日銀のゼロ金利政策解除後の金融政策 Part18

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563金持ち名無しさん、貧乏名無しさん
>>557-560
あなたのお話は確かに従来からの経済システムのレーゾンデートルの説明
として極普通のものでしょう。

私はそれを乗り越えるシステムがあり得るのではないかという話しをしているわけです。
つまりそれによって現実に起きている問題とは、

1. 貨幣の優位性は何をもたらしているか

 貨幣の優位性が高まった結果、文明に余分なコストがついている点は否定しよう
がありません。

生産と消費という全体のシステムの中で我々が現実に生きて財を消費して生命を
維持し寿命を生き延びていくためになされる、すべての経済フローの中で「金融」と
いうものが果たしている役割が、あなたのおっしゃっているところの「フィードバック
制御システム」としてだけであるとしたら、

そのための「余分のコスト」が「必要以上に膨らまない」ことが求められるのです。

つまり実体経済が営まれるにあたり、そこに無駄なコストを必要以上に強要する
システムは優秀なものとはいえないということです。これを考察するべきとと言っています。
564金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/02/17(日) 09:39:05
>>563 (続き)

2. そのコストを増大せしめる根本原因は貨幣優位である

 貨幣の目的は前述したように、基本的に社会の統制単位による支配統制システム
の維持運営のために与えられた法的根拠に基づいて、社会の経済制御および
徴税システムのために存在していると言えます。

 そのために貨幣に割り付けられた仮想価値が安定して存在する根拠を与えて
いました。つまり貨幣は本来的に徴税のためのシステムでもあると極論してもいいほど
でしょう。つまり、徴税を安定して行い、それによって社会の支配統制システムを
安定化させ、文明を安定に発達させる意味が貨幣の持つ主要な目的、意味であった
と言い得るのです。

 貨幣がなぜ優位に置かれそれの獲得競争が経済全体を支配しているのかの
本来の理由は、アナーキーな取引優位によってではなく、むしろこうした社会的な
根拠によっていたはずなのです。貨幣価値と文明の社会性、全体安定性とは実は
不可分に結びついているのです。

 しかし現実にはその「仮想価値」であり「便宜価値」だけであったはずのものが
その優位性の故に「独自の論理」を獲得し暴走し逆に社会全体を危機に陥れると
いう根本的な欠陥を現在までの経済システムで解消し解決し切れていないという
ことなのです。
565金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/02/17(日) 09:40:50
>>564(続き)

3. 貨幣の独自の論理とはその獲得競争それ自体にある論理

 たとえば、石油が枯渇するに従ってその価格を高めに制御することで消費を
減らすことが必要であるという議論には反対しません。そうしたことは意味が
あることです。

 しかし、その価格を引き上げた分を、あらぬ投機業者や一部の貨幣大量所持
個人のものとして当たり前のように割り当てるということの法的根拠は実は存在
していません。

 つまり、そうした高邁な目的であるのなら、そんなことはせずにあくまで公的税
として徴収してそれを別の代替エネルギーの開発のために政策として振り換え、
そのための構造的な仕組みを取るなら本来の目的と意味に沿った方法となるで
しょう。

 ところがそれがなぜ個人の投機の儲けに還元されてそれで終わりになってしまう
のでしょう?これは明らかに矛盾でしょう!

 だからこそその市場主義システムによって価格が高騰する分は、単純に我々
の社会にとって単純に余分なコスト増となっていると言っているのです。

 このように、貨幣優位に基づくその仮想価値獲得競争がもたらす無駄なコスト
増は、明らかに「貨幣という仮想価値」に基づく独自の論理を野放しに認めた
ことに決定的に存在する矛盾だということは否定できないのです。
566448:2008/02/17(日) 10:21:40
>>565(続き) [おわかりの通り>>563-565はすべて448のレスです]

4. 現実の実体価値を支配する仮想価値の暴走が引き起こす破局

 1929年にはこの仮想価値が暴走して世界戦争につながる経済クラッシュ
となり、結果として人類は大きなダメージを蒙りましたが、

あの熱狂は1990年代の日本のバブルなどとうてい比較にならないほど
のはなはだしい「紙切れ相場の暴走」でした。

 紙切れとはすなわち「仮想価値」のことであり、貨幣そのものです。

 貨幣が存在した意味と目的をそれ自体が損なう働き、それがこの仮想
価値の暴走であり、それが文明の破局を結果することになりました。

 そこまでには至らなかったとしても、90年代の日本のバブルも相当な
ダメージを我々に与えました。これも仮想価値に過ぎない貨幣の獲得競争
の暴走の結果でした。これで日本経済は完全に疲弊することになりました。

 仮想価値はあくまでも仮想された人為的な価値であり、それに与えられた
役割はすなわち我々社会の全体の利便と発達成長のためのものであった
のに、

現実には、その仮想価値が我々の安定な社会それ自体を破壊するという
事態が、すなわちこの経済システムに運命的に結びついているということ
です。

「この矛盾」、これを認識しなければならないのです。

さていかがでしょうか。
567金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/02/17(日) 10:30:22
企業年金利回りが大幅悪化、07年度は5年ぶりマイナスの公算
ttp://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080217AT2D1500T16022008.html

 企業年金の運用利回りが2007年4月―08年1月にマイナス6.39%と大幅に悪
化したことが分かった。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライ
ムローン)問題を背景に、国内外の株式相場の下落が響いた。3月決算期末ま
で株式相場の低迷が続けば、07年度の利回りが5年ぶりにマイナスに転じる公
算もある。年金費用の追加負担が企業業績に響く可能性も出てきた。

 格付投資情報センター(R&I)が調査対象とする約130の企業年金(年金
資産額は約12兆円)の運用成績を集計した。利回りは07年4―12月の実績値と
08年1月の推定値から算出した速報値。サブプライム問題をきっかけに昨年8月
には日経平均株価が1万6000円を割り込むなど株式相場が下落し、企業年金の
運用成績の悪化が鮮明になった。(07:00)
568448:2008/02/17(日) 10:36:55
>>566(続き)

 たとえば、こういうことを考えてみてほしいのですが、東芝が昨日HD-DVD
からの撤退を決定したようですが、こうしたDVD技術の開発競争は自由経済
の中で確かに進められました。

 そこでたとえばこうした技術の開発は、ではこれまでの

     「仮想価値の暴走が存在することを保証された自由経済」

において初めて成り立ったのかどうか、それとも>>448-449に書いたような
システムでも十分に成り立ったのか?

これを考えて検討してみるとどうなるでしょう?社会の発達維持は滞るでしょうか、
それとももっとあるべきものに近づいていくでしょうか?どうでしょう。

ではまた。