経済から政治を語るスレ★part162最終スレ

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270金持ち名無しさん、貧乏名無しさん
57 名前: 金持ち名無しさん、貧乏名無しさん [sage] 投稿日: 2008/05/15(木) 20:41:55
誰か頑張って翻訳するんだ
ttp://www.project-syndicate.org/commentary/stiglitz99

The Failure of Inflation Targeting (インフレターゲットの失敗)
by Joseph E. Stiglitz (ジョセフ・スティグリッツ)

 New York - The World’s central bankers are a close-knit club, given to fads and fashions.
In the early 1980’s, they fell under the spell of monetarism,
a simplistic economic theory promoted by Milton Friedman.
After monetarism was discredited ? at great cost to those countries that succumbed to it -
the quest began for a new mantra.

The answer came in the form of “inflation targeting,”
which says that whenever price growth exceeds a target level, interest rates should be raised.
This crude recipe is based on little economic theory or empirical evidence;
there is no reason to expect that regardless of the source of inflation , the best response is to increase interest rates.
One hopes that most countries will have the good sense not to implement inflation targeting;
my sympathies go to the unfortunate citizens of those that do.

(Among the list of those who have officially adopted inflation targeting
in one form or another are: Israel, the Czech Republic, Poland, Brazil, Chile, Colombia, South Africa,
Thailand, Korea, Mexico, Hungary, Peru, the Philippines, Slovakia, Indonesia, Romania, New Zealand,
Canada, the United Kingdom, Sweden, Australia, Iceland, and Norway.) ....

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271スティグリッツ_プロジェクトシンジケート:2008/05/20(火) 00:48:08
80 名前: 金持ち名無しさん、貧乏名無しさん 投稿日: 2008/05/16(金) 00:04:34
>>57 了解。あまりうまい訳ではないと思うが何とか訳を作ってみる。

@ニューヨークは気まぐれや流行を信じ込まされた世界の中央銀行の
職員がたくさん集まるところだ。1980年代の初期、中央銀行の職員
達はマネタリズムと言うまじないに魅了された。マネタリズムとはミルトン・
フリードマンのよって広められた単純すぎる経済理論だ。
マネタリズムを実行するためにマネタリズムを信じた国では
多大な労力が支払われた。そして、マネタリズムが信頼を失ったあと
新たなまじないが探されはじめた。

Aその答えは「インフレターゲッティング」という形でやってきた。
インフレターゲッティングは物価上昇率がターゲットレベルを超えた時は
いつでも利子率が上げられるべきだと主張する。
この粗野な対処法はわずかな経済理論と経験的な証拠に基づいて
出来ている。
しかし、インフレーションの原因に関係なく最良の対処法が利子率を上げる
ことだなどと言える理由はないのである。
ある者は大部分の国はインフレターゲッティングを採用しないような良識
を備えているだろうと希望する。
私はインフターゲッティングを採用した国の不運な国民に同情する。
(公式的にある一つの形式やまたは別の形式でインフレターゲッティング
を採用している国には以下の国々がある。
イスラエル、チェコ共和国、ポーランド、ブラジル、チリ、コロンビア、
南アフリカ、タイ、韓国、メキシコ、ハンガリー、ペルー、フィリピン
スロバキア、インドネシア、ルーマニア、ニュージーランド、カナダ、
イギリス、スウェーデン、オーストラリア、アイスランド、ノルウェー
である。
272スティグリッツ_プロジェクトシンジケート:2008/05/20(火) 00:51:08
81 名前: 金持ち名無しさん、貧乏名無しさん 投稿日: 2008/05/16(金) 00:21:21
B今日、インフレターゲッティングはテストされている。そして、
ほぼ確実に失敗するだろう。
発展途上国は現在、高率のインフレに直面している。
原因は貧弱なマクロ経済政策ではなく石油や食料品の値段が舞い上がっている
ためだ。
そして、これらの品目は豊かな国の平均的な家計の予算よりも発展途上国の
平均的な家計の予算の中でずっと大きな割合を占めている。
例えば、中国ではインフレ率は8パーセント程度まで上昇している。
ベトナムではずっと高く今年は18.2パーセントに達すると予想されている。
インドは5.8パーセントである。
対照的にアメリカのインフレ率は3パーセントである。
このことは発展途上国はアメリカよりもずっと高く利子率を上げるべきであること
を意味するだろうか?

Cこれらの国のインフレーションは、大部分は輸入が原因で起きている。
利上げは国際的な穀物や燃料の値段にあまり影響を及ぼさないだろう。
実際、アメリカ経済の大きさの経済を仮定してみるとそこでの景気後退は
確実に発展途上国での景気後退よりもはるかに大きな影響を国際価格に対して
与えると考えられる。
このことはグローバルな視点で考えると発展途上国でなくアメリカの利子率
こそ上げられるべきであることを示唆している。
273スティグリッツ_プロジェクトシンジケート:2008/05/20(火) 00:52:51
D発展途上国がグローバル経済に統合された状態を維持する限り、
国内物価に対する国際物価の影響を抑制する手段を採るべきではない。
つまり、国際的な米やその他の穀物の値段が上がれば、国内の米や
その他の穀物の値段もはっきりと上がるのである。
多くの発展途上国にとって高価格の石油や食糧は3つの脅威を意味
している。
つまり、発展途上国が穀物に対して多くのお金を支払わなければならなく
なるだけでなく、自国に輸送するのにもより多くのお金を支払わなくては
ならなくなる。そして、港から離れたところに住んでいる消費者に配達
するにはさらに高いお金がかかるのである。

E利上げは総需要を減少させる。これは経済を減速させいくつかの財やサービス
の値段があまり上がらなくなる。特に、貿易と関係ない財やサービスの価格
が上がらなくなるだろう。
しかし、我慢できないレベルまで利上げしなければ、利上げではターゲットレベルまで
物価を下げることはできない。
例えば仮に、国際的なエネルギーや食料の物価上昇率が今よりも穏やかな上昇率である
年20パーセントになっても国内物価は全体で3パーセント上がる。このことは他の
ところで物価が劇的に下がることを要求する。
これではほぼ確実に経済は劇的に減速し多くの失業が発生するだろう。
治療が病気より悪くなる可能性があるのである。
274スティグリッツ_プロジェクトシンジケート:2008/05/20(火) 00:55:25
88 名前: 金持ち名無しさん、貧乏名無しさん 投稿日: 2008/05/16(金) 02:41:47
FSo, what should be done? First, politicians, or central bankers, should not be blamed for imported inflation,
では、何がなされるべきなのだろうか?
まず第一にグローバル環境が落ち着いている時に我々が低インフレに
対して政治家や中央銀行の職員を称賛すべきでないのと同じように、
輸入インフレに対して政治家や中央銀行職員を非難するべきではない
のである。
前FRB議長のアラン・グリーンスパンは今では現在のアメリカ経済の
混乱に対してもっと非難されるべきであると認識されている。
彼もまたしばしば任期中の低インフレに対して称賛されていた。
しかし、グリーンスパンの時代のアメリカは商品価格の下落期間だったことと中国の安い製品によって利益を得ていた。 
このことが勘定書の中の製造品の価格を安定させていたというのが真実なのである。

GSecond, we must recognize that high prices can cause enormous stress, ... Riots and protests...
第二に、我々は高価格は多大なストレスを生む可能性があることを
認識しなければならない。特に、低所得者にはストレスになる。発展途上国の暴動や抗議はこれが最悪の形で現れたものだ。

H自由貿易の弁護者は自由貿易の利点を主張する。
しかし、彼らは決して自由貿易の危険性に対して完全に正直にはならない。
危険性とは市場は十分な保険を提供するのに失敗することが多いということである。
四半世紀以上前、私はもっともらしい条件の下でも貿易の自由化が皆を不幸にすることがあり得ることを示した。
私は保護貿易を議論してるのではない。
我々は自由貿易の持つ危険性を自覚しなければならず、さらに、     
その危険性をうまく取り扱えるように準備しなくてはならないと警告しているのである。
275スティグリッツ_プロジェクトシンジケート:2008/05/20(火) 00:57:34
89 名前: 金持ち名無しさん、貧乏名無しさん 投稿日: 2008/05/16(金) 02:44:30
IアメリカやEUのメンバーのような先進国の農業においては、
消費者も農業従事者もこれらのリスクに晒されていない。
しかし、多くの発展途上国ではこのようなことをするための制度的な構造や資源を持っていない。
多くは輸出税や禁止令のような緊急手段を採っている。
このことによって自分達は利益を得るだろう。
しかし、ほかの場所の誰かが損をしている。

Jもし我々がグローバリゼーションに対するより強い反発を避けようとするならば
西側諸国は速く強く応答しなければならない。
バイオ燃料への補助金は食糧を生産する土地をエネルギーを生産する土地に
変えることを促進しているが、バイオ燃料補助金は廃止すべきである。
それに加えて西側諸国の農家に何十憶と支払われている補助金のうちいくらかを
より貧しい発展途上国が基礎的な食糧やエネルギー需要を賄うのを助けるのに使うべきである。

Kもっとも重要なことは先進国も発展途上国もインフレ・ターゲッティングを捨てる必要があることだ。
食糧やエネルギー価格の上昇に取り組むための戦いはもう十分に大変である。
インフレターゲッティングがもたらすより弱い経済とより高い失業はインフレーション
に大した影響を及ぼさないだろう。つまり、インフレターゲッティングがもたらす
より弱い経済とより高い失業は困難な状況の下で生き残るという課題を産む
だけだろう。

これで終了です。コスト・プッシュインフレに対して利上げしては
ならないというようなことを言っていると思われます。
http://www.project-syndicate.org/commentary/stiglitz99
Most importantly, both developing and developed countries need to abandon inflation targeting.