校内暴力「全国ワースト3」でも政治運動に狂奔する「日本最強」三重日教組
今どきマジかよ、なんて驚くなかれ。統一地方選を前に、時計の針を30年も
戻したような異常な光景が見られている。日本最強を誇る三重日教組。校内
暴力全国ワースト3という同県は、実は組織率98%という日教組の牙城だ。
そのセンセイ方の実態を知ったら、ホント「マジかよ」と呻くに違いない。
3月13日日午後7時。
三重県四日市の近鉄四日市駅から徒歩10分の静かなビル街に立つ四日市市
文化会館は、その中だけが異様な熱気に包まれていた。
1階には、ゆうに1000人は収容できる大ホールがある。ここに、三重県日教組
(以下、『三教組』)の三泗(さんし)支部(注=四日市と三重郡にまたがる日教組の
支部)の組合員およそ1000名が集結したのである。
いずれもこの支部の小・中学校の教師たち。座席には、それぞれの学校の名札
がつき、立錐の余地もない。
「我々の仲間で代表の藤田泰樹を県政に送りだしましょう! これはすべて子供た
ちのためなんです」
絶叫に近い声で挨拶に立ったのは、執行部の役員。つづいて、教組のOBが演
壇に立つ。
「選挙まであと1カ月。短期間の勝負です。確かにやりにくい面もあります。矛先は
ここにいる皆さんに向かいます。私も2回ほど警察に呼ばれたことがあります。でも、
怖がっていたら何もできません。どんどん教え子を訪問したり、家に電話して開拓し
てもらいたい。藤田さんを是非もう一度、送りだしましょう!」
これまた煽り立てるような独特の口調。万雷の拍手が湧き起こる。そして、候補
者である藤田氏の教え子や支援者の挨拶の後、藤田氏本人が演壇に立つ。
「こんばんは。学年末でお忙しい中、私のために決起集会を開いていただきまして、
有り難うございます」
金縁のメガネに薄い髪。優しげな表情は元教師であることを窺わせる。が、藤田
氏は一昨年10月、酒気帯び運転で捕まっている。
「まずは酒気帯び運転で捕まってしまったことについて謝りたいと思います。皆さん
のご信頼を傷つけてしまったことを心よりお詫び申し上げます。そんな中で、私の
2期目の選挙を推薦という形でご決定いただき、その上、このような決起集会まで
開いていただき、すみません……」
ここで言葉が詰まった藤田氏はしばし鳴咽。会場は静まりかえる。
「すみません。私も胸が詰まってしまって……。1期4年間、私は労勧、福祉、教育
を課題としてやってまいりました。私が大事にしていきたいのは、子供一人一人が
大切にされる環境、そして安心して暮らせる街を作ることです。皆様の温かいご支
援をどうかよろしくお願いします」
会場は拍手、拍手。この雰囲気を逃さじと、分会(各学校のこと)の代表が次々と
挨拶に立つ。
「昨日、三泗支部の運動員がビラ撒きで二人やられました。一人は泣いていました。
あと、戸別訪問でも摘発が2件ありました。我々はギリギリの所まで追い詰められて
います。世間の日は厳しい。まだ1カ月、探せばやれることがまだあるはずです。あ
きらめないで頑張りましょう!」
別の分会の代表は、
「この選挙で負けたら、組合はなめられっぱなしになります。真剣にやっていこうで
はありませんか!」
いやはや、もの凄いムードである。
最後に演壇に立った前島徳男・三教組委員長の、
「我々は崖っ縁に追い込まれています」
という挨拶の後、全員で、
「団結ガンバロー!」
のシュプレヒコール。日教組全盛時代の昭和40年代もかくやと思われるムンムン
の熱気。とにかく、これが学校のセンセイ方かと思われる決起集会はこうして終った
のである。
人事も思いのまま
この集会の雰囲気をお伝えしただけでも、その選挙の事前運動の凄まじさが窺え
るだろう。
ちなみに藤田氏が出馬する県議選の四日市選挙区の定員は7議席。前回の8議
席から1議席減ったため、危機感は一層のようだ。
三泗支部のある中学教帥がいう。
「選挙戦は事実上、最終盤に入っています。組合員には、氏名、住所、電話番号、
家族構成を書かせる“支持者カード”が回っています。組合員一人あたりそれぞれ
獲得ノルマが20名となっている。親戚筋や知人、かつての教え子なと、片っ端から
お願いして了解をとり、このカードに記入していくんです。三泗支部には、組合員が
1600名いますから、これだけで最低3万2000名分の支持者が集まることになり
ます。当選ラインはおよそ1万3000票なので、ゆうにこれを上回りますが、実際に
投票してくれる率を低めに“4割”と設定しているので、この数字がノルマになってい
るんです」
しかし、支持者カードを提出したからといって、選挙活動が終るわけではない。
「組合の事務所に動員がかかり、この支持者カードを徹夜でパソコンに打ち込んで
いくのです。それと同時に名簿に打ち込まれた支持者にお礼と協力要請の電話をか
けていきます。それ以外にも、ビラ配りや戸別訪問で、支持者拡大のための運動を
展開していく。組合で聞いた話では、この三泗支部ではないそうですが、すでに戸別
訪問で二人捕まっているそうです。おそらく、お願いする時に“選挙”という言葉を、つ
い出してしまったのではないでしょうか」
別の中学教師もいう。
「組合事務所に行ったら異常ですよ。夜中になっても、明かりがこうこうと点いていて、
選挙事務所そのもの。ポスターがベタベタ貼られ、動員された組合員が慌ただしく連
絡や応対に追われ、片方では支持者獲得の電話攻勢が続けられています。藤田議
員は、前回、新人だったのにいきなり2位当選。これだけやれば当然だったと思いま
す」
彼らはもはや教師にあらず、選挙運動員そのものだ。
現在、日教組の組織率は全国平均が31%。80%台だった昭和30年代前半が嘘
のように、恐ろしい勢いで滅り続けている。
だが、三重県では、いまだに全国ナンバー1の「組織率98%を維持している」(組合
員)のだそうだ。まさに日本最強である。
今どきなぜこれほどのパワーを誇っていられるのか。
「それは人事を握っているからですよ。教育長も三教組出身だし、教育委員会のメン
バーもほとんどが三教組の出身者で占められているんです。だから、三教組の承諾
なくして、人事は動かせない。人事はふつう内示があって、それから異動しますが、4
年前までは、その前に内々示があり、きらにその前には、異動のための“謝整”があ
りました。異動に不満を持つ教師はまず組合に駆け込み、組合が難色を示すと、そ
の異動はボツになります。校長への昇進も、もちろん組合が影響力を持っています。
組合にたてついた教頭などは、絶対に校長になれません。誰も組合に逆らわなくなる
のは当然なんです」(ある組合員)
まさしく無法地帯である。
校内暴力で荒れ放題
教師たちが本来の教育とは無関係な政治運動に狂奔している間に、三重県内にお
ける校内暴力の発生件数は、4年連続全国ワースト3になっている。
「平成13年度の三重県の校内暴力発生件数は、2423件で全国3位。しかし、1位の
神奈川、2位の大阪、4位の兵庫、5位の埼玉はいずれも三重とは人口が違います。
人口の比率で見ると、三重は桁違いで圧倒的に全国ナンバー1なんです。数年前、あ
る教組幹部が、この校内暴力の発生件数を称して、“学級崩壊、学校崩壊は、我々の
長年の努力の結果で、待ち望んでいたことだ”と発言したことがあります。それだけ自
由教育を徹底してやってきたという意味なんでしょうが、とても信じられない思いでした」
(ある組合員)
その荒れ具合は想像以上だ。長年、地元で教育問題を追いかけてきたジャーナリス
トの北本豊氏がいう。
「実際に私自身が目撃したことですが、ある中学で授業が始まっても廊下に座っている
生徒に教師が“はよう教室に入れ”と注意したら、生徒が“うるせえよ”と言って、いきな
り教師を殴りつけました。また別の中学では、挨拶代わりにいきなり生徒が教師にまわ
し蹴りをしているんです。でも、教師の方は応援の先生を呼んでも、人権、人権と日頃
いっている手前、生徒の身体に触れることもできない。ケガをする教師はアトを絶ちま
せんが、警察に届け出ても、教育的配慮で動いてもくれません。歯止めがきかない奇
妙な現場になっているんです」
自ら招いた事態とはいえ、その荒廃ぶりは凄まじい。
4年前に発覚した三教組の「不正給与返還事件」はその荒廃ぶりを示す典型的な事
例かもしれない。
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実習生さん:03/03/27 01:42 ID:jQl85/Ao
「これは情報公開請求から発覚したことなんですが、組合幹部は午前中しか授業をせ
ず、お昼が釆たら、校長に“お疲れさん”といって組合の事務所に行っていたんです。
それに週に2、3コマしか授業のない組合幹部などの例がゴロゴロ出てきた。これが県
議会で問題になり、さすがに組合も露骨なことができなくなりました。それまでは、平気
で学校でも選挙運動をやり、電話や学校の会議室を使っての選挙対策会議など、目茶
苦茶でした。選挙が近づくと電話代請求額がベラボーな額になったものです」(ある古参
教師)
結局、こうして教師側が受け取っていた不正給与は十数億円に達し、組合と管理職が
あわせて約10億円、“寄付”の名目で県に返却するという騒動になる。ここまで組合は
やりたい放題だったのである。
さて組合側は何というか。
「授業をおろそかにする先生はいないと思いますよ。(強制的な選挙運動は)ありません。
あくまで組合活動の一環で、政治活動ではない。ノルマで支持者カードを集めるなんて、
そんなことやってませんよ」(細井篤志書記長)
とシラを切る。三重県教育界の責任者、土橋伸好教育長も、
「仮定の話には一切答えられない」
と、まるで他人事だ。
地元三重県の皇學館館大学助教授・松浦光修氏がいう。
「彼らは法に触れないギリギリのところでやっているつもりだろうけど、公務員の団体とし
ては、大問題です。教育公務員特例法では、公立学校教師の政治活動は国家公務員と
同じく、厳しく制限されているんです。彼らがやっていることは政治活動そのもの。可哀相
なのは、その犠牲になっている子供と保護者たちですよ」
さて遠山敦子・文科相。こんな実態をいつまで放置しておくつもりですか。