161 :
実習生さん:
うーん、自分は私立大出身出身なので、助成に関しては賛成なんだけど、この助成制度は、
むしろ国立大出身者の官僚や政治家も大いに関与してるんだよね。ただ言いだしっぺは
森喜朗元首相など私立大出身議員なことは確かだけど。やはり当時も「憲法違反だ!」
という議論も激しかった。自民党だって全ての議員が賛成というわけではない。
今でも舛添要一(東大)なんかは反対してるんじゃないかな。この人は「相続税を上げ
ろ」なんて世界の趨勢から取り残されてることも言ってるから学者としては信用できんが。
明治維新後、明治政府のトップは海外を手本とし国力を上げるために、世界中を視察して
優れた制度を取り入れようとした。中でも彼らが驚いたのは、欧米諸国では私立学校が多く
巨大な大学まで私立で運営され、国の教育の根幹をなしていることだった。
基本的に、国っていうものは「教育」なんてめんどくさいことはやりたくないわけです。
莫大な金がかかるし、責任は重いしね。私人が全部請け負ってくれるなら、それに越した事
はない。ただ日本は国を作ってくために早急に教育制度を作る必要があり私立学校が育つま
で待ってるわけにはいかない。大久保利通なんかも、「公教育は私立学校が育つまでの繋ぎ」
と考えていた。
162 :
実習生さん:03/09/29 22:20 ID:dTepfbeC
慶応閥、早稲田閥なんかが批判されてるけど、それは国立も同じで、結局日本
人的な「学閥」「お上におまかせ」体質から、繋ぎであったはずの公教育が
大学教育においても国の根幹になってしまった。(もちろん私立のダメさもあ
る。私立の入試なんか、入試業務の軽減と試験料獲得だけが目的になってるしね)
このスレで「フランスはほとんどが国立」と書いてる奴がいたが、間違い。
フランスは法律で私立大学は禁止されてる。逆にアメリカには「国立」大学はな
い。極端かもしれんが、ここまで割り切ると問題は起きない気がする。
日本は、国立と私立のツートップで来てしまったため、ちょっとやっかいなこと
が起こる。国立を潰せないのはしょうがないにしても、私立も潰れてしまっては
困るのだ。おりしも高度成長で、高等教育はますます必要になってくる。しかも
ベビーブーマーが受験期に差しかかる。
163 :
実習生さん:03/09/29 22:23 ID:dTepfbeC
公立大学は増やせない。なにしろ金がかかるから。私学助成したほうが、全然
安上がりなのだ。(国立大学の経理の杜撰さは有名。特殊法人化するまで、
複式簿記を使ったことがないというのだから)
「国立大学が整理統合されてるんだから、私立にも同じ痛みを」という人もい
たが、国立の整理統合はむしろ国立出身者が望んでいること。私立が整理され
てなくなっちゃったら、国立のありがたみが無くなるからね。「国立を増やせ」
という意見に反対してるのも国立出身者なんだし。
個人的には私学助成は国益に適っていると思う。私学助成があることで、国や
自治体は安いコストで私立学校をコントロールできるんだよね。指導や勧告も
強気でできる。日本はこれでもクオリティ・コンクールができてるほうなんだ。
アメリカは大学制度に国が全くノータッチなので(最近はそれじゃまずいとなっ
ていろいろ基準を作ってるみたいですが)、ほんとにとんでもない大学がたくさ
んある。金のために博士号を乱発してるとかね。フランス式(全て国立)はコスト
がかかりすぎるだろう。このスレの住人は少数の大学が残ればいいと考えてるよう
だから、それはイギリス式と言えるかもしれない。一部のエリートが大学へ行き、
あとは職業学校へ行くという社会ね。日本に階級社会を作ることになるけど、これも
社会的コストがかかるんじゃないかな。
164 :
実習生さん:03/09/29 22:24 ID:dTepfbeC
あと私学助成というと、巨大私立大学に振り込まれる莫大な額の助成金ばかり
が話題になってしまうけど、基本的には生徒の授業料負担を軽くするための制
度です。学校に直接振り込まれてしまうから実感は無いけど、本来は生徒一人
一人が受け取ってるのと同じです。地方の高校では私立が底辺を受け持ってた
りするんですが、この助成は生徒にとってとてもありがたいはずです。
あと意識の問題。誰かがアメリカの大学はグッツ販売していて儲けてる、と書
いてましたが、ただのグッツなんて誰も買うはずありません。要は大学スポー
ツがプロ化していて、その入場料収入やグッツ販売が莫大なんです。そのため
大学が巨大なスタジアムを所有し、スター選手をスカウトしてきて人気を集め、
その収入を大学経営に充てています。それからハーバードなんかは自分たちで
投資会社を作って、大学の資産をガンガン投資し、年間30%のリターンを
獲得してるそうです。日本では早稲田がホテル作ったくらいでめちゃくちゃ叩
かれてましたが、「大学の金儲け」に対してものすごい意識の差がありますね。
例えば酒田短大の件を「私学助成の悪の面」として捉える人がいますが、これ
逆なんです。「良い例」なんですよ。要するにこの短大は規定違反のサテライト
教室など、国の基準に合った教育をしてなかったわけですが、助成金を受け取っ
ていたことで世間(納税者)の厳しい目にさらされ、その世論の後押しがあるか
ら国も大学や短大に強気の指導ができ、結果的に「お取り潰し」になるわけです。
アメリカではそもそも「カレッジ」とか「ユニバーシティ」なんて勝手に名乗
れるし、学位だって自由に発行できます。もちろん格付け機関があって、糞ほど
の役にも立たない学位を出してる所を人々に警告してはいますが、そういう大学
は海外にガンガン広告を打つわけです。通信教育と少しのスクーリングでアメリ
カの大学の学位が取れますよ!と。外人はみんなそれで騙される。その大学は
大もうけです。
でも法律違反じゃないし、税金使ってるわけでもないので、「こんなけしからん
大学があっていいのか!」なんて怒るアメリカ人は誰もいません。みんな無関心です。