教師用指導書

このエントリーをはてなブックマークに追加
35実習生さん

英文法教科書が検定対象だった時代の教科書とその指導書の内容を
合わせたものを、現在は一般書として販売している「改訂版英文法総
覧」開拓社刊というのがある。このはしがきに当時の話が書かれている。

『本書の旧版は,高等学校英文法教科書として編まれたA Better
Guide to English Grammar(安井稔・吉富一・中島敏雄・大脇新平
共編,開拓社,昭和48年)を底本として成ったものである.同書は,
昭和47年に文部省の検定を受け,以後,10数年に渡り,かなり
広範に及ぶ採択校において,英文法の授業に用いられてきたもので
ある.また,同書には,教授者の便宜を図るため,A Better Guide
to English Grammar, Teacher's Manual(開拓社,昭和48年,412
ページ)が用意されていた.定価はついていたが,内容が教師用
手引きであるということもあり,市販はいっさいされていない.
もっと言うなら,採択校以外の先生方から購入の希望や照会があっ
ても,すべて丁重にお引き取りを願っていた.』

英語関連は全訳や問題解答が流出してしまうと、次年度以降採用
してもらえなくなるおそれがあるため、学校の教師であっても
採用校以外には指導書の販売を断ることがあるのは現在でも同じ。

逆に、農山漁村文化協会発行の農業高校用検定済教科書の指導書の
ように、誰にでも販売するものもある。同出版社は「指導書は一般の
人でもご希望でしたら、一般の書店からのご注文でも出荷いたし
ます。」とも言っている。
要するに、指導書の販売先を限定するどうかは、出版社と学校の
教師との間の事情で決まってくる。