そろそろ資本主義が崩壊するのではないか?

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>>615
アダム・スミスだけを見ればそうも言えるが、限界効用革命以降の
レッセフェールと重商主義はほとんど相容れないものがある。
重商主義の中から経済学の各要素(国際競争力を否定して
比較優位論)が現れたのも事実だが、もともとの重商主義は
大量に輸出をすることによる富の蓄積を目的としているから、
アダム・スミス以降の経済学とは方向性が異なる。

重商主義はあくまでも思想であって、経済学ではないからな。
まあ、アメリカの「小さな政府」を唱えている新保守主義の
逆とも言える。(重商主義は政府の産業政策に積極的。
自由主義の逆)

むしろ重商主義に近いことをやっているのは北欧などの
福祉国家だろう。当然セーフティネットはしっかりとあるので、
日本の重商主義とはかなり異なるが。
619金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2009/04/25(土) 23:10:11
日本の重商主義の最大の問題点は
「輸出すれば富が増えるので輸出に資金を回せば回すほど
豊かになる」と考えているところだろう。これは重商主義の
根幹でもある。

だが、実際の経済はそうなっていない。経済学によって
設計されている現在の経済のシステムでは、

富を増やしたかったら、付加価値を増やすべし

である。そして付加価値の総和であるGDPを見る限り、
日本の輸出の割合は1〜2割程度なのである。
つまり、輸出だけ増やしてもあまり意味がない。

日本は結局、海外からの要求(日本を除くほとんどの国は
経済学に従って政策を行っている)にしたがって、適当に
制度を変えてみた、ということなのだろう。変動相場制が
何かも分からず、アメリカが「変動相場制にしろ」と言われて
為すがままに変えてみたわけだ。

だから、なぜ輸出を増やすことによって豊かになるかが分かっていない。
比較優位が理解できず、国際競争力による評価基準しかない。
輸出をして有利になるのは比較優位論で示されているのであって、
輸出そのもののGDPは2割弱程度にすぎない。(比較優位論により
より効率よく生産ができる。逆に国際競争力論では、比較劣位に
リソースやマネー、財が回るのでマクロでの生産性は低下する)

日本の産業界がいつまでも経済学を学ばないで、重商主義の
ような思想にかぶれている間は衰退の一途を辿るであろう。