アメリカバブル経済崩壊 その9

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266-アメリカ経済はすでに瀕死?Europe2020の警告-2スレより
558 :EUROPE20209月号翻訳:2007/09/17(月) 17:14:10
その1
(GEAB第17号現在の危機を1000文字で解説)
2007年9月16日付けGEAB第17号
2006年初めにEurope2020が繰り返し解説したように、
現在のシステム危機の主原因は米国にある。
”1945年以来継続した西洋社会の終焉”は、Europe2020が2006年の2月号で指摘した通り、
米国で具現化した20世紀型世界の経済、金融、外交、学問、戦略の全ての側面での崩壊となる。
米国が、本年夏から世界中に拡散した金融と銀行の危機の中心的存在であることがわかる。
流砂の上に柱が建っている、つまり世界のアーキテクチャが乗っているということであり、それが徐々に崩壊する。
GEABの第17号では、我々研究班は、今後の世界的システム危機の行方を集中的に解析し、
現在の危機およびシステム危機のみに集中して1000文字で解説することとした。
本号では広く全ての方にご理解いただくために、
平易な用語を使用することとした。
キーポイントとして申し上げたいのは、
いずれの当局も、今後のシステム危機を止める、もしくは世界的波及を軽減させることはできないこと。
1945年以来、特に1989年のソビエト崩壊以来、米国経済は、国際金融および銀行システム全体の唯一の柱であった。
1971年8月15日以降、ドルの金(もしくはその他希少物質との兌換を中止して以来、米ドルの世界での流通量は劇的に上昇した。
世界各地で工業、技術、サービスの新たなセンターが出現、および米国での人材教育の弱体化(生産性の問題)により、米国の負債が劇的に増加した(公共部門および民間部門)。
銀行および金融(中央銀行、格付け機関、金融関連メディア、政治家、エコノミスト他)全体の関係者の共謀と、金融業者のクリエーティビティのおかげで、
この負債は徐々に米国の主な生産物となった。
267:-アメリカ経済はすでに瀕死?Europe2020の警告-2スレより:2007/09/17(月) 18:07:58
559 :EUROPE20209月号翻訳:2007/09/17(月) 17:17:48
その2
米国家計負債サービス比 (図表はカット、サイトを見てください)
ブッシュ大統領と、その理想的もしくはビジネス上のパートナー達がワシントンにいて、
当時のグリーンスパン議長の積極的な指導の下に、この種の負債がより一層劇的に増加をすることとなった。
公共部門の負債、不動産ローン、自動車ローン、クレジットカードローンなどの、あらゆる負債が、いわゆる経済大国の「生産」財として成長した。
一方、その他の世界全体は、この新たな米国製商品を買い続け、西洋のエリート達は特に、ウォールストリートや自分の庭であるロンドンのシティーの驚異的なクリエーティビティに熱狂した。
しかし、両目でしっかりモノが見える人(専門家や政治家は、報告書や記事しか見ないので除外)で、
米国を横断した人は誰でもが、ヨーロッパやアジアとは異なって、米国が一般的に貧乏化する過程にあったこと認識できたはず。
公共インフラ修繕の必要性、教育の荒廃、教育のない移民の増加、エネルギーの国外依存、技術力の低下など。
ここで、基本的な疑問が発生する。
いったい誰がどのようにして、増加し続ける膨大な負債を返済するのか?
268-アメリカ経済はすでに瀕死?Europe2020の警告-2スレより:2007/09/17(月) 18:09:01
560 :EUROPE20209月号翻訳:2007/09/17(月) 17:32:33
その3
しかし、9・11まで、イラクへの壊滅的進行まで、カトリーナの上陸でニューオリンズが半壊するまで、
そしてミシシッピ橋が崩壊するまで、専門家の意見に従う誰もが、
公表された数字は、「負債」商品を販売しているのであって、全く問題はなく保証済みで、通常の借入者は支払い可能であると信じ込んでいた。
次に、徐々にではあるが一年前から加速して始まり
、専門家や学者が入念に作成した方程式を乱してしまう不都合なパラメータが現実として金融および銀行システムに押し寄せた。
次から次へのバブル(インターネット、住宅、サブプライム)で、
負債の生産は増加の一途。現実経済が、負債レベルに追いつくことを見越す、
もしくは外国人が米国の負債を新たな負債にリファイナンスして(複雑な金融商品。
例えばCDOはリスクシェアとして発明されたが、
それがシステム全体に影響を与えることとなった。)買い続けてくれることを前提としていた。
しかし、住宅バブルがはじけて、致命的な結果を引き起こした。
269-アメリカ経済はすでに瀕死?Europe2020の警告-2スレより:2007/09/17(月) 18:10:40
561 :EUROPE20209月号翻訳:2007/09/17(月) 17:34:05
その4
GEABが2006年2月より再三にわたり警告してきたことだが、2007年中頃にかけて徐々に影響が広がり、
銀行・金融機関にまで進み、米国の巨額負債工場の最終的な負債者は、一般の平均的米国消費者であり、
米国の景気後退の状態で換算すると、すでに支払い不能、もしくは寸前ということに気づいたのである。
2007年春以降になって(2006年2月のGEAT第12号ー世界的システム危機の転換点ーを参照)、
金融機関大手は、自行の融資状況のチェックに取りかかった。
ただし、いつもの習性と右へならいの姿勢で、
「米国経済はリバウンドする」「住宅価格の下落は長くは続かない」「雇用情勢は良いので企業投資も堅調に推移するはず」と思い込み、
根本的な対策は取らなかった。
マスコミ大手や中央銀行が、そういった議論を真剣に繰り広げて希望的観測を行っていたのを、皆さんお聞きになったはず。
大手国際銀行が2007年夏になって、ようやく認めた。
「この負債の大半は(数値化はできないが、今後の危機の対応策が見えない)、貸し倒れとなる。」
企業ファイナンスに利用したCPやABCP(大半が金融アセットを担保)の市場の推移を見守るのは重要で、
現在の銀行および金融危機の理解の鍵となる。
以下のチャートを見てわかる通り、純粋な崩壊が始まったのがこの8月。
2007年8月22日までの、ABCPの発行残高 (図表省略 WEB参照)
270-アメリカ経済はすでに瀕死?Europe2020の警告-2スレより:2007/09/17(月) 18:12:03
562 :EUROPE20209月号翻訳:2007/09/17(月) 17:37:14
その5
これから来る決済期限と負債が不可避であることから、大銀行は、
大損失を出してファイナンスを継続するよりも、真の流動性確保に乗り出した
(過去数年の間に多くの貯蓄者に販売された米国の負債をベースとした金融商品のような擬似流動性では、もはや役に立たない)。
この分野では、ファンド間の相互貸付を取りやめた。
ファンドの大半が、米国の負債を担保とした投機を行っており、リスクを抱えて、倒産の可能性を心配してのこと。
それが、事の全てなのです。
欧州中央銀行が、流動性を湯水のごとく提供している理由。
ジャンクロード・トリシェ総裁は、クレディリヨネの崩壊を忘れてはいないはず。
サブプライム危機は、単なるトリガーにすぎない。
米国債務による金融バブル全体がはじき飛んでいる。
米国の消費者は打ちのめされ、米国経済は今やレシフレーション(GEAB第16号に解説の通り)に入っている。サブプライムローンの背後には、米国には住宅ローン、自動車ローン、カードローン等があり、デフォルトが劇的に増加している。
(米ドルと財務省証券も下落傾向にあるので、政府債務も同様の傾向を辿る。)
つまり、銀行金融業界にいる利口な人たち(現在の国際銀行の大半のマネージャーはNG)は、
これから6ヶ月間で、業務の全てが消えるもしくは、始まって以来の損失を計上することを承知している。
271-アメリカ経済はすでに瀕死?Europe2020の警告-2スレより:2007/09/17(月) 18:13:24
563 :EUROPE20209月号翻訳:2007/09/17(月) 17:42:22
その6
-米国の国別対外債務 (図表は省略、WEBを見てください)

米国のみならず他の国々も、実体経済が既に害されており、
イギリス、フランス、スペインの住宅市場が今年最大に近い問題となっている。
アジア、中国、日本では、対米輸出および、ドル建て資産(米国財務省証券、株式ほか)の同時崩壊の寸前となっている。
上記の図表は、米国の負債バブル崩壊によって、どの国が最も影響を受けるのかを如実に表している。
つまり、日本、中国、イギリス、米ドル建て輸出国である。Europe2020は、将来の方向性として、2つの疑問を持っている。どれだけの専門家、中央銀行、金融ジャーナリスト、アメリカに踊れされた政治家が、今後の一連の出来事を理解し、
彼らの世界観を真剣に再考できるのか?
そして、20世紀的アメリカがもう残されていない中で、
いまだに急落とリバウンドを期待して無駄な時間を過ごしてしまわずに、
どれだけ早急に彼らが理解ができるのか?
現実と理論の間のスピード競争が、いま始ったのです。
つまるところ、システム危機は必ずそういった競争になるのであって、勝者は常に現実なのです。
政策当局が正気で透明性を確保できるのなら、事実との残虐で真正面からの衝突を避けることが出来るし、
それで多くの人を大打撃から救うことができるのです。
これから数ヶ月の間に、全地球が本件に対して、正しい選別眼を持つことが出来るように。
2007年の「米国大恐慌」は歴史的な大問題となるでしょう。
それは、1929年の大恐慌に匹敵する結果となるでしょう。両者に共通の指標の一致は数多くあり、数ヶ月前から兆候が始まっている。
また、近代史において最新の比較対象が1929年である点から、そこを比較対象としたのです。
272-アメリカ経済はすでに瀕死?Europe2020の警告-2スレより:2007/09/17(月) 18:14:59
564 :EUROPE20209月号翻訳:2007/09/17(月) 17:44:39
翻訳は以上ですが、統計値の図表が重要なので、
オリジナルを参照た方がいいと思います。