なぜみんな緊縮を支持するのかーひとつの仮説 Noah Smith
http://econdays.net/?p=8230 僕は5つ目の可能性を提示してみたい。
僕は「緊縮主義者たち」は反景気後退的なマクロ政策が国家がその制度を改善することなしに危機を「切り抜けて」しまうことを可能にしてしまうことを恐れているのではないかと思う。
言い換えれば、彼らは刺激策の成功が良い危機を無駄にしてしまうことを恐れているということだ。
制度改革を長く唱えてきた人物の気持ちを考えてみよう。
例えば、自分が「日本通」の欧米人だと想像してみてほしい。
長年にわたって日本の停滞を見てきたはずだ。首相が回転ドアのようにパタリパタリと交代していくのも見てきた。
自民党による長期政権が何兆ドルもの納税者のお金を政治的に繋がった土建会社にばら撒いて国中の川底にコンクリートに流し込むのを、
さらには女性たちが性差別主義者たちによって非生産的な主婦業に従事させられるのを、因習的な企業文化を、
他に類を見ない創造性溢れる非関税障壁によって輸入が阻害されるのを見てきたはずだ。
そして日本経済が停滞し、生産性が低下していくのを見ながら待った。
事態が悲惨すぎる程までに悪化して、古いシステムがやがて自らの重みによって崩壊し、日本が経済・社会的な革命を経ざるを得ない日が来るのを待ちに待った。
「いつの日にか、もはや切り抜けられなくなるはずだ」と自分自身に言い聞かせた。
2011年、ついにその日が来たように見えた。日本経済は2008年の経済危機と2011年の地震によって激しく揺さぶられた。福島原発の事故によって政府の腐敗の酷さが衆目に晒された。
自民党の長期政権は民主党にとって代わられたが、新政権の酷さは良い勝負で、抜本的な政治の「再編成(realignment)」が国会の有効性を回復する方法であることは明らかだった。
それに何よりも、日本の債務は急上昇を続け、とうとう大量の[訳注:債務の]削減は不可避であるように見えた。