朝日の社説@社説板1

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296名無しさん@お腹いっぱい。
北朝鮮の核―早く合意の実行に戻れ

本来なら昨日までに、北朝鮮の核施設は封印されているはずだった。
2月の6者協議でそう合意されていたのに、第一歩からつまずいたのは残念である。
ただ、幸いにも基本的な合意は崩れていない。北朝鮮が核施設を停止・封印するという約束を実行するまで、
日本や米国など関係国は忍耐強く交渉と支援を続けなければならない。
このつまずきの原因となったのは、北朝鮮がマカオの銀行に持つ口座の凍結解除問題だ。
米国と北朝鮮の間で話がつき、口座にある2500万ドルは北朝鮮に戻されることになったが、
技術的な問題から凍結解除の作業が滞った。
そもそも口座が凍結されたのは、単なる北朝鮮の資金洗浄疑惑のためだ。
核をめぐる6者協議と関連づける米国の主張は、筋違いと言うほかない。
2月の6者合意でも、口座凍結問題に触れたくだりはない。
当然のことながら、米国は凍結の全面解除を認めた。
ここは金融面で北朝鮮に譲ってでも、核問題で何とか前に踏み出したい。
そういう政治判断があってのことに違いない。私たちもそれが理想的な選択だと思う。
問題の口座を詳しく調べた米財務省は、米国の銀行に対してこの銀行との取引を禁じた。
その措置は変わらないという。「汚れたカネ、汚れた銀行」という面子だけはかろうじて保ちつつ、
あとは問わないということだろう。
05年9月の口座凍結以来、反発した北朝鮮はミサイル発射や核実験にまで進まざるを得なかった。
偽ドル札などを取り締まるための「法執行の問題」と米国は弁解するが、あまりに大きな代償だった。
北朝鮮は、口座の凍結解除が確認できれば6者合意を履行するとしている。当然のことだ。
早急に国際原子力機関の要員を受け入れ、施設の停止・封印の作業に入るはずである。
誠実に約束を果たしていくかどうか、今度は米国が厳しく問われる番だ。
口座凍結問題で米国の信頼感が再び傷ついたことは否めない。
だが、それを理由に6者合意を反故(ほご)にすることがあってはならない。
約束の60日以内に第1段階の措置ができなかったのは遺憾だが、大事なのは、
たとえ期限がいつになろうと合意の内容を着実に実行していくことだ。
すべての核計画の申告、核兵器やプルトニウムの廃棄など、この先には多くの難題が控えている。
一つ一つの行動を積み重ねながら北朝鮮の信頼を勝ち取っていくしか、問題の解決方法はない。
口座の資金移転をめぐって、米側に技術的な詰めの甘さが見えた。
資金の一時受け入れ先とされた中国様との意思疎通も不足していたようだ。
米国に余計な時間稼ぎのすきを与えず、合意を進めていくために、関係国は支援をさらに進めなければならない。
(日朝新聞 2007.04.15)