過去記事
スノー財務長官の後任として指名を受けたヘンリー・ポールソン氏は
99年からゴールドマン・サックスの会長兼最高経営責任者。
このポールソン氏は、日本郵政株式会社の社長の西川善文氏がまだ三井住友銀行の頭取だった2002年12月、
西川氏とともに竹中平蔵金融担当相を表敬訪問しています。
このころは、2002年秋に金融担当相に就任した竹中氏が不良債権処理を加速させる
「金融再生プログラム」を策定して、05年三月末までに不良債権比率の半減をもとめていた時期でした。
ですから大手銀行と竹中氏の関係は決して友好的な関係ではなかった時期なのですが、
西川氏とは特別な関係であったのでしょう。
三井住友の前身である住友銀行は86年にゴールドマン・サックスに対して五億ドル(約700億円)の出資を行いました。
証券業務のノウハウを吸収することがその目的でした。銀行と証券の分離という規制のなかったヨーロッパで共同ビジネスなどがすすめられました。
住友銀行は86年の提携の際に取得したゴールドマン・サックス社の株式を、さくら銀行と合併し三井住友銀行となった後の02年1月にすべて売却して3000億円の売却益をあげます。
ゴールドマン・サックス社も03年に資本増強のために三井住友が発行した優先株(5000億円規模)のうち1500億円を引き受けています。
ゴールドマンにとっては、年利4.5%で二年目から普通株に転換できるという「おいしい」案件でした。
三井住友とゴールドマン・サックスはお互いに持ちつ持たれつの「共同体」でした。
西川氏は「ポールソンCEOとは何でも話し合える」と語っていますし、
ポールソン氏も2004年9月に来日した際に西川氏を「世界最高のバンカーの一人」として絶賛しています。
今年1月20日、西川氏は来年2007年10月の郵政民営化の準備企画会社である日本郵政株式会社の初代社長に就任しました。
西川人事を進めたのが竹中大臣であったことは有名です。
米国財務長官となるポールソン氏、彼とは「何でも話し合える」西川氏、その西川氏を日本郵政株式会社の初代社長に推薦した竹中大臣のトライアングルは、
金融のいっそうの規制緩和を懸念させるものです。
ttp://attackoto.blog9.fc2.com/blog-entry-37.html