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さく・え/ななし:
そう、あれはママを背中に背負いながら、ペルシャからインパールに向かう途中に遭遇したのです。
史上最強にして最悪な悪魔の化身、第7次全球戦争で最も激戦区といわれた旧アメリカ(現JCK)
大陸決戦での唯一の帰還兵、「沈黙の長い耳」に。
彼奴は心のスイッチが切り替わると一瞬にして人々の夢と希望を破壊するといわれている。
それが我々の目の前で「もけけけけけ」と地の底から湧きあがってくるようなバリトンの鳴き声で
柔道で言うところの受身の練習を始めたのです。
なんという衝撃。
こんなことは尾崎豊にバイクを盗まれたとき以来だ。
後日この出来事を現地の長老に話すと、彼奴は先住民から「ピーターラビット」と呼ばれていて現地の言葉で
「耳の長いふさふさ」という意味らしいことがわかった。
そして長老は最後にこんな言い伝えを我々に語ってくれた。
「その長い耳が緋色の空を覆いつくすときTシャツの熊現れ、ノルマンディーの扉開かれん」
我々は長老にお礼を言い、平和とは何かと深く考えさせれた。