資源も食料も国土もない国で、人口減少は致命的

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機械化が進み、生産性が向上すれば、衣食住などといった人間の基本的欲求を満たすに
必要な仕事に従事する人数はわずかで足りるようになる。それ以外の大多数は広い意味での
「虚業」に従事するわけだが、それでも余る人間がフリーターやニートになる。
したがって、フリーターやニートの出現は、成熟した豊かな社会の必然と言っても良い。

にもかかわらず、なぜ今「少子化対策」なのか?
生産(供給)に関しては上述のように、むしろ「人余り」時代に入る。
消費(需要)に関してもしょせんマネタリー(貨幣的)な性格にすぎず、タンジブル(実需的)ではない。
日本のように豊かな社会では、贅沢品や珍重品など「上級財」にどれだけ高い付加価値(値段)が
付くかが問題であって、人口の頭数は大したファクターではない。

結局、最大の問題は年金くらいだが、これも20年続いた実質10%の高度成長を背景に1970年代前半に策定した、
物価を勘案しても世界一高い給付水準を続けていることが根本的な問題。
今後受給することになる団塊の世代への給付額を3割カットすれば(それでも世界一)負担増も必要ない。
http://www.glocom.org/sum_ja/past_sum/index52.html
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/harada.cfm?i=2005111605onec3&p=2

つまり、「少子化」を問題視する世論を作り上げているのは、一に高い年金を欲しい団塊の世代、
二に納税者の頭数を確保しないと税収が減ると思い込んでいる政府、三に少子化を止めて
なおかつ女も働かせれば、労働市場が供給過剰になって労働力を安く買い叩けると考えている財界。
こんなところだろう。子供1人を育てる社会的コストも考えるべきだ。
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/harada.cfm?i=20060112c3002c3