投資家ファーバー氏:増刷で「ドルは無価値に」、米経済は破たんへ
10月22日(ブルームバーグ):投資家マーク・ファーバー氏は22日、ロンドンで講演し、「米国の歳入のすべては債務の利払いに充てられるようになる」と指摘、
「そうなれば、解決策は紙幣増刷しかない。それはハイパーインフレーションを招き、ドルの価値はなくなるだろう」と予想した。
同氏は「政府の債務負担が増加し、支払い能力を上回るため、米経済は最終的に破たんする」と語った。
同氏はニュースレター「グルーム・ブーム・アンド・ドゥーム」を発行している。
ファーバー氏はドルが今後3−6カ月、強含んだ後、長期的な下落基調が始まると予想した。リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが破たんした9月15日以降、金融混乱が深まる中、安全資産としてドル建て資産の魅力が高まったため、
主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は8.1%上昇している。
2008年度の米財政赤字は4550億ドルと過去最高を記録。
それまでの最高は04年度の4130億ドルだった。
財務省は金融安定化策として7000億ドルを使用する予定で、モルガン・スタンレーのチーフエコノミスト、デービッド・グリーンロー氏は、09年度の赤字額がほぼ4倍の約2兆ドルに増加するとみている。
ファーバー氏は今後3年以内ではないとしながらも、米国は「破たんする。この予想には強い自信がある。紙のお金は価値を失う」と述べた。
同氏が率いるマーク・ファーバー社の運用資産は3億ドル。
同氏のウェブサイトによると、ファーバー氏は1987年のブラックマンデー(株式大暴落)の1週間前に米国株から資金を引き揚げるよう投資家に助言。
2005年5月には株式がその年、堅調になると予想して的中させた。
S&P500種株価指数は 05年に3%上昇した。
01年に買いを推奨した金はその後2倍以上に上昇した。
同氏は今月20日、金と現金、短期債を保有していることを明らかにした。
米国の利下げが景気減速を食い止め、インフレが加速するとの予想が根拠。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aN7y7nxxQvKU