401 :
実習生さん:
二人とも、好きなことを追求し、努力した結果だろ。
馬鹿扱いはされてないし天才ではない。
天才なら、ゴッホは苦労したり薬や酒に溺れたりしない。
ちなみにゴッホはホモ。
エジソンも天才なら、若い優秀な部下に、自分が追い越されそうになっても、汚い手を使って蹴落とす事もしない。
部下が発明したモノを、自分の発明品にしようとはしない。
402 :
実習生さん:2005/11/15(火) 10:55:05 ID:oR6OnQck
う〜ん、「天才」を何とするかについて、
解釈の違いがあるようだな。
403 :
◆vpCpXM4oWw :2005/11/16(水) 22:57:22 ID:pVPlGGj3
「結果の平等」より個性に応じた多様に楽しみが重要になった。
/// 世界は「総資本主義化」へ 12 //////////
賭け事の許容もまた、大きな文化思想の変貌を意味している。賭け事は
結果の格差を作ることでスリルを楽しむ行為である。それが広く認められる
ようになったのは、二十世紀の大半を覆って来た「結果の平等主義」から、
「楽しみ重視主義」へと世界の流れが変わったことを示している。
社会主義や民族全体主義が求めた「結果の平等主義」は急速に衰退し、
「結果の平等」よりも過程を楽しめる社会が重要になった。人々が好みに
応じて楽しみの機会を持てるように多様な娯楽を提供する。その中で、大衆の
支持によって採算に乗るものこそ良いものだ、と考える消費者主権の発想が、
スポーツや文化芸術の社会にまで拡まったわけだ。
//////////////////////// 講談社発行 ///
404 :
実習生さん:2005/11/16(水) 23:28:56 ID:NuI+6j39
エジソンは学校行ってなかったわけだが。
だからこそ自由な発想が出来て、やりたい事を追求する事が出来たわけだ。
学校は愚民製造工場なんだよ。
405 :
実習生さん:2005/11/17(木) 00:36:22 ID:1Gi0fJI/
出た。強引な解釈ですね。じゃあがんばって実践してください。
そんな気もないだろうけどね。
406 :
実習生さん:2005/11/17(木) 18:14:43 ID:PxLe9oOj
自分で自分の事を個性的と言う奴は大体平凡な奴。個性的な性格に憧れる凡人。
407 :
実習生さん:2005/11/18(金) 01:35:05 ID:zgy9RZ+0
>>406 まあそうだけど、管理教育の中で溺れないようにあがいてるんだよそういう奴は。
個性的って言ったら本来みんな個性的なんだ。
個性を無くす事はある意味死ぬことだからな。
あがいて自分を取り戻すしたがる奴の気持ちはわかる。
408 :
◆vpCpXM4oWw :2005/11/23(水) 20:15:48 ID:2LOVGDjm
国家機構による統制より、大衆に選択を委ねる「総資本主義化」が
最良の方法だった。
/// 世界は「総資本主義化」へ 13 //////////
社会主義やファシズムは、崇高な理想を掲げたイデオロギーだ。だが、
人類が二十世紀の大半を費やし全世界を巻き込んで行った壮大な実験の
末に辿り着いた結論は、大衆に選択を委ねる「総資本主義化」である。
このことに、失望を感じる人も少なくないだろう。しかし現実には、それこそが
豊かで楽しい世の中を創り出す最良の方法であったことは紛れもない
事実である。・・・・・
//////////////////// 講談社1997年刊 ///
409 :
実習生さん:2005/11/23(水) 21:43:17 ID:sVIplZVy
「にちゃん名物きもかっぺの特徴」
* 根拠を言わずに決め付ける
* 自慢が多い
* 自分の事しか話さない
* 具体例を言わず抽象的
* 女とまともに喋れない
* 自分の物と他人の物が区別できない
* 貧乏で育ちが悪い
* 自分の価値観で判断
* 他人の権威を借りる
* ケチばかりつける
* 済んだことを蒸し返す
* 前頭前野が退化してるので自分で物事を判断できない
* 何でもかんぐる
* 人の目をやたら気にする
* 成功者を妬む
* 少ない情報で決め付ける
* スポーツ新聞などの知識を自分の意見のように話す
* 自分を権威づけようとする
* 人の話を聞かない
* 知ったかぶりをする
* 差別意識を口に出す
* 人の考えをすぐ鵜呑み
* 難解な事を言って煙に巻く
* 挙動不審でぷるぷる震えてる
410 :
◆vpCpXM4oWw :2005/12/17(土) 18:28:03 ID:wmGvovzV
規格統制、平等化を脱却し、個性化を受け入れられるのか?
/// ジャパン・パッシングの時代 1 ////////////
堺屋太一著 "「次」はこうなる" 1997年 講談社刊 より
・・・・・
3 ジャパン・パッシングの時代
日本をパスするアジアの人々
・・・・・
日本がアジア諸国から見て魅力ある国家になれるかどうかは、一九九三年
頃から政治と経済を担当するようになった戦後第三世代の肩にかかっている。
日本の第三世代が、第二世代の築き上げた規格統制と平等化政策の体制を、
どこまでどれほどの速さで脱却できるか、つまり世界の総資本主義化の流れを
どこまで受け入れられるかである。
//////////////////////// 堺屋 太一 著 ///
411 :
◆vpCpXM4oWw :2006/01/01(日) 00:16:26 ID:s504ypCS
特定のエリートなどの決定より、消費者大衆の選択が優先されるのが、消費者主権だ。
/// ジャパン・パッシングの時代 2 ////////
いまの日本は、依然としてコマーシャリズムを排除し、看板の規制も賭博の禁止も
きわめて厳しい。依然として「自由」と「楽しさ」を「正義」としていないのである。
総資本主義化の時代を支配するのは、「大衆から代金を取って成り立つものが
生き残る権利がある」という消費者主権の原理である。特定の役人や文化人が
大衆市場から離れた評価を下して、税金(強制的に取り上げたお金)で文化や
産業を養う時代ではない。商品として消費者が購入する、産業として成り立つものが
生き残り栄えるべきだ。つまり、消費者大衆の選択こそ正しいというのが、消費者
主権の考え方である。
/////////////////// 「次」はこうなる ///
412 :
◆vpCpXM4oWw :2006/01/14(土) 18:29:00 ID:+Uv0NlCb
文科省が、政府が、日本全体の教育を規制、統制しようとする。
/// ジャパン・パッシングの時代 3 //////
消費者主権への回帰という世界的潮流に一番遅れているのは、日本の
官僚ではないだろうか。彼らは、消費者大衆に任せたらろくなことをしない、
と思い込んでいる。「われわれ官僚が指導してやらなければ、われわれが
規制しなければ、国民は必ず間違える」と信じている。そんな考え方の
官僚が権限を握っている限り、世界の総資本主義化の中で日本だけが
取り残されてしまう。いや、既に大きく遅れてしまった。
//////////////////////// 講談社 ///
413 :
実習生さん:2006/01/14(土) 19:31:21 ID:Hvx6AxrT
私、個性的ってよく言われるよ。〇〇みたいなタイプの
人には出会った事無い、とか、変な子とか。不思議ちゃん
とか。でも、イジメられないよ。むしろ面白がられ
てる感じ。自覚無いけど。こーゆー事言うと叩かれるのかなぁ?ちょっと、
自分に合ったスレ見つけたと思ったんだけだよ。
414 :
鬼教師:2006/01/14(土) 20:24:53 ID:uYgqcZij
俺は、英語の教員だ!生徒でプリキュアの人形で授業中遊んでた奴がいる。それを取り上げ、みんなの目の前でプリキュア人形をバラバラにしてやったぜ!
415 :
実習生さん:2006/01/14(土) 20:31:16 ID:NNiLIWYW
個性は誰にでもあるものです。
それが社会で認められるものになって
初めて「個性」と呼べるのです。
416 :
◆vpCpXM4oWw :2006/01/28(土) 18:12:26 ID:9nK1nDD0
留学生が日本に来なくなる。
/// ジャパン・パッシングの時代 4 /////////
このため、「アメリカのほうが面白い」とアジアの留学生はみなアメリカヘ行く。
アメリカのビジネスマンも、中国や東南アジア諸国のほうが妙味があると、
みな日本を飛び越えていく。このままでは、日本はひとりで「ああでもない、
こうでもない」とブツブツいっている面白くない「横町の老人国家」になって
しまうだろう。・・・・・
/////////////////////// 講談社発行 ///
417 :
◆vpCpXM4oWw :2006/02/12(日) 17:30:36 ID:XkZFo9gI
/// ジャパン・パッシングの時代 5 /////
・・・・・
「楽しさ」を阻む官僚たち
・・・・・
一九八三年頃から河川管理が強化され、河川上を縦に走る道路をつくることが
ほとんど許可されなくなった。河川を横断する「橋」はよいのだが、河川を流れに
そって縦に使う高架道路や鉄道は許可されていない。
「そんなことはないでしょう。東京の日本橋でも、大阪の堂島でも、川の上を
高速道路が走っているじゃないですか」
「いや、実はその二つの例で困り果てた結果、二度と許可しないようにして
いるんです」
///////////////// 堺屋 太一 著 ///
418 :
◆vpCpXM4oWw :2006/02/18(土) 18:18:31 ID:s0a6SZRV
河川でも管理が優先される。
/// ジャパン・パッシングの時代 6 /////
「困り果てているというのは、あの高速道路を造ったため洪水が起きたんですか。
川の水が淀んで悪臭が発生したんですか。それとも、誰かが衝突して怪我でも
したんですか」
「いや、そんな小さいことじゃありません。河川管理の行政が思うようにできなく
なりました。その上、環境眺望の点でも近隣住民から苦情があります。”川は川に
返してください”ということですよ。消費税をニパーセント上げれば五兆か六兆円
税収が入るんですからね。道路が欲しかったらそれで民間の土地を買収すれば
いいじゃないですか。河川はわれわれ川の専門家にまかせてくださいよ」
//////////////// 「次」はこうなる ///
419 :
◆vpCpXM4oWw :2006/02/22(水) 22:01:54 ID:nxddYLjv
中学・高校の校則が強化された。
/// ジャパン・パッシングの時代 7 //////////
”川は川に返せ”というのは、美しい言葉だが、その実態は”河川官僚たちの
自由にさせてくれ”ということなのだ。
一九八三年から八四年にかけて、規制が強化された例はこれだけではない。
その頃は中曾根行革で、官僚の間には権限が削られるという危機感が広まった。
このため消防法や建築基準法から中学高校の校則まで一斉に規制が強化された。
「規制緩和どころか、これこれの危険があります」といい出したのだ。
/////////////////////////// 講談社 ///
420 :
実習生さん:2006/02/23(木) 15:14:37 ID:tBQnmnu+
421 :
◆vpCpXM4oWw :2006/02/25(土) 20:17:55 ID:85inocmg
国民の幸せより管理者の都合が優先された。
/// ジャパン・パッシングの時代 8 ////////
規制の多くは技術的なものだったから、その中身が何をいっているのか、一般には
理解し難い。だから、たとえば「川は川に返してください」といわれれば、何も知らない
自然環境保護派は「そうだ、そうだ、高速道路反対」などといったのだが、それが
結果としては川を市民から遠ざけ河川管理者の独占物にしてしまった。
要するに、一九八○年代からの日本は、管理しやすさを第一の重要目標とする国に
なり下がった。こういったことが日本を「気難しい老人国家」にしているわけだ。
それと同時に、官僚たちの事務能力や先見性も衰え出した。他者との競争も
なければ、消費者の批判も受けない権力者は、必ず能力が低下するのである。
/////////////////// 講談社1997年刊 ///
422 :
◆vpCpXM4oWw :2006/03/01(水) 21:53:12 ID:QfJdtn9k
/// ジャパン・パッシングの時代 9 ////////
多様性の「許容」から「歓迎」へ
日本ではいまもまだ、娯楽とかスリルとかを個人の責任で選択することに対して、
非常に危惧する傾向が強い。特に学校教育においては、「個性化」は「不良化」と
ほとんど同じ意味に受け取られている。
「あの子は不良化している」というから「どこが不良化しているのか」と聞けば、
「変わった服装をする。髪の毛を茶色にしている。言動も他の生徒と違う」という。
みなと違うのは全部「不良化」なのだ。こういう教育が続けば、日本は文化や思想の
多様性を受け入れられない国になっていくだろう。
////////////////////// 堺屋 太一 著 ///
423 :
喪男初号機:2006/03/04(土) 09:25:25 ID:88wqDrTZ
個性個性て逝ってる香具師共よ
自分の子と考える暇があったらすこしはほかの事考えたらどうなんだ?
自分が存在している時点で自分に個性はあるんだから
自分のことを考えるだなんて無意味だ
受け入れられなくとも気にすることは無い
受け入れてもらうために個性があるわけではない
424 :
◆vpCpXM4oWw :2006/03/05(日) 19:00:43 ID:DXkiwh3b
日本の高校は生徒の茶髪やピアスにさえ寛容ではない。
/// ジャパン・パッシングの時代 10 ///////
しかし、急速に進む少子化の中では、日本も多様な文化を許容できる国に
ならざるをえない。
外国の文化や外国人の倫理に対して、日本人の多くは「寛容」という言葉を
使って来た。寛容とは寛く容れる、つまり、望ましくないものも心を寛くして
容れてやるという意味である。
ところが、本当に国際的多様性を受け入れるとすれば、「寛容」ではなく
「許容」にならなければいけない。いや近い将来には多様性を「尊重」できる
ようにしなければならない。現在では、日本の高校は生徒の茶髪やピアスにさえ
「寛容」でないから、到底外国の文化や倫理まで「許容」できるとは思えない。
////////////////////// 講談社発行 ///
425 :
実習生さん:2006/03/06(月) 02:44:10 ID:KmUeTDl+
ジャパンバッシングか…
外国人にどんどん日本の異常さを叩いて欲しいよ
426 :
◆vpCpXM4oWw :2006/03/08(水) 20:59:31 ID:MZiuNzNh
/// ジャパン・パッシングの時代 11 ////////
しかし、急速に変わる可能性も十分にある。
いまから十年か十五年前には、実業団のバレーボールやバスケットボールに
外国選手が大勢出るなどは考えられなかった。だが、いまではトヨタ自動車対
いすゞ自動車の男子バスケットボールの決勝戦に出ているのは、半分が外国人だ。
シャンソン化粧品などの女子バスケットボール・チームにも何人もの外国人選手がいる。
東京オリンピックで日紡貝塚の「東洋の魔女」が優勝したときには、ほとんど
考えられなかった光景である。
大学駅伝でも山梨学院大学チームなどは外国人選手が加わっている。それが
いまでは、あまり違和感を持たれない。もう十年たったら、さらにその許容性が
高くなるだろう。外国人が主力となり得るのは、いまはまだスポーツや芸能の
段階に限られているが、やがては企業経営や団体運営にも及ぶだろう。
//////////////////// 堺屋 太一 著 ///
427 :
実習生さん:2006/03/10(金) 16:56:25 ID:87j+9kbn
漫画家になりたいと思い、その夢をかなえたものは、
巨額の資産と、夢といきがい、現世肯定の精神を得る。
夢やぶれ、リーマンになったものは、
少額の給与のために、夢もなく、いきがいもなく、世をはかなみながらいきる。
若者を見てムカツキ、こんなはずではなかった! 人生やりなおしたいと毎日
思いながら、歳をとっていく。救いようのないコンプレックスを生きるしかない。
なんということだ、オール・オア・ナッシングだ!
428 :
◆vpCpXM4oWw :2006/03/18(土) 18:38:09 ID:VhwtCw37
/// ジャパン・パッシングの時代 12 ///////
しかし、それによって日本の文化が崩れるとは思わない。問題は、多様性を
頑固に拒否する人たち、あるいは拒否することで利益を得、権力を握っている
人たちが存在することだ。
これまでの日本は、中国やアジア諸国より一世代先行していた。これからも
アジアの第三世代と協調できる「一歩先の国」であることが望ましい。そうでなければ、
多様な文化と個性の尊重とにおいてはるかに進んでいるアメリカとアジアが直結し、
日本は「淋しい老人国」になってしまうだろう。
・・・・・
堺屋太一著 "「次」はこうなる" 1997年 講談社刊 より
/////////////////// 「次」はこうなる ///
429 :
実習生さん:2006/03/18(土) 18:42:17 ID:ZMK4f/XP
430 :
実習生さん:2006/03/18(土) 18:48:20 ID:RFDTcUAA
日本のガキ共って何でいつも集団で行動するんだよ!
あいつら戯れるのがそんなに好きなのか? しかも子供や幼児など社会的弱者に嫌がらせしたり最悪!
あいつら全員ヒョードルのパウンドで処刑だな!
431 :
実習生さん:2006/03/18(土) 19:01:18 ID:ZMK4f/XP
432 :
実習生さん:2006/03/23(木) 03:20:43 ID:TltGXRCS
運動会のシーズンが近づいてまいりました。
近隣への騒音に配慮してスピーカーの
ボリュームは程々にお願いいたします。
433 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/03/27(月) 22:00:51 ID:NzoexkOy
434 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/03/29(水) 21:55:48 ID:UiU/PHQv
435 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/04/02(日) 17:07:17 ID:g+wbh7TJ
/// 日本への警告 3 ////////////////
社会的に見ても明るい話題は乏しく、面白いイベントもなかった。プロ野球も
盛り上がらなかった。ワールド・カップ出場決定でいくぶん盛り上がったサッカーも、
全体としては下火である。相撲にも格闘技にもニュースターは登場しなかった。
特に文化・娯楽の点で新しい出発がまったく見られなかった。この十年間、若者
たちを熱狂させたテレビゲームのソフトも、急増した携帯電話も、頂点を極めた感じだ。
若者用の需要は、ファッション衣料から劇画雑誌まで、すべて前年比マイナスだった。
一九九七年は、一九九〇年からはじまった「戦後の終り」の「終りの年」だった。
しかし、「新しい時代のはじまり」ではなかった。
/////////////////// PHP研究所 ///
436 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/04/03(月) 21:57:01 ID:A8MsQcMk
優れた個性は知られていなかったが、一流の経済国だった。
/// 日本への警告 4 ////////////////
最適工業社会を実現した日本
つい八年前、一九九〇年の日本は、世界一流の経済大国であり、金融超大国だった。
その頃の日本は、「良質の工業製品を大量に吐き出すブラック・ボックス」などと
いわれた。日本を象徴するような「顔」、つまり優れた個人や知られた文化はないが
「規格大量生産の上手な国」だった。つまり「最適近代国家」だったのだ。
自動車や電気機器など近代工業を代表する産業の生産力が大きく、国際競争力は
非常に強い。ゆえに貿易は巨額の黒字となり、世界一の債権国となり得た。
日本型の官民協調体制は最良のモデルであり、その国の「産業政策」は諸外国も
見習うべきものといわれていた。
/////////////////// 1998年発行 ///
437 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/04/05(水) 22:03:09 ID:Sgt8ZSuX
/// 日本への警告 5 ////////////////
終身雇用と集団主義を特色とする日本式経営は無敵不敗で、日本の企業は
アメリカの映画会社からオーストラリアの荒野までを限りなく買収していた。
その上、日本国民はこのうえもなく勤勉で規則正しく清潔好きだ。従って日本の
社会には集団的正確さがあり、日本の工業製品は細部に至るまで磨き上げ
られたように精密で、きわめて故障が少ない。
外国の企業が日本の市場にアプローチするには、この勤勉で清潔好きの
日本国民を納得させなければならず、勤労倫理の低い外国企業が参入する
ことが難しい、といわれていた。
////////////////// 1,500円(税込) ///
438 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/04/07(金) 20:50:04 ID:k7im0+P4
/// 日本への警告 6 //////////////////
また、日本人は均質的で、協調性やガバナビリティに優れ、集団に従順かつ
忠実である。特に職場に対する忠実さと従順さでは、日本人に敵う者はいない。
このため、工業化が進んでも犯罪は増えず、豊かになっても勤勉さは失われず、
すべての人々が未来の希望に燃えて貯蓄に励み、企業忠誠心をもって
長い時間よく働く。
要するに日本は、政府官僚機構や企業から個々の勤労者まで、供給者に
とっては最良の条件を整えた「天国」だったのである。
反面、消費者としての日本人は、それほど幸せではなかった。一般には、
日本人はマクロの経済力で表示されるほどには豊かな生活をしていない、
日本国民は自分の好みを選べない官僚規制と相互抑制の中にいる、
と見られていた。
////////////////////// 堺屋 太一 ///
439 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/04/09(日) 18:08:46 ID:QwwLdTgR
学校では軍隊的統制が敷かれていた。
/// 日本への警告 7 ////////////////
九〇年当時、日本人の抱いていた自己イメージでは、住宅や社会資本は
貧困であり、休暇は少なく、娯楽施設の利用は休日に集中するため、全体の
操業率は低いのに大半の利用者は楽しめない。物価は相対的に高く、人々に
選択の余地は少ない。学校では軍隊的統制が敷かれ、病院は窮屈で、
交通機関は混雑する。その上、多くの人々は長時間通勤を強いられている。
要するに、「供給者の天国、消費者の地獄」―それが一九九〇年における
日本のイメージだったのではないだろうか。
何故にそうなったのか。ひとことでいえば、それこそが明治以来の日本が
理想とした近代工業社会の「あるべき姿」だったからだ。
////////////////// あるべき明日 ///
440 :
実習生さん:2006/04/11(火) 20:21:44 ID:hckmaMJa
新学期になっても相変わらずいじめられてるのか
441 :
実習生さん:2006/04/11(火) 20:34:17 ID:AhlBYnyd
個性的って何ですか?
個性は一人一人違うのに、なぜ個性的だから叩かれると嘆くのですか?
個性的と言えば、すべての人が個性的。
ただ、子供は勘違いしやすいんだよ。
個性的とただのわがままをね。
わがままを言って、『個性なのに!』『やっぱり個性的だと叩かれるんだ!』『認めろよ!』
と言うのは間違い。
そんなわがままは誰にも認められないし、この自己中で自分勝手な考えなまま大人になった時、ろくな社会人にならない。
442 :
実習生さん:2006/04/11(火) 20:35:17 ID:hckmaMJa
いいじゃん、世間に負けて社会的に死んでくだけなんだから
443 :
喪男初号機:2006/04/11(火) 21:38:57 ID:7BVXW8sX
>>441 個性についてだなんて考える暇があったら
もっと別のことに時間を当てよう
444 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/04/11(火) 21:51:27 ID:IMxU29Lf
消費者にとっては、個性に合わせた選択の余地が少なかった。
/// 日本への警告 8 /////////////////
近代国家の行政機関は、供給者別に編成され、各分野の供給者の保護と
育成に努める形になっている。従って、各官庁が、その職員が職責を完遂
すれば、「九〇年の日本」のような供給者の天国になる。
同時に、近代工業が規格大量生産によって効率を高めるものであれば、
供給者の天国を目指せば、消費者にとっては選択の余地が少なく、利用
できる施設が限られるのも、また必然である。
そうであってみれば、「九〇年の日本」は、人類が模索した一つの理想の
極致、つまり「最適工業国家」だったといえるだろう。
///////////// 日本・いま決断のとき ///
445 :
実習生さん:2006/04/12(水) 02:11:05 ID:AG0qhZMQ
446 :
実習生さん:2006/04/12(水) 02:14:41 ID:rhYsILd9
>>441 わがままのなにがいけない?
わがままを許してもらえなかった子どもこそろくな大人になれん。
447 :
実習生さん:2006/04/12(水) 02:23:25 ID:rhYsILd9
社会に出たらどうだなんて社会を知らない教員が口にしていい言葉じゃねぇぞ
いざ社会に出てみれば教師が言ってるようなものとは全然違う
学校で真面目に規則を守ってた奴が社会では淘汰されてる
無責任すぎるぞ貴様ら!!
448 :
実習生さん:2006/04/12(水) 02:33:52 ID:PTWmmrwL
日本人は村八分とか昔からやっているわけで、伝統なのよ。
恥という概念は西洋には無い。日本人特有のもの。
西洋はそのかわり自らを咎めるという概念がある。恥は他人に対して
恥ずかしいとかなわけ。空気を読めとかも同じ。
だから2ちゃんねるも皆やるし、人を気にするわけね。
西洋は違うから。町で見知らぬ人にも声かけるし、明るいよ。
日本人は根暗人種。見知らぬ人には声かけないし、人目を気にする。
臆病。だから日本にいるときは、日本人に合わせて、外国に行ったら
明るくすればいいんじゃないの?TPOだよ、要はね。
でないと村八分になるってことよね。昔は恥じて切腹までしたぐらいだから。
449 :
実習生さん:2006/04/12(水) 02:38:44 ID:nqayhtqY
勉強して成績優秀に甘んじてたツケが回ってきただけじゃん
450 :
実習生さん:2006/04/12(水) 03:57:17 ID:AG0qhZMQ
>>446 思い込み乙。
ずっとわがまま放題やって、我慢する心や協調性が全く無い大人になる方が恐ろしい。
君はまだ子供だから分からないんだろうが。
451 :
実習生さん:2006/04/12(水) 20:07:51 ID:JNeaAIIP
>>446 子供なのにろくな大人になれないなんて妄想してる馬鹿ガキwww
452 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/04/13(木) 21:05:46 ID:OfIVU9uP
/// 日本への警告 9 //////////////////
九〇年代の日本は「遅進国」だ
ところが、それからわずか八年、一九九八年を迎えた日本は、経済は
不振にあえぎ、金融機関は膨大な不良債権を抱え、国際的影響力も
著しく低下してしまった。
一九九三年からの四年間を見ると、日本はOECD加盟国の中で最も
経済成長率の低い国の一つだ。東京金融市場は衰退著しく、外国の資金や
人材が流入しにくくなった。航空機も船舶も日本への寄港を回避するような
情況が拡まっている。
///////////////////// PHP研究所 ///
453 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/04/15(土) 18:08:20 ID:vp3CBvz+
投資先、観光地として、魅力ある個性でなくなった。
/// 日本への警告 10 ///////////////////
日本からは膨大な資金と多数の工場が流出するのに、海外から日本への
直接投資はきわめて少ない。日本から出る直接投資に比べて日本に入るそれは
十分の一にも満たない。世界でも、これほどの差のある国は珍しい。
観光客も日本から出るのは多いが、日本へ来るのは少ない。一九九六年には
千六百七十万人が日本から出国したが、日本に入国したのは三百四十万人。
その双方から業務客を引いて、楽しみのために来た人々のみを計算すると、
千二百万人対百万人と推定される。日本は投資市場としても観光地としても、
「魅力のないところ」になっているのだ。
/////////////////////// 1998年発行 ///
454 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/04/17(月) 21:31:08 ID:4yTI+5cp
/// 日本への警告 11 ///////////////
一九九〇年年頭の日本の輝かしい地位と、九八年の日本の暗い状態とを
見ると、この八年間の進歩が恐ろしく遅かったことに気づくだろう。九〇年代の
日本は、「遅進国」なのである。
これは、あたかもオリンピック種目における日本の成績を彷彿させるものがある。
一九六四年の東京オリンピックでは、日本は十六個の金メダルを獲得した。
水泳や体操、レスリング、重量挙げ、女子バレーボールは常に優勝候補に
その名を連ねていた。
それが一九九六年のアトランタ・オリンピックでは金メダルが三つ。
柔道だけである。
/////////////// 1,500円(税込) ///
455 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/04/19(水) 21:29:32 ID:thK91czF
/// 日本への警告 12 ////////////////
三十年前に優勝候補だった種目のほとんどが、いまでは予選落ちになってしまった。
かつての栄光を知る者には、サッカーのワールド・カップ大会に出られるだけで
騒いでいるいまの若者が気の毒に思えてくる。
しかし、こうなったのも、決して日本の記録が低下したからではない。世界の
レベルがものすごく上がったのだ。それに追いつかなかったという意味で、日本は
スポーツの分野でも「遅進国」である。
同じことが、九〇年代には経済の場でも起っている。もともと苦手な文化創造の
場面では、それがさらに著しい。
////////////////////// 堺屋 太一 ///
456 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/04/21(金) 22:54:26 ID:oKn+wsqw
教育などの問題の解決が見つかっていない。
/// 日本への警告 13 ////////////////
戦後の決算報告書
いま、日本が抱える問題はたくさんある。
たとえば、お米をどうするか。これだけでも非常に難しい問題だ。あるいは
土地制度をどうすべきか。これも日本経済の再建には避けて通れない大問題だ。
さらに、財政の問題、行政機構の問題、経済構造の問題、教育の問題、そして
何よりも高齢化と少子化で激変しつつある社会構造の問題がある。
こういった諸問題は日本国民に強く意識されるようになっているが、その解決
については、まだ何も出ていない。つまり、戦後の日本がやってきたことが、
ここに来てすべて行き詰った。しかし、それを突破する解決策はまだ見当らない
のである。
/////////////////// あるべき明日 ///
457 :
実習生さん:2006/04/22(土) 22:30:24 ID:i4M0SJth
458 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/04/23(日) 19:55:28 ID:+aghSgTO
/// 日本への警告 14 //////////////
いまの日本にまず必要なことは、「戦後の総決算」ともいうべき現状を、
粉飾することなく国民に報告し、正確な財産目録を提出することだろう。
国民は日本の現状に対して危機感を抱いている。政府の示す財政収支や
公共事業政策に深い疑念をもち・政治行政を信じなくなった。これこそが
現在の投資の停滞と資本の流出と消費の低迷を生む根元に違いない。
いま、日本が直面している最大の選択は、このまま「戦後」を続けるのか、
二十一世紀に向けた新たな「泡後(バブルのあと)」の時代をはじめるか、
という問題である。
//////////// 日本・いま決断のとき ///
459 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/04/25(火) 22:20:00 ID:wrpuY9Fk
教育改革など6大改革を掲げた。
/// 日本への警告 15 ////////////////
橋本前内閣は「六大改革プラスワン」を掲げ二〇〇一年初頭までの「千日の変革」
に挑戦した。
六大改革とは、行政改革、財政改革、金融改革、経済構造改革、社会保障改革、
教育改革であり、「プラスワン」は首都機能移転である。これらの改革が劇的な結果を
生めば、「戦後」は終り、新しい「泡後」の時代がはじまると見られていた。だが、
九七年秋からは、官僚機構やそれに繋がる族議員の反発でトーンダウン、結果としては
国民の信頼を失って退陣した。これからの政権が、それらの改革にどう対応するか、
もしこれが挫折すれば、日本の「戦後」は続き、二十年後には発展途上国に逆戻り
しているだろう。
///////////////////// PHP研究所 ///
460 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/04/28(金) 22:03:21 ID:XekBkqD/
/// 日本への警告 16 ////////////////
「このままでは日本が亡ぶ」
などとよくいわれる。いまもそんな危機感をもつ者は少なくない。しかし、
「亡ぶ」といっても国土がなくなるわけでもなければ、国民がいなくなるわけ
でもない。昔なら列強の植民地になることであったが、いまでは他国を
植民地にしようなどという野心をもつ大国もいない。
従って、「日本が亡ぶ」というようを漠然とした危機感を掻き立てるのは
正しい警告とはいえない。現実の問題として、日本が直面している危険は、
「発展途上国に逆戻り」することだ。世界の中で相対的に経済水準が低くなり、
政治的交渉力と文化的影響力を失い、カネと人と情報が来ない「片田舎」に
なってしまうことだ。
戦後の体制をあと二十年も続けたら、日本は確実に発展途上国に
逆戻りするだろう。
///////////////////// 1998年発行 ///
461 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/05/02(火) 22:14:22 ID:6mOy5mgN
/// 日本への警告 17 ////////////////
二、総資本主義化の世界
「原始」に戻った資本主義
では、一九九〇年代に入って、なぜ日本は遅進国になったのだろうか。その最大の
原因は、戦後の日本を成功に導いたシステム、「官僚主導型業界協調体制」にある。
このシステムは、ある段階までは日本の進歩と成長に大いに役立った。欧米の
優れた技術を導入して、いわゆるキャッチアップ効果を発揮するのには適していた。
リスクを全業界全社会に拡散する「リスクの社会化」によって成長分野への集中投資を
実現し、規格大量生産型の製造業を急成長させるのに、大いに貢献した。
////////////////////// 堺屋 太一 ///
462 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/05/04(木) 22:03:58 ID:PHa4pyM8
日本の戦後の体制では、創造的個性が育成されなかった。
/// 日本への警告 18 ////////////////
しかし、それが完了したとき、このシステムでは、それ以上の発展は困難になった。
自ら創造性を発揮する個性の育成と活用ができないからである。
一方、一九八〇年代から九〇年代に入ると、世界は著しく変わり、猛烈な速さで
進み出した。
その進歩をつくりだしたのは、冷戦構造の終焉によってはじまった総資本主義化
現象である。総資本主義化とは、資本主義の基本的な原理、つまり新規参入の
自由と消費者主権を全面的に適用した社会のことである。
官僚の規制や政治的な保護を排除して、誰でも供給者として自分がよいと思う
商品を発売し、優れていると信じる仕組みを実行できるようにする。そしてその中で
何がよい商品かどれが優れた仕組みかは、消費者の選択によって決める。
拘束なしに消費者が選んだものが成長し拡大するのを肯定するのである。
////////////////// あるべき明日 ///
463 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/05/07(日) 20:08:28 ID:xcO7yvbo
/// 日本への警告 19 ////////////////
こういえば、十八、十九世紀の原始資本主義の復活と思われるかも
しれない。誤解を恐れずにいうならば、「そう」なのである。ただし、その
背景には、産業構造と組織形態の劇的な変化があり、一般消費者に
対する情報量の拡大があることを忘れてはならない。
たとえば、産業の構造がソフト化し、巨額の資本や巨大な組織がなくとも
大企業が育つようになった。ビル・ゲイツ氏は短期間のうちに世界最大の
企業を興した。中堅企業がより大きな企業を買収することもあれば、勇気と
英知の持ち主が金融市場で巨額の資金調達をすることも可能である。
その限りでは、原始資本主義の時代と似たアイデアと才覚の競争市場が
再現している。
///////////// 日本・いま決断のとき ///
464 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/05/09(火) 21:53:04 ID:3OwUJwYB
/// 日本への警告 20 ////////////////
二十世紀の前半に恐れられた「市場の失敗」の危険がなくなったわけでは
ないが、民間資本による独占はまず不可能になった。冷戦の結果、世界が
知ったのは、「市場の失敗」よりもはるかに恐ろしい「官僚の失敗」である。
こうしたことが、経済の自由化を促し、総資本主義化の基本的条件を
生み出した。だが、これに対して、長い間、日本は懐疑的だった。
総資本主義化には、それを実行しているアメリカやイギリスにも批判はある。
「アメリカの経済は成長し、大小の企業が大量に誕生して失業者が減り、
技術は進歩して非常に活性化しているのは事実だが、貧富の差が拡大して
国民多数は必ずしも幸せになっていない」というのがそれである。
///////////////////// PHP研究所 ///
465 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/05/11(木) 21:53:35 ID:tGPOtXTq
/// 日本への警告 21 //////////////
ニューエコノミー VS ブラック・マンデー
実際、この批判は、多くの人々に古くからある危険を思い出させる。
その一つは、ブラック・マンデー再来の心配だろう。
一九八七年十月十九日、アメリカの株価が暴落した。この日は今も
「暗黒の月曜日」と呼ばれている。あれから十年余、アメリカの株価は
四倍以上に上昇したが、それだけに暴落を危倶する声は大きい。その
背景には、貧富の格差の拡大はいずれ需要不足を生み大不況に繋がる、
という伝統的な経済理論がある。
ところが、現実には、アメリカ経済の活力は一向に衰えない。そうなると、
貧富の格差は拡大しても不況にはならない、それはむしろ肯定すべき
現象だ、というニューエコノミー派が登場した。
/////////////////// 1998年発行 ///
466 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/05/14(日) 19:48:58 ID:J9b0Maif
優れた経営者などには高所得が当然だと認識されるようになった。
/// 日本への警告 22 ////////////////////
アメリカに住む単純労働者は、アメリカにいるがゆえにメキシコにいる人の
数倍、中国四川省にいる人の百倍の賃金を得ることができる。アメリカには
単純労働者でも高い生産性を上げられるような優れた組織や施設があり、
優れた経営者や技術者がいるからである。
そうであれば、それをつくりだしている優れた人たちが高所得を得るのは
当然であり、そのことによって、より優れた組織や施設ができるのであれば、
全住民にとってよいことではないか。優れた人たちに高所得を認め、その結果、
一般労働者も高賃金を得られるとすれば、社会の幸せ(福祉)は向上する、
という絶対水準の議論が広がっている。
///////////////////// 1,500円(税込) ///
467 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/05/16(火) 21:23:08 ID:x5Ko4QxO
/// 日本への警告 23 ////////////////
二十世紀の中葉、一九三〇年代から七〇年代までの半世紀は、すべての
人の所得を限りなく平準化するのが望ましい、という厚生経済学の思想が
強かった。その発案者ともいうべきアーサー・ピグーは、こう考えた。
高額所得者のもっている一万円は、低額所得者のもっている一万円よりも
限界効用が低い。従って高額所得者の一万円を累進課税によって吸い上げて
低額所得者に与えれば、社会全体の幸せ度は増大する。
ただし、これをあまり徹底すると、高額所得者は勤労意欲を失うから、
彼らを働かせるための報賞は必要だ。これでは、所得の格差を認めるのは、
高額所得者の勤労を促し、社会の効率を維持するための「必要悪」だ、
ということになる。
////////////////////// 堺屋 太一 ///
468 :
実習生さん:2006/05/16(火) 23:57:43 ID:R3tZ67up
469 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/05/18(木) 21:11:20 ID:/ZnfZz38
/// 日本への警告 24 ////////////////
ところが、ニューエコノミーは、高額の所得を得ることのできる人々が
効率的な組織や技術を生み出すから、低額所得者にも利益が及ぶ。
従って、彼らが高額な所得を得て、それをさらに効率のよい投資に回すのは
社会全体の福祉に役立つ。格差の拡大が悪でなく、高額所得を得られる
人々が存在することこそ、好ましい現実の結果だ、と考える。
ニューエコノミーの議論は、まだまだ未熟である。しかし、このような
議論を声高にできるようになったのは、世界が「結果の平等」を志向する
社会主義や全体主義を否定し切ったことを示している、といえるだろう。
/////////////////// あるべき明日 ///
470 :
実習生さん:2006/05/19(金) 13:10:08 ID:tdovKbeb
人生なんて死ぬまでの暇潰しなのだ。どれだけ楽しめるかが勝負。
コミュニケーションというものも所詮は暇潰し。
他にすることがない、あるいは優先したいからやっている。他人を利用する行い。
人間だけでなく他の動植物も出来る。高尚なものではない。強制するものでもない。
他に面白いことがあれば、そちらをやればよい。人間の行為は全部暇潰し。
睡眠・ぼーっとすること・食事・読書・勉強・仕事・買い物・遊び・ゲーム。
人間にとっての狭義のコミュニケーションとは決まりを守らせること。
自由があるから争いがある。自然界の掟、弱肉強食。
人間は法と秩序を守ることで人間足りえる。最近では守れない奴等が多い。
唯一神に代わってそんな子供、修正してやる。
471 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/05/20(土) 22:06:06 ID:eyrV5yLN
/// 日本への警告 25 ////////////////
弱者救済を誤用する官僚
それに対して日本は、いまだに官僚規制と業界協調の戦後体制から
脱出できないでいる。その背景には、マルクスや毛沢東もいわなかった
ような弱者救済論の誤用がある。
そもそも「弱者救済」とは人権の擁護、あらゆる人々の人間としての
尊厳を保つことである。従って、その対象は人権をもつ自然人に限られる
のは当然だ。つまり、いかなる「弱者」といえども、人間は人間としての
人格があり基本的人権をもつがゆえに人間らしい生活をする権利がある。
これを擁護するのは社会の義務だ、というのである。今や、この考えを
全面的に否定する者は、先進国にはほとんどいないだろう。
///////////// 日本・いま決断のとき ///
472 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/05/23(火) 22:19:54 ID:ToWX7kIm
教育サービスの供給者である教師の利益などが、優先されていた。
/// 日本への警告 26 ////////////////////
ところが、日本の官僚とそれに保護された業界は、「弱者」という言葉を
供給者に当てはめる。このため、「弱者救済」の名で、人権の擁護ではなく
利権の保護が行われる。
たとえば、中小金融機関や零細建設会社はそれぞれの業界の「弱者」
だから、保護しなければいけない。小規模小売店は大規模店に比べて
「弱者」であり保護すべきだ。さらには、すべての開業医に患者が来るように
医療機関の数を制限して保護しなければならない。教師は全員が定年まで
勤務できるよう通学区域によって生徒(教育の消費者)を分配すべきだ、
等々である。
//////////////////////// PHP研究所 ///
473 :
実習生さん:2006/05/25(木) 16:42:21 ID:inXhDTZw
心がスカスカだね、もう原型を留めてないでしょう?w
それはマイノリティだからだよ
マイノリティが異端として取られない為には納得させるだけの根拠が必要だよ
打たれたとか潰されたっていうのはわかる。でも、相手が手強いのも知ってたでしょう?
それだけじゃない、マイノリティには踏襲も敵になるんだ
みんなにはできないことができるから潰される。
そういう「考え方」が「方法」が「実践」ができるから
できない人にとっては否定する以外に道はないでしょう?
マイノリティには努力も必要だけどそれ以上に覚悟が必要
潰されることを覚悟することじゃなくて、相手を納得させる覚悟だよ
474 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/05/27(土) 21:08:06 ID:SqB1BdCJ
/// 日本への警告 27 /////////////////////
これも一見「弱者保護」のようにみえるが、実は利権の保護であって、
人権の擁護ではない。この結果、下手な医者や不適任な教師や
非効率な建設会社や低金利しか支払えない金融機関の消費者になる
自然人は、その人権を踏みにじられることになる。
日本の官僚たちは、供給者保護のために、弱者救済論をあえて誤用し、
そのことによって権限の拡大を行ってきた。これこそが、今日の日本を
遅進国たらしめた最大の理由である。世界が総資本主義化へと進んで
いる今、日本だけが競争を排除した官僚保護体制を持ち続けているのは、
進歩と創造をなくす危険な行為である。
「泡後」の日本を創り出すためには、まず、この間違いを改めて、
「戦後」を終焉させることが必要である。それには、官僚主導に代る
新しい「文化」を築かなければいけない。
///////////////////////// 1998年発行 ///
475 :
◆bzJ.FiCBD6 :2006/06/03(土) 19:08:17 ID:tRVZbFIS
/// 日本への警告 28 ////////////////
いま、われわれにとって急がれるのは、官僚主導の文化、つまり
官僚が優秀で高潔で、これに任せておけば間違いない、という
神話に対する「信仰」を打ち切ることだ。
明治以来、百三十年問続いてきたこの国の官僚主導文化を断つことが
できるだろうか。私は可能かつ簡単だと思う。日本は、これまでにも
古い文化を完全に断絶した経験が何度かある。
その最も完壁な例は明治維新だ。明治維新は「武士の文化」を否定した。
徳川幕府の成立以降でも二百六十年、鎌倉幕府が生れたときから
数えれば六百七十年も続いた「武士の文化」というものを、明治維新は
わずか十年で否定したのである。
・・・・・
堺屋 太一 (著); 『あるべき明日―日本・いま決断のとき』
PHP研究所 1998年発行、 ISBN:4569602118、 \1,500 より
////////////////// 1,500円(税込) ///
476 :
実習生さん:2006/06/05(月) 23:43:19 ID:IvnzJ6nP
ま〜、日本は騙したり、稼ぐところであって、人と関わる国ではないわな。
村上ファンドの問題もマスゴミは感情論垂れ流し
477 :
実習生さん:2006/06/06(火) 16:23:50 ID:bEEQtgWV
日本に生まれた宿命です
嫌なら海外で人種差別されながらも生きるか
国内で思想差別されながら生きるか
478 :
実習生さん:2006/06/11(日) 18:23:39 ID:bQCg06SK
エッセイ:「デンマークでの経験とラーンネット設立まで」
○デンマークの豊かな生活
デンマークには受験戦争も塾もありません。皆が自然とふれあいながら
伸び伸びと生活しています。仕事の面でもほとんどの人は午前8時から
午後4時で仕事を終え、その後は家族とのんびり過ごしたり、日の長い夏は
外やサッカー、コンサートに出かけたりします。ゴルフのラウンドも出来ます。
夏休みはたっぷり1ヶ月とります。
だからといって日本に比べて仕事の面で劣っていると言うことは全くありま
せん。デンマークは日本に対して貿易黒字です。また、一緒に仕事をした
人々も大変優秀で、特に英語でも自国語でもその高いコミュニケーション
能力には目を見張りました。議論も上手で結論が早くでるので、仕事も
速く終わるのです。
なぜ、こんなにも違うのか不思議に思い、いろいろ尋ねてみたところ、
子供の頃の教育に原因があることが分かってきました。
479 :
実習生さん:2006/06/11(日) 18:26:33 ID:bQCg06SK
エッセイ:「デンマークでの経験とラーンネット設立まで」
○デンマークの教育
デンマークでは子供の頃から、一人一人が自分の意見を持ち、それを表現
すること、また、人の意見を尊重することを学びます。また議論をぶつけ
合った上で、みんなで決めたことにはきちんと従います。こういったことが
日常の学校の授業で行われているのです。学校のシステムも大変柔軟です。
学校を自由に選択出来るし、誰でも自由に学校が作れる。またその学校に
対して公的補助が与えられます。これにより、幅広い学校の選択肢があります。
例えば校舎がなく、毎日アウトドアで過ごす学校もあります。子供は多様な
選択肢の中から自分にあった教育を選ぶことが出来ます。また、中学3年
の頃、高校3年の頃には、知育をせず、旅行などをして自分を見つめ直す、
モラトリアム的な期間を過ごすことも選択できます。高卒で就職し、経験を
積んだ上で大学に行くことも多いです。要するに決まり切ったパターンが
あるわけでなく、自分の興味に応じた教育を受けることが出来るわけです。
私の娘もデンマークでモンテッソーリ教育を受けましたが、少人数の
こじんまりした学校で、一人一人の個性を尊重し、能力を伸ばしてくれる
教育は初めての経験であり、大変感動しました。
480 :
実習生さん:2006/06/11(日) 18:30:06 ID:bQCg06SK
エッセイ:「デンマークでの経験とラーンネット設立まで」
○日本に帰って
こういうデンマークでの体験の後、日本に帰り、娘を入れる幼稚園、
小学校を探しましたが、いいところがなく、愕然としました。 まず近所の
幼稚園を見学し、教室の後ろに飾られている絵を見たところ全員が全く
同じ構図、同じ色使いなのです。先生が一生懸命指導したのでしょう。
本来子供は一人一人表現したいことが違うはずなのに、皆同じ枠に
はめられてしまうのです。 小学校でも全員が全く同じことを同じペースで
学ぶ事が求められます。その結果、自分の得意な分野では退屈し、
苦手な分野ではついていけないという問題が必ず起こります。また先生に
教えられることに疑問を持つことは奨励されず、そのまま受け入れることが
求められます。その結果質問をしない、何事にも疑問を持たない素直な
子がいい子とされ、問題意識のある子はうるさい子ということになります。
また、なんでも先生のいうとおりにすることに慣れ、自分で考えない、
決めない、また責任もとらない人間になってしまいます。高度成長時代で
いわれたとおりやっていれば何とかなった時代ではこれでもうまくいった
のでしょうが、現在のように世界が急激に変化し、判断力が求められる
時代では、これでは大変苦労することになります。 結局迷ったあげく娘は
インターナショナルスクールに入れることにしたのですが、大変悔しい
思いでした。日本人なのに日本に入れたい学校がないなんてなんという
ことだ。こうなったら自分で作るしかない、と感じました。
http://www.l-net.com/tshp/essey01.htm
481 :
◆hibjLQgrXg :2006/06/23(金) 22:22:37 ID:SXPMdZg1
482 :
◆hibjLQgrXg :2006/06/25(日) 17:59:43 ID:PAQpjBog
/// この国の気持 1 /////////////////
堺屋 太一 (著); 『あるべき明日―日本・いま決断のとき』
PHP研究所1998年発行; 1,500円 より
・・・・・
第二章 この国の気持
一、古い理想を追う日本
日本の選択肢
日本の国家や社会のコンセプトは、時代によって大きく変化してきた。
中でも重大なのは、徳川時代の安定一途の社会コンセプトから
規格大量生産型の近代工業社会の形成へと大転換した明治維新である。
日本は明治以来、このコンセプトを継承し、約百年後の一九七〇年代には、
見事にそれを達成した。七〇年代末からの日本は、世界で最も成功した
近代工業社会、いわば「最適工業社会」であった。
/////////////////// あるべき明日 ///
483 :
◆hibjLQgrXg :2006/07/05(水) 22:15:23 ID:bdj9mEHA
/// この国の気持 2 /////////////////
ところが、その頃から世界は大きく変化し、近代工業社会とは別の、
新しい歴史段階を目標とするようになっていた。それは、比較的低コストで
多様な生産と流通を実現できる技術の進歩を反映して、人々の多様な
発想を実現し、多様な欲求に応える自由経済民主主義の社会である。
日本は明治以来の夢を実現した。これは偉大なことだ。従って、この
成功を誇示して成功体験に長く酔い痴れたい気持が、今の日本にはある。
///////////// 日本・いま決断のとき ///
484 :
◆hibjLQgrXg :2006/07/15(土) 19:37:58 ID:EaBvUR20
/// この国の気持 3 /////////////////
また、それに成功した手法を継続していれば、これからも繁栄が続く
はずだ、と信じたい気分も強いし、これを改めることへの危倶や不安も
大きい。もちろんこれを変えることによって損失を受ける既成の勢力や
知識の持ち主も多い。
世界の冷戦構造が終焉した一九九〇年、世界の経済と文明の
構造は変っていた。だが、日本は過去の成功のゆえに、佇み戸惑った。
///////////////////// PHP研究所 ///
485 :
◆hibjLQgrXg :2006/07/29(土) 19:50:41 ID:KE8Qt2AI
/// この国の気持 4 /////////////////
社会主義の消滅を構造的変化ではなく、ソ連など社会主義国指導部の
失敗と見る論説さえ、少なくなかった。そんな惑いがこの国を、進歩の
遅い「遅進国」にした。世界の先進国が「近代」を超えた新しい歴史的
発展段階である「新代」に向って非常な勢いで走りだしていたとき、
日本はその方向へ進むことができなかった。
私たちはこれから新たな目標を設定し、新しい選択をしなければ
ならないところへ来ている。では、われわれの前にはどのような
選択肢があるだろうか。
///////////////////// PHP研究所 ///
486 :
実習生さん:2006/07/29(土) 20:17:58 ID:kDnz7HDW
秩序と称して、自分の都合を押しつける大人が多いのは、そういう社会だし、
自分もそうされてきたから。この国の最大の病。どう変わるとしても、少しづつ
しか変わらない性質のものだ。だからこそ危険。
487 :
◆hibjLQgrXg :2006/08/09(水) 21:56:36 ID:HoJDrVLN
/// この国の気持 5 /////////////////
失われた目標を追い続ける
第一に考えられるのは、いままでと同じ目標を追い続けることだ。つまり
規格大量生産型の近代工業社会を理想と信じ、これからも徹底した規格化を
維持することである。
それによって一世代前の人々が夢見た社会が実現し継続するとすれば、
それもよいではないか。わずか一世代前の一九六〇年代に世界の人々が
夢見た世の中を、この国に実現させてなぜ悪いのか。それはそれで素晴らしい
ことではないか、というわけである。
///////////////////// 1998年発行 ///
488 :
◆hibjLQgrXg :2006/08/15(火) 20:38:14 ID:He1I1gd3
/// この国の気持 6 /////////////////
この逆を選択するとすれば、国内的には急激な変化は避けられる。
戦後の官僚主導と業界協調体制を維持すればよいはずである。
現に、外国からの圧力や国際競争に曝されない分野においては、近代
工業社会の目標に沿ってつくられた基準が頑固に維持されている。その
最も典型的な分野は教育だ。
橋本前内閣は「六大改革」の中に、財政改革、行政改革、社会保障制度改革、
金融制度改革、経済構造改革と並んで、教育改革も採り上げたのだが、
議論されていた教育改革の方向は、明治以来、文部官僚が夢見てきたのと同じ、
「規格大量生産に適した人材を大量に育成すること」の域を出るものではない。
////////////////// 1,500円(税込) ///
489 :
◆hibjLQgrXg :2006/08/30(水) 22:13:26 ID:NqHHV7z6
/// この国の気持 7 //////////////////
規格大量生産に適した労働力となる人材とは何か。その第一は、共通の
知識と技能をもっていること。みな読み書き計算ができ、文明の利器を利用でき、
ある程度の外国や歴史の知識をもっている。新聞雑誌を読み、買い物の
計算ができ、規則通りに動く習慣があり、時計、電話、テレビ受像機が使えて
自動車の運転もすぐに覚える。つまり、近代工業社会において生活するのに
不便がなく、大量生産の現場で働いてすぐ役に立つ人間である。
///////////// 日本・いま決断のとき ///
490 :
実習生さん:2006/09/05(火) 11:31:39 ID:bYcm+GoW
人間は全員違うのだから、個性があるのはあたりまえだ!!
だから、人それぞれの個性を認めないのはおかしい。
491 :
実習生さん:2006/09/05(火) 11:34:05 ID:bYcm+GoW
492 :
実習生さん:2006/09/05(火) 17:09:15 ID:xEfa4COs
493 :
実習生さん:2006/09/06(水) 14:41:20 ID:w3dyYqmN
>>490 全体主義の鬼畜どもにゃ何言っても無駄。
494 :
◆hibjLQgrXg :2006/09/06(水) 22:41:34 ID:0fwJkHGC
/// この国の気持 8 /////////////////
近代以前の教育は、職能教育を前置して、一般教育を後置した。
農民の子は親に連れられて農業の手伝いをすることで職能教育を受け、
やがて寺子屋に通って読み書きそろばんという一般教育を受けた。
武士の子はまず親から武士にふさわしい行儀や挨拶を躾けられ、
それから読み書きそろばんに入った。そしてその中で特に才能があると
認められた者だけが、都に上って偉い先生について専門的な知識と
技能と人脈を学んだ。
////////////////////// 堺屋 太一 ///
495 :
◆hibjLQgrXg :2006/09/13(水) 20:26:19 ID:QNJ2ONHh
/// この国の気持 9 /////////////////
ところが、十九世紀から世界に広まった近代教育は、まず読み書き
計算の一般教育を施し、職能教育はあとからする。
このような教育こそマルクスのいう「自由なる労働者」、つまり「財産も身分も
利権もないがゆえに自由な勤労者」には適している。彼らは、将来どんな
職業に就くか分からないし、いつ職場を変るかも分からない。どこに居住するか、
どんな人と結婚するかも分からない。従って、どのような場合にも有用な
基礎知識をもたせた。職場の側からいえば「雇ってすぐ役に立つ人材」である。
このような規格大量生産向きの人材を大量につくる「近代教育」において、
最も完成度の高いのが今日の日本である。
/////////////////// あるべき明日 ///
496 :
実習生さん:2006/09/14(木) 23:13:09 ID:fwgjZgwC
>>494 寺子屋みたいに自主的に学べたらどんなにいいかね…。
497 :
◆hibjLQgrXg :2006/09/20(水) 21:40:02 ID:KQL5jAKX
/// この国の気持 10 /////////////////
「この国の気持」を示す教育
一つの国(社会)の未来を創るのは次の世代である。従って、「次世代」を育てる
教育には、その国の現世代の期待が表現されている。親の世代が願ったように
子の世代はならないことは多いが、教育に託された理念には、親たちの理想が
表われている。いい換えれば、一つの国の教育制度や内容を見れば、「この国の
気持」が、つまりその国の人々が目指している未来像が分かるわけである。
では、今日の日本の教育の仕組みはどうなっているか。その大枠を定めたのは
昭和十六年の「国民学校令」だ。「何をまた古いことを。五十年も前に廃止になった
勅令を何もいまさら」と思われる方も多いだろうが、実はここが大切な点である。
///////////// 日本・いま決断のとき ///
498 :
◆hibjLQgrXg :2006/09/30(土) 23:47:03 ID:FOAR5YFk
/// この国の気持 11 /////////////////
国民学校令は、ナチス・ドイツの「フォルクス・シューレ」の制度を、その名も
そのままに模倣したものだ。この制度の主な柱は三つある。第一は、初等教育は
全人格的に公の認定した学校で行う。家庭や地域社会や教会は深く関わる
必要がない。学校が知育、徳育、体育のすべてを行う。
第二は、初等教育の学校はすべて公認制、原則として公立(市町村立)にする。
私立の小中学校の新設は原則として認めず、現存の私立学校もなるべく縮減し
公立に集約する。
第三は、公立学校には一学校一通学区域の厳格な学区制度を設け、居住地
による強制入学制度を実現する。
///////////////////// PHP研究所 ///
499 :
◆hibjLQgrXg :2006/10/08(日) 20:02:14 ID:ANk9P+9U
/// この国の気持 12 /////////////////
以上の三つを組み合せると、教育の消費者である生徒と父母から、
学校選択の自由を奪うことになる。しかもその学校が、知的教育だけではなく、
生活の躾から体育や美意識までを教えるとなれば、官僚の指定する学校が
子供たちの全人格形成を支配することになるだろう。
そうであれば、どの学校も同じ教育内容でなければならない。学校に
優劣があれば不公平が生じるし、教育内容に違いがあれば不適切な結果
になる。ある学校が「音楽に重点を置く」とすれば、音楽好きの数人は喜ぶが、
あとの何十人かは困ってしまう。なにしろ入学する学校を選択することも
転校することもできないのだ。
///////////////////// 1998年発行 ///
500 :
◆hibjLQgrXg :2006/10/14(土) 19:51:16 ID:hQZkFc1T
/// この国の気持 13 /////////////////
従って、すべての学校は全国一律、どこからも非難の出ない「国定」の
教育にならざるを得ない。さらにこれを生活の躾や徳育、体育にまで拡げれば、
全日本人の能力や価値観を一律同型にすることも可能だろう。これこそが
「国民学校令」の主旨であり狙いである。
ここで指摘しているのは、「一律の価値観に育てる仕組み」であって、その
価値観が「軍国主義」か「経済主義」か、「忠孝」か「会社人間」かといった
中身ではない。この仕組みこそが、今日も頑固に、ますます強固に維持されている
日本の教育の根本なのである。
なぜ戦時中に採用されたナチス型全体主義の教育制度が、戦後の民主化時代
にも維持強化されたのか。その理由は、戦後の社会全体が規格大量生産の
確立を目的としてきたからである。
////////////////// 1,500円(税込) ///