消費税増税 いつまで待たせるのか − 読売新聞

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335名無しさん@お腹いっぱい。
3党首会談 国益優先の合意評価する 残る懸案も早急に処理せよ
2012.8.9 03:21
「決められる政治」を土壇場で頓挫させられないとの認識を、野田佳彦首相と谷垣禎一自民党総裁、山口那津男公明党代表
が共有した。首相は「日本のための合意」と語った。国益を優先する枠組みが構築されたことを高く評価したい。
崩壊の危機にあった社会保障と税の一体改革関連法案をめぐる民主、自民、公明3党の協力の枠組みが、8日夜に行われた
3党党首会談で堅持された。
野田首相が「関連法案が成立した後、近いうちに国民の信を問う」と早期の衆院解散に言及し、谷垣、山口両氏がこれを受
け入れて一体改革関連法案の早期成立を確認したことだ。
≪意義深い歩み寄り≫
首相は言葉通りに、早期解散で民主党政権に対する国民の審判を求め、国益や国民の利益を実現する政策を自公両党などと
競い合うことが求められる。
同時に、日本の危機克服に必要な内外の課題を解決するため、引き続き与野党協力の枠組みを生かしていくことが重要であ
る。9月に発足予定の原子力規制委員会の人事案などについても、3党で早期に処理する必要がある。
3党の新たな合意はまとまったものの、そこに行き着くまでに、民主、自民両党の党内事情や党利党略が絡んでいたことを
指摘しておかねばならない。
首相は8日午前の国対委員長会談を通じて「近い将来に国民の信を問う」との見解を自民党などに伝え、党首会談ではさら
に踏み込む必要があった。
だが、党首会談に先立つ民主党両院議員総会では「どんな事情があっても解散時期を明示することはできない」と強調した。
解散・総選挙で大幅に議席を減らすことを恐れている民主党内の情勢を考慮したものだろう。
「近いうち」の解釈をめぐり、輿石東幹事長は「今国会中の解散を意味するものではない」との認識を示した。自民党内で
も「谷垣氏が解散時期の確約を得られたと言えるのか」との声が出ている。合意を実現する首相と谷垣氏の指導力も改めて
問われる。
自民党の強硬姿勢に対し、公明党が「法案成立を最優先させるべきだ」との立場を貫いたことも、合意につながったといえ
よう。
自民党は民主党より先に消費税率10%を掲げ、一体改革をめぐる3党協議も主導してきた。だが、今月に入って重要法案
を人質にとり、3党合意を犠牲にすることも辞さない強硬姿勢に転じた。
早期解散について確約を得られなければ、谷垣氏が9月の総裁選で自らの再選が難しくなる事情もあった。このため党内か
らは「国民にどう説明したらいいのか」との異論が出ていた。
国益と国民の利益を最優先する政治行動をいかにとれるかが民主、自民両党に問われている。
一体改革関連法案が成立する運びとなった意義は大きい。
本格的な高齢社会に対応するためには、社会保障費の安定財源の確保が喫緊の課題だったが、当面のめどがつくことになっ
た。
財政健全化の取り組みを内外に示すこともできた。3党合意が破棄される事態となっていれば、次期国会以降に一体改革の
与野党協議を立て直すことは極めて困難で、日本は国際社会からの信頼を決定的に失う可能性があった。
一方で、一体改革関連法案には問題点も少なくない。第一に、社会保障改革への切り込みが極めて甘いことだ。むしろ、低
所得の高齢者向けに「給付金」をばらまくなど社会保障費の膨張を加速させ、高齢化で膨らみ続ける年金、医療、介護費用
をどう抑制するのか道筋はついていない。
≪社会保障に切り込みを≫
法案は、抜本改革について「社会保障制度改革国民会議」を設置し、1年以内に実施するとしているが、70〜74歳の医
療費窓口負担の2割への引き上げやデフレ下で年金額を下げる自動調整の仕組みの導入、年金支給開始年齢の引き上げなど
国民に痛みを求める項目から逃げてはならない。
政府・民主党は、最低保障年金や後期高齢者医療制度の廃止といったマニフェスト(政権公約)をいまだに取り下げていな
い。莫大(ばくだい)な費用を要する非現実的な政策は早急に撤回すべきだ。増税の前提条件とされた政治家や公務員の
「身を切る改革」もうやむやにすることは許されない。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120809/stt12080903210002-n1.htm