石原慎太郎は日本経済に対する国賊ではないのか?

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では、問題解決にはどうすればよいのか。古典的かもしれないが、
やはり機能の分散しかないと、私は思う。そしてもうこれ以上の人口や
機能の集積は抑制基調にすべきだろう。
 そう考えると、道州制がうまくいけば日本の国土構造を変えるチャンスになる。
ただ、いまのままの議論では最悪の道をたどるしかない。
 政府が道州制の議論を進めているのは、市町村合併が一段落したため、
「次は都道府県の合併」という発想だ。
要するに規模を大きくして、運営コストを下げることしか考えていない。
だが、市町村合併は実態として自治能力を著しく低下させてしまった。
地方の衰退に輪をかけたのである。その延長線上の道州制ならば、
地方の状態を悪化させるだけで終わるだろう。 

中央政府は、道州制を地方分権の受け皿としている。
だが、政府自身はほとんど変わらないのが前提だ。
せいぜい地方の支分部局の権限を幾つか渡す程度だろう。
しかし、私はこの際、中央政府は解体再編し、国レベルでしかできない外交、防衛、
マクロ経済、司法などに特化すべきである。後は全部、地方政府が行うのだ。
そこまでやるうえで、都道府県が47のユニットでは無理というならば、
確かに道州制の再編も有効だろう。 
 中央政府を解体再編し、その結果として道州制が実施されると、
例えば大阪には大阪の集積ができる。九州にも、東北にもできる。
日本の国土構造は安定するだろう。防災一つとっても、
どこかが災害やテロでダメージを受けたとしても、
ダメージを受けていないほかの地方が手助け出来る。
 その意味では三位一体改革も非常に残念な結果に終わってしまった。
補助金は、箇所付けや交付決定で中央政府が大きな影響力を振るっている。
そのため、地方が補助金獲得競争に奔走し、国会議員も動員される。
また、補助金は全国一律の基準なので無駄が生じやすい。
そういう矛盾を全部まとめて解消しようという国家構造の改革が目的のはずだった。
ところが、それらはほとんど廃止されないで残り、数字合わせに終わってしまった。