうか?
ハッピーエンドを迎えたというのに、
実の母親に焼けた鉄靴を履かせ、死ぬまで躍らせるこの所業
昔の童話の残酷さは確かにシグルイに通じるものがあるな
「仕置きつかまつりまする」
「私をかかる破目に陥れたおとしいれたお継姉様を、仕置きつかまつりまする」
がすざすどす・・・・・・ぶすぶすぶす
形容しがたい異音が轟き、大樽が坂をころげ落ちた
――果たしてシンデレラは正常なのだろうか?
ハッピーエンドを迎えたというのに、
継姉を内側にむけて釘をびっしりと打ち込んだ樽のなかへ閉じ込め、死ぬまで坂道を転げ落ちさせるこの所業
「王様が裸だ!」
ペキィ
153 :
さく・え/ななし:2007/03/28(水) 00:05:18 ID:XswvDxUe
こみあげる喜悦を悟られぬよう
サルは手で面を覆った
宿敵の出血の音が
停止したのだ
「カニどの…
おぬしとは共に腕を磨き
己が魂を高め語り合いたかったぞ…」
hoshu
156 :
さく・え/ななし:2007/04/03(火) 00:39:54 ID:31oYhBNU
「グレーテル・・・
これでおぬしがお菓子の家・・・
・・・・・・・・・・・・・(誰じゃ!?)」
妹分の顔が別人に見えたのは
夜も明けきらぬ薄暗さゆえ
ヘンゼルは自分にそう言い聞かせた
この日生まれ出でた怪物は二匹
いや、三・・・
「そこもとは美しく松本は凛々しいゆえ
ゆくゆくは共産党一の夫婦と評判になろうぞ」
夫婦…
いかなる時も冷静な松本善明の瞳が
この時ばかりは爛と輝いた
宮○顕○が心の平衡を失ったのはいつの頃からであろう
つばめ「耳か鼻か」
王子「ウ・・・!」
貧しいお針子「ぬるいぞつばめ!しかとえぐれ!」
貧しいお針子は鬼だな。牛鬼だ。
貧しいきこりの家の子であった
ヘンゼルとグレーテルが
親に疎まれ捨てられたのは
二人を養えぬからではない
虎眼「お、おばけぇ」
オーリー「おばけではありませぬ、それがしは海獣のオーリー…」
ハーレム状態に際し たった1ぴき、自分に見むきもしなかったことにより
白いねこのそばに いつまでもいたとらねこは
白いねこがうごかなくなったのを目にすると 100万回生きて初めて 涙を流した
頓狂な声を
上げたのは
老境著しい熊
金太郎が
まさかりをかついだら
用心せい
この日の金太郎は
かつぐにとどまらなかった
「お馬の稽古か」
床屋「王様の耳・・・これはロバの耳にござるか?」
王様「左様」
床屋「左様って・・・」
167 :
さく・え/ななし:2007/06/26(火) 19:15:15 ID:fgALN6Jl
ツル「お爺様、お婆様お世話になりました‥」
決して見てはならぬ正体であった
168 :
さく・え/ななし:2007/06/27(水) 12:09:08 ID:lDd0IKzZ
カイがゲルダに冷たくなったのはいつの頃からであろう
魔法の鏡の欠片が目と胸にささった時ではなかったか
169 :
さく・え/ななし:2007/07/06(金) 22:40:32 ID:YGQTZzTy
間に合う!
そう確信していた
メロスの俊足はすでにシラクサの町に到着
メロス(待っていろ セリヌンティウス!)
170 :
さく・え/ななし:2007/08/26(日) 14:05:38 ID:6y7jJxyh
みよ。綺麗な顔をしておろう。
死んでいるのだ。それで。
ち、ちがう……
そは絵本などではあらず……!
たまとりごんざ
173 :
さく・え/ななし:2007/12/01(土) 22:31:30 ID:hnPX6Pwc
町人や百姓にとって
これほどの見せ物があろうか
うさぎとかめが
どちらかが死ぬまで走るのだ
失態である。誤爆してしまったのだ。
無作法お許しあれ・・・
誤爆と申したか
177 :
さく・え/ななし:2008/04/08(火) 16:58:39 ID:08ivBLe+
>>55 につづけて
どこのお伽話をひもといても 一人や二人の悪漢は現れてくるが
被害地において絶対主権者である悪役といえども
英雄たる主人公の目からは 名を上げるための道具に過ぎない
領国治まらずとして討伐するのは 易々たるものである
しかしその悪漢が 肯定されるべき主人公であった場合
その暴虐を咎めることは可能だろうか
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鬼が島を制圧するにあたり
お供のものを求めて爺さまたちは 掛川宿に立ち寄った
中でも類井田の酒屋で雇い入れた犬・ぽちは
主のためならば宝物を掘り返すことも日常茶飯事という 忠義の者である
猿「お侍さんがた おまちくださいやし」
婆さま「何か用か」
猿「へえ 前払いの黍団子がまだでございやす」
桃太郎一行の契約不履行を咎めたのは 地元の猿の首領 黒田主税(ちから)
爺さま「おお 忘れておった」
ゴ ッ
爺さまが支払ったのは鉄拳であった
畜生一匹無礼討ちにしたくらいでは役人は動かぬ そう自惚れていた
まあ、動かんわなw
寒いはずはない
少女の胸に 魔法のマッチが燃えていた
ぐりとぐら
ふたりはもののふ
で、誰よそのねないこってのは
183 :
さく・え/ななし:2009/01/18(日) 01:41:33 ID:72DOUm9U
ぼくの人生にカケラは要らない
ラムラムロムロム歌があるから
185 :
さく・え/ななし:2009/04/20(月) 16:40:58 ID:o94q0X1K
つーか有り得ぬだろ?
何でまだDAT落ちしておらぬ
やっぱ半端ねえな絵本板(スレの遅さが)
ジムとヒルダがシェルターを構えた
バトル・オブ・ブリテンの必勝形である
速度・間合い共に人間の知覚能力を凌駕する照射であった
英国小市民のDNAには中性子線が押しあてられていた
188 :
さく・え/ななし:2009/06/30(火) 15:30:06 ID:okTTtUQW
過疎った喃・・・過疎ってくれた喃・・・・・・!
189 :
さく・え/ななし:2009/07/13(月) 15:49:33 ID:w+1oi3/p
死刑執行人の介錯は 首の皮一枚を残す見事な業前であった
ほとんど首なしニックにはそれが理解できないのだ
190 :
さく・え/ななし:2010/05/15(土) 04:47:38 ID:+GG6kNuf
虎眼流「影送」
ちいちゃんの必勝形である