【広島】民間登用の小学校長が自殺・統合版

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<校長自殺>休養願に「がんばれ」 うつの認識に欠けた対応

 民間人校長として広島県尾道市立高須小に勤務中の慶徳和宏さん(当時56歳)が今年3月、校内で自殺した問題で、慶徳さんが「うつ」と診断され、休養を願い出た際の尾道市教委との詳細なやりとりが27日、分かった。
市教委は病状に触れず「頑張ってもらいたい」と慶徳さんを説得、「うつ傾向と聞いたが休ませねば、とは思わなかった」などと病状に対する認識の欠如を認めた。
慶徳さんは多数の知人に「診断書を出したが休養を認めてくれなかった」と話しているが、山崎建郎市教育長は「診断書は見ていない」と否定している。【山中尚登、金塚祐司】
 尾道市教委が毎日新聞の取材に対し明らかにした。市教委の説明では、慶徳さんは昨年5月13日午前10時ごろ、山崎教育長を訪ね、3日前に教頭が倒れたことによる学校運営の不安と心労を訴えたという。
慶徳さんは「病院に行って来ます」といったん退出。近くのJA尾道総合病院を受診した後、午後2時ごろ再び市教委を訪れた。
 面談は教育長室で行われ、山崎教育長のほか山岡将吉教育次長、黒木巖学校教育課長らが対応。慶徳さんは冒頭で「診察を受けた結果、『うつ傾向』と言われた。休ませてほしい」と願い出たという。
しかし、市教委は教頭不在による学校運営の不安が病気の原因と判断、市教委からの職員派遣などの支援を綿密に説明。山崎教育長は毎日新聞の取材に「不安を取り除くことが一番の解決策と思った」と答えた。
 約1時間半の面談で、慶徳さんが「休みたい」と言ったのは冒頭の1回だけ。後は支援策の説明を黙って聞いていたという。
市教委は、病名や診断の詳しい内容などを一切聞かず「診断書は見ていないし、慶徳先生が診断書を出すそぶりもなかった」と説明した。
243またまた新たな事実が…:03/06/29 11:36 ID:MFagxk+S
 一方、慶徳さんは後に、市教委との面談の様子を複数の知人に打ち明けていた。その1人は「慶徳さんは市教委に診断書を出したが、認められなかったと言っていた。
元銀行支店長の慶徳さんが、休養を申し出るのに診断書を用意しないわけがない」と市教委の説明を疑問視した。
 また、元高須小の教諭は、面談の数日後に校長室へ呼び出されたという。
たばこの煙が立ち込める中で慶徳さんは椅子に座ってうつむき、「実は医師にうつ病と診断され、1カ月休めと言われた。市教委に休みたいと言ったが、ダメだと言われた」と告げたという。

公務災害請求は来月中めどに
 慶徳和宏さんの遺族が請求する公務災害に関する関係資料について、広島県尾道市教委幹部は、27日までに「学校関係の書類はほぼ整った。遺族関係分と合わせ、確認後に来月中をめどに請求できれば」と語った。
ことば・うつ
 憂うつで気分が落ち込み、気力がなくなり、日常生活に支障が出てくる精神障害の一種。アルコール依存症と並び、先進国で多いという。
 主な症状としては、精神面ではイライラ、不安感、焦燥感、無気力、集中力の低下、考えがまとまらないなど。
身体面では朝早く目覚める、寝付けないなど不眠が多く、そのほか全身のけん怠感や頭痛、胃痛、食欲不振、肩こりなどがある。
症状が悪化すると、自殺願望を抱くケースもある。抗うつ剤など薬物治療が有効で、精神障害の中では治癒率が高いとされる。
 絶対的な分類方法は確立されていないが、米精神医学会の最近の分類では「気分障害」とされる。気分障害は、うつ状態だけの「単極性」と、気分が高揚して元気がよく、
集中力も増すそう状態とうつ状態の両方ある「双極性」に分類される。原因別で、なんらかの心理的、精神的ストレスをきっかけに発症する「心因性」
▽きっかけは特になく、体質や遺伝などが原因と考えられる「内因性」▽病気や治療用薬物の影響で引き起こされる「身体因性」に分類する方法もある。
 気分障害による推計入院・外来患者数は約6万5000人(99年旧厚生省調べ)。
最近は、うつではないが、健康な精神状態ともいえない「軽症うつ」が増えているという。一方、経済苦や生活苦が原因でうつになる人が増え、自殺者増加につながっているとの指摘もある。(毎日新聞)
[6月28日3時11分更新]