今回の一体改革には年間7000億円の新たな子育て支援策が盛り込まれた。高齢者向け中心だった社会保障関連経費が現
役世代に振り向けられる一歩と評価したい。ただ、社会保障制度の改革はまさにこれからが勝負となる。
「秋解散」、民主は覚悟を 今後、政治の焦点は衆院解散の時期や、来月の民主、自民両党首選びの動向に移る。
民自公3党首が「近いうちに解散」で合意したことから与野党には今秋にも衆院解散、総選挙が行われるのではないか、と
の見方が広がっている。必ずしも時期を特定できる表現ではなく、民主党内には依然として早期衆院選に慎重論が強いが、
いたずらに民意の審判を引き延ばすべきではない。民主党は今秋の解散も辞さないとの覚悟を固めるべきだ。
そのうえで、今国会の残り会期で違憲状態にある衆院の1票の格差是正措置と、予算執行に必要な赤字国債を発行するため
の特例公債法案の成立を期すことが不可欠である。原子力規制委員会の人事案も是非も含めて与野党が早急に調整し、9月
の発足に向け決着を図るべきである。
今国会中の解散がない限り2大政党の党首選びは次期衆院選に向けた重点政策が試される場となる。増税法成立後の消費税
の制度設計や社会保障政策の全体像が問われる。
民主、自民両党は原発再稼働を中心とするエネルギー政策、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)などで党内に幅広い
意見を抱える。2030年の原発比率などエネルギーに関しては有権者の判断に資する明確な方針を示すことが求められる。
http://mainichi.jp/opinion/news/20120811k0000m070129000c.html