>消費税増税分を成長分野へ。
>民間消費がダメなら政府支出で効率よく成長。
民主「新成長戦略」のお粗末 産業政策なんかもうやめろ
国がある特定産業をターゲットにすると、結果として産業がダメになるというネガティブな話は多い。
日本の戦後成長の歴史を見ても、通産省(現経産省)がターゲットにした産業は、石油産業、航空機、宇宙産業などことごとく失敗している。
逆に、通産省の産業政策に従わなかった自動車などは、世界との競争の荒波にもまれながら、日本のリーディング産業に成長してきている。
竹内弘高教授(一橋大学)の研究でも、日本の20の成功産業についても政府の役割は皆無だったようだ。
要するに、国に産業の将来を見極める眼力があればいいのだが、現実にはそんな魔法はない。
http://www.j-cast.com/2010/01/14057771.html 民主党政権下の日本】菅政権がやってはいけない政策は「増税」と「金利引き上げ」
この3人の考え方を整理しておこう。菅首相は昨日のコラムで紹介したように、「増税すれば景気が良くなる」と信じている。
さらに、無限の貨幣愛(モノよりカネを愛するので、デフレになるという考え方)も信じているので、増税・財政支出、金融政策なしになる。
仙谷官房長官は、数十兆円規模の需給ギャップを積極政策で埋めると経済にとってマイナスの影響が大きいとの認識を示し、中期財政フレームでは逆に増税を盛り込むと発言したことがある。
これも4月16日付の本コラムで紹介したことがある。
枝野幹事長は、かつてテレビで私は一緒に出演させてもらったことがあるが、そのとき金利を上げると景気が良くなると発言した。そんなことはありえないと反論したが、そのうち貸出金利ではそのままで預金金利を上げると言い出した。
金利が自由化されてもう20年近くなるが、そのような統制経済をよく考えるものだとあきれてしまった。
政府の経済政策はそれほど難しいものでない。
マクロ政策として需要不足のGDPギャップがあれば財政・金融政策で埋めて失業率を低め、デフレにならないようにし、また需要超過であれば財政・金融政策で過熱を冷ますなどの短期的な安定策を行う。
ミクロ政策としては競争政策、規制緩和、民営化などで供給サイドに働きかけ長期的な成長を促すだけだ。
ただ、経済に不案内な人(エコノミストと称する人の中にもいる)は、マクロとミクロ、需要サイドと供給サイド、長期と短期などの要素を区別できずに、政策が混乱してしまう。
今の経済情勢を考えれば、GDPギャップがまだ30兆円くらいあるので、優先すべき経済政策は財政再建よりもマクロ政策のGDPギャップの解消だ。
望ましいのは、財政状況を考えると失業率低下とデフレ脱却のための金融緩和であるが、やってはいけないネガティブリストには増税と金利引き上げを掲げたい。
(嘉悦大教授、元内閣参事官・高橋洋一)
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20100609/plt1006091519002-n2.htm