小泉改革のお手本 ニュージーランドの惨状 2005年6月29日 掲載
失敗は「郵政民営化」だけじゃない
国会で審議中の郵政民営化が、20年以上も前のニュージーランド(NZ)
の郵政改革をマネたことは知られた話だ。そのNZでは郵便局が5分の1に
減少、配達料金は大幅アップして不便だけが倍増、「改革」は見事に大失敗
している。ところが、小泉首相がNZからパクろうとしている“失敗例”は
まだまだあるからお笑いだ。
1967年から26年間、NZに滞在し、「NZ行革」を目の当たりにした
河内洋佑氏(元オタゴ大教官)がこう言う。
「NZでは84年以降、税制改正と並行して医療、教育、郵政、通信などあら
ゆる公共分野の民営化・規制緩和が進められました。その結果、得したのは
カネ持ちと大企業だけ。9割の国民は深刻なダメージを受けました。これって
小泉改革に似てませんか? 私に言わせれば小泉政権の政策はすべて『NZ
行革のコピー』です」 では、小泉構造改革と“NZ行革”は具体的にどこが
重なるのか? 河内氏に聞いてみた。
■政府税調が提唱する累進課税緩和、法人税減税、消費税アップ
「NZでは最高66%だった所得税の累進課税率が行革開始後、33%と
24%の2種類のみになりました。当初、国民は拍手喝采しましたが同時に
消費税10%が導入され、すぐに12.5%に増額。瞬く間に各種控除も
全廃され、負担増となったのです」
■小泉首相は「改革で失業者が増えるのはやむを得ない」と企業のリストラを
容認、優勝劣敗社会がはびこり始めている
「NZ行革で政府が真っ先に手をつけたのが雇用・労働の破壊でした。
91年に『雇用契約法』という法律を作って、労働者は企業との個人契約を
交わすことになった。これで事実上、労働組合は消滅。
個人対企業の勝負は初めから見えている。企業はリストラや賃下げなどヤリ
たい放題を始め、パート労働者が急増。庶民の経済格差が加速しました」
(以下略
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