1 :
実習生さん:
日本の学校制度は、イギリスやアメリカのような形態を取っていますが、世界中
そうかというと、もちろん所変われば何とやらでまったく違う制度を持つ国も
あります。その例の1つはドイツの学校制度。日本の制度より複雑な枝分かれを
しています。詳しくは以下でどうぞ。
☆ドイツの学校制度
日本の学校制度と根本的に違う点は、小学校が4年制(総合学校を除く)であり、
10歳で進路が決まるということです。
日本のように、とりあえず高校へ行ってからそれから大学へ進学するかどうか
決めるという猶予がありません。大学へ行くためには、9年生のキムナジウム
(Gymnasium)に進学、アビトゥーア(Abitur)に合格しなければなりません。
大学へ進学しない場合は、5年生の中学校(Hauptsschule)で義務教育を受けるか、
専門技術も学ぶ6年生の中等実科・商科学校(Realschule)へ進むことになります。
☆中学校(Hauptsschule)と中等実科・商科学校(Realschule)
この中学校(Hauptsschule)と中等実科・商科学校(Realschule)の違いですが、
中学校の方は主に手工業職人の訓練を受けることになる進路のための学校で、
典型的な例は将来の親方(マイスター)を目指す子供が進学するというものです。
(これは昔良く見られた例で、現在ではこの典型例はさほど多くはないと思われます。)
勉強はいいから、それより働く、というのが将来の選択進路となっているのが
この中学校です。中等実科・商科学校はそれよりさらに専門領域を一般化した
職業訓練の場所です。卒業後、自分の進みたい分野で職業訓練/研修(Ausbildung)を
積む、または専門領域を学ぶために単科大学(Fachhochschule)へ進むのが一般的です。
☆キムナジウム(Gymnasium)
大学進学のためには小学校での4年プラス、ギムナジウムでの9年で合計13年の教育を
受けることとなり、日本より一年長いです。しかし、ギムナジウムでは毎年5%から
10%(40人のクラスで2人から4人)落第が出ます。
落第、というと日本的感覚では恥という考えがついてまわりますが、ドイツでは
そういった感覚はかなり薄いようです。勉強が分からない生徒を上の学年に上げても、
苦労するのはさらに難しい勉強をしなければいけない生徒であるし、分からないまま
上の学年に上がってもアビトゥーアに合格しないのは自明のことであるため、本人も
親も結構あっさりと受け止めるようです。
☆学校制度の実際
上に10歳で将来の進路を決めなければいけないと書きましたが、ドイツの学校制度は
そう硬直的ではありません。子供により成長速度異なれば、興味の対象、将来の夢も
年と共に変化するわけで、小学校後、進路が固定されてしまうのはあまりにもの話です。
成績が良い生徒は中学校(Hauptsschule)からと中等実科・商科学校(Realschule)や
ギムナジウム(これは稀)へと移ることも出来るし、中等実科・商科学校(Realschule)の
生徒がギムナジウムへ移ることも出来ます。たとえギムナジウムに通っていなくても、
アビトゥーアを受けることもできます。その生徒の進度により柔軟な対応が可能です。
最近多くみられるようになった総合学校(Gesamtschule)という新しい学校では、
ドイツ特有の進学分化をなくし、一貫教育を行っています。
☆総合学校(Gesamtschule)
総合学校では、小学校後、進路が分かれることなく、13年間一貫教育が行われます。
小学4年生でギムナジウムに行くために良い成績を取らなければ、とか進路変更の結果、
途中で学校を変えるといった面倒を心配する必要はここではありません。アビトゥーアを
受ける資格のある学校のため、大学(Universitaet)進学の道も開かれています。要するに
オールマイティーな学校ということですが、質の問題が問われているのも確かです。
☆子供の進路はどう決まる
小学校を卒業後の進路はその生徒の成績、適性により先生が親の合意の下、決めます。
あくまでも決定権は親にあります。もちろん、「うちの子供はどうしてもギムナジウムへ」と
いう親もいるわけで、先生がそれに同意していない場合は、学校との相談会が設けられ、
話し合いが行われます。どうしても親がギムナジウム進学を望む場合は、それに従いますが、
苦労するのは子供というわけです。
日本のように教育ママやより良い学校へ行かせないと、といった社会的圧力もドイツでは
見られません。これは学校によるレベル分けがないというのが理由です。この学校へ行けば、
この大学へ行けて、就職先も安泰というような社会構造は存在しないためです。
両親も学校側の決定に従うというのが、ごく一般となっています。その後、進路を変える
チャンスもあるため、あとは本人次第というのがドイツの考え方です。留年に対しても
日本のようなネガティブな考えは強くなく、年齢はさほど重要な役割を果たさないようです。
以下の「アビトゥーア/大学(Universitaet)進学/就職」でも触れますが、学校による
偏差値レベルがないこと(評判の良し悪しはあるにしても)、将来の就職が卒業校により
影響を受けないことからドイツでは日本で良く見られる受験ストレスや親からの圧力などの
場面が見られません。もちろん、個々の家庭ではそれなりに子供の成績をめぐっての親の心配や
アビトゥーア試験大変ね、といった生徒のストレスがあると思いますが、結局は本人の自由意思、
裁量に任せられていると言え、日本とはかなり様相を異しています。
☆アビトゥーア/大学(Universitaet)進学/就職
この「アビトゥーア」は、日本でいう大学入試とは性格がまったく異なります。
ギムナジウムを修了した後に受ける国家試験で、大学に進学できる資格を指します
(高校卒業資格とは別)。資格なので、一度合格すれば生涯使える資格です。
ただ、取得チャンスは2回しかなく、2回とも落第した場合は、アビトゥーアを受ける資格が
なくなってしまいます。そのため、アビトゥーア取得後、すぐに大学へ進学しなければ
いけないということはなく、その後、何年か就職しても良いし、放浪のたびに出ても
良いわけです。ドイツでは男子に兵役義務があるため、兵役終了後に大学へ進学することがよくあります。
どこの大学に入学できるのか、という疑問が出てくるかもしれませんが、ドイツの大学には
偏差値によるレベル分けがされておらず、好きな大学の好きな学部に試験なしで入学することが
できます。いつどこの大学へ行っても、学部を途中で変えても、違う大学に移っても良いわけです。
ただ、医学部や人気の学部などは定員制を設けている学部もあり、ここではアビトゥーアの
成績が問われます。成績が悪ければ入学は許可されないというこです。例えば、医学部へ
行きたいけれど、アビトゥーアの点数が足りなかった場合、もう一度アビトゥーアが
受けられるかというと、資格試験なので、受けることはできません。
一度合格すると、その成績は一生ついてまわることになります。
大学修了期間は平均して8年ほどで、卒業学位は日本で言う修士にあたります。ながーい
大学生活が普通のため、ドイツで妙に年を取っているのに、"まだ学生です”という人に
会うのはざらです。”えっ、君まだ学生...!?”的いい大人な学生がごろごろいて、
日本的目から見ると、”いい年なんだからさっさと就職したら”と言いたくなるくらいです。
でも、彼らの勉強度は日本の大学生とは比較にならないくらい、よく勉強しています。
大学を卒業するといよいよ就職です。この際、日本のように大学名が重要な就職決定要素を
占めるということはドイツではまったくありません。
成績、卒業論文は何について書いたかなど何を勉強したか、が一番問われます。もちろん、人格、
適性も同じく重要な決定要素です。
ドイツのいわゆる大企業のトップの方々は、ほとんど大学出(Universitaet)ということから、
大学進学は社会的エリートの道とも言えます。日本と違う点は、良い大学=エリート出世という
図式がなく、中身勝負の比重が非常に高いところでしょうか。
9 :
実習生さん:2001/05/15(火) 20:46
全部自分で書いたの?
えらいと思うが、もうすこし論点を整理した方が
話しやすいと思う。
10 :
1:2001/05/15(火) 21:48
単なる紹介スレッドで、議論の対象ではありません。
End Of Thread
11 :
実習生さん:2001/05/16(水) 00:07
削除依頼出すか?
13 :
実習生さん:2001/05/16(水) 00:34
もうすこし論点整理すれば優良スレになりそうなので
しばらくほっとけ。
14 :
実習生さん:2001/05/16(水) 08:36
ドイツは高校に法学の授業があって、ボランティアの裁判官と一緒に
規則の妥当性について話し合ったりするらしい。
15 :
実習生さん:2001/05/16(水) 18:18
>>7 勝手に補足まちがっていたら指摘してね。
>日本のように教育ママやより良い学校へ行かせないと、といった社会的圧力もドイツでは
>見られません。これは学校によるレベル分けがないというのが理由です。この学校へ行けば、
>この大学へ行けて、就職先も安泰というような社会構造は存在しないためです。
なんで学校によるレベル分けが無いのか聞いたことがある。
親方(マイスター)になると日本で言う大卒ホワイトカラーの役付と同じくら
いの収入と社会的地位があるため,誰も彼も大学をめざすということが無いのだ
そうです。 それぞれの道を歩んでも最高峰に到達すれば十分なペイが得られる
社会なのですね。
16 :
実習生さん:2001/05/16(水) 18:20
17 :
実習生さん:2001/05/16(水) 18:24
なんかの本で、服装や髪型に関する規則はなくておしゃれ
し放題だけど、遅刻や宿題のやり忘れは容赦なく成績の点数
引くって書いてたね。
18 :
実習生さん:2001/05/16(水) 20:44
>>17 いいね。意味のある厳しさなら納得できるよ。
19 :
実習生さん:2001/05/17(木) 17:07
>>6 小学校が4年生までというのがいいですね。
子供の成長を見ているとそのあたりが区切りだと思います。
幼稚園から小学校入学時期の子供は知的好奇心が最も
盛んですからその時期に小規模な体制で落ち着いて
勉強できる環境を作るには6年間では長すぎますし生徒数も
多すぎるでしょう。
また現在、日本の中学校で起こる種々の問題も12歳という
思春期に小学生から中学生へ環境が変わることが一因だと
思えることがあります。
20 :
実習生さん:2001/05/17(木) 17:21
なんといっても学生は授業料がタダで、交通機関も無料なんだろ?
21 :
実習生さん:2001/05/20(日) 21:57
22 :
実習生さん:2001/05/27(日) 14:03
あげ
23 :
実習生さん:2001/05/27(日) 15:24
>>17
独では服装は自由だったが、先頃berlinで制服が2校で導入された。
ブランド主義の弊害が指摘されたからで、一校は蒼のポロシャツに紺のズボン
もう1校は黒服だ。生徒が選んだ割には地味で、服への生徒の印象は
着易い・仲間意識や一体感が高まったと当初の予想を覆して好評だそうだ。
24 :
実習生さん:2001/05/27(日) 16:51
>>23 ドイツなどの場合は、たとえば制服を着たくないという生徒がいたとしても
教師もまわりの生徒も、そういう生徒がいて当然だと考えるから、日本とは
違うけどね。
25 :
名無しさん@1周年:2001/05/27(日) 18:33
26 :
実習生さん:2001/05/28(月) 10:48
>>23-24
かなり以前、NYの荒れた公立校に日本を参考に制服を導入した結果
相当よい成果が得られたとのニュースを見たことがあります。
個人主義が徹底している土壌だからこそ却って制服の効果が
得られたとも思えますし、単に物珍しいからとも受け取れましたが
ベルリンにしてもNYにしても制服効果が何十年も持続するかは
甚だ疑問だというのが個人的感想です。
27 :
23:2001/05/28(月) 15:11
学校を取り巻く状態が違うし、国民性も違うからどうなるか注目している。
28 :
ななし:2001/05/28(月) 16:59
そもそも昔の日本もドイツと似た制度だったのだ。
今の制度は個人差を無視しているところがソ連と似ている。
29 :
世界@名無史さん:2001/05/29(火) 04:11
あげ
30 :
実習生さん:2001/05/29(火) 05:30
>>28 日本で教育制度を確立していく過程で欧米各国の制度をかなり研究
したらしい。その中でドイツの制度が最も日本側の理念に近かった
ので、基幹部分はドイツの制度を参考にしたと聞いた。
31 :
実習生さん:2001/05/31(木) 04:33
32 :
実習生さん:2001/05/31(木) 07:41
>>31 戦後の教育制度はGHQが戦前を破壊することから始めましたからね。
本来残すべきものまで壊されてしまい、現在の教育制度がある。
目標とする理念はともかく、制度だけなら戦前の方がましだった様な気もする。
今みたいにほとんど一本道じゃなく、能力に合わせて複線化されてたからね。
33 :
実習生さん:2001/05/31(木) 19:15
34 :
田中洸人: