インフレターゲット支持こそ経済学の本流その155

このエントリーをはてなブックマークに追加
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/asia/1234254624/ 関連


円安・円高とインフレ・デフレは同じものの裏表なんだ。 分けて考えられないんだ。
モノvs通貨がインフレ・デフレ。 円という通貨vs他国の通貨が為替レート。
だから、円の供給が増えれば円安トレンドとインフレトレンドが同時に起こるし
円の供給が増えなければ円高トレンドとデフレトレンドが同時に起こる。
もちろん今の円高がバブルなら金融政策は不変のままでも
為替介入で円安に転換は起こるけど、今の円高はバブルではないと思うよ。
円の信認の強さ+「希少性維持の観測」が円を逃避通貨にしてる。

通貨の信認は強いに越したことはない。でもデフレまで引き起こしたら逆効果。
デフレのままだと円高で輸入しやすくなっても内需部門の血の巡りが悪いまま。

これに、外需壊滅が加わるとどうなるか。

販売額=単価×数量だよね。
で、海外需要の数量の減少は日本の努力ではどうにもならないかもしれない。
だけど、実効為替レート
(ご存知のとおり対ドルだけではなく全ての貿易相手国に対する為替レートの加重平均)
が40%位上昇している。
つまり、販売額で言うと、数量の減少率+40%の販売額減少なわけだ。
念の為に繰り返すけど、円安・円高とインフレ・デフレは同じものの裏表なんだ。
大きな内需のデフレ不況+小さな外需の円高不況が相乗効果を起こすとどうなる?
というよりそもそも「2大セクターの相乗効果」と考えることがナンセンスだ。
円安・円高とインフレ・デフレは同じものの裏表だからな。
実質実効為替レートの国際的に最も高い上昇率に伴う
外需部門における数量の減少率+40%の販売額減少にほぼ比例して、
内需部門においても強烈なデフレ圧力が加わってしまう。

すなわち”先進国で最悪の事態”というのは
@実質実効為替レートの国際的に最も高い上昇率
A円安・円高とインフレ・デフレは同じものの裏表であるという命題
から予測している。
来週の月曜にはQ4のGDPが出る。年率換算で実質GDP-10%という話も出てるね。
マーケットコンセンサスは実質GDP-12%くらい。名目ではなく実質だよ。
赤字神は「円高だけどデフレ脱出」というのを理想としてるんだろう。
でもそのためにはまず、3%のインフレで成立する為替レートを受け入れないと。
それが円安なら受け入れられない何をか言わんやだけど受け入れるというならOK。

赤字神に知ってほしいのは「円安・円高とインフレ・デフレは同じものの裏表」、
とにかくこれだ。
通貨の信認は強いに越したことはない。でもデフレ突入による通貨高は否定せねば。
それはキャッシュを持っている者にとっては「経済的な事実」かもしれないが
経済全体を総覧したら高止まりのせいで血の巡りが悪くなる。 外需も、内需も。

赤字神が「安心してたくさん円の銀行券を刷れる」ことは知っているけれど
通貨流通量に触れずに1ドル70円でもOK、
円高による輸入物価低下が引き金になり内需が点火する、みたいな書き方なら
読者やファンに大きな誤解を与えてしまう。

デフレさえ解消されれば1ドルが70円でも60円でも50円でもいいんだよ。
とにかく1ドル70円でもOKと言い続けて全然いいから
インフレ率を充分に考慮した円高容認論者として振る舞ってほしいとお願いしたい。
412553:2009/02/13(金) 02:01:05
>>409
まず自己紹介  にわかの赤字神様信者とでも・・
長文でのご回答ありがとうございます

わたしが疑問を感じたことは以下三つ
・最悪の事態というのは円ベースであり、国際比較では最悪ではない、むしろ
 ましな状況ではないか?(資産の毀損率等含めると)
・日本が先進各国合意の下、常識的な金融緩和をすれば信認の強さはそれほど
 痛まずある程度の円高(1ドル90円以下くらい)は維持できてしまうのでは?
・赤字神氏が日本の金融緩和に反対した事があったでしょうか?
 (もしあったのなら、あなたの赤字神氏への批難は個人的に的確と思いますが)

>>409は納得
>為替介入で円安に転換は起こるけど、今の円高はバブルではないと思うよ。
>円の信認の強さ+「希少性維持の観測」が円を逃避通貨にしてる。
あとユーロ圏のやばさからの逃避ですかね・・・

>つまり、販売額で言うと、数量の減少率+40%の販売額減少なわけだ。
逆を言ってしまえば今回の金融危機前の段階で日本は「稼げる時にしこたま
稼いだ」相対的勝者の側ですよね。

>>410は言葉尻を捕らえるみたいで申しわけないけど
>円安・円高とインフレ・デフレは同じものの裏表だからな。
確かにそうだけど、それだけじゃないような気がするなあ。409にも
>円の信認の強さ+「希少性維持の観測」が円を逃避通貨にしてる。
っていってるように信認の強さもあるから、ユーロはダダ滑りしてるみたいだし。
413553:2009/02/13(金) 02:04:43
>>412
つづき
>来週の月曜にはQ4のGDPが出る。年率換算で実質GDP-10%という話も出てるね。
>マーケットコンセンサスは実質GDP-12%くらい。名目ではなく実質だよ。
これだけ急速な在庫調整があるとねー。でも先進国との比較で最悪と言えるかな?
国内的には戦後最悪とかいう表現はありかもしれないけど、ユーロ圏の毀損は・・
ドルベースだと風景が変わりそう。

>>411ここがわからない
>赤字神は「円高だけどデフレ脱出」というのを理想としてるんだろう。
>でもそのためにはまず、3%のインフレで成立する為替レートを受け入れないと。
>それが円安なら受け入れられない何をか言わんやだけど受け入れるというならOK。
ここのところがよくわからない。赤字神氏が量的緩和にどのような立場でいるのか
確認取れているのですか?私の知る限り日本国内の内需に期待はしている事は確認
できていますが、量的緩和に反対している事を確認していません。

>赤字神に知ってほしいのは「円安・円高とインフレ・デフレは同じものの裏表」、
それプラス他国通貨からの相対的評価もあると思うけど。たとえば他国が日本以上の
インフレになっちゃったり、信用の毀損があると円高になるよね。

>円高による輸入物価低下が引き金になり内需が点火する、みたいな書き方なら
>読者やファンに大きな誤解を与えてしまう。
円の信認が相対比較で高い状態で日本がデフレを脱却したら、そうなりそう気がするけど。

>デフレさえ解消されれば1ドルが70円でも60円でも50円でもいいんだよ。
>とにかく1ドル70円でもOKと言い続けて全然いいから
>インフレ率を充分に考慮した円高容認論者として振る舞ってほしいとお願いしたい。
それは直接赤字神氏にお伝えください。^^;
>>412-413
先に書くと赤字神は量的緩和については不明だけど
いわゆるリフレ、インタゲにはやや賛成という立場なのは知っている。
ところが赤字神は「条件付き(マイルドインフレ)の円高肯定論者」ではなく
「無条件の円高肯定論者」みたいに振る舞っているから、批判している。

日本円の信認の強さはハンパじゃないけど、
この信認の強さは通貨供給量の多寡によって諸刃の剣となる。

「条件付き」で円高を肯定するのでないと、大変なことになるからね。
「条件付き」であることを明示してもらわないと困ると言いたいのだ。

通貨の信認(根源的な強さ)と通貨の信用(インフレ/デフレ)は“完全には”比例しない。
ここ、念押ししときます。

細かいようだけど、円高肯定が「条件付き」か「無条件」かでは
天地ほどのとんでもない差がある。

いま国際的に起きている金融緩和競争は、
大昔起きた国際的な平価切り下げ競争に近い。
平価切り下げ競争が起きると切り下げたもん勝ちになる。 今もそうなりつつある。


>最悪の事態というのは円ベースであり、
>国際比較では最悪ではない、むしろましな状況ではないか?

1990年代以降の不況・危機は金融機関、
それも大手金融機関とか不動産・建設会社中心の危機だったから
いわば大都市で起き地方に波及した不況・危機だった。
でも、今回は地方に工場の立地する製造業の危機だから
まだ大都市住民には実感がもてないのだろう。
んで、景気に関係あるのは円建て。
そして(名目GDPではなく)実質GDPのマイナスが他の国より大きければ
外需産業壊滅&内需産業デフレ地獄のダブルパンチと断定してほしい。

これは通貨の信認の強力さを通貨の信用の上昇(デフレ)が上回ってる状態。
いくら通貨の信認が強くても、国内がデフレでは
信認の強さがメリットをもたらさず、逆に、デメリットをもたらす皮肉な事態になってしまう。

つまり日銀がビビって金融緩和の程度が相対的に低いために円独歩高になり、
日本は外需産業壊滅&内需産業デフレ地獄となりつつあると見ている。

でも、これは国際的に「平均〜やや下」の金融緩和を日銀がすることでかなり緩和される。

CPIで1998年から10年近く、
GDPデフレータでは94年から14年もデフレのままっだった日本では
『通貨の信用の低下(インフレ)≠通貨の信認の毀損』と断言していいんだ。
日本は、韓国ではない。 ましてやアイスランドではない。
日銀は通貨の信認の毀損を恐れず、より一層の金融緩和を行えばいい。

この金融緩和は為替介入(いわゆる日銀砲)を意味しない。 ていうか実行不可能。
投機筋によるバブルで円高になってるなら
金融政策は不変のままでも為替介入で円安に転換は起こるけど('03-'04年が典型ね)、
今の円高はおそらく投機筋によるバブルではない。
しかしこういう場合の金融緩和は日銀のBS膨張・通貨供給量増大を行えば事足りる。

日銀はFRBやECBよりも手堅くやるべきでは?と考えるなら
OECD諸国の中央銀行のBS膨張具合を見比べて
各国の中央銀行のBS膨張・通貨供給量増大よりもやや少なめを目標にすればいい。
BSを2倍〜2.5倍にするだけでも、通貨の信認をフツーに保ったまま
通貨の過剰な信用(デフレ)を抑えて通貨の信認の強さを最大限活かせられる。
>>409
>円安・円高とインフレ・デフレは同じものの裏表なんだ。 分けて考えられないんだ。

去年おととし、日本は円安だったが、インフレは起こらなかった。
去年おととし、イギリスはポンド高だったが、インフレが起こった。

通貨安ならインフレ、通貨高ならデフレとは決まっていない。
それらが必ず成り立つのは、破滅的なインフレ/デフレの時だけだと思うが、
破滅的なインフレの例は多いが、破滅的なデフレの例は知らない。
417サルベージ屋:2009/02/13(金) 04:55:34
>>409-416
激しく勉強になります。過去ログを幾つか読みましたが、ここ良スレですね。
ROMります。
ワイマール共和国や大日本帝国は1930年代のデフレで滅んだも同然。
とんでもない大不況で極右極左の台頭が進んだ。
日本も90年代以後デフレのおかげで数千兆円規模で国富を喪失している。

それとハイパーインフレに見舞われる国はハイパーインフレ以前に滅んでる。
ジンバブエならムガペの無茶で白人資本家が逃げたし、ワイマール共和国は
多額の賠償金と外国軍隊による工業地帯占領、大日本帝国は空襲や
分不相応な軍備増強がたたって、それぞれ生産基盤が崩壊していた。
膨大な貨幣供給は結果的に生じた物で、激しい物不足がまず前提条件としてあったわけ。

デフレによる不況は貨幣供給で比較的簡単に治療できる。
ハイパーインフレはハイパーな進行を抑える事は出来るが
既に破綻した経済は通貨供給ではどうしようもない。
逆に通貨供給だけでハイパーインフレが起きる事はまずない。
為替レートは長期の期待で動くから、デフレでも現時点での下落率が緩やかになれば
長期的なデフレ率は大幅に緩和されて、その結果デフレでも現時点の通貨安が起きる事がある。
ただ90年代以後の円は、購買力平価換算の為替レート(今は110円台)よりも常に過大評価されてきた。
多少円が安値に触れても、実勢から乖離した趨勢的な円高の範囲であった事は確か。
> 90年代以後の円は、
> 購買力平価換算の為替レート(今は110円台)よりも常に過大評価されてきた。

OECD 購買力平価(1960年〜2007年)
http://stats.oecd.org/wbos/Index.aspx?datasetcode=SNA_TABLE4

↓為替レート
↓購買力平価 (GDPベース)
↓購買力平価 (民間消費ベース)
↓購買力平価 (実質個人消費ベース)

→→→→→→→→→→
'60 . 360 / 171
'61 . 360 / 182
'62 . 360 / 185
'63 . 360 / 193
'64 . 360 / 200
'65 . 360 / 204
'66 . 360 / 207
'67 . 360 / 212
'68 . 360 / 212
'69 . 360 / 211
'70 . 360 / 212 224 208
'71 . 349 / 212 230 213
'72 . 303 / 215 235 217
'73 . 272 / 229 247 228
'74 . 292 / 254 271 251
'75 . 297 / 249 279 257
'76 . 297 / 254 290 267
'77 . 269 / 255 293 269
'78 . 210 / 250 286 263
'79 . 219 / 237 272 251
'80 . 227 / 229 264 244
'81 . 221 / 218 254 234
'82 . 249 / 210 248 227
'83 . 238 / 207 243 222
'84 . 238 / 206 241 220
'85 . 239 / 204 237 217
'86 . 169 / 203 234 214
'87 . 145 / 198 227 208
'88 . 128 / 193 220 202
'89 . 138 / 191 216 198
'90 . 145 / 188 212 195
'91 . 135 / 187 210 193
'92 . 127 / 186 207 191
'93 . 111 / 182 205 188
'94 . 102 / 179 201 185
'95 . *94 / 174 197 181
'96 . 109 / 170 193 178
'97 . 121 / 168 192 177
'98 . 131 / 167 191 176
'99 . 114 / 162 187 172
'00 . 108 / 155 177 160
'01 . 122 / 149 171 156
'02 . 125 / 144 163 147
'03 . 116 / 140 156 140
'04 . 108 / 134 151 136
'05 . 110 / 130 143 129
'06 . 116 / 124 139 125
'07 . 118 / 120 134 121
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
'09 . *90 / 110 125 110 . (推定)
422553:2009/02/13(金) 12:41:08
私の疑問に対するお答えは以下の通りでよろしいでしょうか?

・最悪の事態というのは円ベースであり、国際比較では最悪ではない、むしろ
 ましな状況ではないか?(資産の毀損率等含めると)

>日本は外需産業壊滅&内需産業デフレ地獄となりつつあると見ている。
>日銀は通貨の信認の毀損を恐れず、より一層の金融緩和を行えばいい。
国内的には戦後最悪の落ち込みを迎える可能性が高い。しかし日本は先進国の中
では比較的に十分な手を打つ余力があり。

・日本が先進各国合意の下、常識的な金融緩和をすれば信認の強さはそれほど
 痛まずある程度の円高(1ドル90円以下くらい)は維持できてしまうのでは?

>日銀はFRBやECBよりも手堅くやるべきでは?と考えるなら
>OECD諸国の中央銀行のBS膨張具合を見比べて
>各国の中央銀行のBS膨張・通貨供給量増大よりもやや少なめを目標にすればいい。
>BSを2倍〜2.5倍にするだけでも、通貨の信認をフツーに保ったまま
>通貨の過剰な信用(デフレ)を抑えて通貨の信認の強さを最大限活かせられる。
つまり可能。

・赤字神氏が日本の金融緩和に反対した事があったでしょうか?
 (もしあったのなら、あなたの赤字神氏への批難は個人的に的確と思いますが)

>いわゆるリフレ、インタゲにはやや賛成という立場なのは知っている
つまり金融緩和にやや賛成。

赤字神氏は日本は状況として負けてはいない、常識的な金融政策をとれば日本は
内需拡大ができ、好景気と円高を享受すると考えているのではないでしょうか?
423553:2009/02/13(金) 12:45:24
以下訂正・雑談・・・
>>414
>先に書くと赤字神は量的緩和については不明だけど
ごめんなさい「量的緩和→金融緩和」です。訂正

>いわゆるリフレ、インタゲにはやや賛成という立場なのは知っている。
>ところが赤字神は「条件付き(マイルドインフレ)の円高肯定論者」ではなく
>「無条件の円高肯定論者」みたいに振る舞っているから、批判している。
ここは受け手の問題じゃないですか?リフレ、インタゲに多少なり賛成する以上
デフレ対策は必要と考えているでしょうから。そうでなければ内需喚起はどうする
ってのを受け手が疑問に思う必要があるはずで・・・。

>通貨の信認(根源的な強さ)と通貨の信用(インフレ/デフレ)は“完全には”比例しない。
>ここ、念押ししときます。
それはつまり国内は内需拡大(インフレ気味)だけど、信認強い通貨は高値(円高)を維持
することもあるですよね。赤字神氏はそれを望んでるのではないでしょうか?

>細かいようだけど、円高肯定が「条件付き」か「無条件」かでは
それについては少なくとも赤字神氏が「無条件」(内需拡大を期待しない)を肯定をして
いない以上批難すべき点ではないと思いますよ。やはり受け手の問題(経済常識の有無)では?
424553:2009/02/13(金) 12:47:25
>平価切り下げ競争が起きると切り下げたもん勝ちになる。 今もそうなりつつある。
そこについては通貨が流通量と価値に金の裏付けが必要だった時代とは違うのでは。
いまの通貨は国家・金融当局の信頼性が通貨の裏付けで、価値は流通量で調整ですよね。
今世界規模で見るならユーロは金融危機直撃と共通通貨ということもあり裏付けに不安有りで
(流通量拡大+信認低下=超ユーロ安)流通量拡大以上の価値の下落に陥りつつありですよね。
円はそのどちらも金融危機前とあまり変動なく(資産価値による信認低下は多少有るかな?)、
しかもデフレ状態で、円高になっちゃったというか・・
少なくとも「切り下げたもん勝ち」ではなく「通貨の信認を確保しつつ国内景気を上向かせる」
ことができる数少ない通貨を持つ国が勝ちではないでしょうか?(日本とか日本とか日本)

 ちょっと別の話ですが、このままユーロの価値が半減とかなっちゃったらユーロ圏は
 ブロック経済的な形になってしまいそうですねー。日本は影響直撃しないかもだけど。

>まだ大都市住民には実感がもてないのだろう。
確かに地方経済は製造業にたよる所が大きいから国内的には地方直撃だとは思います。
>>415
>外需産業壊滅&内需産業デフレ地獄のダブルパンチと断定してほしい。
それはそうだと思います。特に地方は外需向け製造業が急速な落ち込みです。
しかし外需が短・中期で期待できないから赤字神氏は内需拡大に期待しているわけですよね。
内需拡大に期待するのはデフレをなんとしないといけないという意思と一体では?

>信認の強さがメリットをもたらさず、逆に、デメリットをもたらす皮肉な事態になってしまう。
赤字神氏は信認の強さを根源とする円高は肯定していると思いますが、デフレによる円高は
肯定していませんよね?↓
>いわゆるリフレ、インタゲにはやや賛成という立場なのは知っている
>国内的には戦後最悪の落ち込みを迎える可能性が高い。
>しかし日本は先進国の中では比較的に十分な手を打つ余力があり。

>そこについては通貨が流通量と価値に金の裏付けが必要だった時代とは違うのでは。
>いまの通貨は国家・金融当局の信頼性が通貨の裏付けで、価値は流通量で調整ですよね。
>今世界規模で見るならユーロは金融危機直撃と共通通貨ということもあり裏付けに不安有りで
>(流通量拡大+信認低下=超ユーロ安)流通量拡大以上の価値の下落に陥りつつありですよね。
>円はそのどちらも金融危機前とあまり変動なく(資産価値による信認低下は多少有るかな?)、
>しかもデフレ状態で、円高になっちゃったというか・・
>少なくとも「切り下げたもん勝ち」ではなく「通貨の信認を確保しつつ国内景気を上向かせる」
>ことができる数少ない通貨を持つ国が勝ちではないでしょうか?(日本とか日本とか日本)

> ちょっと別の話ですが、このままユーロの価値が半減とかなっちゃったらユーロ圏は
> ブロック経済的な形になってしまいそうですねー。日本は影響直撃しないかもだけど。

これ面白いところなんで先に説明します。
おっしゃる通り、平価切り下げ競争は金本位制と切り離せない関係にある。
金本位制から離脱し、ましてや変動相場制では平価切り下げ競争は起こるわけがない。

しかしいま起きているのは金融緩和競争だ。

ここで、変動相場制における為替レート決定メカニズムを説明しておく。
変動相場制における為替レートは、究極的には、為替取引参加者の群集心理・ムードで決まる。
政府高官の発言で為替レートが激しく反応するのはこのため。
でも客観的なファンダメンタルファクターを述べると概ね以下の順で決まる。はっきり言って複雑。
@通貨の信認の強さ(通貨の根源的な強さ) 
  ↑金利平価説(低金利ほど通貨高/高金利ほど通貨安)、購買力平価説と関連が深い
A{経常収支黒字(±外貨準備増減)} ≒ 資本収支赤字   であるほど通貨高
  {経常収支赤字(±外貨準備増減)} ≒ 資本収支黒字   であるほど通貨安
B金融引き締めする(金利を上げ、通貨供給量を絞る)ほど通貨高
  金融緩和する(金利を下げ、通貨供給量を増やす)ほど通貨安
ここで注意してほしいのは、Bの
金融引き締めするほど通貨高、金融緩和するほど通貨安。というところ。
金融引き締めは景気引き締めとほぼイコールなんだけど、なのに「通貨高」となってしまう。
通貨の希少性が高まるから、景気後退下であろうと通貨高になる。
これは変動相場制に移行してから顕著になった、とても悩ましい問題です。

通貨の信認の低い国では、金利を上げて通貨高に誘導し外貨を獲得しようとする傾向がある。
輸出で不利になっても外国からの投資をもっと集めてプラスになればよい、という考えからです。
でも通貨の信認が本格的に弱まってくると、政府の借入がしづらくなるから
国債の金利がリスクプレミアム上昇に比例してどんどん上昇していく。
こうなると国内経済を犠牲にしても金融引き締めにより金利を上げないといけなくなる。
実際には通貨防衛と国内経済を両天秤にかけるので
金融引き締めをできるだけやらないようにするんだけど、そうすると悪性インフレが始まる。
典型例が、良くご存知のように韓国だ。
話を戻すけど、日本の場合は、@が世界一強いんです。
おっしゃる通りアメリカとEUは金融危機によるデレバレッジが激しいけれど
日本は金融危機によるデレバレッジは、あくまで比較論だけどアメリカとEU程ではない。
実際に金利は世界一低いし、上げようがない。だから@で見れば通貨の信認は世界一。
次にA。経常収支は黒字から急に均衡状態になり、外貨準備は恐らくやや増やしてるはず。
つまりAで見れば基本的には円安寄り。
んでB。金利をほぼゼロまで下げたのに円安にはならず、円高になっている。
しかもまた大デフレへ。要するにBで見たら、まだまだ金融緩和が足りない。

日本は韓国とは逆で、通貨の信認(根源的な強さ)を通貨の信用が上回った国となっていて
金の裏付けがなくなったというのに尚一層の金融緩和圧力がかかっていると言える。

日本は元々 @通貨の信認の強さ が非常に強力で、
A経常収支均衡+外貨準備増特に無し & B金利をほぼゼロまで引き下げ
をしても、まだだ金融緩和が足りないわけだから。
Aのうち {経常収支赤字(±外貨準備増減)} ≒ 資本収支黒字 にが移行すればいい、
という考えもあるけれど、円高+デフレでは輸出も輸入も減る『縮小均衡』になってしまうだろう。
縮小均衡が続けば @通貨の信認 そのものが弱まっていく。
残された手段は Bの金融緩和で「非伝統的金融政策」を発動すること、つまり
量的緩和やFRB流の信用緩和を行うことなんだ。


長くなったけどおわかりいただけただろうか。

赤字神がデフレかマイルドインフレかハイパーインフレかを考慮しないで
「1ドル70円、どんとこい」 みたいな言い方をしてたから漏れは厳しく批判させてもらったが、
経済常識の有無を修正してくれれば後は好きなように発言してくれてOKですよ。
428553:2009/02/14(土) 01:26:51
>>425
ご丁寧なご回答ありがとうございます。
以下2点はこんな認識でOKですよね・・
・最悪の事態というのは円ベースであり、国際比較では最悪ではない、むしろ
 ましな状況ではないか?(資産の毀損率等含めると)
・日本が先進各国合意の下、常識的な金融緩和をすれば信認の強さはそれほど
 痛まずある程度の円高(1ドル90円以下くらい)は維持できてしまうのでは?

打てる手はあるのに何もしない日銀のくそったれ。円には余力あるのだからはやく
(常識的な)金融緩和しろよタコ。もう世界の流れから周回遅れだぞ、このままでは
”円高+デフレでは輸出も輸入も減る『縮小均衡』になってしまうだろう。”
429553:2009/02/14(土) 01:28:24
また若干の相違かもしれない点は
・赤字神氏が日本の金融緩和に反対した事があったでしょうか?
 (もしあったのなら、あなたの赤字神氏への批難は個人的に的確と思いますが)
>赤字神がデフレかマイルドインフレかハイパーインフレかを考慮しないで
>「1ドル70円、どんとこい」 みたいな言い方をしてたから漏れは厳しく批判させてもらったが、
>経済常識の有無を修正してくれれば後は好きなように発言してくれてOKですよ。

”赤字神がデフレかマイルドインフレかハイパーインフレかを考慮しないで ”という点
ですが私が受け手の問題としたのはまさにその点でもある訳でして、もし円がデフレ状態の
ままであったなら世界的金融緩和の流れから1ドル70円なんてぶっちぎてしまうのでは・・
(これはドル円ではまだ十分に顕在化していないですが、アメリカの金融緩和が反映されると)
でありまた、ハイパーインフレなら1ドル120円すら危うい円安に振れそうだな・・と。
(先進諸外国が同様のハイパーインフレにならなければ、資源確保に困る円安突入)
”経済常識の有無”っていうのは上記のようなものもであります。逆にいってしまえば
日本が少し前のアメリカのように内需喚起できて、輸入・海外投資の利益も享受することが
できる水準は1ドル90〜70円くらいかなー的なものです。これを経済常識の範囲内と考える
のが私であり、商売ならきちんと説明しろよが貴方の考えですかね。理解できました。

特に”円高+デフレでは輸出も輸入も減る『縮小均衡』になってしまうだろう。”は
日本の危機的課題ですね。(アメリカの金融緩和が反映される前に対処しないと・・)
>>428
> 最悪の事態というのは円ベースであり、国際比較では最悪ではない、
> むしろましな状況ではないか?(資産の毀損率等含めると)

内閣府が10〜12月期実質GDP予想中央値(前期比)を
来週月曜日の朝8:50に1次速報値を出す。
名目GDPではなく実質GDPは物価を考慮した数値だから
各国の10〜12月期実質GDP予想中央値(前期比)はそのまま比較できる。
各国の数字が出揃ったら、また考えましょう。


> 日本が先進各国合意の下、常識的な金融緩和をすれば
> 信認の強さはそれほど痛まず
> ある程度の円高(1ドル90円以下くらい)は維持できてしまうのでは?

これは「赤字神氏が日本の金融緩和に反対した事があったでしょうか」
という疑問に「だったら何で『1ドル70円』みたいな額面にこだわんだよ」
という漏れの批判に関係してくるのでまとめてコメントする。

『1ドル90円〜80円〜70円』であってもだよ、大デフレが覆ってしまえば
貨幣という経済の血液の巡りが悪くなる。
日本円の希少性は高まるかもしれないけど、
一方で、家計も企業も政府もお金を手に入れることがしづらくなってくる。
こうなると1ドル当たり額面が高くても
お金そのものが家計や企業の懐から減っていき、輸入品が買いづらい。
つまり超円高であろうと、実質において「対外購買力」が下がってしまう。
では信認の強さがそれほど痛まない程度の円高とはいくらなのか?
それは、妥当なインフレ率の下で実現する為替レートだ。
漏れはインフレ率6%くらいで別に1ドル180円くらいでもいいと思ってるけど
不満なら、妥当なインフレ率の最低ラインである2%〜。
インフレ率2%〜の下で実現する為替レートなら不満はないと思います。

2007年に1ドル120円前後で推移していたころですら
コアコアCPIが1%もいかなかったんだ。
>>420-421のOECDのPPP(購買力平価)を参考にすると
今なら同じ1ドル120円あたりでインフレ率2%にはなると思います。
もちろんFRBやECBの金融緩和が日本より大規模なら
日本がインフレ率2%前後でも1ドル・1ユーロ当たり額面は円高になるけど
あくまで @国内のインフレ率2%〜 A実質実効為替レート で判断ね。

1ドル120円なんて安すぎるぜ…とは思わないでいただきたい。
インフレ率2%〜でようやく貨幣という「経済の血液の巡り」が正常化する。
インフレ率2%〜は臆病者呼ばわりされるECBの目標インフレ率であって
金融恐慌の傷が比較的浅い日本が2%〜程度でハイパーインフレにはならん。
クルマならやっとエンジンがかかったようなものです。
インフレ率2%〜なら国内の経済が正常運転に入るから
家計や企業の懐にお金が入り、輸入品を買う経済的余裕も出てくるだろう。
↑のパッと見の円高のときよりも、実質で「対外購買力」は上がる。

インフレ率2%〜+1ドル120円になっても
通貨の信認が世界一であることは全く痛まない。
むしろ、対外購買力が上がることにより信認が強まると思うね。
逆に、今の大デフレ再発+1ドル90円を放っておいたら
日本経済が呼吸困難なまま傷を負いながら縮小均衡で円安になっていく。
もちろんこの手の円安はデフレ解消にはつながらない。
日を追うごとに国富が殺ぎ落とされていき、国民が貧しくなっていくだけだ。
432553:2009/02/14(土) 04:22:40
>>430
できましたらもう少しお話を・・・
>という疑問に「だったら何で『1ドル70円』みたいな額面にこだわんだよ」
>という漏れの批判に関係してくるのでまとめてコメントする。
ここの為替は少し興味があるのでもう少しお話させてください。

>漏れはインフレ率6%くらいで別に1ドル180円くらいでもいいと思ってるけど
>不満なら、妥当なインフレ率の最低ラインである2%〜。
ここはやはり2%〜くらいがいいのではと思います。あまり短期間で物価上昇率が
跳ね上がると経済混乱気味の無駄が発生するかもしれませんので。

>2007年に1ドル120円前後で推移していたころですら
>コアコアCPIが1%もいかなかったんだ。
これはまだ諸外国が金融緩和する前の時期ですよね。

>もちろんFRBやECBの金融緩和が日本より大規模なら
>日本がインフレ率2%前後でも1ドル・1ユーロ当たり額面は円高になるけど
ここが問題で”FRBやECBの金融緩和が日本より大規模”にならざる得ない状況は
ほぼ間違えないと思うのです。日本よりも金融危機の直撃を受けた欧米諸国は
金融破綻を防ぐために猛烈な金融緩和の必要性に迫られており、通貨防衛
(信認確保)どころの騒ぎではなくなってしまっているわけですよね。

>1ドル120円なんて安すぎるぜ…とは思わないでいただきたい。
ここが赤字神氏との認識の違いかもしれません、ドルの対円切り下げです。
433553:2009/02/14(土) 04:23:39
>金融恐慌の傷が比較的浅い日本が2%〜程度でハイパーインフレにはならん。
>クルマならやっとエンジンがかかったようなものです。
これは同意です。2〜3%を目標とすべきではないかと思います。

>インフレ率2%〜+1ドル120円になっても
>通貨の信認が世界一であることは全く痛まない。
>むしろ、対外購買力が上がることにより信認が強まると思うね。
”1ドル120円”ここのところの水準が一段下がるのではと赤字神氏は予想しています。
つまりアメリカは対円切り下げが起こるのではないかということです。
赤字神氏の著書「ドル崩壊」はこれから起こるであろう金融緩和によるドルの希薄化
をニクソンショック、プラザ合意に並ぶドルの対円切り下げと主張しているのです。
そこが赤字神氏の『1ドル70円』本意なのではないでしょうか。
つまり円高万歳ではなく、アメリカが大規模金融緩和を行う必要に迫られ対円で
ドルは一方的に切り下げられてしまう可能性が高いというのです。
でも心配するなよ日本by赤字神・・これが「1ドル70円、どんとこい」なのでは?

>日本経済が呼吸困難なまま傷を負いながら縮小均衡で円安になっていく。
>もちろんこの手の円安はデフレ解消にはつながらない。
>日を追うごとに国富が殺ぎ落とされていき、国民が貧しくなっていくだけだ。
そして赤字神氏の著書「ドル崩壊」こう締めくくります
CPI上昇と円高は日本国内の個人消費を促し、マネーが世界から日本へ逆流することで、
国内の金融投資も徐々に活性化するだろう。