丹波産生乳を使った乳製品を製造販売する「丹波乳業」(兵庫県丹波市氷上町)が昨秋設立され、営業を始めた。地元農家らでつくる「兵庫丹但(たんたん)酪農農業協同組合」から生乳を購入し、
絞りたてに近い味わいを楽しめる低温殺菌牛乳やヨーグルトの販売に力を入れている。(藤本淑子)
丹波乳業は、同組合直営の乳製品製造販売事業が採算の改善を目指して分離独立し、株式会社として資本金2630万円で設立。
「氷上牛乳」のブランドや工場の氷上牛乳センター、学校給食などへの販路を引き継いだ。
社長には同組合の吉田拓洋さん(40)が就任し、パート、嘱託社員を含めて約40人が働く。老朽化した貯蔵タンクや冷蔵庫など設備の更新を進めている。
品質保証部を新たに設置し、食品の国際的な衛生管理方式「HACCP(ハサップ)」の認証獲得に取り組む。
組合時代から受け継ぐ主力商品は「氷上牛乳」。牛舎は車で1時間圏内にあり、仕入れる生乳の新鮮さが売りだ。
吉田社長は「牛舎の状況や搾った人の顔が分かる。成分表に記されない部分にこだわりがある」と話す。「氷上低温殺菌牛乳」(1リットル入りパック320〜330円)は、昔ながらの懐かしい味わいが楽しめる。
また、地元産生乳を原料とするヨーグルトは、新しい乳酸菌を加えてまろやかな味わいに仕上げ、「丹波ヨーグルト」の新名称にした。
黒豆や大納言小豆、ブルーベリーの入った商品も丹波産をアピールしている。
吉田社長は、自身も同市青垣町に牛舎を持ち「安心して味わってもらえる商品を消費者に届けたい」と話す。
商品は神戸・阪神間の百貨店やスーパーにも出荷し、地方発送も受け付けている。丹波乳業TEL0795・82・6324
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