日銀はなぜデフレ政策を堅持するのか?■36

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18金持ち名無しさん、貧乏名無しさん
スイスのデフレ克服
http://www.asahi.com/business/topics/column/TKY201003250559.html

 スイスは、昨年3月から10月にかけて1%程度のデフレにあった。
東欧諸国向けなどスイスフラン建て貸し出しのリファイナンスのための資金需要が強く、
スイスフランの実質実効レートは、グローバルな金融逼迫(ひっぱく)が発生して以来、10%も上昇している。
欧州中央銀行(ECB)が金融拡大策を実施するたびに、ユーロからスイスフランへの資金乗り換えとスイスフラン高が発生した。

 スイス中央銀行は、ECBを通じてポーランドなど東欧の中央銀行との間でスワップ協定を結び、
一時は600億スイスフランにも上る資金供給を行った。

 スイスでは、金融政策運営手段として、外国為替市場で介入する権限が中央銀行に与えられている。
デフレ圧力を回避し、国際競争力を強化するため、昨年3月以降、為替市場で大規模な介入政策が実施された。
事実上のゼロ金利、しかも銀行準備に関する目標もないので、介入資金を回収する必要がなく、基礎貨幣は倍近く増加した。

 名目GDP比率でみたスイスの介入規模は、2003年春から04年春にかけての日本通貨当局による「大介入政策」を上回っている。
30兆円を上回る「大介入政策」の時期に、日本銀行が当座預金残高目標を引き上げたこともあり、
介入資金の3分の1程度が市場に残った。
 昨年末にスイスの物価上昇率はプラスに転じ、今年は1%程度になる見込みである。
国の規模を上回る資産を保有する巨大金融機関のバランスシート問題が残る中で、
強力な介入政策の実施によって、スイスはデフレ克服に成功を収めた。
教訓は、市場から介入資金を回収しない介入政策は、デフレ克服に有効だということである。