パトラッシュ 経済はもう疲れたよ…!

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20金持ち名無しさん、貧乏名無しさん
★インフレになると金利が暴騰して経済破綻するのか? パート1

●金利と成長率の関係

「物価と景気と金利について」で、潜在成長率と実質長期金利は一致するのが自然だと述べた。
そこにインフレ率を加えた名目成長率が、名目金利の長期均衡水準と考えられる。

ここから言えるのは、実質成長率(あるいは潜在成長率)やインフレ率が上がるような政策は、
潜在成長率を引き上げる構造改革も景気対策も全て、名目金利を引き上げる可能性を持つということである。

●流動性の罠脱出時の名目金利は上がりにくい

しかし流動性の罠脱出時は金利上昇は低く抑えられる。
「物価と景気と金利について」の例を再利用すると、潜在成長率1.5%でインフレ率-2%のデフレ時、
名目金利はゼロ未満にならず0%になる一方、名目成長率は-0.5%なので両者は一致していない。

ここで仮に構造改革や景気対策で名目成長率が3%となった場合、名目金利も3%となるが、
名目成長率が3.5%伸びたのに対して、名目金利は3%とこれを下回る。
つまり流動性の罠時は、名目金利の上昇は実質成長率やインフレ率の伸びほど上がらないのである。

2002年の名目成長率は-1.3%で名目金利は0.5%で、2007年は成長率1.2%で金利1.8%。金利は成長率の半分の伸びだった。

●大不況からの回復時は、税収の伸びは名目GDPの伸びをかなり上回る

税収は一般に名目GDPに比例するが、所得税や相続税の累進構造等により、税収は名目GDP成長率に
完全比例するのではなく、その1.1倍程度伸びる(逆に言えばデフレはそれ自体、中高所得層への減税である)。

しかしこれは景気と不景気を平均した数字であって、どん底からの景気好転時に限れば税収の伸びは更に上回る。
量的緩和の始まった2003年の政府税収は43兆円、4年後の2007年の税収は51兆円(税制改正の効果を除くと53兆円)だった。
この間、名目GDPは2.2%成長したが税収は20%程度も伸びている。つまり1.1倍どころかほぼ10倍にものぼった。
21金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2012/11/26(月) 22:43:12.37
★インフレになると金利が暴騰して経済破綻するのか? パート2

●とりあえずの試算

仮に次期政権が名目成長率4%戦略を達成し、同時に成長率=金利が成り立つとする場合の、
今後10年の税収と利払い費の変化を比べよう。

4年後までの名目成長率の伸びは16%、税収の伸びを名目GDPの10倍ではなく
控え目に3倍とすると税収の伸びは48%。現在の税収は43兆円なので4年後の税収は63兆円となる。
その後6年間、名目GDPの1.1倍の税収増が続くとすれば、最終的な税収は63*1.04*6*1.1=86兆円。
最終的な税収の増加は、実に現在の税収とほぼ同じ86-43=43兆円となる。

現在の国債発行残高は709兆円、毎年の新規国債発行額を50兆円とすると10年後は1210兆円。
現在の利払い費は9.8兆円、名目金利4%時に1210兆円の利払い費は48.4兆円となるから、
最終的に38.6兆円の利払い費増加が実現することになる。

最終的な税収増加が43兆円、それに対して最終的な利払い費増加が38.6兆円であるから、
名目4%成長戦略時の税収増加は、利払い費の増加を4兆円余り上回る。
景気好転後の消費増税等を考慮すれば、財政は十分に維持可能と考えられる。

●円安による思わぬ財政改善・・・外貨資産について

政府は平成23年度末時点で91兆円(1ドル=77円で換算)と莫大な外貨資産を保有しており、
インフレ誘導で円安が進むと、それによる為替差益もやはり莫大な金額となる。

インフレ誘導により、為替レートが長期的な目安とされる購買力平価レート100円(実際はもう少し円安)に
到達すると仮定すれば、外貨資産は118兆円となって27兆円も増加し、これは消費税5%増税を2年先送り規模である。

●円安と外貨資産の活用で金融危機は容易に防止できる

現在日銀の試算では、1%の金利上昇で6兆円の含み損が生じるとされており、上記の為替差益を金融機関への
資本注入に活用すれば5%程度の金利上昇まで耐えられる。注入した資本はインフレで収益改善する金融機関により返済される。