φ日本経済における統制・全体主義的体質φ

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1金持ち名無しさん、貧乏名無しさん
戦後の日本経済は官営経済・統制経済・市場経済が入り交じって効率を上げてきた。
省庁による「行政指導」、銀行における「護送船団方式」、政府・農協によるコメの
生産調整など。これらも規制緩和などにより大きな変化がおきた分野もあるが、
未だに改革が全く行われていなかったり、不十分な分野も多い。
日本経済における統制・全体主義的体質について考える。
2金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/06/30 22:32
【  構 造 改 革 は 虐 殺 だ !  】
http://money3.2ch.net/test/read.cgi/eco/1034500613/
3金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/06/30 22:57
近年、構造改革と称して弱者切り捨て、強者優待がなされるように
なったため、多くの負け組みの国民が苦しむようになった。
強者の横暴を許さぬよう、規制を強化することが望まれる。
自分だけの経済的利益だけでなく、公共に尽くす必要がある。
>>3
規制強化はますます国を貧しくするだけ。
それより、国民全体の厚生を上げるにはインタゲだろ。
5金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/07/01 12:12
ロシアじゃあるまいし、いまさら、護送船団を復活させるわけにもいくまい。
前を向いて進んでいくしかない。
6金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/07/01 13:57
取り合えず、全部国有化。
7金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/07/02 16:10
日本は唯一成功した社会主義だと言うんなら、いっそのこと本当の社会主義にしたら?
衣食住に最低限必要な物資を政府が供給する、全ての国民にただ同然で。
その上でさらに贅沢するために自由経済で働く、ってのはどう?
今のデフレは生産性の向上による供給過剰なわけだから、それを極限まで高めればタダになるんじゃない?
それを独占企業じゃなく国家がやって国民に配ればいい。
8金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/07/02 16:53
源泉徴収も戦時統制の名残だな
まあ、ナチを見習って当時の政府が導入したんだが
9金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/07/02 21:48
談合は落札価格が高くなって財政を悪化させる。
もっとクリアな入札にシレ。
10金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/07/02 22:07
とりあえず
所得税の累進税率上げれ。
11金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/07/03 01:09
間違いなく良スレ
12金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/07/03 01:23
自衛隊に安全保障について聞くと
「中国に核兵器を撃たれたら、日本を守りきれない。
 在日米軍に頼ろう。ホワイトハウスは自分の身を捨てて日本を守る。
 嘘だと思うなら、外務省に確認してみろ!このアホ・バカ・マヌケ!」
と答える。それは本当であるかどうかを外務省に聞くとこう答える。
「冷戦終結後、米国は中国相手に腹の底では日本を守るつもりはない。
 中国に核兵器を日本へ撃たれたら、米国は見て見ぬ振りをするので
 本当のところは、自衛隊単独で守りきれるかどうか自衛隊に聞いてくれ。」

では、自衛隊に安全保障について聞くと
「中国に核兵器を撃たれたら、日本を守りきれない。
 在日米軍に頼ろう。ホワイトハウスは自分の身を捨てて日本を守る。
 嘘だと思うなら、外務省に確認してみろ!このアホ・バカ・マヌケ!」
と答える。それは本当であるかどうかを外務省に聞くとこう答える。
「冷戦終結後、米国は中国相手に腹の底では日本を守るつもりはない。
 中国に核兵器を日本へ撃たれたら、米国は見て見ぬ振りをするので
 本当のところは、自衛隊単独で守りきれるかどうか自衛隊に聞いてくれ。」

では、自衛隊に安全保障について聞くと
「中国に核兵器を撃たれたら、日本を守りきれない。
 在日米軍に頼ろう。ホワイトハウスは自分の身を捨てて日本を守る。
 嘘だと思うなら、外務省に確認してみろ!このアホ・バカ・マヌケ!」
と答える。それは本当であるかどうかを外務省に聞くとこう答える。
「冷戦終結後、米国は中国相手に腹の底では日本を守るつもりはない。
 中国に核兵器を日本へ撃たれたら、米国は見て見ぬ振りをするので
 本当のところは、自衛隊単独で守りきれるかどうか自衛隊に聞いてくれ。」

では、自衛隊に安全保障について聞くと
「中国に核兵器を撃たれたら、日本を守りきれない。
 在日米軍に頼ろう。ホワイトハウスは自分の身を捨てて日本を守る。
 嘘だと思うなら、外務省に確認してみろ!このアホ・バカ・マヌケ!」
と答える。それは本当であるかどうかを外務省に………
13ホタルイカ <二:彡 @光学迷彩 ◆Optic4oz5g :04/07/03 01:23
●1990年6月28日平成の不平等条約である日米構造協議で在日米軍撤退をちらつかせ

日本経済不振の遠因は米ソ冷戦の終結だ。
ここで輸出により外貨を稼ぎ石油や小麦、大豆を買う
日本方式の無防備な国家経営モデルが米国から叩かれた。
それで経済が不振になった。
米ソ冷戦の時代は貿易摩擦が日米間で問題になる前に
米国国務省(日本の外務省にあたる)が日本側へ有利になるよう
その貿易摩擦を思いやりのある政治力でたくさん握りつぶしてくれた。
時代は変わり米ソ冷戦が終結すると、
米国は経済優先になり薄汚い政治力で日本を叩いてきた。
国際政治というのはそういうものだ。

たとえば、冷戦もいよいよ終わるころから米国の歴代政権のやったことといえば
・1990年6月28日ホワイトハウスは在日米軍撤退をちらつかせ
 日本政府を恫喝し平成の不平等条約である日米構造協議で
 1991年から2000年の公共事業430兆円を飲ませる(その後630兆円に拡大)
・日本企業へ米国現地生産を義務付け日本国内の労働者を餓死させる
・ビジネスモデル特許や根幹科学技術特許などで日本方式の改良改善を封じる
・1994年10月21日米朝基本合意で約束した軽水炉支援を
 米国側は一方的に停止し、北を核開発へ再び追い込む
・1990年代、中国へ核弾頭小型化&大陸弾道弾ロケット誘導技術など与える
・1995年4月19日1ドル79円75銭という
 実体経済とは異なる政治力による嫌がらせをする
・スーパー301条スペシャル301条
http://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/n_america/us/html/about_nte.html
・米国はあちこちでFTAを結び日本のアジア経済展開を強権中止させる
日本の経済屋が気が付かないところで国際政治の包囲網ができている。
14ホタルイカ <二:彡 @光学迷彩 ◆Optic4oz5g :04/07/03 01:24
未来志向外交の例(ゲーム理論)

サバンナのライオンのメスたちは群れで子供を守って生活する。
ところがある日、
流れ者のオスがやってきて、リーダーのオスが殺される。
そのあと、前任者のオスの遺伝子を受け継いだ子供のライオンは、
新しく就任したリーダーのオスの手により全てかみ殺される(子殺し)。
するとメスたちは、なんと、新しいオスに媚びて交尾をする。
メスたちは新しいオスの遺伝子を受け継ぐ子供を産んで、
無節操にも、その子を自分の子孫として守って生活する。
http://www.ipe.tsukuba.ac.jp/~s0200770/nononorion.htm

昆虫のタガメのオスは昔のメスが産んだ卵を大切に守って生活する。
ところがある日、
無精卵を体内に抱えた新しいメスがやってきて、
その新しいメスはオスの守る有精卵をプチプチと破壊する(卵塊破壊)。
そこで、オスは必死で残りの有精卵を外敵のメスから守る。
そして、卵は破壊され、すべての子孫をオスは失う。
するとオスは、なんと、新しいメスに媚びて交尾をする。
新しいメスはオスの血を受け継ぐ有精卵を産んで去る。
無節操にも、オスはその有精卵を自分の子孫として守って生活する。
http://www.geocities.jp/kukku100y/sub9.htm

国際社会で米国は属国日本を守り日本の生き血を吸って生活する。
ところがある日、
新興経済発展国の中国が歴史問題で因縁をつけて米国の属国である日本を破壊する。
そこで、米国は必死で残りの属国日本を外敵の中国から守る。
そして、米国は属国日本を中国の核兵器により一瞬で失う。
すると米国は、なんと、新しい経済市場を求め中国に媚びて経済交流をする。
新しい中国は米国流の市場経済を育てて米国や国際社会とうまくやってゆく。
無節操にも、米国はその中国を自分の戦略的パートナーとして守る。
http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Bull/6161/
15ホタルイカ <二:彡 @光学迷彩 ◆Optic4oz5g :04/07/03 01:26
相互確証破壊(MAD)で中国の核ミサイルを防げる。

相互確証破壊(そうごかくしょうはかい, Mutual Assured Destruction, MAD)とは、
核戦略の概念で、対立する陣営のどちらかが核兵器を発射もしくは使用した際に、
もう片方の陣営がそれを確実に察知し、報復を行う事により、片方が核を使えば
お互いが必ず被害を被る、という状態のことを指す。

この状態が維持されることにより、核を使うことがためらわれ、結果として核が
使われずに済む、という核抑止の考え方につながる。

旧ソビエト連邦では政府機能が核攻撃により壊滅した後も、自動的に報復攻撃を
行えるよう「死の手」と呼ばれるシステムが稼動していたとされる。
この機能はロシアに引き継がれ、現在も動いているといわれる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E4%BA%92%E7%A2%BA%E8%A8%BC%E7%A0%B4%E5%A3%8A

もし、日本が地上発射型の核ミサイルを保有すると、
中国には「ここへ当ててください」と東風ミサイルを丁寧に
核ミサイル庫へ誘導するシグナルを与えるようなもので危険極まりない。

日本が原子力潜水艦搭載の核ミサイルを保有する。そして、
日本海溝の水深2000メートルに日本の核ミサイルを原潜とともに隠す。

日本が核を保有したあとであれば、環境破壊で悩む中国政府が
「淡水のある領土をよこせ!さもないとぶっ殺す!」など因縁をつけてきて
日本政府が断ると、一触触発の軍事緊張状態になるとする。
中国は東風ミサイルを日本へ発射する演習をし
再度言いがかりをつけてくる。そんなとき日本は、
日本海溝の水深2000メートルに隠しておいた
日本の核ミサイルを北京へ発射する演習をすればいい。
日本政府が北京を破壊する演習をすれば、北京はブルって無茶な要求はしなくなる。
http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Bull/6161/what-is-game-theory5.html
国連安保理の拒否権を手に入れて、核武装をしよう。
16ホタルイカ <二:彡 @光学迷彩 ◆Optic4oz5g :04/07/03 01:27
146 名前:名無しさん@4周年 投稿日:04/06/16 17:25 ID:X1+9FJ6T
>>103
>インドですら核を持ったというのに、
>日本が持ったら国連の多国籍軍が来てあぼーんかよ。
>なら、なぜ今北チョソ攻撃の安保理決議が出ないんだ?

当時のインドとパキスタンは核関連条約をすべて調印・批准していない。
だから、インドとパキスタンは何千回何万回核実験しても
条約違反を何一つ犯していない。それゆえ国連安保理の管轄外となる。

日本は核関連条約をすべて調印・批准している。
それゆえ日本は国連安保理のオモチャとなる。
だから、日本が核開発に関する動きをすると
自動的に国連安保理が緊急召集されて
日本を滅ぼす絞め殺し会議が開かれる。

北朝鮮は核関連条約をいくつか調印・批准している。
それゆえ北朝鮮は国連安保理のオモチャとなる。
だから、北朝鮮が核実験をすると自動的に
国連安保理が緊急召集されて
北朝鮮を滅ぼす絞め殺し会議が開かれる。
その国連安保理で拒否権を発動する国がなければ、
北朝鮮は多国籍核ミサイルを撃ち込まれて熱蒸発する。

もちろん北朝鮮は中国ロシア日本に北朝鮮の核兵器を撃ち込むぞと脅す。
北朝鮮はそのような外交カードを使い、国連安保理の絞め殺し会議では
中国ロシアに拒否権を発動するように外交圧力をかける。
17素人:04/07/03 02:25
産業政策は社会主義的だが、個人は資本主義。

本当は逆じゃないと駄目なんだが。

特定会社団体の正規構成員になると美味しいが、
一般国民じゃ、弱肉強食の資本主義。
でもお上からじゃ、元請に金出せば末端まで行ってる事になってる。
18金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/07/03 07:28
日本のGDPに占める公共事業の比率はおかしくて
公共事業の比率が高すぎる。

欧州なんかはこれが逆転して
公共事業よりも
社会保障にたっぷりと金をかけている。

まずは国民の力で公共事業にたかる
クズの議員や企業、役人を蹴散らして
日本も社会保障重視型の社会にすれば
年金問題も解決するんじゃないかな?
19 ◆8m7473I1co :04/07/03 20:59

//////

 カレル・ヴァン ウォルフレン (著), 「日本/権力構造の謎」、邦訳 早川書房発行
 Karel Van Wolferen (原著), 篠原 勝 (翻訳)、原著1989年発行
 THE ENIGMA OF JAPANESE POWER : People and Politics in a Stateless Nation

ハヤカワ文庫上巻価格: ¥840 (税込)

Kinokuniya:
http://bookweb2.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9940226551
bk1:
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/407543d680dbd01040f6?aid=&bibid=01055138&volno=0000
Amazon:
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150501777/qid=1081607063/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/250-6290664-9088260

////// 購入しましょう!///


20 ◆8m7473I1co :04/07/03 21:00

/// 支配力強化の一世紀 1 ///

14章 支配力強化の一世紀

 ・・・・・日本の<システム>を正確に評価するうえで重大な妨げになるのは、太平洋
戦争敗戦の天地がひっくり返るほどの大ショックと連合国軍総司令部の管理と指導に
助けられて、日本敗戦の直前までの過去とはっきり決別した新しい日本が誕生した
という、今もなおひじょうに一般化している見方である。この見解によれば、一九四五年
の数年後に出現した社会は、以前と異なる統治の原理に委ねられ、またその原理に
みずからを委ねた人びとによって指導されるようになった。日本の伝統的な政治文化は、
もちろん影響力を残していると考えるべきであるが、大変身を遂げたと見られたのである。

//// K.V.ウォルフレン著 //


21 ◆8m7473I1co :04/07/04 09:58

/// 支配力強化の一世紀 2 ////

 この説は、一九二〇年代後半から一九四五年までを日本歴史の逸脱の期間と
見る有力な学派によって唱えられたので、多くの人びとが容易に受け入れるところと
なった。この理論によれば、日本は満州事変のすこし前までは歴史的必然としての
“近代化”路線をたどっていたのであった。狂信的な国粋主義者が日本を脱線させる
まで、この国は議会や政党など、立派な近代民主主義社会になるための要素を
すべて揃えていたというわけだ。

//// 「日本/権力構造の謎」 ///


22 ◆8m7473I1co :04/07/05 19:50

/// 支配力強化の一世紀 3 ////

 この見解は近年、学術研究、特にアメリカの歴史学者の研究によって覆された。
彼らは日本の帝国建設の努力と国内の抑圧は、明治時代の主だった傾向から
育った論理的な発展だとした。だが、一九四五年はそれまで考えられていたような
分水嶺ではなく、二〇世紀前半に遡る権威主義的な制度と手法が、現在の日本を
形づくるうえで決定的な要因だったと、一部の学者が指摘したのは一九八○年代に
なってからのことであった。
 あと知恵の利をもって、さらにもう一歩進めてこう言える。一九八○年代後期の
日本の<システム>は、一九世紀末から徐々に形成された官僚的および政治的な
勢力の統合強化の産物であり、戦争によって促進された統合物である。

//// 原書1989年刊 //


23 ◆8m7473I1co :04/07/06 20:01

/// 支配力強化の一世紀 4 ///

    基本的な継続性

 戦後の日本が、多くの点で新しい日本であることは否めない。とくに一九五〇年
代から七〇年代にかけての一般国民は、軍部の冒険主義は大きな誤りであったし、
日本は平和追求に専念すべきだと強く考えていた。生活水準は、戦前、とくに農村
地帯の貧困に比べると、雲泥の差がある。今日、日本人は、個人の自由を享受でき、
逮捕される心配なく好きなことが言える。一般国民は、かつてなかったほど保護
されている。しかしながら、日本では権力がどのように行使されるかという本書の
テーマにそって考えると、変化より継続性の方が重大であるようだ。支配エリートの
動機が継続されているだけでなく、彼らがつくった制度も継続されているのである。

///////////// 早川書房 ///



24 ◆8m7473I1co :04/07/07 20:15

/// 支配力強化の一世紀 5 //

 日本は戦災を受けた街々の瓦礫から不死鳥のように身を起こし、先輩格の工業
国に挑戦して世界第二の経済国になった。しかし、この再生の主力となったのは、
米占領軍に指導された“デモクラシー”による経済的、政治的再編成ではなく、
日本の社会・政治的世界と一度は捨てた戦争中の“封建的”な慣行だったのである。
日本の政治経済の驚くべき歴史の詳細は、15章にゆずろう。ここでは、<システム>が
一九四五年以前の官僚制度の強化されたものだという説の妥当性を、具体的に
論証したい。

/// 絶賛発売中 ///


25 ◆8m7473I1co :04/07/08 19:51

/// 支配力強化の一世紀 6 ///

        戦争を生き延びた幸運児

 占領軍当局が日本の政治指導層の変革に着手した時のもっとも問題だった決定は、
実質的に官僚制全体をそっくりそのまま残そうとしたことだ。連合国軍総司令部は
既存の国家行政組織を通して仕事をすすめるより他に選択がなかったと、一般には
説明されている。しかし、ある日本政治研究者が指摘するように、この点でのアメリカの
日本官僚制への依存を強調しすぎると、当時の権力の現実を無視することになる。
占領政策の関係者の圧倒的多数は、日本の官僚制を温存するという大切な決定が
あったことすら知らなかった。アメリカ人担当者は、どの国の官僚もアメリカの役人と
同じ非政治的な専門技術者だと単純に思いこんでいたのだ。

/// 早川書房より邦訳発売中 ///


26 ◆8m7473I1co :04/07/09 21:14

/// 支配力強化の一世紀 7 ///

連合国軍総司令部の大規模な “民主化” 計画の労働問題を担当した一高官は、
敗戦国日本の官界改革担当の中枢部が、輸送部隊の若い中尉、ミルトン・J・
エスマンただ一人だったと言い、次のように書いている −

  皆が忙しくたち働く改革活動の喧騒の中にあって、エスマンの席は静かな
 オアシスだった。というのは、彼はケーディスの下で公務員関係を担当し、彼以外
 だれもこの分野に関心を寄せなかったからだ。統合参謀本部の指令JCS1380/15は、
 官僚には一言もふれていなかった。つまりエスマンは公式任務を持っていなかった
 といえる。

/// K.V.ウォルフレン著 //



27金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/07/09 21:54
なぜ、自民党はいままで自民を支えてきた、
末端の後援会の人たちの名簿という個人情報を
公明党に渡すのか?

http://www2.asahi.com/2004senkyo/topics/zenya01.html


選挙に勝つためなら、後援会名簿という、個人情報を
渡してしまうのは、問題ではないのか?

自民党は後援会の人たちの事をどう思っているのか、
不思議に思うのは、私だけであろうか?
28 ◆8m7473I1co :04/07/10 20:54

/// 支配力強化の一世紀 8 ///

 中尉の担当した官僚制の“封建制撤廃”という仕事は、ある意味でフーヴァー
代表団に引き継がれた。この専門家グループは、近代的な行政方式を指導して
ほしいという日本政府の要請で来日した。しかし、代表団は、上級公務員のほぼ
全員が東大の卒業生だという事実の重要さにすら気づかなかった。代表団は
なにかを達成したかもしれないが、官界の改造とは関係がなかった。

/// 「日本/権力構造の謎」 ///



明日は自民、公明"以外"
に投票しよう!
(それ以外ならどこでもOK)

自民公明に入れるのは
戦争賛成、年金いらない
と言ってると同じ…

俺は民主にいれます。

30 ◆8m7473I1co :04/07/11 19:51

/// 支配力強化の一世紀 9 ///

 占領軍当局は敗北した軍組織を公職追放によって排除し、経済界の指導者
一五〇〇人を免職処分にし、何人かの政党政治家を公職からしりぞけ、超国家
主義的な団体を解散させた。しかし、その先さらに日本の統治体系の主力に
取り組もうとはしなかった。公職追放の目的は、ある程度矛盾をはらんでおり、
当時の状現下では明確に示されもせず、また、達成できるものでもなかった。
そのうえ、政治的な理由から、占領を“平穏”に保ちたいという強い動機があった
ため、アメリカの改革担当者たちは、軍部と超国家主義的な団体以外の領域での
干渉を最小限に抑えた。こうして、公職追放に関する細目は、官僚たち自身に
任された。官僚はまもなく多種多様な抜け穴を利用できることを知った。彼らは、
しばしば連合国軍総司令部の指示をあっさり無視した。

/// 1989年刊 ////


31 ◆8m7473I1co :04/07/12 20:27

/// 支配力強化の一世紀 10 ///

 追放を解かれた官僚が公職に復帰するのと奇妙に時を合わせて実施された
“レッド・パージ”(共産党員もしくは“共産主義的”思想の持ち主とみなされた
官僚一〇〇〇人以上と会社員一万一〇〇〇人近くが職を失った)のため、
一九五〇年までには占領軍の公職追放の効果はほとんど無に帰していた。
戦後最初の大物首相・吉田茂はこう要約した。「占領当局は、すべての権力と
権限をもって計画実施にあたったのに、統治することになった国民についての
無知、それにもまして、そのことにも気づかないおめでたさが手桎足枷になった」

/// 早川書房 ///


32 ◆8m7473I1co :04/07/13 20:46

/// 支配力強化の一世紀 11 ///

        革新官僚と“新体制”

 連合国軍総司令部が日本の官僚のほんとうの力を知らなかったために、
役人たちは一九三〇年代初期から一九四五年まで戦時産業努力の一環
として実験してきた経済機関の発達と統合をさらにすすめる機会を得た。
戦後の努力の方がより的確に組織された。官僚は、過去の経験から学んで
いたし、さらに重要なことに、以前持たなかった権力を連合国軍総司令部
から与えられたからである。

//// 絶賛発売中 ///


33金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/07/13 20:55
はるこおろおのはなの宴めぐる盃【かげさして♪昔の光いまいづこ♪】
34 ◆8m7473I1co :04/07/14 20:15

/// 支配力強化の一世紀 12 ////

 戦後の産業政策に関与した卓越した人物の多くは、戦前、戦中の日本で
“革新官僚”として知られていた。彼らはヒットラー政権下のドイツの考え方と
ムッソリーニの職能団体主義の影響を強く受けていた。彼らがナチズムヘの
改宗者だったというのではなく、日本の経済と社会統制の問題にドイツの
方式を適用したという意味である。
 西洋人の考えでは、一般に、ナチズムやファシズム理論に日本の“経済的奇跡”
は結びつかない。しかし、全体主義的な国家統制を支持するこれらの理論の
感化なくして、“経済的奇跡”が起こり得たかどうか疑わしい。実際、革新官僚
とその弟子たちは戦後の経済関係省庁、日本銀行、そして主要な経済団体を
牛耳った。

//// 早川書房より邦訳発売中 ///


35 ◆8m7473I1co :04/07/15 20:12

/// 支配力強化の一世紀 13 ///

 革新官僚の戦後の重要性にかんがみ、彼らについてさらに詳しく見る必要がある。
彼らに道を開いたのは、より古い改革者、つまり一九三一年の満州事変の後に
登場した、いわゆる“新官僚”たちだった。彼らが“新”官僚とみなされたのは、
国内政治の再編成に力を貸し、民政党と政友会が徐々に解散に向かう状況に伴う
権力配分の変化を通して目立つ存在になったからだ。彼らは、おおむね官僚的
だったこれら二大政党を通して仕事をしようとせず、逆に政党政治の影響を弱め
排除する手助けをし、軍部との提携をふたたび活性化した。

/// K.V.ウォルフレン著 //


36 ◆8m7473I1co :04/07/16 19:50

/// 支配力強化の一世紀 14 ///

彼らは主に社会統制官僚の要塞だった内務省に本拠をおいて新しい制度を
導入し、町内会や村会を通して地方自治体と国民をより厳重に統制した。
新新官僚とも呼ばれた実際の革新官僚たちが注目されだしたのは、運命的な
一九三六年二月二六日のクーデター未遂とその翌年の中国での全面戦争
開始後だった。彼らは経済の諸プロセスが社会秩序の中で果たす決定的な
役割に気づき、熱心に経済統制を導入しようとした。

/// K.V.ウォルフレン著 //


37 ◆8m7473I1co :04/07/16 21:06

/// はじめに 6 ////

 日本人はこの社会主義こそ戦後の成功のもとであると信じている。そして競争も
資本主義も本当は好まない。だから社会主義をやめて競争と資本主義に向かう
改革を、ホンネではやりたくない。改革は既得権益を失うことを意味するからである。
しかし成長が終わり、老化の道を歩み始めた社会では、官主導の再分配によって
平等に福祉(幸福)を配給しようという社会主義はもはや成り立たない。成り立たない
ものを守ることは衰退に拍車をかけることにしかならない。この先、あくまでも社会主義を
守り、「親方日の丸」号にしがみつき、みんなで抱き合ったまま沈んでいくのか、それとも
社会主義を捨て、自力で泳ぐ生き方をするのか。これが個人に与えられた選択肢である。

/// 竹内 靖雄著 ////


38 ◆8m7473I1co :04/07/17 20:56

/// 支配力強化の一世紀 15 ///

 革新官僚は経済の不安定さと国民の高まる期待がもとで生じた社会的混乱と
不満に対し、感情的かつ知的に応じた。これらの社会的問題を全面的に解決しよう
として、彼らは初期の理想主義的な段階では、緊張と統治の問題に応えて出現した
ヨーロッパのごたまぜの概念に感化された。多くの革新官僚が、マルクス主義者
として出発し、あるいは社会主義的な信念をもっていた。事実、一部の者は“赤”
がかった傾向を保ち続け、これがスキャンダルになって、一九四一年初めに何人
かの高官が逮捕された。しかし、後の段階で、革新官僚たちはナチスの考え方、
イタリアのファシズム、熱烈な日本主義、すなわち自由主義的な政党政治を
徹底的に忌避し、強力な国家統制の信奉のもとに結束した。

//// 「日本/権力構造の謎」 ///



39金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/07/18 11:08
いまも日本は日本国内に対しては
一応民主主義の国のふり

で対外的には天皇を頂点にした
立憲君主制国家

日本国内の警察や日本政府の
報道管制に厳しさは世界的に見ても
厳しい

で警察はあらゆる事件を利用して
国民統制を強めようとしている
40 ◆8m7473I1co :04/07/19 19:41

/// 支配力強化の一世紀 16 ////

優秀な革新官僚は全員がキャリアの重要な節目で、日本の関東軍が設立した
傀儡の満州国で公務に就いた。実際、「革新官僚と名乗るからには、満州で
修業してこい」というのが先輩官僚から後輩への慣例的な助言だった。満州で、
彼らは軍部のボスとの協力法を学び、本国ではとても不可能なほど、はるかに
厳格な経済体制を作りあげる手法を覚えた。軍部の計画担当者は、部分的に
ソ連の五ヵ年計画にヒントを得て、軍部と民間の経済を動員する統制計画を長年、
夢見ていた。中でも高名な陸軍将官永田鉄山が“国防国家”の概念をはじめて
明確にし、官僚たちの想像力に強い影響を与えた。

//// 原書1989年刊 ///


41 ◆8m7473I1co :04/07/24 07:54

/// 支配力強化の一世紀 17 ////

 革新官僚の考えをもっとも理路整然と表現したのは、昭和研究会のメンバーであった、
官僚と知識人と記者だった。この研究会は、太平洋戦争へと進む数年の間、もっとも
重きをなした文民政権の指導者だった近衛文麿の親友、後藤隆之助によって創設
された。近衛の“頭脳”として知られた昭和研究会は、政治体系を改造し、日本から
利害の対立を一掃し全体主義的な国家統一を目指した新国家建設運動(新体制運動)に
インスピレーションを与えた。一九四〇年一〇月、“新体制”の統制組織として、
大政翼賛会が結成された。

//// 早川書房 ///



42 ◆8m7473I1co :04/07/27 20:28

/// 支配力強化の一世紀 18 ////

翼賛会は帝国の潜在力の発揮を妨げている長年の“セクショナリズム”から一挙に、
また根本的に日本を解放することを目指した。この努力は失敗に帰したのだが、
“経済新体制”の部分は、戦後のとどまるところを知らない産業発展計画に影響を
与えた。
 革新官僚が活動する機関は内閣企画院だった。この国家総動員の中核機関は、
(その二年前に設置された)内閣調査局と軍部の経済企画部門だった内閣資源局が
合併して一九三七年に創設されたものである。陸軍がこの合併を押し進めていた。

//// 早川書房 ///


43 ◆8m7473I1co :04/07/31 09:50

/// 支配力強化の一世紀 19 ////

企画院は後に“経済参謀本部”とニックネームがつけられたが、企画院になると
軍=官僚体制の企画者たちの仕事の重点は日本と満州の産業開発五ヵ年計画
から物資総動員計画に移った。しかし、企画院が意図していた軍部と民間側の
戦時産業努力のかみ合わせはうまくいかなかった。一九四三年に、企画院が
商工省と合併して軍需省になってはじめて、中途半端ながら効果が表われてきた。
いずれにせよ、企画院は戦後のきわめて効率の高かった経済安定本部の前身と
みなせよう。一方、軍需省の主要機能は通産省に引き継がれた。大政翼賛会と
その遺産については、この章の後半で再度ふれる。

/// 絶賛発売中 ///


44 ◆8m7473I1co :04/08/04 21:11

/// 支配力強化の一世紀 20 ////

        経済官僚の強化

 官僚機関と官僚たちは“封建制が撤廃されつつあった”新しい日本にスムーズに
適合した。岸信介は東条英機にごく近かった仲間の一人で、戦時の軍需省の
実力者として産業政策を実施した革新官僚だったが、戦後の産業政策を支配する
人物となった。前に述べた通り、岸は戦犯容疑者として逮捕され巣鴨に収容
されたが(起訴されず釈放)、まずは日本のもっとも有名な首相の一人になり、
その後は、一九八七年に死亡するまで、日本で最大の影響力を持つ黒幕だった。

/// 早川書房 ///


45ホタルイカ <二:彡 @光学迷彩 ◆Optic4oz5g :04/08/04 21:30
アメリカで3100万人飢餓で苦しんでいる。8人に一人だ。
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/cat167444/
http://www.freepress.org/columns.php?strFunc=display&strID=787&strYear=2003&strAuthor=2
TheFreePress2003/12/19の記事より。米国民の8人に1人、約3,460万人が貧困状態で、
その内1,300万人が子供。アメリカ合衆国は先進国としては最大の貧困児童数で、
寿命は最低という深刻な事態になっている。しかも、約3,100万人のアメリカ国民が、
次の食事を入手する手段を持たない「飢餓状態」にあるという。

2ちゃん経済板の一部の住人は米国や外資、竹中大臣の米国化政策を批判している。
そして、小泉内閣の構造改革によって日本の社会に階級社会が到来すると騒いでいる。
次の英語の意味は「勝てば官軍、やらずぶったくり、何でもあり」というものだ。
"Winner takes all."または"The Winner takes it all."
「100人のうち1人の白人だけが大金持ちになり、
 残りの99人の有色人種が餓死する。」というニュアンスをこの言葉は含んでいる。
2ちゃん経済板の住人はやがて日本がこのような
"Winner takes all."の危険極まりない社会になると警告している。
我々の感覚で耳を傾けていると、
「日本の子供たちや孫を欧米の外資や北朝鮮、中国から守るために
 国連安保理の拒否権を手に入れて核武装をすればいいじゃないか。
 日本の安全保障が米軍におんぶに抱っこの形態から成長する。
 そして、自前の核ミサイルで中国や北朝鮮から身を守れば、
 米国から日本経済をクチャクチャにされることなく経世済民ができるじゃないか。」
と考えはじめるはずだ。ところが、彼らの言っていることにいろいろな矛盾点や
内弁慶のきらいがあるのでしばらく言動を観察してみると、経済板の一部の住人は
「日本が米国の要求を突っぱねるために核武装するくらいなら、100人の日本国民のうち
 99人が貧困に苦しみ餓死したほうがマシだ。」こんなのが本音であり、彼らの本心のようだ。
つまり、自分がいつでも海外脱出できるエリートだという自信があるから、
東大卒で元経済官僚の森永卓郎のように口先で内政を批判して庶民の味方であるような
ポーズを示しつつ、本音では100人中99人が餓死する"Winner takes all."を支持している。
46金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/08/05 16:46
語弊を恐れずにいえば、日本全体の数字が良くなろうが
悪くなろうが、関係ないって言うんだよ
そんなのを国民1人1人が目的化すべきではないだろうよ
そんなのは、公務員と政治家が考えればいいこと
それ以外の人は、自分が属する組織の成績を上げることだけを考えればいいんだよ
結果として日本全体が良くなれば、悪くはないとは思うが
その辺を勘違いしているよ>日本人
公益云々はあくまで建前だよ。
48金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/08/05 17:15
でも、日本の資本主義が目的とするところは、利益の追求ではなく
「共同体」の維持なのでは?
単一民族国家に近いため、差別化がしにくい
(アメリカにおける黒人やヒスパニックのような「被差別階級」が存在しにくい)
だからダメなんだよ>日本
「勝ち組」と「負け組み」を作るのを極端に嫌がるもんな
ガチンコの競争を日本人同士で一度くらいやってみろってんだw
というか、会社のような機能集団を
共同体のように考えているから。
で、その中での評価を異常に気にするから
サービス残業のような事を平気でするわけだ。
50 ◆8m7473I1co :04/08/08 20:04

/// 支配力強化の一世紀 21 ////

 岸につぐ戦後の産業政策づくりの第二の立役者は、戦時中満州にいた革新官僚、
椎名悦三郎であった。椎名は、日本降伏から米占領軍の第一陣の到着までの間に、
好機を逃さず軍需省を再度改名して商工省に戻すアイデアを思いついた。戦後、
彼はみずから通産大臣になり、その後も、一九七九年に死亡するまで同省の影の
実力者として、また自民党の重要な指導者の一人として活躍した。

//// K.V.ウォルフレン著 ///

51金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/08/08 23:34
>>48
各国の経済政策の目標は、国民経済という共同体を維持することですが何か?
企業同士の自由な潰しあいを奨励するのが理想だとでも? それがアメリカの政策だとでも?
勘違いも甚だしい。
徹底的に競争をした上での妥協なら
許せる
しかし、今の日本社会は競争や改革の名を借りた茶番劇
が多い
小泉の声域なき構造改革?
聖域ありまくり
53 ◆8m7473I1co :04/08/14 19:17

/// 支配力強化の一世紀 22 ////

 大蔵省グルーブの満州での指導者、星野直樹は戦時中は企画院総裁を務めた。
終戦後、彼は、戦後の経済政策を再検討するために設立された経済研究会の
有カメンバーになった。この研究会は池田首相の“所得倍増計画”にまとめられた
高度経済成長政策の青写真をつくり出した。星野はまた、東急ホテルをはじめ
東急系列会社、そして主にビジネス関係書を出版するダイヤモンド社の社長などの
要職についていた。

//// K.V.ウォルフレン著 ////

ヤオプロレスはガチ格闘技に負ける。
経済も同じ。
55金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/08/15 06:39
野球日本代表の視察に訪れてる星野に対し、
「やはり中畑コーチの采配が重要になりますね」と
「長嶋ジャパン」の矛盾を軽く突き、星野が五輪を語ったあと
急に合併問題の話に移し、
「世論調査によると、8割の人たちが今後のプロ野球界の見通しは暗いと言ってますが」
と言い、星野もそれを否定せず、視聴率等のことを挙げ認めた。
最後は「じゃあこれが最後のチャンスですね」と、暗に「これでダメだったら
もうやりようがない」ということを強調していた。星野も否定しなかった
56金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/08/15 10:21
国家が一方的に民間企業を潰したり国有化したりするのは、
まさにポルポト的「極左」政策であるが、
そういうった国家権力の使い方にこそ親近感を持ってしまうのが
今のマスゴミの中枢を占める連中の実態なのだ。
57金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/08/15 11:17
助けるのも変だよな銀行から頼まれて資本注入したり、ダイエーに出資したり。
58金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/08/15 11:23
対米輸出赤字
依然として内需拡大はできていないようだ
市場開放もまったくやる気はない
尊王攘夷が経営方針である経営者は一掃すべし
59金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/08/15 11:24
>>56
全共闘世代は健在だったのか
60金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/08/15 18:52
>>58
痴呆外人?
61 ◆8m7473I1co :04/08/17 21:17

/// 支配力強化の一世紀 23 ////

 戦時中の金融統制の仕組みを作りだした主要担当者は、もともと一九三三年に
設置された大蔵省外国為替管理部出身の、同省大臣官房と理財局の官僚たち
だった。このグルーブは、国家の政策を立案する上で多大な自由裁量の権限を
持つ非常に強力な集団である。彼らの中でも特に傑出していたのは革新官僚の
迫水久常で、彼は戦後、経済企画庁長官と郵政大臣になった。

//// 早川書房 ///


62 ◆8m7473I1co :04/08/20 20:24

/// 支配力強化の一世紀 24 ////

 戦時計画に関係していた、もう一人の有力な大蔵官僚の森永貞一郎は、
一九五七〜九年に大蔵次官を務め、一九七四年には日銀総裁の座に就いた。
三番手の下村治は、きわめて重要であった戦後の経済安定本部で物価政策を
担当し、後に池田首相の“所得倍増計画”の主要ブレーンの一人になった。
 一万田尚登は、最重要だった戦時の融資統制の多くを調整した局の局長を経て、
一九四六年に日銀総裁に就任した。戦後の重要な時期に八年半その座にあった後、
大蔵大臣に任命された。彼が総裁を務めていた頃の日銀は一般に“法王庁”と
呼ばれていた。

//// 「日本/権力構造の謎」 ///

63 ◆8m7473I1co :04/08/23 20:47

/// 支配力強化の一世紀 25 ////

 官僚たちはパージを無事に切り抜けたばかりか、時にはわずらわしかった
軍人仲間から解放されるというおまけまでもらった。さらに占領当局は、大企業が
“戦闘的な国家主義と侵略を積極的にすすめた代表”だと信じて、財閥解体と
持株会社の解散を命じたのである。おかげで、官僚たちは経済界の権力を求める
面倒なライバルにもはや直面しないですんだ。一時期各省庁の局長が閣議に
出席したことがあったが、これは戦前にはなかった慣行だった。彼らはGHQと
(GHQとバイプをもたない新政権党の)閣僚との間の取持ち役を務めたので、
彼らの発言の重みが大幅に増した。

//// 原書1989年刊 ///


旦那は家族になっちゃうから、恋愛ではなくなるんだよ。
でも、いくつになってもトキメキやどきどきがほしぃ。
男でも女でもそれは一緒。
あ〜ぁ、うちも旦那と結婚後もトキメキがある生活してたら
絶対に浮気なんてしなかったのに。
65 ◆8m7473I1co :04/08/27 19:22

/// 支配力強化の一世紀 26 ////

 戦後、日本の知識人や評論家が官僚を“占領軍の下請け”だと言いはじめたが、
これは犬がシッポを振るのでなく、シッポが犬を振る状況という重要な事実を
見落としていた。チャーマーズ・ジョンソンが言うように、「占領期間の一九四五〜
五二年は、それ以前やそれ以後の近代日本に見られなかったほど、政府が経済を
大いにコントロールできた時期であった。それは太平洋戦争中におこなわれた管理の
程度をもはるかに越えるものであった」。連合国軍総司令部が戦後の通産官僚に
与えたおそらく最大のプレゼントは、戦時中には“統制会”が独占していた、日本の
産業政策に必須の手段であるカルテルを結ばせる権限であろう。

/// 早川書房 ///


66金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/08/29 12:00
完全自由主義が良いと言っている者は、ここを読め。
http://www.engaru.co.jp/osusume/joumon/main.htm

こうならないために、社会的な各種の規制がある。
67金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/08/29 12:14
日本における経済政策論議のキーワードは、一貫して「内需拡大」と、「市場開放」もし
くは「規制緩和」とであった。ところが内需拡大も市場開放・規制緩和も、ともに日米貿
易不均衡を起因とするアメリカの対日要求に発するものであり、ことの起こりは「日本発」
ではない。
・・・はじめは日本の貿易黒字減らし策として唱えられたはずの「規制緩和」が、いまでは、
奇妙なことに(!)日本経済再活性化のための究極の「秘密兵器」と化し「規制緩和」の
大合唱が行われている。
その結果、バブル崩壊後のデフレ的な景気後退で内外価格差が縮小し、不況の長期化で労働
時間が短縮され、規制緩和で各地に生まれた容積率の高いビジネス・ビルは不良債権を増大
させているが、国民生活の豊かさだけは長期低落の傾向にある。

エコノミストは信用できるか (文春文庫)
http://esbooks.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31300543
68 ◆8m7473I1co :04/08/30 21:50

/// 支配力強化の一世紀 27 ////

統制会は、いろいろな関係官庁の派閥の間に大いに摩擦が生じ、財界の強い
反対にもあった後、一九四一年に設立された。が、その仕事は、戦時産業の
さまざまな部門の活動、生産目標と原料割当ての調整であった。ところが官僚は
統制会を効果的に支配できなかった。経済界が、それぞれの統制会の長に
まちがいなく業界最大手企業のトップ重役を配置し、実質的に財閥の管理下に
おいたからだ。連合国軍総司令部は、財閥解体にあたり私的カルテル結成をも
禁止した。後に通産省と改名される商工省の経済官僚にとっては、「役人の
天下がある日突然実現されたような喜びであった」。

//// 絶賛発売中 ///



69 ◆8m7473I1co :04/09/02 21:25

/// 支配力強化の一世紀 28 ////

 日本は戦後、形式的に大きな変身をとげたが、経済システム、とくに金融統制の
制度上の基盤は戦時体制がそのまま温存された、と大胆に発言する役人もいる。
大蔵官僚の榊原英資と同省OBの野口悠紀雄は、理念と実態を対照させ、その
二元性が戦後の“奇跡”の達成に不可欠だったと言う。彼らによると、民主主義的な
機会均等のイデオロギーが経済成長のためのエネルギーを噴出させる一方で、
高度成長そのものは実際には厳格な金融統制というリアリティを通して達成された
のである。

/// 早川書房 ///




70 ◆8m7473I1co :04/09/05 09:56

/// 強化の一世紀 29 ////

彼らが戦後三二年たって書いた論文の中で、日銀の活動を規定する基本法は、
ナチス・ドイツの国立銀行の全体主義的な経済目的を反映した旧法とそっくり
そのままだ、と明言している。彼らはまた、戦後、日本開発銀行、日本輸出入銀行、
日本長期信用銀行が作られたのは、戦後も存競する日本興業銀行が戦時中に
果たした役割を強化するためと見られるとも主張した。

/// 邦訳発売中 ///



71金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/09/06 05:01
テロ続発にも関わらず、ロシアのセキュリティーの甘さ。
金が無い→コストダウン。人員や労力が割けない。

犯人グループは作業員に工作員混ぜて大量の武器を校内に隠していた。
正職員で長く勤めた信頼のおける者でなく、コスト減で変な連中を雇い入れ
そのチェックにも労力を割かない。

深刻さが違うとはいえ、これは最近の日本にも言える事だ。
原発や鉄道の検査を安易に下請けに回す、自動車の安全軽視、
工作員を引越し業者等に入れて盗撮、侵入等の犯罪の手引き、その他多数。
立場が安定している正職員等は余程でないと犯罪を犯すリスクは選ばない。
ついでに、立場が安定している者の犯罪や手抜きは露見しやすい。

規制緩和、コストダウン、競争、効率化その他諸々が絶対に正しいなんて主張する馬鹿がいるから
社会全体が大損害を受けることになる。
72 ◆8m7473I1co :04/09/07 21:09

/// 強化の一世紀 30 ////

        統制官僚変じて“経済界代表”

 戦後の経済官僚は、民間部門を活性化する産業政策を立案して実施し、前例が
ないほど産業界を操縦し思い通りの方向に進ませて、強力な保護主義によって
国内メーカーの成長を助けた。これがたちまち、日本の支配的な、いな唯一の
主要政策になった。この政策は、もし戦時中の経済界との計画調整を上回る
効果的な手段が戦後になかったなら、実施は妨げられたであろう。そして、財閥の
死には重要な意味があった。というのは、戦後の経済コントロールの中心になった
四大経済団体が生まれる余地ができたからである。

/// K.V.ウォルフレン著 ///


73 ◆8m7473I1co :04/09/09 21:15

/// 強化の一世紀 31 ///

官僚だらけのこれらの経済団体は<システム>とその産業政策を発展させるのに
重要な役割を果たしてきた。経団連は全体的な調整と、後に自民党になった
政党への資金調達を担った。日経連は反労働運動の調整役を務め、商工会議所は
表面的には中小企業を守り、また同時に制御する。経済同友会は、経済発展の
大まかなコースを理論づけ宣伝する役割を担ってきた。

/// K.V.ウォルフレン著 ///


74ごるごるもあ ◆753Z/RLFiY :04/09/11 04:00:19
軍事経済のリスクは雪達磨式に膨らみ、既に米国の国債赤字を発行限度額にまで押し上げている。
戦争はもともとハイリスク・ノーリターンなのである。
それにも関わらず米軍主導の経済運営を一体どこの国が望んでいるのかである。
表向き米軍に逆らわないのは単に米軍が世界最大の軍事国家であり、資本主義経済の利権を独占しているからであり、ひとたび世界に目を向ければそれこそ奴隷文明のハイリスクが渦巻いているのである。
軍事経済はそのリスクの切れ端に過ぎない。 
実に狭い価値観の中で我々は背後から突き動かされているに過ぎないのである。
米国が我々のアイデンティティーを弾圧し、軍事経済を正当化してきたのなら、そこに最初から正義などあろうはずもなかったのである。
【米国主導の奴隷文明、すべてのリスクは弱者から被る】沖縄・琉球民族
http://homepage3.nifty.com/darkelf/
75 ◆8m7473I1co :04/09/11 22:09:56

/// 強化の一世紀 32 ///

 初代の“財界総理”(経団連の会長はよくこう呼ばれる)は、終戦まで“統制会の神様”
と呼ばれていた人物、石川一郎だった。彼は、前述のように政府が促進してきた
カルテルのひとつ、化学工業統制会の指導者だった。戦争の後半期には、彼は
重要産業統制団体協議会(各種の統制会を調整した総括組織)の世話人となり、
戦後は連合国軍総司令部が手をつける前に率先して同協議会を解散させ、別の
短命な協議会を設立した。この新しい協議会が後の経団連の母体となった。

//// 「日本/権力構造の謎」 ///




76 ◆8m7473I1co :04/09/14 19:34:41

/// 強化の一世紀 33 ///

 終戦後まもなく石川は、日本経済再建について理論的研究をさせる目的で、
企画院で働いたことのある若手エコノミストを集めさせた。ここから生まれたものが
後に政府の長期計画になった。またこのグループの一員には大来佐武郎がおり、
彼は後に経済企画庁の高官、外務大臣、対外経済担当相、そして外国の批判を
吸収しそらせる大物の国際“緩衝役”となった。

//// 原書1989年刊 ///


77 ◆8m7473I1co :04/09/16 19:27:25

/// 強化の一世紀 34 ////

 経済統制官僚と産業統制会の役員は、日本降伏と経団連誕生までの一年間に、
当時のひじょうに不明確な条件のなかで産業界の取るべき進路を画定するために
大小さまざまな委員会を設立した。委員会の有力人物は、戦時中の経済官僚としても
目立った顔ぶれであった。五つの産業小委員会のうち三人の委員長が、元統制会の
会長だった。石炭統制会の初代会長で元重要産業統制団体協議会会長、松本健次郎が
四つの団体をまとめた経済団体連合委員会の指揮をとった。

///// 早川書房 ///



78アポロン:04/09/16 19:37:16
アメリカやイギリスの政府だって市場に積極介入してる。
政府が市場介入するのはどこの国もやってることで、それ自体が悪い
訳じゃない。
79 ◆8m7473I1co :04/09/18 08:54:33

/// 強化の一世紀 35 ////

 経済団体連合委員会の副委員長は植村甲午郎だった。彼は以前、軍部と商工省
との重要な連携の確立に助力した著名な革新官僚で、後に経団連の最有力人物に
なった。植村は石炭統制会の理事長になるまで企画院の次長を務めていた。他の
大きな経済団体の指導者同様、彼も戦後経済界の主要スポークスマンとして
知られるようになった。そのため、彼は企業家だという間違った印象をたいていの
外国人に(そして多くの日本人に)与えてきた。経済団体がほんとうの企業家を
代表するものでないという点は、何度言っても言い過ぎではない。

/// 早川書房 ///



80 ◆8m7473I1co :04/09/19 09:07:46

/// 強化の一世紀 36 ///

戦時中の財閥のビジネスマンは、戦後の後継者たちより企業家的であり、
植村や岸のような人びとが確立しようとしていた“新経済秩序”にはきわめて
用心深かった。財閥の企業家は、植村がナチス・ドイツでの調査を終えて
帰国した後、ヒットラーの経済管理を強力に称賛するのに懸念を示した。

/// 早川書房 ///



81 ◆8m7473I1co :04/09/21 21:01:02

/// 強化の一世紀 37 ////

 経団連の二代目会長、石坂泰三は、三つのことを嫌うので評判になった。それは
官僚制、経済界の政治家支援と自由市場への干渉であった。石坂がこれらに反対だと
スピーチや記者との会見で言えたのは、彼の経団連会長在任中に、管理者の三大
グループ ― 官界、政界、経済界 ― の親密な関係が静かに強められていたからだ。
そういう石坂自身も、政府と密接な関係にあった第一生命(戦時中、社長を務めた)に
移るまで逓信省の官吏だった。占領当局のパージにあった後、東芝の前身会社の
再建を指揮し、一九五六年に経団連会長になった。それから一二年後に、会長を
植村に譲った。

//// 絶賛発売中 ///


82 ◆8m7473I1co :04/09/23 09:37:27

/// 強化の一世紀 38 ///

経団連で一九六八年から副会長、そして一九八○年から八六年まで会長を務めたのは、
稲山嘉寛だった。彼は通産省の前身商工省の役人だったが、日本最大の製鉄会社の
国有化と再度の民営化、さらに合併を手がけた。一九七〇年、合併によって世界最大の
製鉄会社をつくり出したところから、稲山は日本でもっとも有名な独禁法反対者となった。
永野重雄は、稲山と協力して鉄鋼業界の有力者になった。彼は日本商工会議所の
会頭を一九六九年から八四年まで務め、その活力を回復させた。彼は戦時中、政府の
役人であり、戦後は経済安定本部の次官を務めた。

/// 早川書房より邦訳発売中 ///



83アポロン:04/09/23 11:45:31
政府による統制がまったく無い国は存在しない。
アメリカやイギリスにもある。
ようはその中身が問われるべきで、政府の統制そのものがいけないと
言ったら無政府状態になるしか無い。
そして無政府状態では外国に侵略されても野放しになる。
84 ◆8m7473I1co :04/09/25 08:05:44

/// 強化の一世紀 39 ////

 連合国軍総司令部は、経団連の設立を、経済コントロールに携わらず、労使関係に
関係しないという条件つきで認めた。ところが植村を含む数人の経団連の創設者は
二年後に、第二の条件をうまく回避する方法を見つけた。彼らは労組つぶしの本部
すなわち日経連を設立したり、設立の手助けをした。日経連は後に、賃上げ率を
生産性向上率よりはるかに低く抑える統制的役割を担当するようになった。

//// K.V.ウォルフレン著 //



85アポロン:04/09/25 13:04:45
「強者の論理」は必ずエスカレートして第二次世界大戦や冷戦のような大悲劇を
生み出すのだから、これを政府が統制する必要はあるだろう。
「バブル崩壊」にしても「強者の論理」が生み出したものだしね。
「強者の論理」には悪い面もあるわけよ。
86 ◆8m7473I1co :04/09/27 21:42:24

/// 強化の一世紀 40 ////

 日経連の最有力組織者の大半が、表面的に社会主義者や労組に対しより穏便な
立場をとるクラブである経済同友会の中心メンバーになった。同友会創立の中心人物
だった郷司浩平は、戦時中の重要産業統制団体協議会の書記長だった。彼は後に
日本生産性本部と関係を深め、一九七二年その会長に就任した。アメリカの援助で
できたこの組織の設立当初の目的は、日本のビジネスマンにアメリカの進んだ
生産方式を教えることだった。しかしその後、“会社への忠誠”を強化する手法を
主唱し、まだ飼い慣らされていなかった企業組合に協調の徳を教えるようになった。

//// 「日本/権力構造の謎」 ///



87 ◆8m7473I1co :04/09/30 20:42:24


/// 強化の一世紀 41 ///

 経済同友会設立にあたったもう一人の中心人物は、帆足計だった。彼は戦時中の
統制会の上部組織の事務総長であり、一九四一年には、“新経済体制”における
政府と産業界の“適切な関係”について小論文を書いた。彼の考え方を明らかにした
この小冊子で、帆足は、実業界がすすんで当局に強力する必要を強調した。彼は
経済界は独立を保つべきではあるが、“私的利益獲得の原理による自由経済”に
戻ってはいけないと主張した。国家目標を優先させねばならないというのだ。彼は、
官民協力の好例として、第一次世界大戦中のドイツ、英国、アメリカの経済動員を
あげた。

//// 原書1989年刊 ///




88 ◆8m7473I1co :04/10/02 20:39:51

/// 強化の一世紀 42 /////

だが、彼がもっともよい例、日本にとって最善の手本と考えたのは、ナチス・ドイツの
“経済指導”で、単なる“計画経済”とはっきり異なるものだと論を尽くして強く主張
している。帆足は、一九二九年の世界的な経済危機の後に設けられた、国家目標の
優先を当然とするルールに経済人が制約されるべきだと信じて疑わなかった。つまり、
私的な利益を得る者が“公益”をも追求してはじめて、経済は健全になるというわけだ。

//// 原書1989年刊 ////



89金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/10/02 20:45:17
しかしへたくそな日本語だな。
90金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/10/02 20:47:08
えっ、読んだ人居たんだ
91 ◆8m7473I1co :04/10/06 19:23:43

/// 強化の一世紀 43 ////

 産業界が“公共の利益”に注意を払う必要があるという考えは、経済同友会が
戦後の二〇年間に出した公式声明でくり返しうたわれた。いうまでもなく、帆足や
経済同友会が考えた公益は、管理者たちの目標と一致した。手に負えなくなる
恐れのある経済界の勢力を誘いこむために、経済同友会は広く宣伝されることに
なるひとつの理論を打ち出した。そして理論と共に優先事項のリストを公表したが、
これは同友会の創設者の一人、大塚万丈の言葉を借りれば「修正資本主義」の
提案であった。同友会はこの計画にさらに磨きをかけ、一九五六年には、戦後の
経営者の思想的指針として知られるようになった公式宣言を発表した。

//////// 早川書房 ///



92 ◆8m7473I1co :04/10/09 19:03:53

/// 強化の一世紀 44 ////

日本の企業は、供給者・消費者と共に労働者・経営者の参加する一種の公的な機関
であるという考えであった。したがって、経営者の主要任務は、これら関係者一同の
利益の調和を実現することである。宣言はさらに、個別企業の経営者が国全体の
経済健全性維持に共同責任を負う点を強調した。また警告も発した。つまり、もし
個別企業がそれぞれ勝手な道を歩み、この共同体意識の努力を怠れば、政府が
徐々に介入して経済の育成を図るだろうと。これは帆足や満州官僚の理想の焼き直しの
響きがあった。宣言はまた、財界人の大集団がはじめて出した、私企業の特権を
犠牲にせよという明白な訴えでもあった。

/////// 絶賛発売中 ///


93 ◆8m7473I1co :04/10/14 20:19:26

/// 強化の一世紀 45 //////

 一九五〇年代後半になって、経済同友会は幹事職に高級官僚出身者を任命
しはじめた。その他のトップクラスの役員は、大半が、一九三〇年代の初期から
徐々に官界と結びついて高度に官僚的な会社で上にのぼった者たちだった。
一九六六年、経済同友会の指導者は、迫り来る“自由化”を前にして必要と
考えられた産業の調整をさらに進めるため、産業問題研究会(通称、産研)を
設立した。一九七〇年に経団連の植村甲午郎と日経連の有カメンバーが一人、
産研に加わった。研究会はその後、直接にさまざまな業界団体に影響を与え、
政府の審議会に送りこむ経済人メンバーの人選によって、官界への助言の面で
重要な役割を果たした。産研の二四人の会員全員がそれぞれにすくなくとも
ひとつの審議会の委員を務めていた。産研は一九八○年代の初め頃、活動を
停止した。

////// 邦訳発売中 ///

94 ◆8m7473I1co :04/10/19 21:00:18

/// 強化の一世紀 46 /////

 こうした経済団体が設立当初に公式発表を通じて主張した目標の中には、
民主主義の強力な促進があった。これは臨時教育審議会の“個人主義”育成の
主張を思い出させる。臨教審の報告書は、学校の規律をより厳しくし、日本人で
あることの意味をさらによく教えれば、個人主義育成がもっともよくできると示唆した。
財界が信奉した民主主義もこれと同様で、労働者を代表する運動や社会主義
(まして共産主義)、それどころか安定した“保守的な”政府と衝突する恐れのある、
その他の政治的原理の入りこむ余地を残さなかった。

///// K.V.ウォルフレン著 ///


95 ◆8m7473I1co :04/10/23 08:45:10

/// 強化の一世紀 47 ////////

 経済団体の指導者たちは、この“安定”を保つのに決定的な役割を演じた。彼らは、
政情を危険にさらす政治的冒険をおかしたとして、岸信介に疑念を抱いた。鳩山一郎を
支持する気はさらに少なく、一九五六年秋の鳩山退陣を助けた。鳩山辞任は保守合同を
実現させた財界指導者の手腕の一環だった。一九五二年一〇月、社会党が好成績を
おさめ与党の自由党の成績がふるわなかった選挙の三日後に、四大経済団体の
代表五〇人が緊急会議をひらき、政情“安定化”を要請する決議を採択した。後に
自民党の派閥となるグループ間のたえまない争いが引き金となって、類似の要請が
次々に出された。

//// 「日本/権力構造の謎」 ///




96 ◆8m7473I1co :04/10/28 19:43:35

/// 強化の一世紀 48 /////

未来の自民党派閥の指導者たちは、<システム>の安定より自己の政治的な命運に
多くの関心を寄せていたのだ。最終的には、5章でふれたように経団連主導の新しい
政治資金制度が一九五五年に実現し、経済団体の希望がかなうことになった。
自民党の諸派閥を統合する上で最大の働きをしたのは、一九三〇年代に民間と
軍部の経済計画担当者を結束させた植村であった。
 しかし、経済団体の指導者連がヒザを打って喜んだのは、池田勇人が岸の
後任総理大臣になった時だ。財界人は池田以前の首相選びにも影響を与えたが、
池田の場合、彼ら自身が実質的に選び、育てたのだ。次の首相、佐藤栄作に
ついても、同じことがいえる。

/////// 原書1989年刊 ///



97 ◆8m7473I1co :04/11/02 22:31:32

/// 早川書房発行 ////

 カレル・ヴァン ウォルフレン (著), 「日本/権力構造の謎」、邦訳 早川書房発行
 Karel Van Wolferen (原著), 篠原 勝 (翻訳)、原著1989年発行

単行本上巻\2,330
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/40485cbb5369901017c4?aid=&bibid=00690461&volno=0000
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9900579569
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152034475/qid=1078548305/sr=1-3/ref=sr_1_10_3/249-5268383-2835503

//// 購入しましょう!///



98 ◆8m7473I1co :04/11/02 22:33:24

/// 強化の一世紀 49 //////

        社会統制手段の回復

 占領軍当局は経済統制官僚にきわめて親切だったが、戦前と戦中に社会統制方式に
没頭していた官僚たちを苦境においた。“民主化された”教育は、マルクス主義の
感化を受けた指導者の下で教師が組合を組織することや、思想吹きこみ用の兵器庫の
消滅を意味した。法務省の役人は、法律は役人も含め皆の上にあると本気で信じる
理想主義者たちに対処しなければならなくなった。法務官僚が最高裁の事務総局を
通して統制力を回復するまで、少なくとも一五年かかった。内務省は分割され、警察は
再編された。荒廃した経済と悲惨な生活状態のため、相当の経済計画とそれゆえの
統制が認められたが、“民主主義”のもとでの新たな出発とあって、“思想警察”は
まず認められそうになかった。

/////////// 早川書房 ///





99 ◆8m7473I1co :04/11/06 21:10:22

/// 強化の一世紀 50 ////

 しかし、日本に憲法を授けることによって、マッカーサー元帥はそうと知らずに
少なくともひとつ、非常に社会統制官僚のためになることをしていた。この憲法は
国民が権力者と闘って勝ち取ったものではなかった。したがって、国民は支配
エリート階級からなにかを勝ち取る権利を持つ、と信じるよう仕向けられなかったし、
究極的な慈悲の理論は保たれた。また、占領期間のなかば頃には、アメリカの
改革者の及ぼしていた“害”を封じこめ得ることが、しだいに明らかになってきた。
一九四九年には、下積み公務員や技術者グループと上級官僚のなかのリベラルな
者たちの間から起こった、公務員制度と採用・昇進方法の抜本的改革の大衆運動も、
連合国軍総司令部の支持を得られず、立ち消えとなった。

//////// 絶賛発売中 ///



100 ◆8m7473I1co :04/11/13 19:04:34

/// 強化の一世紀 51 ///////

 管理者にとって最大の危険をはらんでいたのは、社会統制機構を容易に弱体化
しかねない新しい民主的な立法府だった。だが、解体された内務省 ― 戦前の
社会統制の本拠 ― の旧ベテラン官僚が多数国会に流入したおかげで、この脅威は
避けられた。一九六〇年には、五四人の議員が内務省の出身者だった。彼らの大半が
公職追放にあっていた者だった。このような退職官僚の自民党誕生前の保守系諸政党
への“降下”は、戦後まもなく始まった。戦時中の政治家が公職追放にあい、国会に
入りこむ余地ができたことにも助けられた。一九四九年の選挙では、ほぼ三〇人の
高級官僚が自由党議員に加わり、つづく一連の選挙で、国会議員のおよそ四分の一を
占めるまでに増えた。こうして、日本にとって決定的な意味をもつ吉田、岸、池田、
佐藤内閣ができ、彼らの在任中に戦後の<システム>が統合強化された。彼らの後に
つづく首相の大半も元エリート官僚だった。

/////////// 邦訳発売中 ///


101 ◆8m7473I1co :04/11/20 21:28:37

/// 強化の一世紀 52 ////////

 社会秩序の乱れに関心を持つ管理者たちは、“下請け”側が抱いている反自由主義の
根の深さを知るよしもない占領軍当局側の役人と同盟を結んだ。盟友の一人が、
防諜部隊(連合国軍総司令部配下の三主要部隊のひとつ)の部隊長、チャールズ・
ウィロビー大将だった。当時、労働問題担当だったセオドア・コーエンがほぼ四〇年後に
回顧する。

  マルクス主義用語が知識人のやりとりで普通に使われる硬貨であり、どの労働組合も
 少なくとも社会主義的だと公言する国だとは、ウィロビーには理解できなかった。彼に
 とって、社会主義は共産主義に向かう途中の一駅にすぎなかった。民主社会主義者は
 共産主義に抗して戦う同盟者ではなく、秩序の転覆を図る者だ。……信頼できるのは
 日本の保守派だけだ。……彼には、保守派と共産主義者の中間はなかった。

//////// K.V.ウォルフレン著 ///




102金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/11/21 01:08:52
富裕層から資産を奪い取って貧乏人に再配分

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103 ◆8m7473I1co :04/11/27 20:10:28

/// 強化の一世紀 53 /////////

        “思想警察”の戦後のキャリア

 権力を欲しいままにした検察官で社会統制官僚の手本だった平沼騏一郎は、
一九五二年巣鴨拘置所の独房で、多くの人びとが戦前、戦中の特別高等警察
(特高)を悪だとみなすようになった不運について、思いめぐらしていた。こうした
事態の発展は彼に国の将来について深く悩ませたのだ。だが、それは取越し
苦労だった。多数の特高高官が、連合国軍総司令部の監視の目をくぐって
おこなわれた配置変えによって公職追放を免れていた。一九三四年から四五年に
いたる一一年間の一四人の(全国の特高警察のいわば直接的指導官である)
内務省警保局長のうち七人が、戦後、国会議員になっている。

////// 「日本/権力構造の謎」 ///





104金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/11/29 18:05:02
●●●●●●●●行政指導や天下りは日本だけ、世界一官僚が強力という大嘘●●●●●●●●

・オーストリア
過去には大蔵省や商務省の官僚が大銀行の会長や頭取になるのは普通だった。
現在でも主要省庁幹部は天下るのが慣行。
・ドイツ
中堅官僚でさえ業界団体の専務理事など歴任する。当人が社会民主党員であった場合、高い報酬で強大な権力持つ労組書記長や
チーフ・エコノミストなどに天下る。フォルクスワーゲンの株式の5分の1はザクセン州の所有、経営に対する拒否権も保持。
一般企業の業界団体への入会は強制でこの団体を通して政府や労組との関係処理要求される。
・フランス
財務官を引退した後、産業界や金融界へのトップになるのは普通。その他重要地位のほとんどに元財務官僚。
 近年までフランスの主な銀行と保険会社は政府が所有(イタリアも同様)
・英=銀行、保険会社の社長や頭取など要職には高級官僚出身者が占める。
・米=国と軍事産業、宇宙開発事業の癒着はよく知られており、役員には元高級軍人、軍官僚など何十人となく天下る。
 議会スタッフ、任命に関わる官僚などワシントン支配層に当たる人間はロビイスト、法律事務所主任などに迎えられる。
欧州は実際に統制経済下で強力な権限持つ経営者、企業の所有者として意志決定を行なっているのであり、
日本の「行政指導行なう、影響力がある」程度とは比べ物にならないぐらい強力。
日本では政府所有の巨大な経済活動はせいぜい郵貯程度。
日本との違いは、天下った官僚は名誉職のようなものではなく、経営者や頭取など「現場」に迎えられるという事。
106金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/11/29 19:31:13
>>105
「欧州は」などと一からげにしている時点で君が知ったか公務員であることが見え見え。
欧州にはフランスのような統制官僚国家もあれば、ドイツのような分権的な国家もある。
現在の「欧州」(EU加盟国に限るが)の問題は、ブリュッセルへの権力集中に大部分の先進国メンバーが
反対し始めていること。保守派(自由主義派)精力の拡大ははその現われだ。
で、「欧州の強力な官僚」てのは
率先して談合や闇カルテルを奨めたりしてるんでつか?
108 ◆8m7473I1co :04/12/04 21:11:37

/// 強化の一世紀 54 ////////

 戦前および戦時中に“思想警察”で要職につき、戦後高い地位に就いた者だけを
あげても、以下の通りである。町村金五(『中央公論』などの雑誌を廃刊に追いこみ、
宗教団体弾圧を指揮した人物)は、自治大臣として戦後の警察を監督する国家公安
委員長になった。丹羽喬四郎(京都府特高課長)は運輸大臣になり、岡崎英城
(愛知県と東京の特高課長)は、労働省、行致管理庁、通産省の政務次官、そして
自民党治安対策特別委員会の副委員長を歴任した。原文兵衛(鹿児島県特高課長)は、
参議院議員になり、警視総監になった。鹿児島の特高課長だった奥野誠亮は、
自治省次官、文部大臣、法務大臣を務めた後、一九八七年に組閣された竹下内閣の
国土庁長官に任命された。

////////// 原書1989年刊 ///





109 ◆8m7473I1co :04/12/11 20:53:00

/// 強化の一世紀 55 /////////

内務官僚のトップコースを歩いた古井喜実(内務省警保局長、内務次官、茨城県
および愛知県の知事)は、厚生大臣と法務大臣を務めた。革新官僚だった大達茂雄
(一九四四年に内務大臣に就任)は文部大臣になり、3章で見たように、日教組と
戦うために旧内務官僚たちを文部省に入れた。灘尾弘吉は(内務次官と大分県知事)は、
厚生大臣と、四つの内閣の文部大臣を務め日教組の最大の敵と目された。増原恵吉
(和歌山県特高課長)は、防衛庁長官になった。大坪保雄(警保局図書課長)は、
文部省と法務省の政務次官、さらに衆議院法務委員長を務めた。革新官僚の指導者で
内務大臣を務め、戦前と戦時中に地方の青年を組織するのに主要な役割を演じた
後藤文夫は、戦後、参議院議員になっている。

/////////////// 早川書房 ///




110 ◆8m7473I1co :04/12/18 18:56:27

/// 強化の一世紀 56 //////////////

 ここに選んで列記したのは、戦後、政府の高官になって名をなした者だけである。
政治家として再登場した旧“思想警察”官僚を全員並べると、はるかに長いリストに
なってしまう。彼らの多くは県知事や地方の(理論上は警察を監督する)公安委員会の
幹部になったり、地方自治体のそれより低い地位におさまった。前記のリストが示す
ように、元“思想警察”の役人は、教育、厚生、法務、労働という社会統制に関わる
官庁に流れる傾向を見せた。旧内務省の労働官僚 ― 彼らも連合国軍総司令部の
公職追放を免れた ― は、一九六九年の時点でもなお、労働省の次官やもっとも
重要ないくつかの局長のポストに就いていた。アメリカ人の歴史家が記すように、
「皮肉なことに、労働官僚はアメリカの保護を受けて最大限の自治を達成した。
労働省の役人は他省庁の同僚と同じく、占領期間中に、その前にも後にもなかった
ほど強力になった」

/////////////////// 絶賛発売中 ///





111金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/12/18 23:11:05
俺は新卒で外資系経営コンサルタント会社に就職したんだが、二十代半ばで
ドロップアウトして、結局は身分相応なメーカーに転職した。
このお陰で、今は家族と一緒にゆったりとした時間をとることができる。
しかし、俺はかつてコンサルをやっていた程に優秀な能力を持っているので、
将来は再びキャリアアップとして復活の道を歩みたいと思う。

ところが、現在の日本企業は、新卒で入社した人間が最も出世をする仕組み
になっている。新卒で平凡な日本企業に入社したやつらより、コンサルを経
験した俺の方が、幅広いバックグラウンドで良い仕事をできるはずだ。
日本企業はぜひ、俺のような優秀な人間を登用するために、雇用の流動化を
図って欲しい。
112金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:04/12/19 22:27:07
政治で変えない限り無理だわな。
113 ◆8m7473I1co :04/12/25 18:10:34

/// 強化の一世紀 57 ////////////

 社会統制官僚は、当初アメリカの命令で労組運動を奨励していたが、占領期間中に、
労働組合からの攻撃をかわす徹底的な武器をこしらえる好機を与えられた。
“レッド・パージ”が戦後の“危険思想”を持つ役人を追い出し、連合国軍総司令部の
民主化努力に“協力しすぎた”文部省の役人を解雇する舞台を設定した。そして、
警察の改組や独禁法など、他の領域の“占領軍のやり過ぎ”を矯正する措置が
取られ、戦後の官権強化は完了した。

//////////////// 邦訳発売中 ///





114 ◆8m7473I1co :05/01/01 00:16:03

/// 早川書房発行 ////////////

 カレル・ヴァン ウォルフレン (著), 邦訳 早川書房発行
 Karel Van Wolferen (原著), 篠原 勝 (翻訳)、原著1989年発行
 日本 権力構造の謎〈下〉 ハヤカワ文庫NF 840円(税込)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150501785/qid=1104505784/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/250-1157004-2829055
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/40b9c78bede2b01032ee?aid=&bibid=01055139&volno=0000
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9940226586
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=18988934
http://books.rakuten.co.jp/RBOOKS/0000650747/

//////////// 絶賛発売中!///




115 ◆8m7473I1co :05/01/02 20:18:33

/// 強化の一世紀 58 //////////////////

 日本人のすべてが戦時中の統制官僚の留任を歓迎したわけではない。林庄三が
『中央公論』に書いたように、東京裁判は戦犯が外国人に対して犯した行為を裁いたが、
日本国民に対して犯した罪は考慮しなかった。日本人を前線に送り出し、自由と財産を
剥奪し、残酷な法律を作った連中が、戦後の内閣で高い地位を占めつづけている、
と林は指摘した。問題の官僚たちが、いかに国の資産を彼らの選んだ政治家が力を
得るための資金源にしたか説明し、ドイツでは、日本とは異なり、正義の考えが広く
浸透していた、と林は説いた。ドイツでは、ニュールンベルグ裁判で無罪になった戦犯を、
国民が改めて裁いたのだ。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///




116 ◆8m7473I1co :05/01/13 19:30:55

/// 強化の一世紀 59 //////////////

        組織の持つ記憶

 戦時中の官僚が戦後も影響力のあるポストに就いている事実は話の一部にすぎない。
同じくらい重要なのが、<システム>の構成員が持つ驚異的な組織の記憶である。
日本の官僚も他国の官僚と同じく、自分たちがすることに対する個人的責任を最小限に
抑えようとする。だが、彼らが西洋諸国やアジアの官僚と違うのは、所属する組織に
異常なほどの責任を感じるよう期待されている点だ。これまで多様な状況に照らして
見てきたように、日本の社会・政治状況では、組織のメンバーは自己を組織と同一視
するしか仕方がない。これは、エリート集団について特に言える。

////////// 「日本/権力構造の謎」 ///


117 ◆8m7473I1co :05/01/22 18:55:16

/// 強化の一世紀 60 ///////////////////

通産省、検察庁、日経連、そのほか日本を導き管理する組織すべてのメンバーは、
始終、先輩の体験と自身の任務の重要さを意識する。組織の記憶と組織の動機は
共存するのである。共同の体験は共同の目的と熱烈な党派意識を強めるからだ。
日本の官庁の共同体験と共同目的は強烈、鮮明で、役人の頭にはっきり刻まれている。
日本以外でこれに匹敵する例は、A・グロムイコ(外相)の下で数十年間資本主義世界
とやりあったソ連政府の専門家たち、ほかには一部の諜報機関、そして教会や秘密結社
であろう。これらの特殊組織は、アメリカの多くの官庁と異なり、気軽な短期間だけの
所属がありえないという意味で、日本の普通の行政組織に似ている。もうひとつの
類似点は、概して主流社会の法律に妨げられず、時には任務遂行のために独自の
“法律”さえ持ち出せる状況で仕事をすることだ。

////////////////////// 原書1989年刊 ///





118 ◆8m7473I1co :05/01/30 17:10:55

/// 強化の一世紀 61 //////////////////

 たとえば、西洋のどの国の内務関係官庁にも、一般国民に対する独裁的な権力
という点で、日本の旧内務省にかなうものはなかった。この省を一九四七年一二月に
解散させた占領軍の役人は、組織の記憶の生命力や強さや死後にも残る力にまったく
気づいていなかった。この組織は、前述のように国会議員や次官、そして戦後日本の
地方行政の中心人物となる多くの副知事などの供給源になったばかりか、(ギリシャ
神話の九頭の蛇)ヒュドラーのように生きつづけた。内務省の社会局は戦後の労働省と
厚生省になり、土木局は建設省と国土庁に変身し、警保局が警察庁に変わり、地方局は
一時的に特別機関として機能した後、新しく自治省として登場した。自治省が一般的に、
一九四七年以前の内務省の主な後継組織と考えられているが、どの分家の役人も
程度の差こそあれ、“内務省魂”を共有しつづけている。

/////////////////////// 早川書房 ///



119 ◆8m7473I1co :05/02/05 19:34:54

/// 強化の一世紀 62 ///////////////////

 一九八○年代に、内務省から生まれたいくつかの省が相対的に力を増したと
考えられる。これは自治省については間違いなく言える。自治官僚出身者がすでに
地方自治体の首長の三分の一を占め、市政でも重要な地位についていて、しだいに
大蔵省の手強いライバルになってきた。社会統制という意味でもっとも直接に関係が
あるのは、一部の地方自治体で自治省出身の自治官僚が、住民とその人脈に関する
情報を収集する特別な局(県民局)を設置したことである。この省は、閣僚の地位を
“政治資金”源の拡大に利用する政治家にとってうまみがないので、自民党にそれ
ほど煩わされないですむことが強みだ。

/////////////////////// 絶賛発売中 ///





120 ◆8m7473I1co :05/02/12 21:15:13

/// 強化の一世紀 63 //////////////

 内務省の伝統の名残りはそう目立たない所にもある。たとえば、日本最大の
読売新聞の戦後の強力なボス、正力松太郎は、一九二四年に同紙の社主に
なるまで内務省にいた。一九三六年に二大通信社の合併により政府の
国際宣伝強化のために同盟通信社が作られた際、彼が官僚にかわって尽力した。
正力はA級戦犯容疑者として巣鴨に収監された後、日本テレビ放送網を創立し、
国会議員になって、科学技術庁長官を務めたこともある。

////////////////// 邦訳発売中 ///



121 ◆8m7473I1co :05/02/19 20:29:22

/// 強化の一世紀 64 ////////////////////

 第二次大戦後、軍部は重要な要素ではなくなり、警察は国民を従わせる強力な
手段を失った。文部省と法務省は“民主的な”外見を保たなければならなくなり、
必然的に占領時期以前のように横暴に振る舞えなくなった。だが、行政に携わる
官僚の態度に見られる本質的な要素である、国民を常に管理しなければならない
という彼らの考えは、今も変わらない。

/////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



122 ◆8m7473I1co :05/02/26 21:43:04

/// 強化の一世紀 65 ////////////////

 日本の社会統制官僚は、法の実施という、西洋のたいていの国の公務員の正常な
任務をはるかに越える使命を持っていると信じてきた。軍部内の同盟者の協力が
あろうとなかろうと、彼らは社会操作に変わらぬ興味を持ちつづけた。さらに社会不安を
防ぐために、積極的で独創的な干渉が必要だと考えてきた。日本の支配エリートは、
戦前も今も、低抗しがたい“お前のことなら、父さんはお前よりよく知っているから”式の
態度を保ち、一方、国民は、本書でこれまで見てきた通り、恒久的な政治的後見の
下におかれている。今日の日本の政治体系の特性をもっとも強く決定づけるのは、
戦前、戦中、戦後を貫いてつながるこの継続性であり、支配エリートが疑いもなく
態度を改めたことや、個人の自由が増したことではない。

//////////// 「日本/権力構造の謎」 ///






123 ◆8m7473I1co :05/03/05 20:03:37

/// 強化の一世紀 66 //////////////

    力の統合

 本書はこれまで随所で日本の帝国主義段階の管理組織や管理者から受け継いだ、
社会・経済統制の方法がもたらした結果にふれてきた。ここで視野を広げるために
一歩うしろに下がって管理者の動機を見定めることが有益であろう。彼らは異常な
ほどの恐怖感の継承者である。徳川時代の権力者、明治の寡頭政権、そして
“治安維持法”を生んだ一九二〇年代の官僚たちの関心の下地には、政治の世界の
はかなさに対する究極的な恐怖があったと感じられる。いずこの支配エリートも
無秩序を恐れるが、日本の支配エリートは異常なほどその恐れに取りつかれている。

/////////////// 原書1989年刊 ///




124 ◆8m7473I1co :05/03/12 20:11:18

/// 強化の一世紀 67 //////////////////

        理由のある恐怖

 異説的な政治思想や慣習に反する行動を恐れるのは、現行の力関係の秩序の
脆さを強く感じるゆえである。これは驚きでない。一貫して固く守られ安心感を
もたらす法的な枠組みがなく、その時その場かぎりの政治的便宜を超越する
確実性もないとなれば、社会・政治的な秩序を持続させる道は力関係だけとなる。
日本の支配エリートには、西洋の支配エリート以上に無秩序を恐れる理由がある。

//////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///


125 ◆8m7473I1co :05/03/19 20:52:10

/// 強化の一世紀 68 ////////////////////

予測のつかないものや先回りして防ぎようのないものは、なんであれ直接彼らの
安全を脅かすからである。しかし西洋人は、社会が法律と普遍的な原理によって
自動的に統制されて当然だと思いこんでいるから、彼らは日本人が、始終警戒する
必要を痛感している状況を、完全には理解しない。宗教的あるいは世俗的な
信念の体系に挑戦されることのない、<システム>に代表される秩序が究極の
意味を有するかぎり、秩序維持が究極の目的にならざるをえない。

/////////// 早川書房より絶賛発売中! ///






126フジテレビ応援者:05/03/19 21:10:47
フジテレビとライブドアの争いを見ていて思うことは、ライブドアがフジの資産を担保に外国の証券会社・銀行から買収資金を調達するのであれば、
フジテレビもライブドアの資産を担保に外国の証券会社・銀行から買収資金を調達して、ライブドアの買収に乗り出せばいいのではないか。フジテレビにはどうしてもがんばって、徹底的に戦ってほしい。
先日の記者会見でも堀江氏は強気な感情を表に出したジャンパー姿。もし堀江氏の親の葬式に喪服でなくジャンパー姿の来客が着たら、堀江氏はどう応対するのだろうか。
工場や会社で作業着、制服、ネクタイ背広を着用して感情を抑えた服装で仕事をしている。堀江氏のような態度では大きな会社は経営できないと思う。まったく堀江氏の強気な感情を前面に出したジャンパー姿の服装には頭にくる。
フジテレビには、ライブドアをどんな手段を使ってでも買収してもらい、企業間の争いに勝利してほしい。
127 ◆8m7473I1co :2005/03/26(土) 20:50:40


/// 強化の一世紀 69 //////////////////

 問題がそのまま存続したように、新儒学的概念の名残りもおそるべき力をもって
存続している。現行の社会・政治的関係は究極の真理を体現するものだとする儒学は、
徳川幕府を支えるイデオロギーとして役立った。管理者たちは、大衆を統制する強い
義務感も徳川時代の前任者から受け継いだ。日本主義的なイデオロギーは単一性と
調和を引き合いに出して、法制外の権力を正当化する。官僚はこの“文化重視”の
弁明で位置を保つが、しかしこれだけですべての国民を納得させることはできないと
察知しているので、不安を完全に押さえられないのだ。彼らは、聖徳太子の時代や
明治時代と同様に、調和が強制されなければならないことを知っている。法によって
承認されていない正統性の問題にフタをし続けられるかどうかは、社会秩序を維持
できるかどうかにかかっているのである。

////////////////////// 邦訳発売中 ///



128 ◆8m7473I1co :2005/04/02(土) 19:27:10

/// 強化の一世紀 70 ////////////////////

 今日の管理者は個人としては特に心配しないとしても、行政組織のメンバーとしては
用心するのが義務である。わずかな会社間の共同謀議でも、自由市場システムの
終焉の兆しではないかと気をまわして心配するのが、アメリカの独禁法にもとづく
取締官の義務であるように。たとえば彼らは頭に深くしみ込んだ秩序についての
共同体的関心を、彼らに共通の用語で表現する。多くの報告書やスピーチが“ますます
複雑化する社会”に言及する。この表現はマスコミでも頻繁に使う常套語句のひとつ
である。日本の権力者は明治維新で日本が外国に門戸を再度開いて以来、複雑化を
恐れてきた。政治的状況が一目で把握できなくなるからである。今日、“複雑化”は
干渉を正当化するのによく使われ、なにかが“複雑になりすぎた”と言われると、
監督強化が間近いことを意味する場合が多い。

/////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



129 ◆8m7473I1co :2005/04/09(土) 18:41:42

/// 強化の一世紀 71 ////////////////////

 手に負えなくなるものや予想外の行為に対する恐れとそれに伴う官僚的な
コントロール強化を暗示するのは“過当競争”などという語句だ。これはリスクの
ある競争を意味し、自由市場経済の国ぐにではありふれた競争である。管理者
たちは“混乱した状況”という語句もよく使う。これは、官僚が把握できない、
彼らにとって望ましくない展開という意味である。

//////////////// 「日本/権力構造の謎」 ///




130 ◆8m7473I1co :2005/04/16(土) 20:37:07

/// 強化の一世紀 72 ///////////////

        借り物による秩序維持

 日本史の本は外国文化の借用にふれて、日本が“必要なものだけを採り入れた”
とよく言い、一般に“形を輸入したが中身は輸入しなかった”とする。これは、1章で
述べた日本の権力者が、何世紀にもわたり、政治的に重要な意義を持つ思想や
制度の導入と国内での発達を異常なほど制限してきたという論点を証拠だてるものだ。
管理者たちが指導し、監視してきた社会的変化は、旧習の意図的で急激な放棄
ではなく、ほとんどの場合、新たに価値を認められた現実への必然的調整だと
みなされてきた。

//////////////// 原書1989年刊 ///




131 ◆8m7473I1co :2005/04/23(土) 21:21:58

/// 強化の一世紀 73 /////////////

 明示の寡頭政権下に仕えた官僚は、輸入思想や制度の持つ潜在的な危険を警戒し、
ヨーロッパに出現した社会問題をあらかじめ防ぐ手段として“思想善導”をおこなった。
同時に、日本の権力者は自身の地位の強化に利用できるものを大いに借用し、
外国からさまざまな社会統制の方法を持ちこんだ。もっとも早期にこれを実行したのは
主として内務省の官僚で、その中心に川路利良の率いる警察があった。警察の
多様で広範におよぶ社会的な職務は、高度に能率的なフランス警察の例にならって
設定された。

////////////////// 早川書房 ///


132 ◆8m7473I1co :2005/04/30(土) 20:33:00

/// 強化の一世紀 74 //////////////

六〇年後には、ナチス・ドイツが重要な手本になった。戦後の企業組合の前身の
愛国的な産業報国会は、ヒットラーが労働界に対処するため考えた解決法を手本
にした計画から生まれたものである。一九三六年の労働組合法案は、「ナチス・ドイツの
一九三四年の国家労働統制法の明自な模倣である」。第二次大戦後、産業界の
管理者はすでにアメリカではほとんど破棄されていた能率指向の資本主義効率化の
思想を採り入れ、工場の規律を強めるための品質管理(QC)サークルなどの制度が
生まれた。官僚は最近では、今日のヨーロッパやアメリカの経済を弱体化させている
とされる“先進国病”の原因を研究している。

////////////////// 絶賛発売中 ///





133 ◆8m7473I1co :2005/05/07(土) 20:33:48

/// 強化の一世紀 75 ////////////////

 明治の寡頭政権は一八七三年の徴兵制実施にあたり、この制度は、表向きの
機能の他に、秩序強制の手だてにもなるだろうと大いに期待していた。民は規則に
従がわしむべし、知らしむべからず、と言った江戸末期の儒学者・会沢正志斎は
すでにこの点を予知していたといえる。彼の考えでは、民衆を無力で無知に保ち
続けられない場合、残る道は軍隊に入れるよりほかなかった。西洋の政府は大衆の
自由解放を阻めなかったので、徴兵制を敷くしか仕方がなくなった、というのである。

//////////////////// 邦訳発売中 ///





134 ◆8m7473I1co :2005/05/14(土) 21:18:55

/// 強化の一世紀 76 ///////////////

 “天皇のしもべ”のさまざまな派閥はつば競り合いをたえまなく続けたが、社会統制に
関しての見解はほぼ一致していた。明治初期から一九四五年まで、軍部・官僚連合が
確実に社会統制をおこなうための主要組織となった。この連合の当初の性格づけに
主に寄与したのは、官界を政治家の気まぐれから永久的に守った政治的天才として
12章に登易した山県有朋であった。彼は官僚、軍部の訓練に関して、他の寡頭政治家の
誰より大きな影響力を持った上に、軍部が市民社会に影響を与えるバターンを確立し、
二〇世紀前半を通して彼の計画の実施にあたる子飼いを教育した。

////////////// K.V.ウォルフレン著 ///





135 ◆8m7473I1co :2005/05/21(土) 20:38:21

/// 強化の一世紀 77 ////////////////

一八八五年から一九〇六年までの期間に、内務大臣を務めたのは主に軍人出身者で、
その顔ぶれは「実質的に陸軍と海軍の名士録だった」。文部省は、小学校が軍事的
理想の鑑になるようにした。校長の多くが退職将校だった。さらに陸軍は、教師を
対象に半年間の集中軍事訓練と教化をおこなった。将来戦争が起こった時、教師を
前線に送り出すためではなく、村の教え子たちに兵隊と軍国主義的な価値観の
賛美を注入するためであった。

/////////// 「日本/権力構造の謎」 ///





136 ◆8m7473I1co :2005/05/28(土) 19:09:18

/// 強化の一世紀 78 ///////////////

 農村地帯の大衆は忠実に従わない恐れもあったから、地方の階層構造を利用
した運動を通して組織化された。地方の支配エリートは当初、村民の兵士化に
難色を示していたが、ドイツ人顧問の助言にもとづいて始まった制度で態度を
和らげた。この制度のもとでは、地主やその他の村の有力者で高等教育を受けた
男子は、徴兵されても兵役を一般村民の三分の一から半分の期間にしてもらい、
除隊時に将校になって帰還した。世紀が変わると、内務省は村人の旧来の
部落への忠誠を、中央から統制しやすい新しい行政単位としての村へのそれに
替えさせる“地方改善運動”を開始して、農村の組繊化に寄与した。

///////////////// 原書1989年刊 ///




137 ◆8m7473I1co :2005/06/04(土) 19:40:41

/// 強化の一世紀 79 ///////////////////

 山県の夢は、学校と軍事訓練が補いあって“国体”の教義を教えこむ巨大な
機構となり、秩序ある統一国家を実現させることであった。彼の弟子のうちで
もっとも重要な田中義一大将は、この目標に沿って、10章で述べた思想教化
のために軍部の指導によって全国的につくられたさまざまな組織の先駆げと
なった帝国在郷軍人会を設立した。
 田中義一はその後何年にもわたり、山県から受け継いだ使命を遂行しつづけた。
一九二八年には、首相の座にあった田中の指揮のもとに、治安維持法がさらに
強化され“危険思想”の持ち主に対する刑に終身刑と死刑を加えた。また彼の
指導の下に、狂信的な“国体”の主唱者・平沼騏一郎を支持した司法省の
官僚たちが内務省に移り、三四〇〇人以上の人びとを検挙した。

////////////////////////// 早川書房 ///




138 ◆8m7473I1co :2005/06/11(土) 20:31:13

/// 早川書房発行 /////////////

 カレル・ヴァン ウォルフレン (著), 邦訳 早川書房発行
 Karel Van Wolferen (原著), 篠原 勝 (翻訳)、原著1989年発行
 日本 権力構造の謎〈下〉 ハヤカワ文庫NF 840円(税込)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150501785/qid=1104505784/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/250-1157004-2829055
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/40b9c78bede2b01032ee?aid=&bibid=01055139&volno=0000
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9940226586
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=18988934
http://books.rakuten.co.jp/RBOOKS/0000650747/

///////////// 絶賛発売中!///



139 ◆8m7473I1co :2005/06/18(土) 20:27:40

/// 強化の一世紀 80 ////////////////////

    権威主義の浮き沈み

 官僚は苛酷な社会介入をしたわけではなかった。彼らは、“調和”や“麗しき
古代の慣習”などを極度に強調する日本主義的な解決法を社会問題に適用
するのを任務だと考えた。事実、一九二〇年代のもっとも重要な民主化改革の
多くは、内務省の労働官僚の活動家グループがイニシアチブを取って始められた。
彼らは、国家の安全保障を考慮して、体の不自由な子供や体の弱い母親からは
弱くて不健康な兵士しか期待できないので、労働者を保護する必要があると、
二〇世紀以前から主張していた。しかし、内務省が労働者のため取った
イニシアチブの裏には、復活させられつつあった慈悲の理想があった。

//////////////////////// 絶賛発売中 ///




140金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2005/06/25(土) 19:37:27

/// 強化の一世紀 81 ////////////

 神聖化された日本の秩序を救い、護ろうとする官僚と軍部の共同運動の最中に、
政治的に奇妙な時期があった。一九一〇年代から一九三二年にかけてのこの期間に
ついて、歴史学者は意見を大幅に異にする。この期間は裕仁の父天皇が在位した
大正時代(一九一二年〜一九二六年)にほぼ一致するので、“大正デモクラシー”と
呼ばれている。日本の政治に構造的変化が起きるかと思わせるような展開が、
この間に見られたのである。政治的規律が都市部である程度緩和され、政党の
重要性が増した。

/////////////// 邦訳発売中 ///




141金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2005/06/25(土) 19:40:26
朝日新聞の記事は他新聞と比べて一番まともではないだろうか?
日本が右傾化しないように社説で繰り返し述べている。
はき違えた愛国心を煽るようなマスコミを信じてはいけない。
売れさえすればいいという軽薄な商魂の論説ばかりが、
国を危うくするのは太平洋戦争で懲りたであろう。
機会ある毎に日本の過去の過ちに対する反省を促し、
関係諸国との友好を深めようとしているのが朝日新聞である。
なまじ知った歴史の一部で全てがわかった顔をすると恥をかくだけだ。
のうのうと生きていられるのは平和憲法のおかげであることは間違いない。
できもしない自主防衛を唱えていては過去の過ちを繰り返すだけである。
不利なことがわかっていながら、国民を煽って戦争に突入し、
買い物も切符が無ければ買えもしないような生活をさせながら、
運用される資金はすべて軍事行動向け。
動力になるべき燃料もなく、資源も無い日本が何の大義もない戦争を
推し進めるのは狂気の沙汰としか言い様が無い。
進軍ラッパをもう一度聞きたいのか?
142 ◆8m7473I1co :2005/07/03(日) 20:10:53

/// 強化の一世紀 82 ///////////

 進化論的理論では、これが西洋型の議会制民主主義に向かう“自然”な進展
だと解釈された。だが、実際には、この期待は果たされなかった。一九二五年には、
選挙権がすべての成人男性にまで広げられたが、同じ年に治安維持法が制定され、
“思想統制”の法律的基礎が確立された。およそ一〇年間の比較的開放的で
自由な期間に続く一九二〇年代末の軍部・官僚の反動は、それだけ激しかった。

///////// K.V.ウォルフレン著 ///




143 ◆8m7473I1co :2005/07/10(日) 20:22:37

/// 強化の一世紀 83 //////////////

        大衆の封じ込め

 戦後日本の管理者は、彼ら自身の安全と心の平静を脅かす、社会・政治的混乱を
最小限に保つ世界をつくり出すことができた。服従礼讃を主な共通要素とする政治的
仕組みの継承によって形づくられた日本の政治的文化ゆえにできたことである。
この伝統は、個人の成長を妨げ、依存性を助長する。日本人は高度の組織化と
制限を容認し、役人によるさまざまな生活干渉を我慢し、いつまでも政治的後見の
下におかれても疑問を口にしない。市民による不服従を法にかなった政治行動だと
考えられる日本人は、非常にすくない。

///////// 「日本/権力構造の謎」 ///




144 ◆8m7473I1co :2005/07/17(日) 21:00:19

/// 強化の一世紀 84 ///////////////

 それにもかかわらず、管理者たちは警戒しつづけなければならない。前任者の
確立した伝統が、自力で持続していくと安心しているわけにはいかないからだ。
この警戒のもたらした結果については、これまで本書の随所で見てきた。大学生、
新入社員や若い工場労働者は、しばしばまるで小学生のように扱われる。もっと
歳をとった大人でさえ、よく子供のように訓戒されたり忠告される。日本の若者や
若い成人男性をしつける助けとして兵役を使うわけにはいかず、戦後の家は家族の
メンバーを統制する戦前の法的な力の大部分を失った。だが、サラリーマン生活で
強制される集団への服従が非常に効果的な代用になっている。

//////////////// 原書1989年刊 ///




統制はさじかげん。
146 ◆8m7473I1co :2005/07/23(土) 21:23:01

/// 強化の一世紀 85 /////////////

 <システム>内の決まりきった生活に、型にはまらない行動や予期せぬ変化が
生じるのは恐ろしいことであり、封じ込められねばならない。管理者たちは、
予想しがたい行動に出る恐れのある集団のために社会が騒然としはじめるのを
察知すると、いちはやく反応する傾向がある。戦前に見られた典型的な例は、
新興宗教に対する締めつけであった。官僚が懸念したのは教義ではない。
政治総体としての国家の弱点を撃つような教義ではなかったからだ。問題は、
新興宗派が既存の宗教ヒエラルキーの外で拡散した点だった。従来の団体と
あまりに違うこと自体が、望ましくなかったのである。

////////////////// 早川書房 ///




147 ◆8m7473I1co :2005/07/24(日) 20:18:33

/// 強化の一世紀 86 /////////////

 一九八○年代末頃、当局が指紋押捺を拒否した人びとに迫る際に見せた
エネルギーは、国家を根底から揺るがすほどの恐れが微塵もないことに
対して政府が力をふるった戦後の例である。数世代にわたり日本に居住
してきた国内少数派の韓国・朝鮮人、中国人の一部の人が、外国人登録
のため指紋押捺させる規定に異議を申したてた。彼らの見るところ、
日本国籍者で指紋押捺が要求されるのは犯罪者だけだから、この慣行は
彼らへの差別の象徴であった。他の外国人居住者のなかにもこれを拒否
する者がいた。

///////////// 絶賛発売中! ///



148 ◆8m7473I1co :2005/07/25(月) 22:09:26

/// 強化の一世紀 87 /////////

なぜこの古風な身分証明法をいまだに使わなければならないのか、説得力
のある理由はない。拒否者に同情した地方の多くの市役所は、彼らの名前を
(法務省に)通告しないことで支援した。指紋押捺問題は外務省にとって
外交上の重荷になったが、法務省と警察庁の役人は“秩序”の強制を強硬に
主張する。時には強制的に指紋を取れる警察の工夫を用いたり、再入国許可証の
発行やビザの更新を拒んだり、国外退去命令を出して見せしめとした。

///////////// 邦訳発売中 ///



149 ◆8m7473I1co :2005/07/26(火) 21:08:43

/// 強化の一世紀 88 /////////////////

 このような統制のための統制は、日本人にも見せしめを示す。彼らが
社会統制を当然のこととして受け入れなくなれば、<システム>は崩壊
するであろう。報道機関の編集室にいる管理者たちも、警察や法曹界の
管理者に負けずに、公衆“道徳”の守護と称する高邁な目的に訴えて、
堂々と自由裁量の統制をおこなう。

//////////////// K.V.ウォルフレン著 ///




150 ◆8m7473I1co :2005/07/28(木) 21:52:55

/// 強化の一世紀 89 ///////////////

 管理者たちは可能なかぎり、みせしめと“慈悲”を組み合わせたがる。一九八四年に
ロサンゼルスでマリファナを吸っているのを見つけられた、二一歳のオリンピック
水泳選手の三人の場合が一例だ。実際には、日本の検察官は国外へは司法権が
及ばないのに、若者たちが禁断の草を好奇心から一度試しただけとして、彼らを
不起訴とした決定を、“寛大”だと思わせた。水泳選手の大学もまた“寛大”で、
まず彼らを停学処分にし、悔悟の意を告白する日記を一学期にわたり書かせ、
何回にも分けて大学当局に遅らせた後、復学許可を出した。

///////////// K.V.ウォルフレン著 ///


151 ◆8m7473I1co :2005/07/30(土) 21:53:40

/// 強化の一世紀 90 ////////////////

       長期展望型の統制

 いうまでもなく、日本の管理者たちは、自分たちが一般市民を支配する力を
増大させるため、いかがわしい動機をもっていかがわしい計略をたくらんでいる
のだと考えているわけではない。彼らは、日本の官僚の伝統によって、警戒を
ゆるめれば社会の土台が傷つけられると信じこむようになったのだ。国民には
自分たちで決定を下す政治的権利があるという考えは、役人にはなじまない
ものだ。

/////////// 「日本/権力構造の謎」 ///


152 ◆8m7473I1co :2005/08/01(月) 21:35:58

/// 強化の一世紀 91 ///////////////

 日本の官僚が、はるか将来のことまで制限する施策を計画するという明白な
証拠はない。だが長期的統制に利のある機会が到来すれば、喜んでその
状況を利用する。たとえば、日本の女性は避妊薬を容易に入手できないが、
公式の理由は、この“新薬”が有害な副作用を起こすというものである。しかし、
一九八六年だけでも、厚生官僚は、同年に全世界で販売され始めた五〇近くの
新しい医薬品のうち、約半数に販売許可を出した。これらの新薬の大半が
日本で開発され、日本国内だけでテストされたものだった。日本人が能率のいい
避妊薬の使用を認められていない事実をめぐってよくおこなわれる説明は、
使用が儲けのいい堕胎産業(堕胎数は年に一〇〇万から二〇〇万)の土台を
ゆるがすというものだ。

//////////////////// 早川書房 ///



153 ◆8m7473I1co :2005/08/04(木) 00:22:17

/// 強化の一世紀 92 ////////////////

日本医師会がかつて凄まじい力を行使して、“ピル”を日本市場に入れさせない
ようにしたのは事実である。(例外として月経周期調整を目的とするものを認めたが、
作用力の強いピルが使用され、結果的に副作用の主張を立証した)。内務省の
分身である厚生省の官僚が、積極的に共謀してこの統制をおこなったにしろ、
みずからの目的をとげる手段として医師会の圧力を歓迎したにしろ、日本の
女性を管理者の望むところに留めおく効果は同じである。日本の官界は、解放された
女性市民が国内の労働体系を乱しやすいことに気づいている。日本の女性は
ピル禁止によって、西洋の社会で女性の社会的解放のためにもっとも重要な
意義をもったものを拒まれたのだ。

//////////////// 原書1989年刊 ///




154 ◆8m7473I1co :2005/08/05(金) 21:43:22

/// 強化の一世紀 93 ///////////////

        古い夢の実現

 現在の日本の政治体系は、戦前の秩序より競争が激しく多元的だという普通の
議論には、もちろん、いくらかの根拠がある。社会の平穏を保つための行政的な
調整には、戦前より多様な意見がとり入れられている。管理者たちは、たしかに
一九四五年以前にくらべれば“世論”を気にするようになった。こういう点、
一九八○年代の日本は一九三〇年代より“民主的”であるといえよう。

////////////////// 絶賛発売中 ///




155 ◆8m7473I1co :2005/08/08(月) 20:22:35

/// 強化の一世紀 94 ///////////////

 しかし、満州事変に先立つ何十年かの期間に、さまざまなエリート集団は権力を
めざして今よりはるかに劇的な競争をしていた。この頃には、明治時代に生まれ、
やっと巣立ちした政党が、体系的な妨害にもかかわらず本領を発揮し、権力を求めて
急成長してきた。政党は大企業と連携して、軍部を牽制するようになった。軍部=
官僚の連合がストップをかけるまでの大正デモクラシーが、どれほどの民主性を
秘めていたかをめぐってその後も議論が大いにたたかわされてきている。しかし、
諸政党は少なくとも政権を取るか、連合政権に参加するかのチャンスをかけて競争
したし、また、軍部と官僚の影響に挑戦した。一九一八年に原敬首相が組閣した
頃には、二つの主要政党、民政党と政友会が、官僚たちを自党に吸収して動かして
いたし、これらの党が交代で政権を担当するたびに地方の役人も両派に色分けされ
しばしば入れ替えられた。

///////////// 邦訳1990年発行 ///




156 ◆8m7473I1co :2005/08/11(木) 20:13:49

/// 強化の一世紀 95 //////////////////

 また、政治家のパートナーだった大企業は、今日よりも企業としての構造と
動機の面で、西洋の企業に似ていた。明自に管理者階級に属し、中央の
官僚マシーンと密接に連携する経営者たちが、まだ完全には企業家に取って
かわっていなかった。
 このように、大正デモクラシーは多元的注政党政治の初期段階の形であった。
これは戦争直後の形に似ていなくもなかった。“国体”のイデオロギーに
覆われていたとはいえ、諸政党その他の政治勢力の間の闘争は、日本が
現実にたどったコースと別の、政治発展の可能性を持っていた。しかし今日
この選択は存在しない。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///




157 ◆8m7473I1co :2005/08/14(日) 20:49:22

/// 強化の一世紀 96 ////////////////

 今世紀はじめの三〇年間の政治秩序は、一九八○年代に比べ不安定だった
にもかかわらず、今よりはるかに公然と競争がおこなわれていたからだ。
当時の政治体制は、今日の<システム>よりはるかに激烈な混乱を経験した。
これが、高い地位にいる多くの日本人にとっては心配の種だった。彼らは実際の
状況と、天皇の庇護の下の家族のような国家団結というイデオロギーとの
食い違いを、痛感していたからだ。一九二〇年代には、伝染力の強い争いが
ますますオープンになり、それが当然の事態として受け入れられる恐れさえあった。
そうなれば、和を旨とする国体と矛盾することになったであろう。議会の手続き上の
多元政党主義は、議会外でのあからさまな権力争いと同じく無秩序を意味した。
それは日本の聖なる秩序の守護者を自任する者たちにとって忌むべきことであった。

///////////// 「日本/権力構造の謎」 ///




158 ◆8m7473I1co :2005/08/16(火) 22:17:12

/// 強化の一世紀 97 ////////////

 その結果、一九三〇年代に、支配エリート間の結束を固め、しかも日本の偉大さを
前面に出すことをねらった政策への国民の熱狂的支持を促進する計画への新たな
興味がおこった。革新官僚と日本社会のさまざまな分野にいたその仲間は、当初
マルクス主義、ナチスの理論、イタリアのファシズム理論のどれに感化されたかを
問わず、計画の目的は「ソ連、ドイツ、イタリアのように、政府に密接につながる
全体主義的大衆基盤の単一政党を作ることによってのみ、達成しうる」と考えた
のである。一九三七年の近衛文麿の内閣以来、先に述べた新国家体制(新体制)
運動が日本的単一政治組織の神聖さを強調するようになった。

//////// 「日本/権力構造の謎」 ///




159 ◆8m7473I1co :2005/08/21(日) 20:58:52

/// 強化の一世紀 98 /////////////

 革新官僚の提案の最終生産物である大政翼賛会は、近衛文麿の力添えによって
一九四〇年に設立されたが、元来の大計画にはとても及ばなかった。実際の
大政翼賛会は、日本人のエネルギーを統一して世界に日本の偉大さを知らせる
という、共通の方向に向かわせることより、すでに広く合意に達していた政府の
領土拡張主義的な目標への国民の支持を、さらに育てるための大がかりな
宣伝機構として機能した。所期の意図を実現できなかったのは、各種の権力集団が
強力な中心ができるとグループの権力を相対的に減少させると分かったとたんに
協力をやめたからだった。

/////////////// 原書1989年刊 ///



160 ◆8m7473I1co :2005/08/24(水) 22:10:41

/// 強化の一世紀 99 //////////////

内務省、右翼、軍部のいくつかの派閥と、平沼配下の司法官僚たちが、
近衛主導の中央集権国家に対し反旗をひるがえしたのである。彼らは、
自分たちの権力が侵される独裁の台頭を恐れた。そこで、陸軍が率先して、
本当に全体主義的な“新体制”の体系化にとりかかったのだが、こんどは
経済人と官僚のグループ、さらに軍部内の対抗党派が一致して効果ある
反対に出た。

/////////////////// 早川書房 ///



161 ◆8m7473I1co :2005/08/27(土) 18:26:16

/// 強化の一世紀 100 //////////////////

 日本が、官僚や審議会の答申や新聞が好んで“情報化時代”とか“脱工業化社会”
と呼ぶ時代や社会になるにつれ、日本の政治経済はしだいに大政翼賛会の青写真に
反映されていたビジョンに非常によく似てきたように思える。一九四五年から五五年
までの政党勢力の群雄割拠的配置は、一九三〇年代の状況に似ていた。続いて、
植村甲午郎をはじめとする元官僚の経済団体指導者たちの熱心な努力の結果、
“保守”諸政党の大同合併が実現した。この合併は自民党の派閥争いに和平を
もたらさなかったが、政府を半永久的にただひとつの政党の手に預けることによって、
重要な意味を持つ政治秩序の安定をもたらした。イデオロギー一点張りの無害な
野党まで揃ったこの取り合わせは、12章で見たとおり、一般に“一九五五年体制”
と呼ばれる。それは、革新官僚が一九三〇年代に唱えていたものをほぼ実現したか
のような仕組みである。

/////////////////////// 絶賛発売中 ///


162 ◆8m7473I1co :2005/08/29(月) 22:10:08

/// 強化の一世紀 101 /////////////////

 この一党制は、真の企業家や政治家といった予想のつかない政治要因に
煩わされないで管理者支配の政治体制の継続を可能にしている。今日の
日本は、徳川時代以来ついぞなかったほどの社会・政治的“秩序”を保っている。
サラリーマンの序列社会がくシステム>を支える肉と骨になり、企業の管理者は
役人といっしょになって労働者や中間階層の事務職を抑える。農協と農水省の
農業管理者の活動は、必要性よりも政治的考慮から絶えまなくおこなわれる
土木建設事業と手をとり合って農村部を抑える。教師たちは封じこまれていた。
医師たちは儲けさせてもらっている。

////////////////////// 邦訳発売中 ///




日本経済における統制・全体主義的体質なるものは1930年代の革新官僚によって作り出された経済体制である。
この経済体制の特徴は、株主の利益を大きく抑制し代わって経営者と労働者への利益分配を高めたことにある。
さらに株主の力を抑制するため資本提供は労働者の貯蓄で賄う銀行融資を主体としたことにある。
企業の出資者は銀行でありその原資は勤労大衆の貯蓄という図式である。
これは視点を変えるならば、企業を株主の独占から奪い取り、それを経営者と労働者で共有するという、
一種の企業の擬似共産化ともいえるものである。

また、この戦時経済体制の思想的背景には北一輝の思想的影響が伺える。
『ひたすらな領土拡大』を『ひたすらなシェア拡大』に置き換えているからだ。
事実、戦後の日本経済は収益よりもシェア拡大を優先する経済体制だっとも言える。
ここから戦時経済対の特徴のもうひとつは、このシェア拡大主義と言えよう。
164 ◆8m7473I1co :2005/09/11(日) 10:13:13

/// 強化の一世紀 102 ///////////////

暴力団は、犯罪そのものが確実に“管理される”よう協力を続けている。そして
今や、労働運動活動家の残党やイデオロギーで動く野党までが、<システム>の
囲いの中で歓迎されようとしている。事実、新しくできた全国的な主要労組
団体である「連合」は、少数党を“消毒する”気になっているようだ。つまり、
選挙の成り行きしだいで必要とあれば、事実上自民党に合流するためである。
 一九三〇年代と八○年代の決定的な違いは、三〇年代には、“国防国家”の
概念や、大政翼賛会を生んだ新体制運動に具体的なビジョンが明確に説明され、
当時のばらばらだった支配エリート諸集団を統合する意図があった点である。

////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



165金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2005/09/13(火) 21:30:49
最近の主要マスコミ(TV・新聞・雑誌)の報道姿勢が、よくないです。

国としての課題は山積しているはずなのに、国民の合意を受けた上で改革・
改善しなければならない難題は、多くあるのに、視聴率稼ぎのために面白
おかしい娯楽系の選挙側面ばかりを、報道している。

アスベストの問題にしたって、その当時にマスコミが声を大きく上げて
いれば被害者が、多少は減ったはず。本質に迫る大事なことは、なかなか
報道されてこない。そして、一般の国民は、作り出された虚像に酔いしれ
騙され、数年後にハッと気づき後悔する。そして、当時の自分を忘れ非難
する。悲しいかな、そのループ状態。
166 ◆8m7473I1co :2005/09/17(土) 21:28:14

/// 強化の一世紀 103 ///////////////

一部のエリートは当然ながら脅威を感じた。これとは対照的に、戦後の
くシステム>の建設とそれがめざしている無制限の産業の成長は、攻撃対象
とされそうな基本計画としてはまとめられなかったので攻撃のしようもなかった。
それでも、戦後のすべてのエリート集団の目的が、<システム>の構築と
目標に同調している。それぞれの管理者集団がそれぞれの無理を通せるので、
<システム>の性格を変えるのに熱心なものはいない。こうして、戦前の
前任者と異なり、現代の管理者たちは、国内の政治的な平和維持という
問題を解決しおおせたかに見える。

////////////// K.V.ウォルフレン著 ///




167 ◆8m7473I1co :2005/09/20(火) 22:06:19

/// 強化の一世紀 104 ///////////////

        自民党のマニフェスト・デスティニー

 自民党機関誌の一九八二年新年号の論文は、一部の管理者が前記の
ような状況における彼ら自身の役割をどう見ているかを、正直に窺わせる
ものだった。編集部の名で書かれたこの論文は、自民党の夢想家たちが
歴史をどう解釈するか、また、歴史を背景にして彼ら自身の組織の将来を
どう予想しているかを示すおもしろい論述となっている。

//////////////// 邦訳1990年発行 ///




168 ◆8m7473I1co :2005/09/23(金) 21:03:16

/// 強化の一世紀 105 ////////////////

 野党による連合政権樹立のチャンスはほぼ消えたという事突を詮証した上で、
論文は一九五五年体制の終局を予言した(中曾根の同じ予言については、5章
後半で見た)。そして、これを明治維新以来の政治的な軌跡のうちで、執筆者が
重要だとみなした二点の特徴に関連づけた。一つは、日本の反体制勢力は決して
抑圧されたのでなく、むしろ政府は彼らの言い分にいつも耳を傾けてきたということ。
二つには、一八六六年以来、ほぼ三〇年ごとに政治的体系に大きな変化が
起きたことである。論文の説明によると、三〇年周期のおもしろい点は、その
周期なかばでつねに政治のブロセスに近づけなかったいくつかの勢力がひとつの
政治運動を起こし、政府がそれらの運動との調整をはかる結果、周期的な変化が
起こるというのである。

/////////////// 「日本/権力構造の謎」 ///




169 ◆8m7473I1co :2005/09/25(日) 18:25:51

/// 強化の一世紀 105 ////////////////

 野党による連合政権樹立のチャンスはほぼ消えたという事突を詮証した上で、
論文は一九五五年体制の終局を予言した(中曾根の同じ予言については、5章
後半で見た)。そして、これを明治維新以来の政治的な軌跡のうちで、執筆者が
重要だとみなした二点の特徴に関連づけた。一つは、日本の反体制勢力は決して
抑圧されたのでなく、むしろ政府は彼らの言い分にいつも耳を傾けてきたということ。
二つには、一八六六年以来、ほぼ三〇年ごとに政治的体系に大きな変化が
起きたことである。論文の説明によると、三〇年周期のおもしろい点は、その
周期なかばでつねに政治のブロセスに近づけなかったいくつかの勢力がひとつの
政治運動を起こし、政府がそれらの運動との調整をはかる結果、周期的な変化が
起こるというのである。

//////////// 「日本/権力構造の謎」 ///




170 ◆8m7473I1co :2005/09/25(日) 18:28:02

/// 強化の一世紀 106 ///////////////

 論文は、太平洋戦争とアメリカの占領期間を都合よくとばし、最近の変化は
一九二四年と五五年に起こったとした。一九二四年の周期的な変化 −
それは一九五五年の変化にも通じる − の後に起こった運動は、ほかならぬ
革新官僚の新体制運動であった。これは、二つの政党が交互に政権を取る
状況に国民が不満をおぼえたことから生じたとされた。「これが政治腐敗と、
財閥による政治の制御を招いたからである」。大政翼賛会はこの問題に
対処するため設立された。そして、似たような意図をもって、民間企業は労使が
協力して企業の運営に当たるための産業報国会を結成したとこの論文は続ける。

///////////////// 原書1989年刊 ///




171 ◆8m7473I1co :2005/10/03(月) 21:52:33

/// 強化の一世紀 107 ////////////////

 新体制運動が国民の間から生まれたという自民党機関誌編集部の
執筆者は、大いに的はずれである。運動は政治的決定に発言を増したいと
望んだグループを引きつけはしたが、運動を支配していたのは、既成の
政治的党派であり、各党派はエリート階層内での自派の地位強化を
狙っていたのだ。ここで自民党の執筆者=スポークスマンは、帝国主義戦争と
日本占領を重要でない余興のように無視しているが、その一方で、戦時中の
政治組織に意義を認めている点が興味をひく。論文によれば産業報国会は
労働者にある程度、経営に対する発言権を与えた。

////////////////////// 早川書房 ///




172金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2005/10/06(木) 23:37:42
済同友会代表幹事、中川経産相に反論
 経済同友会の北城恪太郎代表幹事は4日の記者会見で、原油価格のトラック
運賃への転嫁問題に政府が関与していることについて「(荷主企業に)独占禁
止法に触れる問題があれば公正取引委員会が関与すべきだ。ルールとは別のと
ころで他の人がいろいろ指示するのは本来好ましいことではない」と改めて政
府の対応を批判した。

 北城氏は9月28日の記者会見で、北側一雄国土交通相が原油高による燃料価
格の高騰に苦しむトラック業界に理解を示すよう日本経団連の奥田碩会長に要
請したことに関して「政府がいちいち意見を言う必要があるのか」と苦言を呈
した。この発言は4日に中川昭一経済産業相から「許し難い」と非難されたが、
北城氏は「価格は市場が決める」と持論の市場主義を盾に反論した。 (21:00)

http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT1F0401B%2004102005&g=E3&d=20051004

173 ◆8m7473I1co :2005/10/10(月) 19:34:43

/// 強化の一世紀 108 ///////////////////

そして大政翼賛会は、「その軍国主義的右翼的姿勢ゆえに、今日では
否定的な評価がされているが」、政治を一般人の手に返すのに貢献した、
と述べている。このような形勢は一九五五年体制に受け継がれた、というのが
自民党イデオローグたちの驚くべき結論だった。自民党が、大政翼賛会の
ように諸政党をひとつにまとめ、一方、産業報国会の築いた基礎が非常に
望ましい企業別組合システムの出現を可能にした、というのだ。

//////////////////////// 絶賛発売中 ///




174 ◆8m7473I1co :2005/10/17(月) 22:26:58

/// 強化の一世紀 109 /////////////

 要するに、執筆者たちは、一九五五年以後の高度経済成長期の三〇年間を
通じて<システム>の主要な特質だった二つの事実 − 挑戦を受けない与党と
従順な労組 − が、戦時下の国を強化する目的で設立された組織の直接の
後継だと、誇らしげに認めているわけだ。これはまったく正しいのだが、それを
認めたこと自体、奇妙な話である。自民党はそれまで、戦時中の制度を外部に
向けて公然と賞賛する慣習はなかったのだから。

////////////////// 邦訳発売中 ///




175 ◆8m7473I1co :2005/10/24(月) 22:00:05

/// 強化の一世紀 110 ///////////////////

 党の将来はどうであろうか。いつになく歯切れのいい自民党スポークスマンに
よれば、一九八○年代のなかば、新しい三〇年周期の始まる間にまた
変化が起こり、二つの決定的な運動が日本を“一九八五年体制”に向けて
動かした。一つは、革新勢力が支配する地方自治体の数を増やしていこうとする、
革新自治体運動。もう一つは、消費者の利益向上をめざして大都市で起こった
地域住民連動だった。しかしどちらの運動も静かに死に絶えてしまった。
(3章を参照)これは、論文によれば、運動が無視されたからではなく、
要求が受け入れられ望みが果たされたからだという。

////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///




176 ◆8m7473I1co :2005/10/31(月) 21:29:19

/// 強化の一世紀 111 //////////////////

 自民党の論文の結論によれば、このような進展は、自民党が現実に即応して
どのような調整をしていく必要があるかを明らかに示している、という。また、
自民党は都市部のサラリーマンやその妻にとっての政治的安息所になり、
労組の支持も得なければならないというのだ。
 この論文が伝えようとした主な内容の一つは、左翼主義的な労働組合の死が
問近いということである。たしかに一九八○年代なかばには、前にも見たように、
これに関連する大きな変化があった。日本国有鉄道の分割であり、国鉄労組は
公労協のなかでかつてかなり活動的で、左翼色の濃い総評の主力を占めていた。
すでに一九八六年の選挙で、いくつかの労組が自民党候補者の票集めをしていた。
また、いくつかの地域で、社会党の地元議員が開発事業を実現させようとして
有力な自民党国会議員と現実的な提携をした。全民労連(連合)が、既成勢力として
地歩を確立した後は、逃れられない<システム>の抱きこみもほとんど完了しよう。

////////////// 「日本/権力構造の謎」 ///




177 ◆8m7473I1co :2005/11/03(木) 19:17:18

/// 強化の一世紀 112 /////////////////

 権力者は、労働者が権力者側の出す条件で組織するかぎり、いつでも労働組織を
受け入れる心の余裕があった。二つの世界大戦の中間で労働関係の法の制定を
推進したのは内務省の社会局だった。また、戦後の管理者は一貫して“現実的な”
すなわち体制順応の労組を歓迎した。今世紀に入って、はじめはキリスト教、後に
マルクス主義に導かれた労組が、一貫して<システム>と闘った唯一の主要社会勢力
だった点を考えれば、自民党のイデオローグたちが正確に記述している産業報国会の
労使協議会に源を発した労組抱きこみ過程の強化は、確かに歴史上、画期的な
出来事である。

//////////////////// 原書1989年刊 ///




178吉野家LOVE ◆kJOq8Zhosg :2005/11/03(木) 19:40:38
こーんなヌレあったんだねん(゚∀゚)y-~
日記帳にでもしてるのかよんw?
179 ◆8m7473I1co :2005/11/06(日) 18:36:26

/// 強化の一世紀 113 ////////////////

        脱政治的国家の夢

 <システム>は日本の左翼主義の根絶に向けてさらに大きく前進するのに従い、
非政治的な国家をつくる夢の実現にますます近づいている。これは、西洋でも
古くからの夢であった。一つの壮大な共同努力による協力で人間生活を改善し、
愛に溢れるいたわり合いの社会をつくるため協力するというビジョンは、マルクス
以前も以後も、多くの社会工学者とユートピア的な夢想家を鼓舞してきた。

////////////////////// 早川書房 ///




180金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2005/11/07(月) 17:54:33
>>1
日本独自のもんじゃ無いけどねw
鮮人には利益が回らんシステムだけどw
だから気に要らんかったと。
だからぶっ壊そうとw
農産物を守ってるのは欧米でも同様だな〜。
181金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2005/11/07(月) 17:55:14
>>4
つうかどんどん貧しくなってるけどw
言ってる事と逆の事が起きてるぞw
182 ◆8m7473I1co :2005/11/08(火) 21:45:12

/// 強化の一世紀 114 /////////////

 この夢の一部は、失われた楽園を取り戻せるという考えである。この考えを
学術的に裏づけるものとしてもっともよく知られているのは、一八八七年に
出版されたフェルディナント・テンニースの『ゲマインシャフトとゲゼルシャフト
(共同社会と利益社会)』である。彼は、二分法を仮定して、伝統的な村の
世界としてのゲマインシャフトは、親密な人間の絆で結ばれ、政治でない
共同体意識によって統治されるとした。この世界は、たいていの西洋社会
において、人工的で非友好的なゲゼルシャフトに取って代わられ、温かみの
ある理解が冷たい規則にかわったという。

////////////////// 絶賛発売中 ///




183 ◆8m7473I1co :2005/11/13(日) 19:48:48

/// 強化の一世紀 115 ///////////////////

権力闘争のないゲマインシャフトが存在したという納得のいく証拠を誰も
つかんではいないのだが、この二分法は何世代かにわたり、西洋の
ロマンチックな夢想家や共同体コミューン建設者の心を強く捉え鼓舞した。
またこの二分法は、日本人論における“人間的な心情”に溢れる、
親密で有機的で温かい伝統的な日本の共同体と、計算高く機械的で
信頼できないと日本人が想像する西洋の世界の対比に相当する。

/////////////////////// 邦訳発売中 ///



184 ◆8m7473I1co :2005/11/15(火) 21:27:35

/// 強化の一世紀 116 ///////////////////

 夢には別の部分もある。軽薄で、かけひきばかりの政治を、合理的で私欲のない
科学的な政府に取り替え、国民が先進的で近代的な専門技術のもたらす利益を
充分かつ体系的に享受できるようにすることだ。国民的目標の達成の邪魔になる
繁雑な議会手続きやそのほかの憲法上の妨げを排除することについては、
西洋の政治思想家も熟思熟考を重ねてきた。これは、物事の管理が人間による
政府に取ってかわるというサン・シモンの有名な意見に要約されている。
これはまた、マルクス主義の未来予測にも含まれている。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///




185 ◆8m7473I1co :2005/11/18(金) 22:57:48

/// 強化の一世紀 117 //////////////

 合理的な計画づくりが自己利益追求の政治に取ってかわる社会生活は、
歴史を通して人間を悩ませてきた問題を解決してくれるのだから、心を
そそる。アイザィア・バーリンが言うように、

  目的が合意されれば、残る問題は手段だけである。そして、手段の問題は
 政治的でなく、技術的である。すなわち、医者や技師どうしの議論のように
 専門家あるいは機械によって決着がつけられる。このような理由から、
 理性の最終的な勝利やプロレタリア革命などの、世界を変身させる大きな
 現象に信をおく者は、すべての政治的、道徳的問題が技術的な問題に
 おき変え得ると信じなければならない。

////////// 「日本/権力構造の謎」 ///



186金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2005/11/18(金) 23:09:39
日中関係!! 市民左翼に論破されるクソウヨ!! ウヨ敗北!!

http://money4.2ch.net/test/read.cgi/eco/1132317556/l50
187 ◆8m7473I1co :2005/11/21(月) 21:54:24

/// 強化の一世紀 118 /////////////

 バーリンの論を逆用すれば、“物事の管理”のもとでの、唯一の問題は計画を
たてることの目的がなんであるかということだ。日本の<システム>にとって、
答えは明治以来はっきりしている。秩序を保ち強くなることである。そして一九四五年
以来、管理者たちは、“目的”が何であるかを討議せずに、制限なき産業の成長を
優先させることが自明の善であるかのように − 彼らはまさしくそう考えている
のだが − 強化し調整し計画してぎた。<システム>の強化は、一見して大いなる
安定をもたらした。

//////////////// 原書1989年刊 ///




188 ◆8m7473I1co :2005/11/24(木) 23:52:21

/// 強化の一世紀 119 ///////////////

この安定がほんものなのか、外観だけであるのかが緊急の問題になるのは、
管理者が対処しきれない事態が生じてそれが危機を招く時だけである。
そして一九八○年代末、国内の緊張のうちで予見できる近い将来に危機的に
なりそうなものはない。<システム>は正統性の問題を表面に出させないよう、
効果的に、確かに一九四五年以前に比べ、より効果的に対処した。<システム>の
さまざまな部分が一部門の独裁的支配を防げるかぎり、正統性の問題は
深刻化しないだろう。争いに向かう傾向が強くなれば抑制される。先に
見たように、争いは政治的に容認されない。

////////////////////// 早川書房 ///



189 ◆8m7473I1co :2005/11/26(土) 20:50:17

/// 強化の一世紀 120 ///////////

 しかし、完全に非政治化された社会体制は存在しないし、存在しえない。テンニース
のいう意味でのゲマインシャフトは幻想である。そして皮肉なことに、日本の<システム>は
すでに見たように、全面的に政治化されている。<システム>の確固とした中核を
形成する経済界と経済団体の政治的動機や機能ははっきりしている。現代日本の
複合企業は、西洋のように単に政治的影響を与えるだけではなく、政治総体の
不可欠でかけがえのない一部になっている。これは、管理者によって産業の
無制限成長が無条件に優先事項とされたことと共に、日本の国際関係における
根本的要因になっている。この要素は、国内の緊張とは異なり、危険に十分
つながりうるのである。・・・・・

////////////// 絶賛発売中 ///



190金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2005/11/26(土) 20:52:38
ウヨを叩きまくろうぜ!!!

http://money4.2ch.net/test/read.cgi/seiji/1133005633/l50
191 ◆8m7473I1co :2005/11/27(日) 18:07:01

/// 早川書房発行 /////////////

 カレル・ヴァン ウォルフレン (著), 邦訳 早川書房発行
 Karel Van Wolferen (原著), 篠原 勝 (翻訳)、原著1989年発行
 日本 権力構造の謎〈下〉 ハヤカワ文庫NF 840円(税込)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150501785/qid=1104505784/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/250-1157004-2829055
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/40b9c78bede2b01032ee?aid=&bibid=01055139&volno=0000
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9940226586
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=18988934
http://books.rakuten.co.jp/RBOOKS/0000650747/

///////////// 絶賛発売中!///



192 ◆8m7473I1co :2005/11/30(水) 21:59:03

/// 世界にあって世界に属さず 1 //////////

 カレル・ヴァン ウォルフレン (著), 邦訳 早川書房発行
 Karel Van Wolferen (原著), 篠原 勝 (翻訳)、原著1989年発行
 日本 権力構造の謎〈下〉 ハヤカワ文庫NF 840円(税込) より

・・・・・
16章 世界にあって世界に属さず
・・・・・
    被害者意識と孤立感
・・・・・
        被害者としてのアドミニストレーター

 一般国民が、国際社会での日本の位置を歴史や政治と切り離して捉える
傾向があるなら、管理者にも概して同じ傾向がある。このことは、たとえば、
アメリカや他の貿易相手国との衝突を、政治的解決を要する政治問題として
捉えないことからも分かる。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///




193 ◆8m7473I1co :2005/12/03(土) 18:28:52

/// 世界にあって世界に属さず 2 //////////

 ここに日本問題の核心がある。数十年にわたり多くの国の経済に影響を
及ぼし、そのうえ最近は、国際経済を左右する金融力を増大させた日本は、
疑いの余地なく世界に対し力を行使している。経済のメカニズムによっては
止められそうにない日本の経済的猛威は、それ自体が政治問題である。
それにもかかわらず、自分達が権力を行使していることを国内で認めようと
しない管理者は、海外で権力を行使していることを、間接的にではあるが、
一貫して認めようとしない。

///////////// 「日本/権力構造の謎」 ///



194 ◆8m7473I1co :2005/12/05(月) 22:24:18

/// 世界にあって世界に属さず 3 //////////

彼らは、日本の国際問題は他の国の経済的措置あるいは市場の働きによって
解決し得るし、またそうすべきだと主張するのである。彼らは、日本の強大な
輸出推進力と、それが欧米諸国の一部の産業分野を破壊したことが政治的な
反発を引き起こしていることを認めたがらない。また、ヨーロッバ諸国は政治的
解決策を探りはじめ、アメリカ議会も政治的解決策を立法化しようとしていることや、
問題がなくならないのは日本の政治の麻痺状態に理由があるということに目を
つむりたがっているのだ。

//////////////////// 原書1989年刊 ///




195 ◆8m7473I1co :2005/12/07(水) 22:34:34

/// 世界にあって世界に属さず 4 //////////

 日本の国際問題を政治的な性質をもつものだと認めるとするなら、
それらの問題を正面きって問い直すことになり、権力の行使をあからさまに
せざるをえなくなる。そうなれば、非公式の関係や過程が明確化され、
当局を拘束する法や規則が必然になる。言いかえれば、トップ管理者たちを
ぞっとさせる議論の世界に彼らはひきずりこまれるのである。

////////////////// 邦訳1990年発行 ///




196 ◆8m7473I1co :2005/12/09(金) 21:22:18

/// 世界にあって世界に属さず 5 //////////

 本書のなかでは一貫して、日本の一般国民の秩序を保つための巨大な
統制機構、<システム>を預かる日本の権力者について見てきた。しかし、
国際関係から見た日本に視点を移すと、管理者も結局のところ被害者である
ことは明らかだ。彼らは前任者が作り出した環境の産物であり、慣例から
逸れた議論は歓迎されない。想像力に乏しいまま、そこに縛りつけられている
彼らこそ、ほんとうの意味で<システム>の奴隷である。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///




197 ◆8m7473I1co :2005/12/11(日) 18:04:56

/// 世界にあって世界に属さず 6 //////////

権力を行使していないという彼らの見せかけと、権力を制御するための普遍的に
認められたルールの必要性の否認と、そこから生じるあいまいた指導権という
問題―いうなれば彼らは、徳川幕府と明治の寡頭政権の先輩たちから受け継いだ
自己欺瞞の犠牲者なのである。管理者たちは相互扶助の上に栄える複雑な
人間関係を育てあげてきた。そして彼らの重要な職務は、法律と裁判所が社会を
規制する最強の力とならぬよう、制御し合う互いの関係やルールを非公式に
維持しておくことであった。保身を目的として彼らは、手のこんだ理屈づけをして
実際に<システム>を制御する権力の存在を否定し、すべてを日本"文化"ゆえの
自然の成り行きと説明する。

///////////// 「日本/権力構造の謎」 ///




198 ◆8m7473I1co :2005/12/12(月) 22:17:32

/// 世界にあって世界に属さず 7 //////////

社会を規律のもとに完全に統制するというプロシア的考えと、社会秩序の
乱れに対する極度の恐れ(それは秩序を矯正する力となっている)は共に
初期の管理者から受け継いだのだが、両者は彼らの動きに制限を加えるもの
である。欧米諸国においては、政治家や官僚や知識人は理論的な議論や
知的な警告、本格的な政治討論をおこなって、政治体制がそれに相当程度
反応するという利点があるが、日本の管理者はその利点を享受できない。
筆者が個人的に知っている欧米諸国の政治家や官僚や知識人のうちの
一部は、<システム>は事実上だれにも制御されていないことに気づくと
恐怖を覚えるようである。

//////////////////// 原書1989年刊 ///



199 ◆8m7473I1co :2005/12/13(火) 22:33:31

/// 世界にあって世界に属さず 8 //////////

    究極的な国際的相反性

 日本における権力機構の実態を認めようとしないこと、広く行き渡っている
被害者意識、ユニークであると同時に誤解されているという意識、それに
指導者の不在、このすべてが合わさって、日本の世界での孤立を永らえさせる。
日本を"法治主義"に基礎をおく国際的枠組みの一部とすることについての
越えられないほどに見える困難のために、この日本の孤立はさらに悪化する。
 国際社会、ことにアメリカの主唱のもとに確立され、GATT(関税および貿易に
関する一般協定)、IMF(国際通貨基金)、OECD(経済鶴力開発機構)などの
機関によって維持される戦後の貿易体制は、日本の<システム>を動かすものとは
本質的に異なる規準にもとづいて運営されている。

////////////////// 邦訳1990年発行 ///



200 ◆8m7473I1co :2005/12/14(水) 21:33:20

/// 世界にあって世界に属さず 9 //////////

GATT加盟国は、通常互いの力の上下を評価して他の加盟国との関係を
構成したりしない。なにか事を進める際に、アメリカが日本をおどすことで
しかるべき位置を認識させたことはない。政府は政府どうし互いに、あるいは
自国の国民に嘘をつくことがあるとしても、非共産圏の貿易国間の国際的
取引には、日本で見られるような実際上の現実と形式上の現実との間の
制度化された食い違いに匹敵するような食い違いはない。ある程度現実が
管理されることがあっても、見かけと現実の差が大きくなりすぎると、ある時点で、
外国のジャーナリスト、専門知識のある評論家、あるいは怒った政府が
指摘することになる。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



201 ◆8m7473I1co :2005/12/15(木) 22:41:00

/// 世界にあって世界に属さず 10 //////////

 日本の<システム>と、それ以外の国際的自由貿易体系とは相容れない。
というのは、その貿易体系は日本の管理者が認め得ない規定を守るよう
要求するからであり、日本の管理者はそれを受け入れるためにはみずから
維持してきた非公式な関係を壊さなければならないからである。日本社会と
日本市場への外国からの参入者に与えられる機会に関する普遍的ルールを
認めれば、複雑に絡み合った人脈網や非公式の取り計らいが根底から損なわれ、
<システム>はおびやかされ、ついには崩壊するだろう。<システム>と取引は
できても、<システム>自体の中に普遍的なルールを導入させようとする相談は
そのような取引の対象にはならないのである。

/////////////// 「日本/権力構造の謎」 ///



202 ◆8m7473I1co :2005/12/17(土) 00:20:51

/// 世界にあって世界に属さず 11 //////////

        日本を汚染する外国の流儀

 孤立した<システム>が促進する国民大衆の態度が、その孤立をさらに強化し、
日本の人びとをなおいっそう世界から疎外させてしまう。多くの外国の観察者は、
執拗な島国根性が日本の国際問題の主要因のひとつであると考え、文化的
側面の偏愛にことよせて説明してきた。ここで見落とされがちなのは、日本人が
統治されるその枠組みの中では孤立がいつでも助長されているということだ。
自由市民的中産階級の出現を阻止して孤立を続け、中産階級を企業のヒエラルキー
内に組みこんで孤立を守り、学校教育では日本の市民を育てるより、あらかじめ
決められた<システム>の階層構造に適合する管理者とサラリーマンを作り出して、
孤立を保つのである。

//////////////////// 原書1989年刊 ///


203 ◆8m7473I1co :2005/12/18(日) 17:32:59

/// 世界にあって世界に属さず 12 //////////

 これをもっとも明確に見せてくれるのは、いわゆる"帰国子女"現象―父親が
会社の海外支店に駐在する間、大切な時期の教育を外国で受けた日本の
子供たちの場合である。工学その他の技術分野以外、外国で受けた教育は
<システム>内で働くには概してハンディになる。"帰国子女"が日本の高校、
大学に持ちこむ外国での勉学と体験にもとづく視野の広さや新鮮さが高く評価
されるどころか、彼らは厳しい差別を受け、しばしばからかいやよそ者イジメの
対象になることが多い。彼らは、きまって自分のほうがおかしいと感じさせられる。

////////////////// 邦訳1990年発行 ///




204 ◆8m7473I1co :2005/12/18(日) 20:57:07

/// 世界にあって世界に属さず 13 //////////

問題があまりに大きいので、彼らを、社会に受け入れられる日本人につくり
直すため特別な学校を設立しなければならなくなった。教師は、彼らが質問を
しすぎると言って苦言を呈する。いうまでもなく、彼らが増える一方の校則を
あからさまに嫌えば、日本の社会秩序を乱す恐れがある者という烙印が
押される。彼らは、歩き方や笑い方にも気をつけるよう注意される。そうしたければ
彼らの母国ではすぐに異端者だと烙印を押されてしまうからだ。企業は外国に
住んでいた入社希望者を喜ばない。彼らの行動が職場を混乱させることを
恐れるからだ。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



205 ◆8m7473I1co :2005/12/19(月) 22:52:29

/// 世界にあって世界に属さず 14 /////////

 少数の日本人駐在員しか住んでいない外国の町の場合には、日本人も、
他民族や他国の人々との正常な交際を妨げるようた心理的構えは特に
これといって見せない。それが、現地の日本人社会が大きくなり、日本人学校が
設立されると、彼らの孤立性は急に目立ちはじめ、閉鎖的な日本人クラブを
作るか、既存の現地クラブの中にさらに飛び地のような日本人専用グループを
作る。やがて彼らはできるかぎり同じ町か地域に移り住むようになる。

/////////////// 「日本/権力構造の謎」 ///



206 ◆8m7473I1co :2005/12/21(水) 23:35:12

/// 世界にあって世界に属さず 15 //////////

その規模も、日本人の現地社会からの孤立の度合も、海外のアメリカ人
社会やヨーロッパ人社会の場合とは比べられたいほど、激しい。東南アジアや
ヨーロッパに駐在する日本のビジネスマンと筆者が個人的に話してみて
判ったのだが、彼らが外国の流儀を身につけはじめたり、日本人どうしより
外国人とつき合うほうが好ましいと思っているなどと、さとられては困ると
考えている者が多いことだ。つまり、海外にいる日本人の振る舞いは、
会社や仲間からの圧力の結果であり、漠とした文化的影響を受けた
結果ではない。

//////////////////// 原書1989年刊 ///



207 ◆8m7473I1co :2005/12/23(金) 22:06:00

/// 世界にあって世界に属さず 16 //////////

        <システム>は永遠か

 最後に、もっとも重要な質問である―この状況は変わるであろうか?
理論的には、答えはイエスである。本書を通して終始論証をこころみてきたように、
<システム>の性格は、究極的には政治的関係によって定められるものである。
政治的なものはみな長い目でみれば逆転可能である。ことにその政治的な
側面がまさしく政治的なものだと把握されるなら、なおさらである。日本人が
永遠に政治的監督下におかれなければならないという理論的な必然性は
なにもない。

//////////////////// 邦訳1990年発行 ///



208 ◆8m7473I1co :2005/12/24(土) 19:43:56

/// 世界にあって世界に属さず 17 //////////

 理想的には、どうすればよいのだろう?手始めに東大を廃校にする必要が
あろう。そのほかには、法体系および政党制に基本的改革を起こさなければ
ならない。多数の大学に法学部を設け、管理者の専断から身を守る手段を個々の
日本人に可能にする弁護士を養成する必要があろう。最高裁事務総局から、
国の司法制度および法曹界入りを支配する力を取り上げ、法律家の数を
人為的に制限するのを止めさせる必要があるだろう。学校および報道機関は、
会社などの組織に属することが重要だと強調しすぎるのを止める一方、
国民一人一人の政治意識と政治に対する責任感の涵養に努めなければ
ならないだろう。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



209 ◆8m7473I1co :2005/12/27(火) 21:56:03

/// 世界にあって世界に属さず 18 //////////

これらすべてが、人脈関係にかわって法的規制を確立し、<システム>の
非公式性にかわって法によって保証された手続き過程を確立する推進力に
なるのだ。本質的な改善には、選挙区に政府助成金をいくら持ってこられるかに
依存する政党ではなく、中産階級と工場労働者の利益を真に代表しようとする
意志を持った政党が出てこなければならない。これは端緒にすぎないが、この
状況さえできれば、日本はそのあるべき姿と考えられている立憲民主主義国
として徐々に機能しはじめ得ると考えられる。そして、だれに、あるいはどの
機関に、支配する権利があるかという問題も解決に向かって動きはじめるはずだ。

//////////////// 「日本/権力構造の謎」 ///



210 ◆8m7473I1co :2005/12/28(水) 21:50:59

/// 世界にあって世界に属さず 19 //////////

 日弁連や市民による教育制度審議会などのような、活動的で洞察力豊かな
団体が現に存在している事実が、筆者の提案が決して高望みではないことの
証明である。彼らを見れば、日本人は真の市民になり、みずからもそう考える
能力のあることが判る。しかし、不幸なことに、これまでの経験からすると
楽観主義をとることはむずかしいといわねばならない。<システム>を導く、
支配的で神聖不可侵の目的があるとすれば、それは<システム>自体の
存続である。つまり、現在の管理者群の存続である。この目的が、あやまって
日本の存続と同一視されている。

////////////////////// 原書1989年刊 ///



211 ◆8m7473I1co :2005/12/29(木) 19:58:34

/// 世界にあって世界に属さず 20 //////////

国家的優先事項についての政治的討議を欠き、紛争を解決するための
法体系がないことは、いつでも顔をのぞかせている日本主義強化の危険性を
増大させる。やがてそれは、"救国"という極端な感情の再出現へと
つながることになりかねない。そのようなことになれば、おそらく過去と同じく、
この国はさらに深刻な災難への道をたどるであろう。敵対的な世界との
対決というせっぱつまった感情が、ふたたび日本の<システム>に異変を
起こす可能性があることを考えておくべきだ。

/////////////////// 邦訳1990年発行 ///



212 ◆8m7473I1co :2005/12/30(金) 20:40:33

/// 世界にあって世界に属さず 21 //////////

このような発作が起これば、ある特定の意を決したものの集団が権力を
掌中に集め、この国の新しい進路を密かに図るとも考えられる。そうなったら
成り行きはまったく予想不可能である。
 だがもっとも可能性が高いのは、西側世界、ことにアメリカと、なんらかの
暫定的妥協を図り、<システム>がなんとかお茶を濁したがら生きつづげる
形であろう。しかしこの場合には、欧米諸国の政府側の賢明な政策が
必要となる。
 <システム>が真の近代立憲国家になり、日本の国民が市民に変わる
という素晴らしいシナリオを達成するには、正真正銘の革命にも等しい
権力の再編成が必要であろう。・・・・・

////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///




213 ◆8m7473I1co :2006/01/01(日) 00:18:06

/// 早川書房発行 /////////////

 カレル・ヴァン ウォルフレン (著), 邦訳 早川書房発行
 Karel Van Wolferen (原著), 篠原 勝 (翻訳)、原著1989年発行
 日本 権力構造の謎〈下〉 ハヤカワ文庫NF 840円(税込)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150501785/qid=1104505784/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/250-1157004-2829055
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/40b9c78bede2b01032ee?aid=&bibid=01055139&volno=0000
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9940226586
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=18988934
http://books.rakuten.co.jp/RBOOKS/0000650747/

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214 ◆8m7473I1co :2006/01/06(金) 23:43:16

////////////////// 1991年発行 ///

What’sジャパン?―日本「再統一」の脅威
著者/訳者名 : NPQ/編著 関元/訳 吉岡晶子/訳
出版社名 : JICC出版局 (ISBN:4-7966-0092-2)
発行年月 : 1991年03月 価格 : 1,101円(税込)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4796600922/qid=1136556354/sr=1-2/ref=sr_1_8_2/503-1877322-7889529

/// JICC出版局 /////////////////


215 ◆nb6xNTgbGc :2006/01/06(金) 23:45:38

/// 夜明け前の暗闇 1 /////////////

JICC出版局 1991年2月第一刷 ISBN: 4796600922
『What’sジャパン?―日本「再統一」の脅威』 より

    カレル・ヴァン・ウォルフレン
    夜明け前の暗闇

 【インタビュアー】 『日本/権力構造の謎』の最初の章で、日本について
「決定的な要因」は、「どのような状況にも常に通用する真理、法則、原則
あるいは倫理があるのだとする考え方が皆無に近いことであり……倫理規範が
普遍的ではなくむしろ状況次第で変わる」点にあると言っておられます。

////////////// What’sジャパン? ///



216金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2006/01/06(金) 23:48:26
http://money4.2ch.net/test/read.cgi/eco/1136526475/
日本は貧国化して韓国に抜かれるのではないか?
心配・・・・・・・・・
217 ◆nb6xNTgbGc :2006/01/07(土) 18:51:03

/// 夜明け前の暗闇 2 /////////////

 したがって、あなたの説によると、日本には責任の中心が存在せず、時の権力が
状況しだいで変わる自己利益に従いながら、非公式な関係からなるシステムで
現実を操作できる柔軟性があるだけ、ということになる。そうした状況に応じて変わる
倫理観は、どのような形の矛盾にも寛容なことや、内側からの変化は不可能だと
いうことを見越しているためなのでしょうか。

/////////// 日本「再統一」の脅威 ///



218 ◆nb6xNTgbGc :2006/01/08(日) 20:23:30

/// 夜明け前の暗闇 3 /////////////

 【ヴァン・ウォルフレン】 もちろん、超越的価値観は一世紀以上も前から
日本にも入ってきた。キリスト教の宣教師によって徳川幕府の長い鎖国より
前の時代、明治時代、そして一九四五年にアメリカの占領が始まった時、
と持ち込まれたわけです。だが、そうした価値観はけっして根づかず、
世界観までには至らなかった。一三世紀、仏教文化の鎌倉時代にも、
借り物でない超越的なものの考え方が発達したけれど、理性による
話し合いという伝統を残しはしなかったのです。また、自然と祖先を崇拝する
日本固有の宗教である神道も、つねに曖昧で漠然としたままで、教義を
生み出すことはなかった。

////////////////// JICC出版局 ///



219 ◆nb6xNTgbGc :2006/01/10(火) 22:44:06

/// 夜明け前の暗闇 4 /////////////

 ものの考え方というのは、別の考えを採り入れたり、削ったりできるし、反駁を
受けたり、大きく変わったりするものであり − 批判精神をもって社会・政治秩序とは
距離をおいているものだが − 日本にはそうしたものの考え方が発達しなかったのです。
 他の社会では、この重要な視点が、既成の現実に挑戦あるいは反対するときに、
そのことに正当性を与えている。ローマ帝国に反抗して起こったキリスト教を考えても、
ヨーロッパの資本主義的秩序に反抗してドイツ思想から出現したマルクス主義を
考えても、そう言える。

////// カレル・ヴァン・ウォルフレン ///




220 ◆nb6xNTgbGc :2006/01/12(木) 22:13:59

/// 夜明け前の暗闇 5 /////////////

 超越的なものの考え方をその判断基準として受け入れない社会・政治秩序では、
社会は本来調和に向かうといった神話には勝てないものです。個人的な体験から
言うのですが、日本の社会を本気で批評すると、けしからん奴だと思われる。
罪人扱いされるのです。
 日本というのは自己崇拝の社会なのです。外部の基準や標準を基にその社会や
政治を評価したり判断したりできないとすれば、日本自体が全ての徳を体現した
存在であり、自らを評価する唯一の尺度であり、自らを判断する唯一の判断基準となる。
自分で自分を正当化する社会は、内側からは基本的に変化できない社会であり、
それは、変化に訴える正当な基盤がないからに他ならない、例えば、フランス国旗に
象徴される「自由、平等、友愛」のような、信奉や離反の対象となる物がないから
なのです。

////////////// What’sジャパン? ///



221 ◆nb6xNTgbGc :2006/01/14(土) 18:22:16

/// 夜明け前の暗闇 6 /////////////

 【インタビュアー】 オクタヴィオ・パスのような批評家は、この絶対的なものの
不在と柔軟性を、問題視せずに、むしろ「和の特性」と見なしている。この「和の
特性」のおかげで、日本は本来の文化を危機に陥れたり、西欧の例に見るような
社会変化を伴う革命的急転回をもたらしたりせずに、変化できると言っていますが。

 【ヴァン・ウォルフレン】 パスの出身文化であるラテン文化には、組織化された
反乱と革命の伝統がある。実体はないが意識の中に存在し、現存体制への決定的な
影響力として利用できる超越的次元の現実に訴える能力がなければ、そうした反乱や
革命は不可能でしょう。

/////////// 日本「再統一」の脅威 ///



222 ◆nb6xNTgbGc :2006/01/16(月) 23:50:54

/// 夜明け前の暗闇 7 /////////////

 【インタビュアー】 日本は状況しだいで変わる倫理観と集団的相対主義の
国であり、正当性について独自の定義をし、独自のルールで動いている
というあなたの説に、全体主義的共産主義社会に対する批判を思い浮かべて
しまいます。
 伝統的にものごとを相対主義でとらえる気質があるため、日本人はその
大義名分には歴史的な必然性があるとマルキスト的に思い込むだけで、
人権とか法規制といった倫理基準を受け入れなかった。

////////////////// JICC出版局 ///



223 ◆nb6xNTgbGc :2006/01/18(水) 22:11:32

/// 夜明け前の暗闇 8 /////////////

 【ヴァン・ウォルフレン】 実は、相対主義の倫理観とか絶対的価値の不在といった
考え方が初めて頭に浮かんだのは、『真昼の暗黒』の著者として最もよく知られている
アーサー・ケストラーの本を読んだ時でした。彼は、あらゆる状況に置いて、適用
される絶対的価値が存在してないことも、全体主義の決定的要因だと警告していた。
 ケストラーが取り組んだ主題は、私が追求している主題と本質的に似ている。
つまり、社会や精神の正しい秩序をいかにして見つけるかという問題で、これは、
言うまでもなく、最初にソクラテスが系統的に語ったものです。また、これは全人類の
関心事でもある。

////// カレル・ヴァン・ウォルフレン ///



224 ◆nb6xNTgbGc :2006/01/20(金) 22:45:09

/// 夜明け前の暗闇 9 /////////////

 もっとも、ソクラテスは日本の知的伝統の一環を担っているわけではない
のだから関係ない、と日本人に主張されると、西欧の知識人は引き下がって
しまう傾向があります。
 だが、私はそうは思わない。好ましい統治とは何かという問題はすべての
人の関心事だ。政治体制を批判するのにう何らかの普遍的な基準を持たな
ければ、好ましい統治が存在するかどうかを評価することはできません。

////////////// What’sジャパン? ///




225 ◆nb6xNTgbGc :2006/01/22(日) 19:31:12

/// 夜明け前の暗闇 10 /////////////

 当然のことながら、社会がよく統治されているかどうかという問題は、
「なぜ従うのか」という問題でもある。力の行使が時の権力によって危険視
されるのはなぜかということです。そして、従順の問題を提起するのは、
日本ではオフリミットの問題、つまり社会への順応と個人の自由な発達を
対比させて問題を提起することになります。
 と言っても、もちろん、日本と東欧の元・共産主義国家には大きな相違がある。
東欧諸国は外国の支配者に従順だった。日本は、支配者がいないので、
自らに従順なのです。

/////////// 日本「再統一」の脅威 ///



226 ◆nb6xNTgbGc :2006/01/24(火) 21:57:17

/// 夜明け前の暗闇 11 /////////////

 【インタビュアー】 それはどういうことですか。

 【ヴァン・ウォルフレン】 日本のパワー・エリート層は底辺が広く大きいので −
最終決断の下される場所がない、つまり責任の所在がない、そして中心に
責任ある権力をもたないという、先端のないピラミッド型であるため − 抑圧が
目立たないということです。事実上支配者は存在せず、あるのは全てを包含する
クモの巣のような<システム>だけだ。

////////////////// JICC出版局 ///




227 ◆nb6xNTgbGc :2006/01/26(木) 23:05:06

/// 夜明け前の暗闇 12 /////////////

 その<システム>の管理者も<システム>の従僕であり、したがって<システム>の
犠牲者です。徳川幕府や少数独裁の明治政府の管理者から受け継いだ自己欺瞞の
犠牲者だ − 自己欺瞞というのは、つまり、権力を行使していないふりをするとともに、
その権力を規制するための普遍的に受け入れられるルールの必要性を否定する
ことを指します。
 日本のパワー・エリートがはっきりしたリーダーシップを受け入れにくいのは、
この「ふりをする」ところに原因がある。そのリーダーシップを受け入れる代わりに、
<システム>の管理者は、相互援助によって広がる複雑な人脈を培ってきた。
彼らの主要な仕事は、その関係とルールを非公式なものに保ち、裁判所や法律が
社会の最高調整機関にならないようにすることだったのです。

////// カレル・ヴァン・ウォルフレン ///




228 ◆nb6xNTgbGc :2006/01/28(土) 19:48:36

/// 夜明け前の暗闇 13 /////////////

 パワー・エリートは自己防衛から、非公式な権力が<システム>を実際に
統治しているという現実を否定し、何もかも、日本「文化」独自のやり方だという
言い方をする。完全に組織化された社会というプロイセン的幻想と、社会の
無秩序に対する強烈な不安とが、彼らの動きを制限している。秩序を維持
するのに、最終的には、普遍的な妥当性をもつ法律その他のルールに
頼れないというのは事実であり、そうなれば、そうした幻想や不安が生じるのも
当然です。

//////////////// What’sジャパン? ///



229 ◆nb6xNTgbGc :2006/01/30(月) 22:09:28

/// 夜明け前の暗闇 14 /////////////

 政治体制は理にかなった議論、批判、真の政治論争にはふつうは敏感に
反応するものであり、たいていの欧米諸国の政治家や官僚や知識人は
その利点を享受しているのに、<システム>の管理者はそうではない。
実際、<システム>を支配下に置けないと認識して、多くの管理者が恐慌を
きたしています。

/////////// 日本「再統一」の脅威 ///



230 ◆nb6xNTgbGc :2006/02/01(水) 22:07:58

/// 夜明け前の暗闇 15 /////////////

 【インタビュアー】 そうした理由で、<システム>を変えられないということですか。

 【ヴァン・ウォルフレン】 <システム>を内側からは変えられない、と言っているのです。
<システム>という具体的現実以外には訴えるべき普遍的な妥当性がないので、
知識人からの有効な批判が不可能なのです。知識人は骨抜きにされている。
 変化を求める政治運動は中産階級からは発生しない。それは彼らが会社文化に
よって骨抜きにされているからだ。そして、サラリーマンは、精神的なエネルギーが
残っていても、政治活動をするとなれば、自分のキャリアを深刻に損なうことに
なるでしょう。

/////////////////// JICC出版局 ///



231 ◆nb6xNTgbGc :2006/02/03(金) 21:28:10

/// 夜明け前の暗闇 16 /////////////

 政府にしろ産業界にしろ、官僚体制がおのれの立場を有利にしようと巧みに
立ち回ることができるとはいえ、そのなかの一人の人間が、ほかの者たちを
拘束するような決定を下す指図をすることはありません。
 意味のある変化という観点に立つと、本質的には日本の政治体制は麻痺
している。日本は無限の経済発展という目的をもって、日々のペースではきわめて
順調に進んでいるが、国家の長期的な目標とか方向を決める能力はない。
第二次大戦で敗戦国になって以来、国家としてどのような目的と方向をもつべきか
について論争が行われてきていないのです。

////// カレル・ヴァン・ウォルフレン ///



232 ◆nb6xNTgbGc :2006/02/05(日) 19:46:10

/// 夜明け前の暗闇 17 /////////////

 【インタビュアー】 核となる権威、責任の中心がなければ、反抗するに
しても相手がいないということになりますね。

 【ヴァン・ウォルフレン】 これは、麻痺の原因を作っているきわめて重要な
条件です。日本の強圧政治はソフトである。社会を囲む壁の感触がないので、
それをよじ登ったり穴を開けて逃げ出す方法も思いつかない。日本はしとね
張りの小部屋みたいなものだ。壁はぶつかっても柔軟性は持っているが、
壁に閉じこめられていることに変わりはない。

////////////// What’sジャパン? ///


233 ◆nb6xNTgbGc :2006/02/07(火) 21:51:48

/// 夜明け前の暗闇 18 /////////////

 反抗する相手がなかなか見極めにくい。それに、結局は、批判精神をもっていても、
母親に、そして国家という血のつながった虚構の家族に反抗しているような気分に
追い込まれる。
 その極めつけが、法に則った反対はなじまないという儒教的な考えです。韓国や
中国やベトナムにもこの儒教の遺産は残っているが、彼らは伝統的に、政府
そのものによってだけでなく「天命」によっても正当化された強力な中央政府を
もっています。
 中国では、「天」はつねに皇帝を超越した存在と見なされている。「天」が皇帝の
上にあった。日本では、伝統的に天皇は神格化され、天皇が「天」なのです。

/////////// 日本「再統一」の脅威 ///



234 ◆nb6xNTgbGc :2006/02/09(木) 21:56:17

/// 夜明け前の暗闇 19 /////////////

 【インタビュアー】 全体主義的共産主義社会との比較に戻りますが、行動的な
市民社会 − つまり、自律的な競争集団を積極的に仲介する役割を果たす部分
− を発達させる必要が日本にはあると、あなたは指摘されているようです。
社会学者のラルフ・ダーレンドルフは、健全な市民社会から発生する創造的混沌が、
開放された社会を唯一保障するものであり − ひいては、自由を唯一保障する
ものだと言っていますが。

//////////////////// JICC出版局 ///



235 ◆nb6xNTgbGc :2006/02/11(土) 19:08:06

/// 夜明け前の暗闇 20 /////////////

 【ヴァン・ウォルフレン】 それは非常に重要な見方だと思います。日本が
輸出市場として異常なほど依存している世界と両立していくためには、問題は、
日本がその市場を開放することだけではなく、日本の政治体制の本質と
国際社会に占めるその位置とを真剣に理解しようとする政治論争が、
日本国内から持ち上がってくる必要があるということです。

 【インタビュアー】 日本の政治指導者の一部はそのことを理解していない
のではないでしょうか。中曽根康弘は、首相を務めていたころ、日本は門戸を
開放し、「世界の中にある」だけではなく「世界とともにある」べきだと説いています。

//////// カレル・ヴァン・ウォルフレン ///


236 ◆nb6xNTgbGc :2006/02/13(月) 22:03:22

/// 夜明け前の暗闇 21 /////////////

 【ヴァン・ウォルフレン】 いや、中曽根は、政治責任の中心を首相に
置かないかぎり、日本は国際社会でその国益を推進できないと理解していた
ナショナリストです。国際主義(インターナショナリズム)と世界主義
(コスモポリタニズム)を混同してはならない。
 もっとも、中曽根は民主主義者ではない。それどころか、統制のための
社会統制に深い関心を抱いていた。彼は、本質的には軍国主義かつ
日本主義の理想を支配体制にふたたび導入したがったのです。

////////////// What’sジャパン? ///


237 ◆nb6xNTgbGc :2006/02/15(水) 21:20:35

/// 夜明け前の暗闇 22 /////////////

 【インタビュアー】 なぜ統制のための統制をしようとするのですか。

 【ヴァン・ウォルフレン】 私が前に指摘したのと同じ理由です。日本が何より
恐れているのは無秩序だ − それも当然だが − それは日本が、法をはじめとする
普遍的に有効なルールを社会政治体制の最終的な調整役としているのでは
ないからです。つまり、日本は非公式な手段によってしか秩序を維持できない
ということです。社会では、閥をはじめとする利害関係者の集まりによって統制を
維持している。それに、数多くの非公式だが組織的な社会的圧力 − 穏やかな、
そして時にはさほど穏やかではない脅し、顔をたてる必要など − そういったものが
異常に強い。

/////////// 日本「再統一」の脅威 ///



238 ◆nb6xNTgbGc :2006/02/17(金) 21:09:41

/// 夜明け前の暗闇 23 /////////////

 経済体制は自由裁量的権力によって統制されるものです。日本は人類の
歴史で最も強固な社会統制ネットワークの一つを発達させてきた。われわれは
そのことを理解するべきです。
 最近の日米構造協議のように、たいていは外圧が加わって、公式な統制が
外されたとしても、その時にはすでに必ずや、その同じ分野で非公式な統制
システムが強化されてしまっている。そこで、一見変化したように見えるだけで、
実際には変化していないことになる。

////////////////// JICC出版局 ///



239 ◆nb6xNTgbGc :2006/02/19(日) 20:24:36

/// 夜明け前の暗闇 24 /////////////

 【インタビュアー】 高く評価されている日米構造協定は守られないと思いますか。

 【ヴァン・ウォルフレン】 守る守らないの問題ではありません。流通機構が
公式な統制を外しても、非公式な関係がいぜんとして統制しており、それが
通商交渉で約束された変化を骨抜きにし、結局は現状のままということになる。

 【インタビュアー】 この無秩序恐怖症は、日本の、世界に対するアプローチに
どのような影響を与えるのでしょうか。

////// カレル・ヴァン・ウォルフレン ///



240 ◆nb6xNTgbGc :2006/02/21(火) 21:18:48

/// 夜明け前の暗闇 25 /////////////

 【ヴァン・ウォルフレン】 日本人は外の世界を統制するのが苦手なので、外の
世界は彼らにとって常に脅威の存在なのです。気まぐれで、予測できず、危険だ
というわけだ。日本人は外の世界に対して恐怖感をもって育つ。外の世界が
日本をやっつけるのではないかという不安を持って育つのです。
 この脅威に対抗するために、日本は今世紀の初めに、経済拡張と軍事拡張の
どちらかが日本の安全を保障する最善の道かと論争した。軍国主義の活動家たちが
むりやり主張を通し、それが中国侵略に進み、そして結局は真珠湾攻撃に結びつく
一連の出来事を引き起こしたわけです。

////////////// What’sジャパン? ///



負け組は、おもちゃ売り場やお菓子売り場で泣きわめく子供と同じだな、或いは、小遣いアップをせ
がんで泣きわめく子供と同じ。全く聞分けが無い。国が親ということだ。

負け組は、そういったダダをこねる子供と同じメンタリティーなのだ。

ただ、負け組が子供と違うところは選挙権もあるし、下手に知識(糞知識だが)があるし、有る程度、
詭弁を使う技術も身につけている。

但し、負け組はダダをこねる子供より遥かに有害である。

なぜなら、ダダッ子は親におもちゃ・お菓子を買うカネや小遣いアップのためのカネが無いのなら、
親にカネを持ってる人から強盗をしろ!とは、普通は言わない。

しかし、負け組は勝ち組に対して課税を強化するような強盗行為を国に対して要求するのである。デ
タラメな法律をつくって合法的強盗を可能にしようとする。しかも、それを恥と思ってもいない。


こういった状態が日本の現状である。間違った考え方によって、日本が恥知らず国家になってしまっ
たことは残念なことである。
相続税を100%にせよ!

相続税を100%にせよ!

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243 ◆nb6xNTgbGc :2006/02/23(木) 22:52:53

/// 夜明け前の暗闇 26 /////////////

 一九四五年以降は、軍国主義者の選択は締め出され、一九三〇年代に満州への
経済進出を主張した(一九四〇年代にそれは実行されるのだが)「革新官僚」が
実権を取り戻し − アメリカの占領のおかげだが − 戦後の日本「経済の奇跡」を
推進してきた。戦後の大蔵省、通産省、日本銀行などの中心人物は − 一部の
有名な政治家とともに − この満州進出計画の体験者たちだったのです。
 皮肉なことに、アメリカの占領は、官僚主導による日本の経済拡張体制の
助産婦の役目を果たした。国家の代理をする大政府と大企業の関係について、
何よりもナチス・ドイツの例に誘発された考えを持つ経済官僚の存在を容認すること
によって、先例のない強力な「日本株式会社」を設立したのです。

/////////// 日本「再統一」の脅威 ///



244 ◆nb6xNTgbGc :2006/02/25(土) 20:19:52

/// 夜明け前の暗闇 27 /////////////

 【インタビュアー】 国内の無秩序に対する不安と外の世界の力に対する
強迫観念があるとして、西欧はどう反応すべきでしょうか。

 【ヴァン・ウォルフレン】 日本の労働者の生活の質の向上と、必要とされている
社会基盤の改善を犠牲にした飽くなき経済拡張は、日本の権力を握っている者たちが
強い不安感に突き動かされているかぎり続くものと思われます。そうだとすれば、
世界のほかの国が「日本問題」についてどのような解決策を採るにしても、底辺の
広い日本のパワー・エリートから、世界が彼らに反対しているという考えを取り除くような
プログラムを含めるべきです。冗談にせよ、日本叩きといった言葉を使ったり、
日本の政治体制を真剣に調べることを「アンチ日本」と解釈することによって、
日本人のあいだのこうした考えを刺激するのは、きわめて無責任なことです。

/////////////////// JICC出版局 ///



相続税を100%にせよ!

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246 ◆nb6xNTgbGc :2006/02/26(日) 18:40:07


////////////////// 1991年発行 ///

What’sジャパン?―日本「再統一」の脅威
著者/訳者名 : NPQ/編著 関元/訳 吉岡晶子/訳
出版社名 : JICC出版局 (ISBN:4-7966-0092-2)
発行年月 : 1991年03月 価格 : 1,101円(税込)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4796600922/qid=1136556354/sr=1-2/ref=sr_1_8_2/503-1877322-7889529

/// JICC出版局 ///////////////////

247金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2006/02/27(月) 21:08:02
自由だけじゃダメだね。
規制も大事だ。
248 ◆eliAxluGeQ :2006/03/05(日) 18:52:37

/// 早川書房発行 /////////////

 カレル・ヴァン・ウォルフレン(Karel Van Wolferen) (著)、篠原 勝 (翻訳)、
 「日本/権力構造の謎」 The Enigma of Japanese Power
 原著1989年発行、邦訳 早川書房1990年発行
 日本 権力構造の謎〈上〉 ハヤカワ文庫NF、840円(税込)、ISBN: 4150501777

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150501777/qid=1104753738/ref=sr_8_xs_ap_i1_xgl/250-1157004-2829055
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/40b9c78bede2b01032ee?aid=&bibid=01055138&volno=0000
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9940226551
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=18988933
http://books.rakuten.co.jp/RBOOKS/0000650744/

///////////// 絶賛発売中!///

249 ◆eliAxluGeQ :2006/03/05(日) 19:26:32

/// ジャパン・プロブレム 1 //////////////

カレル・ヴァン・ウォルフレン著、原著1989年発行
日本 権力構造の謎〈上〉 ハヤカワ文庫NF、篠原 勝 (翻訳)より

・・・・・
1章 "ジャパン・プロブレム"

 日本は世界を当惑させている。今や世界の大国になった日本。それにもかかわらず、
世界の大半が期待する大国にふさわしい態度をとらないばかりか、時として、国際社会の
一員になりたいと思っていないような印象さえ与えている。同時にまた、日本の強大な
経済力の存在は、欧米諸国や一部の近隣アジア諸国に不安を抱かせている。一方に
日本、もう一方にアメリカ・ヨーロッパを対置させた構図から見ると、その関係は今、
重大な局面にさしかかっている。一九八○年代の後半になって、日本は政治・貿易
パートナーとして、その責任を果たせないのではないか、と欧米諸国が疑念を抱きはじめた。
一方、日本では、官僚や著名な評論家が、日本は広範で国際的な悪意の犠牲に
されていると口をそろえて言いはじめた。日本の発言者はとかくに自分に都合の悪い分析は
"日本たたき"として簡単に片づけてしまう。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///

250金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2006/03/05(日) 19:29:11
ウヨをみんなで完全論破する。下品な軍国野郎を成敗するぞ!!!
http://tmp6.2ch.net/test/read.cgi/asia/1138272236/l50

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251 ◆eliAxluGeQ :2006/03/08(水) 20:56:56

/// ジャパン・プロブレム 2 //////////////

 この二〇年近く、欧米諸国は、日本については今しばらく忍耐をもって接するように
忠告されてきた。日本側でもいろいろな調整の必要性は自覚しているし、"国際化"を
大急ぎで進めているのだから、というわけである。たしかに、おびただしい数の
スピーチや新聞、雑誌に"国際化"のスローガンが登場し、"国際化"の必要性を
強調するPRがくり返し続けられた。それは日本の努力の裏付けのように見えた。
しかし、八○年代も終わりに近づいてくると、長年の約束である変革など起こらない
のではないか、そもそも変化が期待できると思わせた説明自体、実は間違っていた
のではないかという疑念が欧米諸国の間にしだいに広がりはじめた。

///////////////////// 原書1989年刊 ///


252 ◆eliAxluGeQ :2006/03/11(土) 19:03:00

/// ジャパン・プロブレム 3 //////////////

一方、欲求不満におちいった貿易
相手国、とくにアメリカから、批判や要求その他の圧力が増え、初めて報復措置が
発動される事態を招いた。それにつれ、日本側の官僚や評論家の対処の仕方が
変わってきた。それまでもう少し我慢して待ってほしいと友好的に訴えていた彼らの
弁は、しだいに反駁する気配をみせはじめた。アメリカはまず自国の問題を解決
すべきであるし、ヨーロッパ諸国は怠けぐせを退治し、みずからの"先進国病"の
実態に目を向けるべきだなどと、発言内容が攻撃的な調子に変わってきたのである。
日本、欧米とも、経済戦争だけは避けたいと強い決意を口にしてはいる。しかし、
一九八七年頃になって、両者は経済戦争の真ただ中にあると認める者が双方に
現われた。

///////////////////////// 早川書房 ///



253 ◆eliAxluGeQ :2006/03/13(月) 20:55:52

/// ジャパン・プロブレム 4 //////////////

 日本が諸外国に投げかける謎は、経済紛争に始まり、経済紛争に終わるわけではない。
しかし、経済問題がもっとも目につきやすいのは、日本と取引するほとんどの国で
経済が問題になっていると思われるからである。この経済紛争は総じて"日本問題"と
呼ばれるのだが、この"問題"は、毎年更新される日本の記録的な貿易黒字に要約
されるというのが、大方の見方である。日本の貿易黒字は、一九八四年は四四〇億ドル、
八五年に五六〇億ドル、八六年には九三〇億ドルと増え、八七年に日本円の対ドル
為替レートが二倍近く切り上げられてやっと、七六〇億ドルにやや減少した。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



254 ◆eliAxluGeQ :2006/03/15(水) 21:03:21

/// ジャパン・プロブレム 5 /////////////////

 だが、このような数字だけでは"日本問題"の本質は見えてこない。単に輸出超過
というだけでなく、日本は、国内市場で外国製品を冷遇しているから、ダプルパンチで、
欧米の産業を土台からおびやかす。日本の貿易のやり方を表現するのに、アメリカの
経営学者ピーター・ドラッカーは、"敵対的貿易"という造語をあてた。自国の輸出品
と同種の製品を輸入する(欧米型の)"競争的貿易"と区別するためである。たしかに
西ドイツも貿易黒字は巨額だが、アメリカと同じく競争的貿易をおこなっている。

/////////////////////// 840円(税込) ///



255 ◆eliAxluGeQ :2006/03/17(金) 20:59:40

/// ジャパン・プロブレム 6 /////////////

消費者向けエレクトロニクス製品やより専門的な産業の基礎製品になる半導体などの
分野を、ほとんど日本の企業にとって代わられてしまった欧米諸国は、そのうちに
"〈奪〉産業化"の事態に陥ってしまうのではないかと懸念しはじめたのである。日本の
企業は、どの分野であれ、ひとたび技術を手に入れてしまえば、あらゆる努力を結集して
競争に勝ち、最初にそのテクノロジーを発明、あるいは開発した本家に代わって
君臨する能力を持ち合わせているように思える。

//////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



256 ◆eliAxluGeQ :2006/03/19(日) 19:48:15

/// ジャパン・プロブレム 7 //////////////

 これまでは、貿易黒字だけに焦点をしぼって注目していた欧米諸国が、一九八八年
になって、徐々に疑念を抱きはじめた点がある。まだ一般には理解されてはいないが、
日本にさらになにか驚くべきことが起こって、それがまた国民すべてが血道をあげて
追い求める重要な国民的目標になりはしないかというのである。一九八七年一〇月、
ニューヨークとロンドンで株価が大暴落したが―東京の株式市場はそれほど影響を
受けたかったかに見受けられた―その数カ月後、日本企業の株価は、株価収益率
(PER)でみると新高値、欧米諸国の基準からいえば実に驚異的な高水準に達した。
東京のあちこちで、地価がたった一年間に二倍、三倍、時には四倍にも高騰した。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///


257金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2006/03/19(日) 20:00:54
WBCで負けた韓国人たちのリアクション↓
http://up.nm78.com/data/up063041.jpg
258 ◆eliAxluGeQ :2006/03/21(火) 18:06:15

/// ジャパン・プロブレム 8 //////////////

また、一九八六年頃から、突然、日本企業が海外の不動産に巨額の投資をしはじめ、
外国銀行や企業を買収しはじめた。日本企業が支払った金額は、しばしば市場価格を
上回るものだった。日本の動きを見守っていた欧米人のなかには、「日本は、西欧式の
ゲームの場に乗り込んでいって、しかも勝っている」どころか、そもそも最初から
「西欧式のゲーム」などやっていたかったのではないか、とおくればせながら気づく者が
現われはじめた。逆に欧米が日本のやり方にならって張り合っていては、現行の
世界貿易体制に急ブレーキがかかり、いずれ非共産圏の国際経済秩序は崩壊する、
と考えるようになった。

///////////////////// 原書1989年刊 ///



259 ◆eliAxluGeQ :2006/03/23(木) 21:43:31

/// ジャパン・プロブレム 9 //////////////

 欧米諸国にとっては、はた目には判然としない独自の目標に向かっていちずに
つき進んでいるかに見えるこの太平洋の島国は、ひかえめに言っても、なにやら
人騒がせな存在である。日本人が金を儲けたがるのは判るが、ひたすら海外の
マーケット・シェアを広げて市場を征服しているにもかかわらず、日本人の暮らしが
目にみえて良くなったり快適になったようでもない。都会の住宅は息づまるほど狭苦しく、
法外に高い。生活費も平均所得にてらして途方もなく高い。下水道普及率は日本の
全世帯の約三分の一にすぎない。通勤電車は極度な込みようだ。道路網の不備は
話にもならない。あれやこれや悪条件をかかえた社会基盤のもとで暮らす都市圏の
平均的な日本人の生活は、日本ほど豊かでないヨーロッパ諸国の大都市圏の
住民に比べ、快適さの面で劣っている。日本の政策決定者が目のつけどころを
変える必要があるのは明らかだ。

//////////////////////// 早川書房 ///



260 ◆eliAxluGeQ :2006/03/25(土) 18:47:39

/// ジャパン・プロブレム 10 //////////////

 これまでの歴史では、貿易や産業が栄えて経済的にめざましく発展した国では
芸術も栄えたものだが、今の日本の場合、そのような様子もまだ見られない。
偉大な音楽や文学、あるいは印象的な建築物でもよいが、人間生活の非物質面、
すなわち精神文化を高める香気が今日の日本から活発に立ちのぼっているとは
言えない。
 思慮深い日本人のなかには、決定的になにかが間違っていると考える人が
増えてきている。ナショナリスティックな文化人類学者である梅棹忠夫は、外国人と
つき合うのは「なかなかしんどくて厄介なこと」としながらも、日本は文化を外から
とり入れるだけで外に発しないブラック・ホールのような国だと嘆いている。また、
知識人として定評のある元通産審議官・天谷直弘は、彼の同邦人を評して
「ピーターパン症候群」にかかっており、「子供じみた夢の世界へ逃避する……
日本のビジネスマンや政治家は、こんどは世界がどのように手を差しのべてくれる
と思う?と互いにたずね合いながら、ピーターパンごっこを続けている」と断言する。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///


261金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2006/03/26(日) 11:45:59
恵まれない人々への資産の再配分こそ、
真の社会貢献といえよう

その意味で相続税は理にかなっている
262金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2006/03/26(日) 11:46:25
来るなら来いウヨども!! 徹底的に論破して叩いてやる!!

http://money4.2ch.net/test/read.cgi/seiji/1143192788/l50
来るなら来いウヨども!! 徹底的に論破して叩いてやる!!

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263 ◆eliAxluGeQ :2006/03/27(月) 21:52:46

/// ジャパン・プロブレム 11 //////////////

 一体なにが日本人をここまで駆り立てるのかという疑問は、このようにして
国際的な謎になった。より快適な生活をあきらめ、世界中を敵にまわしてまで
追い求める究極の目的は何なのか?
 通常、日本人には(集団のためという)強い共同体意識があって、それが動機に
なっていると説明されている。たしかに、日本は、純粋に集団志向のもとで生活が
可能だということを実証してみせているように見える。外国人の目に映るかぎり、
たいていの日本人が、日々の生活の中で共同体の利害を個人の欲望や利害より
優先させるという日本社会の要求を、おとなしく受け入れているように見える。
ところが、この顕著な集団志向は、実は、三〇〇年以上も前の為政者によって
作為的に社会に組み込まれた政治的所産なのである。そしてそれは今日でも、
本質的には政治的方便であることに変わりはなく、日本人はそれに従うかどうかを
選ぶことはほとんどあるいは、まったくできない。

/////////////////////// 840円(税込) ///



264 ◆eliAxluGeQ :2006/03/29(水) 22:43:55

/// ジャパン・プロブレム 12 //////////////

このような状況のもとで、一個人としての日本人は、自己の知的向上や精神的成長が
共同体の意思によって抑えられるのを、しかたがないこととして受け入れるしかない。
苦い薬を糖衣でくるむように、共同体の意向とおぼしきものはおおむね地位が上の者
から伝えられる。それは権力的な押しつけではなく、慈悲心から発せられたものであり、
すべてはユニークな日本文化の必然的結果という形をとる。
 だが、この説明だけでは、その政治的な統制力が一体どこから発せられているのか
という疑問の答えにはならない。日本の個人主義を組織的に抑圧する力は、過酷な
中央政権があって、そこから発しているわけではない。日本は、欧米の自由市場主義国家
とは大いに異なるが、それと同じくらい、東欧やアジアの集産主義的共産国家とも
違うのである。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///

265金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2006/03/29(水) 22:58:05
http://park6.wakwak.com/~webyama/CitizenWar/Records/WorldJudgment.htm
オランダ人=反日 これ、常識。

アラムシャ (元第3副首相)
「我々インドネシア人はオランダの鉄鎖を断ち切って独立すべく、350年間に亘り幾度か
屍山血河の闘争を試みたがオランダの狡知なスパイ網と強靱な武力と苛酷な法律によって
圧倒され壊滅されてしまった。それを日本軍が到来するや、たちまちにしてオランダの
鉄鎖を断ち切ってくれた。インドネシア人が歓喜雀躍し感謝感激したのは当然である。」
サンパス (元復員軍人省長官)
「特にインドネシアが感謝することは戦争が終わってから日本軍人約1000人が帰国せず、
インドネシア国軍と共にオランダと戦い、独立に貢献してくれたことである。日本の戦死者は
国軍墓地に祀り、功績を讃えて殊勲章を贈っているが、それだけですむものではない。」

例外的にこういう人もいますけど。
サンティン・アムステルダム市長(1994年内務大臣)
「本当に悪いのは侵略して権力を振るっていた西欧人の方です。日本は敗戦したが、その東亜の
解放は実現した。即ち日本軍は戦勝国の全てを東亜から追放して終わった。その結果、
アジア諸民族は各々独立を達成した。日本の功績は偉大であり、血を流して闘ったあなた方こそ
最高の功労者です。自分をさげすむことを止め、その誇りを取り戻すべきであります。」
(1985年日本側傷痍軍人会代表団がオランダを訪問した時、行われた市長主催の親善パーティの歓迎挨拶)
266 ◆eliAxluGeQ :2006/03/31(金) 23:22:31

/// ジャパン・プロブレム 13 //////////////

 日本についての当惑の多くは、欧米の知識人や関係当事者に日本への関心が
相対的に欠けていることが原因になっている。たしかに日本を訪れる西洋人は多く、
彼らがおおざっぱに世界状況を評価する際には、もちろん日本にも一言を費やす。
だがその多くは、あくまでも好奇心の域を出ず、世界の中で一つの役割を担って
機能している日本の姿が、明確にとらえられていない。とくにアメリカの場合、
対日関係が戦略的に世界でもっとも重要なことは疑う余地がないのに、そのあまりにも
一方的な無知さ加減には驚かされる。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///


267 ◆eliAxluGeQ :2006/04/02(日) 18:57:28

/// ジャパン・プロブレム 14 //////////////

日本側の政策、あるいはその無政策ぶりに関して、アメリカが欲求不満を募らせ
つづけているのは、太平洋時代というかけ声にもかかわらず、アジア最大の同盟国・
日本に関するワシントンの理解が嘆かわしいほど不適切なことに原因があることを
示している。事実、日本と直接に関わりのあるアメリカの役人が書いた公式発表文や
論文記事の行間から読み取れる日本の政治過程についての彼らの見方や思い込みは、
あまりにも間違いだらけのことが多いので、筆者のように、日米関係の深刻な悪化は
非共産圏内のだれにとっても得にならないと考える者は、寒気をおぼえてしまう。

/////////////////// 原書1989年刊 ///



268 ◆eliAxluGeQ :2006/04/04(火) 23:10:12

/// ジャパン・プロブレム 15 //////////////

 他国ではあまり見られない日本独特の権力行使のされ方や、この国の非独裁的な
集団第一主義や国をあげての前進志向の背景にある日本の諸制度の働きについて、
これまで一般の欧米人からはほとんど注意が払われないままだった。いわゆる
「ポスト(脱)工業化」社会とか「テクネトロニック(電子技術)」社会とか「ポスト(脱)
資本主義」社会とかへの政策転換を論じる際には、日本はヨーロッパやアメリカと
一まとめにされることが多い。しかし、日本という国が実際にどのように統治されて
いるかについては、無視されたままである。

//////////////////////// 早川書房 ///


269 ◆eliAxluGeQ :2006/04/06(木) 21:33:31

/// ジャパン・プロブレム 16 //////////////

 これは奇妙な状況である。日本は、欧米以外の国で、現代になって重要な国際的
役割を果たすようになった最初の国である。二〇世紀に入って間もなくロシアを
打ち負かし、アメリカに攻撃をしかけた唯一の国となった。その後は、世界第二の
経済力をもち、国民一人当たりの所得では世界でもっとも繁栄する経済を作り上げた。
その過程で多くの貿易相手国の産業を壊滅させたり、消滅の危機に追い込み、さらに
世界経済を左右する重要な金融力をもつ地位へと着着と進みつつある。さらにいえば、
他の二つの非西欧国、韓国と台湾というアジアの新興工業経済地域は、欧米ではなく、
日本をモデルとして工業化を進めた結果、重要な経済的存在になりえたのである。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



270 ◆eliAxluGeQ :2006/04/08(土) 20:20:06

/// ジャパン・プロブレム 17 //////////////

 日本ではどのようにして権力が行使され、ひるがえって、それが日本の国際関係を
どう規定するかについて、考察をおろそかにしてきたために、事態は危険な状況に
達しつつある。一九六〇年代以来日本は大いに賞賛されてきたが、かなり悪くも
言われてきた。そして一九八八年の時点で東京からの眺めは、反感が賞賛を凌駕した
感がある。日本と外国との接触はこれからも増えていくだろうが、このままでは、
(もしこれまでの経緯が参考にできるならば)問題はさらに増え、批判もなおいっそう
はげしくなるだろう。

/////////////////////// 840円(税込) ///


271 ◆eliAxluGeQ :2006/04/10(月) 21:50:03

/// ジャパン・プロブレム 18 //////////////

 そうなると欧米側はなんらかの対抗措置を講じるだろうが、それを日本人は敵意と
受け止めよう。そのような対抗措置は、日本の外国ぎらいという不合理な感情を
ふたたび呼び起こし、世界は日本のために席をあけたくないのが本音ではないか
という、昔ながらの疑念を強化することにもたりかねない。その結果、ナショナリズムが
強化され―実際、すでにその兆候が現われつつあるが―日本の政治は不安定となり、
予測不能の、そしておそらくだれにとっても望ましくない事態に発展しかねない。
このような現状のもとでは、日本の権力の本質や行使のされ方をもっとよく理解して
おくことは、決して単なる知的賛沢ではない。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



272 ◆eliAxluGeQ :2006/04/12(水) 20:47:07

/// ジャパン・プロブレム 19 //////////////

    混乱を引き起こすいくつかのフィクション

 国際的信頼関係を腐食させる一番の要因は、つまるところ、日本とその同盟国や
友好国とされている国との間の、いろいろなレベルで起こる意志伝達上の混乱だろう。
なにしろお互いの意見が違っていることを認めあうのすら不可能なのだ。一九七〇年代
初頭から表出しはじめた日本と欧米諸国および一部の近隣諸国との間に介在する
コミュニケーション・ギャップは、時とともにさらに広がる一方である。広く好意的に
信じ込まれていて、外国人の日本理解の視野を曇らせ、コミュニケーションを複雑化する
虚構がいくつかある。その中でも次に述べる二つが、日本理解をむずかしくする主な
要因になっている。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///


273 ◆eliAxluGeQ :2006/04/14(金) 20:54:36

/// ジャパン・プロブレム 20 //////////////

        責任ある中央政府というフィクション

 第一の虚構は、日本が、他国と同様の主権国家、つまり国策としてなにが最善かの
判断ができ、しかも決めた国策の責任を究極的に負える国政の中枢を持つ国家だと
されていることである。このフィクションは払いのけるのがきわめて難しい幻想である。
外交は責任ある決定のできる政府の存在を前提とする。したがって、日本政府も
他国の政府と同じように、必要に応じて政策を変えることによって外部世界に対処
できるという前提なしでは、外国政府は日本との外交交渉などとてもやっていけない。

///////////////////// 原書1989年刊 ///


274 ◆eliAxluGeQ :2006/04/16(日) 19:37:28

/// ジャパン・プロブレム 21 //////////////

 だが、相対的にいうと日本では政府は諸外国の政府ほど大きな責任を負う
ものではない―これがお互いのフラストレーションの根本的原因である―ということを
認識しないかぎり、これから先、日本との関係はさらに悪化してしまう。日本の政治の
ありようはヨーロッパとも南北アメリカとも、大部分の現代アジア諸国ともかなり違う
のである。日本では、何世紀にもわたり、権力を分け合う半自治的ないくつかの
グループの力のバランスをはかることによって、国政がおこなわれてきた。

///////////////////////// 早川書房 ///


275 ◆eliAxluGeQ :2006/04/18(火) 21:50:57

/// ジャパン・プロブレム 22 //////////////

今日もっとも力のあるグループは、一部の省庁の高官、政治派閥、それに官僚と
結びついた財界人の一群である。それに準ずるグループもたくさんあり、たとえば、
農協、警察、マスコミ、暴力団などである。これらすべてのグループは筆者が本書で
<システム>と呼ぶことになる権力構造の構成要素である。ここで<システム>という
用語を導入したのは「国家」という概念と区別するためである。個々のグループは
どれも、究極的な責任は負わない。これら半自律的な<システム>の各構成要素には、
国家の権威をおびやかしうる自由裁量権が与えられているが、それらすべてを
統率して牛耳るいかなる中央機関も存在しない。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///


276 ◆eliAxluGeQ :2006/04/20(木) 21:47:27

/// ジャパン・プロブレム 23 //////////////

 ここではっきりさせておかなければならないのは、こういった日本の状況は、
各種の利益団体からの政府攻撃や内部抗争のために政府が意思決定できない
というような、ほかの国の場合とはまったく異なるということである。つまり、ロビー
(院外団)の活動が政治を左右するという状況ではなく、これまでの政治理論の
どの類型にも当てはまらないひとつの構造的現象なのである。もちろん、この
<システム>にも、ヒエラルキー(階層構造)あるいは、互いに重なり合ういくつかの
ヒエラルキーの複合体がある。だが、頂点がない。いわば、先端のないピラミッド
だといえる。究極的な政策決定権をもつ最高機関が存在しないのである。したがって、
アメリカの元大統領ハリー・トルーマンがよくいった「最終的な決断はここでする」
ような責任の所在がないのである。日本では、最終責任をめぐって、どうどうめぐりが
続けられるだけなのである。

/////////////////////// 840円(税込) ///

277教育基本法改悪:2006/04/21(金) 19:04:48

伝統というと何でも良いものだと勘違いしている者が時々居るが、大きな間違いだ。
悪しき伝統、悪弊と言うものも有る。
天皇制は正にそれに当る。

天皇制が出来てからと言うもの、日本人は長い間、重税や徴用に苦しめられて来た。
自民党と公明党は教育基本法を改定して子供達に「伝統を重んずる国を愛する心」を押し付けようとしている。
伝統に固執した時、進歩は止まる。
インカやアステカの様になると言うことだ。
男尊女卑、封建的上下意識、天皇万歳、談合、天下り、癒着、町内会。
みんな伝統だ。
悪しき伝統、悪弊を断つ改革なくして、進歩は無い。
その進歩に必要な心を子供達から摘み取る積もりらしい。
278金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2006/04/21(金) 19:53:45
>>277
何を言っても通用しない箸にも棒にも掛からないバカが製造されるだろうね。
「伝統だ、天皇万歳、君が代、日の丸、男尊女卑、男はこうあるべき、女はこうあるべき」
行き着く先は民主主義の破壊だね。
伝統を突き詰めて行けば、日本には元々民主主義なんて無かったんだから、
民主主義が否定されるのは時間の問題だろう。
279 ◆eliAxluGeQ :2006/04/22(土) 22:12:27

/// ジャパン・プロブレム 24 //////////////

 日本は、世界の中の一国でありながら、国際社会の一員としての責任を果たさない
という印象を与えているとすれば、それは首相や他の権力者が政治の場で、ものごとの
決着をはかることができないためである。つまり、<システム>のいずれかの構成員
による重要な調整を要する通商事項やそのほかの案件などについては、首相も他の
権力者も、政治的公約を政策として実行する能力を欠いているからである。すでに
バランスがとれている国内勢力の土壌には、外国からの要望や要求を聞き入れる
余地がない。業を煮やした外国人たちが強硬手段に訴えてはじめて、しぶしぶなんらかの
検討がなされるが、時すでに遅しということが多い。日本は経済活動をさらに展開していく
ために、輸出市場として世界を必要とする。だが、公的な立場にある多くの日本人は、
伝統的な孤立のほうを好んでいるようにみえる。ややこしい国際政治に巻き込まず、
日本はそっとしておいてほしいというわけである。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///

280 ◆eliAxluGeQ :2006/04/24(月) 20:42:25

/// ジャパン・プロブレム 25 //////////////

        "自由市場"経済国日本というフィクション

 第二の虚構は、第二次世界大戦後まもなく欧米諸国が日本に対する態度を
決めるもとになったもので、日本経済が、いわゆる"資本主義的・自由市場"
経済の類型に属するというフィクションである。
 これまでいろいろと書かれてきたにもかかわらず、今なお、日本の経済形態を
きちんと定義するとなると、外国人も日本人も一様に頭をかかえてしまう。
日本の官僚はたいてい、自分たちが好んで標榜する日本経済の呼称と実態が
少し違うのではないかなどと言われると憤慨する。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



281 ◆eliAxluGeQ :2006/04/26(水) 21:46:44

/// ジャパン・プロブレム 26 //////////////

だが一方、日本のエコノミストたちが筆者に個人的に教えてくれたところでは、
日本について書いた欧米人に共通に見られる間違いは、市場の機能を過大視
しすぎるということだ。日本は実際には"自由市場"国クラブには属していないなどと、
欧米の経済学者、とくに伝統を重んじる新古典学派の学者に言おうものなら、
彼らは度胆を抜かれてしまうだろう。市場諸要因の自由な活動によって市場機能が
働くという、自由市場の原理にもとづかないで成功を収めている経済があるなどと
いうのは、彼らの多くにとっては邪説にも等しい。欧米の経済学者のほうでも、
普遍的とされている一連の経済理論に対して日本が事実で挑戦していることを
見て見ぬふりをしている一方で、日本の官僚はそういう状態にさせておくことが
好都合だとみている。

///////////////////// 原書1989年刊 ///


282 ◆eliAxluGeQ :2006/04/28(金) 21:10:19

/// ジャパン・プロブレム 27 //////////////

 明らかに、日本経済はソビエト型の中央統制経済ではない。だとすると、
それは日本の多くの評論家たちが言うように、他に類のない独自の類型
なのだろうか?韓国や台湾など、日本をモデルとし、異常なまでに強力な
日本と同種の推進力によって工業化した地域があるのを見ると、そうでも
ないようだ。これらの経験からしても、日本の"経済的奇跡"をあらためて
見直す必要がある。文化的・心理的な特質を取り去ってもなお、発展途上の
国々にとっては経済モデルになりえよう。

///////////////////////// 早川書房 ///



283 ◆eliAxluGeQ :2006/04/30(日) 19:38:08

/// ジャパン・プロブレム 28 //////////////

 日本、韓国、台湾の例を見ると、欧米型と共産主義型のほかに、
第三の政治経済類型が存在しうることになる。アメリカの政治学者
チャーマーズ・ジョンソソは、この類型の工業国をとくに「資本主義的
発展志向型国家(CDS)」と呼ぶことにした。これらCDSの力の秘密は、
官僚と産業界との協力体制にある。従来の政治・経済理論が
見過ごしてきたひとつの変形である。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



284 ◆eliAxluGeQ :2006/05/02(火) 21:48:08

/// ジャパン・プロブレム 29 //////////////

 ノーベル賞受賞の経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエクは、政府による経済への
介入に反対し、理論的な反論を雄弁に展開したが、中央の政策決定者は正しい
決定ができるほど社会・経済活動を細部まで十分に知り得ることは決してない、
というのが彼の論旨であった。この理論によれば、中央による計画経済は必ず
失敗することが運命づけられているはずである。もしこの説が正しいとすると、
日本や韓国、台湾など、製造業と商業に大いに関与するのを任務と考える政府を
持っている国が、国富と経済力を増大しえたのはどうしてだろう?

/////////////////////// 840円(税込) ///



285形式的民主国家:2006/05/03(水) 10:53:36

米軍が日本に駐留することはアメリカ自身の極東防衛の前線基地を確保出来ることで
米国にとって相当な利益があるにも拘わらず、在日米軍の再編成費用3兆円を日本からせびり取る積りらしい。
本来なら、基地使用料を米国が払っていてもおかしくない。
それでもそう言うことをしようとするのは、民主主義が未発達で未定着な
国を米国が負担までして守りたくないからだ。
本当は軽蔑しているからだ。

下っだらない天皇なんか信奉しているからそう言うことになるのだ。
世界中のどの国だって日本を本気で尊敬してる国なんてありャしない。
民主主義の発達を阻害している天皇制は日本の国益を著しく損ねている。
こう言うところで本音が見え隠れする訳だね。
286 ◆eliAxluGeQ :2006/05/04(木) 22:04:57

/// ジャパン・プロブレム 30 //////////////

 ハイエク説の指摘する障害を回避し、成功裡に事を運べた日本、韓国、台湾が
採った道は、これらの国の政治経済を理解するための鍵である。まず、これらの国の
政府は、私企業を政府のめざす目標の敵対者とは決して思ってこなかったことが
あげられる。私企業を原罪にも等しいと考える共産主義国の手法とは異なり、また
諸規制が企業家を制約するヨーロッパの福祉国家の社会主義的アプローチとも異なり、
CDS諸国では、私企業が大いに奨励され、政府の民間部門への取り組み方も異なる。
官僚は決して、非公営企業に対して完全な支配権を入手しようと試みない。官僚は、
実業家をアンテナとして利用しながら、国の経済を誘導していく。資本家が業務の
拡大を求めて試みる新規事業の実績を常時モニター(監視)していれば、官僚は
中央から遠く離れたところでなにが起こっているかをいながらにして把握できるのである。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



287 ◆eliAxluGeQ :2006/05/06(土) 22:25:36

/// ジャパン・プロブレム 31 //////////////

 官僚はいろいろな誤りを犯すが、しかし産業発展のために彼らが果たす官民の
統合による利益はその誤りを償って余りあるものである。将来性のある産業分野は、
国の財政金融政策によって投資が刺激されるから、経済は繁栄する。戦略的に重要だと
考えられる産業は大切に保護育成され、てごわい外国の競争から守られる。問題を
かかえた産業は一時的に保護されて、企業に体質改善や合理化・多角化などの機会が
与えられる一方、先が見えたと判断された産業はあっさり切り捨てられ、強制的に
再編成を促す政策がとられる。いいかえれば、これは産業政策と通商戦略とがしっかり
結びついた共同態勢なのである。自由競争市場原理はそれ自体が望ましい目標として
ではなく、産業拡大という大目的達成のためのいくつかの手段のひとつとみなされる。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



288 ◆eliAxluGeQ :2006/05/08(月) 21:22:59

/// ジャパン・プロブレム 32 //////////////

 日本は、一〇〇年ほど前、(国営企業主義の下で、多くの国営会社が崩壊寸前に
いたった後)官営事業の払下げ政策により国策会社から私的経営の手へと移行が
おこなわれた明治時代に、他国に先がけてCDSモデルをみずから創出した。日本は
さらに、一九三〇年代はじめから一九四五年にかけて、満州の産業開発を強行する
なかでこのモデルを実験した。戦後もう一度形を整えなおしたこの経済モデルは、
非共産主義のアジアの発展途上国の政治家やインテリの経済的指針として、
マルクス・レーニン主義理論の魅力をすっかり色あせたものにしてしまったが、
その本質は保護主義である。

///////////////////// 原書1989年刊 ///



289 ◆eliAxluGeQ :2006/05/10(水) 22:11:56

/// ジャパン・プロブレム 33 //////////////

日本は、過去に証明ずみのこの成果を享受しつづけようとすれば、保護主義を
続けなければならないのである。この時、残る問題は、産業が国内市場で
飽和状態に達し、しかも海外市場でも冷遇されるようになってからもなお、この
官僚と実業家のパートナーシップがこれまで通りの利益をもたらしつづけるか
どうかである。もう一つ残る問題は、日本問題が持ち上がったために特に
緊急性をおびてきたものなのだが、通商戦略を持たない国ぐにが、これら
凄まじい破壊力をもつ資本主義的発展志向型国家との熾烈な競争で身動きが
とれなくなっても、国際自由貿易制がシステムとして生き残れるかどうかと
いうことである。

///////////////////////// 早川書房 ///


290 ◆eliAxluGeQ :2006/05/12(金) 21:24:53

/// 早川書房 //////////////////

 カレル・ヴァン・ウォルフレン(Karel Van Wolferen) (著)、篠原 勝 (翻訳)、
 原著1989年発行、邦訳 早川書房1990年発行
 「日本/権力構造の謎」 The Enigma of Japanese Power
 日本 権力構造の謎〈上〉 ハヤカワ文庫NF、840円(税込)、ISBN: 4150501777

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9940226551
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=18988933
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150501777/qid=1104753738/ref=sr_8_xs_ap_i1_xgl/250-1157004-2829055
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/40b9c78bede2b01032ee?aid=&bibid=01055138&volno=0000
http://books.rakuten.co.jp/RBOOKS/0000650744/

///////////// 絶賛発売中!///


291 ◆eliAxluGeQ :2006/05/14(日) 20:58:24

/// ジャパン・プロブレム 34 //////////////

        自由に変えられる現実

 日本という国が、まだ定義すらはっきり確立していない新種の経済および
社会政治的類型を代表するかどうかは、多くの論争を呼んでいる。一九四五年
以降、日本は一貫して欧米諸国の同盟国と考えられ、資本主義自由市場国
クラブの正会員として扱われてきた。近年、貿易摩擦によって疑問が生じて
いるにもかかわらず、この点には変わりがない。日本からの説明は、この
論争に決着をつけるのに役立たない。自国の政治経済の本質について
本格的な理論化を試みる学者や評論家が、ほとんどいないからである。
高官は、誤解を解くことにもっとも興味がない人種である。理由はいうまでも
ないだろう。さらに、ジャーナリストや学者たちが、自国の社会を論じるのに
西欧製の社会や政治・経済の概念を日本用に誤って転用するので、物事を
あまり疑ってかからない観察者は十中八、九、日本で物事が実際にどう
運ばれるのかについて誤った理解をすることになる。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



292 ◆eliAxluGeQ :2006/05/17(水) 20:53:49

/// ジャパン・プロブレム 35 //////////////

 これらの虚構をそのままにしながら一方で自説を主張することは、日本の評論家や
公式スポークスマンにとって、少しも難しいことではない。というのは、日本の社会
でいう"現実"とは、客観的に観察した結果としての実際の事実というより、心情的な
イメージに合わせて構築された、そうあるべき"リアリティ"だからである。そして
いうまでもなく、望ましいと想定されるイメージは、その時その人の属するグループの
利益と一致することが多い。過去四世紀にわたり、日本人は社会的、政治的な
忠誠こそ至上の美徳だと教えられてきた。その結果、アメリカの文化人類学者
クリスティ・キーファーが言うように、真実が社会的に構成されるようになったのである。
これが外国人を最初に待ち受けている認識上の問題である。

/////////////////////// 840円(税込) ///



293 ◆eliAxluGeQ :2006/05/19(金) 22:56:30

/// ジャパン・プロブレム 36 //////////////

 西洋では、現実はそうやすやすと管理されたり、意のままに作り変えられたり、
相談で決められたりするものとは、考えられていない。つまり、こうあるべきだという
任意の考えによって左右されるものとは考えられていない。事実、西洋の哲学または
西洋の常識の基礎は、人間にはつきものの自己欺瞞をおさえるには、妄想や幻想を
入り込ませないようつねづねよく注意することだと教えている。ギリシャ文明以来、
西洋の知の発達の歴史を貫いてつねに強調されてきた戒めが一つあるとすれば、
それは、「矛盾を育むなかれ」ということである。この戒めは、論理、数学、科学の
根本法則である。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



294金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2006/05/19(金) 23:00:22
無茶苦茶な本ですね
295金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2006/05/19(金) 23:15:43
      ▼アメリカ大暴落祈願▼アメリカ大暴落祈願▼
      ▼アメリカ大暴落祈願▼アメリカ大暴落祈願▼
      ▼アメリカ大暴落祈願▼アメリカ大暴落祈願▼                          
      ▼アメリカ大暴落祈願▼アメリカ大暴落祈願▼                           
   ▼▼▼▼アメリカ大暴落祈願▼アメリカ大暴落祈願▼▼▼▼▼
    ▼▼▼アメリカ大暴落祈願▼アメリカ大暴落祈願▼▼▼▼
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売り方さんとノーポジさんは寝る前に貼るといいよー。みんなおやすみー。
                 
296 ◆eliAxluGeQ :2006/05/21(日) 20:10:23

/// ジャパン・プロブレム 37 //////////////

 多種多様なアジアの思想の伝統を受け継いできた人々は、多様で
相矛盾する真実があってもそれほど違和感を感じないかもしれない。
だが、はっきりしていることは、他のアジアを詳しく見ても、日本ほど
"リアリティの管理"がおこなわれている国はほかにないということである。
このことは政治的に重要な意味をもつ。支配的な地位にある日本人は、
他の日本人や外国人に"事実"や真意を説明するのに、観点をある
現実から別の現実へと実に機敏に変える。相手が理を尽くして主張
してくると、観点を枠組ごとがらりと変えて論じることで逆襲できるわけ
である。そして、そこで議論は行き詰まって終わりになる。日本では、
こうして巧みに論を操るのが、地位が上の者や強者の特権であり、
意見を通す常套手段になっている。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



297 ◆eliAxluGeQ :2006/05/24(水) 21:53:57

/// ジャパン・プロブレム 38 //////////////

 ところが国際的なやりとりにおいては、この戦術は、論理的に話を進めようとする
西洋人を時として憤慨させる。そして、日本人と議論をするのは不可能、という結論
にもなってしまう。だから、外国人が日本人と話し合う場合には、彼らがひじょうに
巧みにありもしないことを引き合いに出して言いくるめる論法を使うということを、
充分に承知しておかなければならない。だが時には、たとえばヨーロッパ製のスキーの
日本への輸出をはばむことになる新たな規制を説明するのに、日本の雪は西欧の
雪とは雪質が違うと主張したケースのように、その論法があまりにも荒唐無稽で、
外交交渉には役立たないこともある。もっとも、西欧側の貿易パートナーのほうが
詭弁をくり返し、国際交渉で窮地に追い込まれた日本の役人が、四苦八苦はしたものの
なんとか切り抜けたという例も山ほどある。いや実際、そんな実例を記した本や
報告書を集めれば、ちょっとした図書館ができるほどだ。

///////////////////// 原書1989年刊 ///



298 ◆eliAxluGeQ :2006/05/26(金) 22:22:37

/// ジャパン・プロブレム 39 //////////////

 日本では、現実に対するとらえ方が柔軟すぎて、それは他の社会で
許される、辻棲の合わない弁解や身勝手な方便の許容限度をはるかに
越えている。たとえば、欧米諸国のビジネスマンや政府代表が契約や
法律、国際協定などに訴えると、日本側から、日本の社会は冷厳な法より
むしろそのつど、その場に応じた温かい人間的な感情によって導かれて
いると説明される。それではと次の機会に、日本の官僚に、法律を
持ち出さずに伝統的な方法で貿易問題について話をつけてもらえないか
と訴えると、そんなことはできない、日本は法治国家であり、民主主義の
国だということを理解してもらわないと、と言われるのがオチである。
こうして、一方では日本の社会は血の通わないルールに拘泥せず
人間的で柔軟性があると言い、また一方では、あくまでも法律通りに
しなくてはいけないと言う、相反する論が大いなる確信をもって堂々と
述べられる。それでも、日本人が、公平な立場でこの矛盾を指摘する
ことは、めったにない。

///////////////////////// 早川書房 ///



299教育基本法改悪 :2006/05/26(金) 22:41:36

伝統というと何でも良いものだと勘違いしている者が時々居るが、大きな間違いだ。
悪しき伝統、悪弊と言うものも有る。
天皇制は正にそれに当る。

天皇制が出来てからと言うもの、日本人は長い間、重税や徴用に苦しめられて来た。
自民党と公明党は教育基本法を改定して子供達に「伝統を重んずる国を愛する心」を押し付けようとしている。
伝統に固執した時、進歩は止まる。
インカやアステカの様になると言うことだ。
男尊女卑、封建的上下意識、天皇万歳、談合、天下り、癒着、町内会。
みんな伝統だ。
悪しき伝統、悪弊を断つ改革なくして、進歩は無い。
その進歩に必要な心を子供達から摘み取る積もりらしい。

国の行く末は子供達がどんな教育をされたかによって決まる。
間違った教育を受けた場合、もう、自力では元へ戻すことが出来なくなるのだ。
それが教育の恐ろしいところだ。
またバカをやって外国の軍隊に進駐してもらって正してもらうしかないだろう。
まぁそれまで、国民は散々苦しむだろうな。
300 ◆eliAxluGeQ :2006/05/31(水) 21:43:54

/// ジャパン・プロブレム 40 //////////////

        公的行動を決定する要因

 矛盾を容認するこの態度は、結局、日本の社会政治的な現状を決める
もっとも決定的な要因、つまり、何世紀にもわたる政治的な抑圧によって
日本人の知的生活の中に組み込まれてしまった特徴と切っても切れない
関係にある。どのような状況にも普遍的に通用する真理や法則、基本概念や
倫理がありうるという考え方が、日本にはほとんど存在しない。これには、
日本に長く滞在した西洋人もアジア人もないていびっくりする。また日本の
思想家のなかにも、つまるところ、このことが日本人の公的行動を決定する
要因になっていると見る者がいる。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



301 ◆eliAxluGeQ :2006/06/04(日) 18:19:45

/// ジャパン・プロブレム 41 //////////////

 社会的な身分職業や権力者たちの要求といった俗世界リアリティを超えたところに、
独立の普遍的心理、不変の宗扱的信条があるという概念は、もちろん日本にも入って
きたのだが、現在の世界観の中には根づかなかった。政治的な取り決めや社会的な
慣習は、もともと自然や祖先崇拝を基調にして矛盾やあいまいさを許容する宗教である
神道が司ってきた。この日本固有の宗教―ただしこれを、一九世紀後半から一九四五年
まで大日本帝国の思想的な支柱として利用された「国家神道」と混同してはならない―
には、哲学的あるいは道徳的な教理の展開がまったくない。その後に哲学的・道徳的な
教義が中国から移入された時も、これらの教義が日本古来の社会・政治的な定めや
前提に取ってかわることはなかった。それどころかむしろ、これら中国の思想によって、
時の権力者を支える既存の現世的な信仰体制がさらに強化されたのである。

/////////////////////// 840円(税込) ///



302 ◆eliAxluGeQ :2006/06/07(水) 21:43:31

/// ジャパン・プロブレム 42 //////////////

 儒教および仏教の本来の教えに含まれていた、社会・政治上の方便と
しての現実を超越した思想・概念は、日本の支配エリートにとってつねに
歓迎されざる思想でありつづけた。キリスト教そして後にマルクス主義
によっても、日本人の思想の世界にこの超越概念が導入されかけたが、
結局どちらも、禁止されるか教義の本質に妥協的な折衷が強いられた
のである。日本はつねに新しい宗教をきわめて寛大に迎え入れてきた
というのが定説になっているが、そう言えるのは、その新しい宗教や
教理体系が既存の政治体制を脅かすことがたいとみなされた場合だけ
である。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



303 ◆eliAxluGeQ :2006/06/10(土) 18:52:24

/// ジャパン・プロブレム 43 //////////////

 超越的な真理を認めない政治的文化の本質を西欧人が理解するには、
なみはずれた知的努力がいる。この努力は、本格的な日本研究においてさえ、
ほとんどなされていないのが実情である。西欧の知的・倫理的な伝統は、
普遍的に通用する何らかの信念があるという前提に深く根ざしているので、
このような前提を欠く文化がありうるとは、とても考えおよばない。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



304 ◆eliAxluGeQ :2006/06/13(火) 21:20:11

/// ジャパン・プロブレム 44 //////////////

西欧では子どもを教育するのに、人間の欲望や気まぐれな考えとは
関係のないところに宇宙を支配する究極的な論理があるという前提を、
それとなく教えこむのが、暗黙のうちに了解されている一般的な慣行
である。この大前提は、大人になってもたえず確認されつづけるので、
欧米人は当然、先進文明社会のすべてにこの普遍的な真理という
概念が発達しているものと思い込む。だから、それが存在しない場合
にはどうなるかなどとは、あらためて考えてみようという気にすら
ならないのである。

///////////////////// 原書1989年刊 ///




305 ◆eliAxluGeQ :2006/06/16(金) 22:49:41

/// ジャパン・プロブレム 45 //////////////

 たしかに日本人には普遍的な倫理規範はないが、その代わり、個別に
それぞれに応じた倫理規範があるとか、日本人には普遍的な価値観がなく
個別の価値観を持っているとかいうことは、日本についての文献によく
書かれている。だが、多くの場合、もっと表層的な事象を取り扱う今日の
社会科学上の特徴と混同されていて、日本人の行動を解明する手掛かり
として、一貫して活用されてはいない。ほとんどの著者が、日本人はおかれた
状況に合わせてたえず自分の考えや信念の調整をおこなうと一応は書くが、
このことの重要性についてはまったく気づかないかのように、さっさと次の
トピックに移ってしまう。

/////////////////////////// 早川書房 ///

306 ◆eliAxluGeQ :2006/06/19(月) 21:03:05

/// ジャパン・プロブレム 46 //////////////

        名ばかりの"相互理解"

 "信念"が社会・政治的状況によって変わり、"リアリティ"も操作できる
ものであるとすれば、多種多様な虚構を維持するのはかなり容易になる。
このような虚構によってもたらされる国際的な言語表現上の混乱は、
日本の評論家や官僚が"理解"という言葉を口にする時の特別な意味づけ
によって、さらに複雑になる。"相互理解"をさらに深めることが急務である、
という表現が熱意をもって強調されることが多い。

///////////////////////// 早川書房 ///



307 ◆eliAxluGeQ :2006/06/22(木) 21:49:08

/// ジャパン・プロブレム 47 //////////////

ところが、たとえば日本語で「わかってください」というのは、「私の
言っていることが客観的に正しいかどうかはともかく、当方の言うことを
受け入れてください」という意味の「ご理解ください」なのである。つまり
そこには、どうしても容認してほしい、あるいは我慢してほしいという
意味が込められている。したがって、このように使われる場合の
日本語の"理解"は、同意するという意味になる。だから"理解"の
真の意味は、その人や物事を変えるだけの力が自分にないかぎり、
そのままで受け入れるということである。もし自分に力があれば、
相手のほうがこちらの出した希望をある程度のんで、"理解"を示すこと
になる。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



308金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2006/06/24(土) 01:33:38
相続税はもっと累進的にかけ、
金持ちは一代限りで終わらせなければならない。

私腹を壊さないと、資本主義は駄目になってしまう。

政府は取った遺産を法人で所有させるか、所得再配分にするか、
新規ベンチャーへの資本として有効に生かせばいい。

生まれがどこでも競争が出来る社会にするのが好ましい。

生 活 苦 で 自 殺 し て い っ た 無 数 の 霊 魂 が

そ の う ち 優 雅 に 暮 ら す 金 持 ち を 呪 う の で は な い か

も の を 祖 末 に し て は い け ま せ ん

こ こ ろ を 祖 末 に し て は い け ま せ ん

お 金 を 祖 末 に し て は い け ま せ ん

相 続 贈 与 税 は 生 活 困 窮 者 救 済 の 財 源 に す べ き だ
309 ◆eliAxluGeQ :2006/06/25(日) 20:12:53

/// ジャパン・プロブレム 48 //////////////

というわけで、"相互理解"というのは実際には、外国人は日本のスポークスマンが
述べる日本に関する説明をそのままの形で受け入れなければならないという
意味になる。したがって、日本側のいろいろな説明にもかかわらず、日本の
貿易のやり方に抗議しつづける外国人は、不断の理解の潅さを示していると
見られる。もはや「外国人の……無知と……よくある美しき誤解をいいことに、
われわれが安逸をむさぼりつづけられる」時代ではない、とある英字新聞の
編集者が警告したことからもわかるように、日本人自身は、この"理解"という
ことばが政治的に使われる場合の意味をよく知っているのだ。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///




310 ◆eliAxluGeQ :2006/06/28(水) 23:00:58

/// ジャパン・プロブレム 49 //////////////

        バッファーと宣伝マン

 "日本問題"のうちで、コミュニケーション・ギャップという側面をさらに複雑
にしているものに、二つの重要な事象がある。一つは、日本は"バッファー
(緩衝役)"を使うということ。もう一つは、大規模な日本の宣伝活動である。
 ここでいう"バッファー"とは、外国人との接触をできるだけ円滑にするため、
その役を任された人物のことである。その人物はまさしく日本独特の存在で、
官庁においても会社においてもすぐにそれとわかる。日本に駐在する外交官や
ビジネスマンが日本側と交渉する場合、英語が話せて国際的であるとされている
彼ら緩衝役の仲介を通して話が進められる。予想もつかない外の世界が
自国の政府や会社に与えかねないショックを、彼ら緩衝役が和らげてくれる
ことになっている。

/////////////////////// 840円(税込) ///

311 ◆eliAxluGeQ :2006/07/01(土) 21:56:38

/// ジャパン・プロブレム 50 //////////////

 バッファーたちは、多くの場合、びっくりするほど率直で、外国人がかかえる
いろいろな困難をよく理解してくれるので、希望をかなえてくれるかどうかは
ともかく、少なくとも彼らが代表している官庁や会社は外国人の問題を検討
するだけの思慮分別があるという印象を与える。
 日本にはスーパー級のバッファーが何人かいて、たえず世界中を飛び回り、
紛争解決役をつとめ、あるいは国際会議で日本の事情を説明している。大来
佐武郎や故牛場信彦などスーパー級バッファーの何人かは対外経済担当大臣に
任命されたが、かえってそのために問題が複雑になった。というのは、肩書は
大臣なのに、なにごとにおいても彼らには決定権がなかったので、本格的な
交渉ができなかったのである。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///


312 ◆eliAxluGeQ :2006/07/04(火) 22:24:08

/// ジャパン・プロブレム 51 //////////////

 外国の通商代表と話し合う時には、より大物の大臣や経済団体の
リーダー、時には首相自身が、バッファーの役目を務めることがある。
交渉に来た外国の代表は、今回はしかるべき実権を持つ人物と
本格的に話し合えたので、すぐにも有効な処置を講じてくれそうだとの
印象をもって帰国するが、それがとんでもない思い違いだったと後で
気づかされることになる。日本には、それだけの広大な実権をもった
人間は存在しない。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///




313 ◆eliAxluGeQ :2006/07/07(金) 21:45:23

/// ジャパン・プロブレム 52 //////////////

 こうした緩衝役と重なりあうように存在しているのは、実業界、政界、
官界で地位に比例した階層構造を構成する情報提供役のグループで、
彼らは訪日する外国の高官やジャーナリストとたえず会って質問に答える。
日本の外部世界は、普通考えられているよりはるかに少数の人の
説明を通して、日本のことを知らされているのだ。外国から来て、これら
情報提供者という役割を担った"たしかな情報筋"に出会った者は、
往々にして、きわめておもしろい個人的な意見を聞かせてもらった
という印象をもつ。

///////////////////// 原書1989年刊 ///



314 ◆eliAxluGeQ :2006/07/10(月) 21:22:28

/// ジャパン・プロブレム 53 //////////////

だが、たいていの人が気づかないのは、その時点での緊急事項であれ、
日本の特徴とか役割とかに関するもっと一般的なテーマであれ、彼ら
情報提供役の口から出るのは、その時々に流布している新味もなければ
大した意味もない決まり文句で、彼らがいつも追従している"公式リアリティ"
の受け売りにすぎないということである。

///////////////////////// 早川書房 ///



315 ◆eliAxluGeQ :2006/07/13(木) 22:58:25

/// ジャパン・プロブレム 54 //////////////

 日本のスポークスマンは全員、まったく同じメッセージを録音した
エンドレス・テープを、プロンプターがわりに使っているらしい。
人によって多少の違いはあっても、メッセージの本質は同じである。
新聞あるいは官庁、経済団体や助成金で運営されている"民間"機関が
配布するおびただしい数の説明文書に目を通し、時流におくれない
ようにさえしていれば、どんなことを言うか、細かい点にまでおよそ
予想がつく。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///


316金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2006/07/13(木) 23:19:31
郵政民営化に続け 公務員リストラ総選挙!
317 ◆eliAxluGeQ :2006/07/17(月) 22:53:00

/// ジャパン・プロブレム 55 //////////////

 このような見えすいた主張に個人的な意見が反映されていると
信じるようでは、もっと高い位置にある日本のスポークスマンの
知的能力を十分に評価していないことになる。彼らの本音の個人的な
意見は非常におもしろいことが多く、表向きの公式見解と大幅に
くい違うこともありえる。ところが、このような意見を聴くためには、
長期にわたる個人的なつき合いと、大量の酒とが必要になる。
あるいはめったにないことだが、公式の決まり文句を信じる相手
ではないと彼らのほうで気づけば、本音がきける。

///////////////////////// 早川書房 ///




318 ◆eliAxluGeQ :2006/07/20(木) 22:14:37

/// ジャパン・プロブレム 56 //////////////

 慣行として定着している情報提供役の、聞かなくても予想がつくような
意見にも、政府の政策や官僚あるいは実業界の姿勢などへの批判が
いくらか含まれていることがある。だが実質的にはいつも、<システム>の
主要グループの基本的な主張の後押しをしているだけである。いわく、
日本は自由市場制経済の複数政党制による民主主義の国である。
いわく、市場開放は順調に進んでいる、個人主義をもっと発達させるべきだ、
ほとんどの日本人がもっと国際人になる必要を感じはじめている。

/////////////////////// 840円(税込) ///




319 ◆eliAxluGeQ :2006/07/23(日) 18:02:45

/// ジャパン・プロブレム 57 //////////////

いわく、外国人は努力が足りたいから競争に勝てない、日本との
摩擦は主に外国の誤解によって生じる、などなど。
 日本のバッファーと情報提供役の活動は、そうとは気づかせない、
一体化した宣伝努力である。それというのも、この二つともが、はた目には、
世界に日本を"説明"するための誠意ある努力だと映るからである。
しかも、多くの情報提供役たち自身これらの説明を信じているのだから、
これほど説得力のある宣伝はない。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



320 ◆eliAxluGeQ :2006/07/26(水) 22:57:55

/// ジャパン・プロブレム 58 //////////////

        増殖する詫び入れ稼業

 外国人も、<システム>に好意的な意見を流布するうえで重要な役割を
果たしている。日本の金の力によって、海外での日本批判のかなりの部分が
勢いをそがれてきた。ワシントンでのロビー活動費の公式記録によると、
一九八○年代のなかば以降に、日本ほど多額の資金を使った国はこれまで
類がない。日本政府および民間企業は、その立場を守るため、トップクラスの
弁護士とアメリカ政府官僚のOBを雇っている。日本をテーマにした欧米の
学者の学術調査研究の大きな部分が、日本政府や企業・団体の資金で
賄われている。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///


321 ◆eliAxluGeQ :2006/07/29(土) 22:28:54

/// ジャパン・プロブレム 59 //////////////

学術資金援助には何も条件はついていないから、学者も評論家たちも
客観性を保てると思うのは、その金の出所が日本であるかぎり、幻想
というしかない。日本で仕事をするビジネスマンや学者にとって、しかるべき
人物や諸機関とのコネは重要である。したがって彼らは、日本に対して
真に批判的な立場をとれば相手にしてもらえなくなることを、身につまされて
知っている。金とコネの必要性、それに素朴な政治的な無知が相まって、
日本関係の専門家の多くが、程度の差こそあれ知らず知らずのうちに、
日本の弁護者になっている。マスコミに発表される彼らの公式発言や
コメントが、なによりの証拠だといえるだろう。

///////////////////// 原書1989年刊 ///



322 ◆eliAxluGeQ :2006/08/01(火) 22:18:36

/// ジャパン・プロブレム 60 /////////////

 本格的な、あるいはそう目されているスペシャリストの多くが、日本を
弁護することによって日々の生活の糧を得ている。彼らは、"相互理解"を
深めるために企画され、宣伝もゆきとどいたセミナーやパネル・
ディスカッションや会議で、日本について大いに述べたてる。外国の
大企業の日本駐在代表や外国人コンサルタントも、日本で営業活動を
つづけるためには、<システム>の一部になるしかない。したがって、
彼らは<システム>から疎外される危険を冒してまで、批判的な分析を
公に発言することはできない。したがって、情載提供者としては信頼
できない。

//////////////////////// 早川書房 ///



323 ◆eliAxluGeQ :2006/08/04(金) 22:14:46

/// ジャパン・プロブレム 61 //////////////

 新聞や雑誌のお定まりの便法、つまり一本の記事に両当事者の話が
入っているべきだとする報道姿勢は、意図的であれ、あるいはそうでなくても、
結果的に日本の宣伝に一役買っている。そして、成果は目を見はるばかり
である―日本の保護政策がもう二〇年以上にもわたって組織的に展開されて
きたにもかかわらず、筆者がこれを書いている時点でもなお、アメリカ政府
およびアメリカの評論家の多くは、二国間の問題は自由貿易市場の
自律的な調整機能によって究極的に解決されると考えている。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



324 ◆eliAxluGeQ :2006/08/06(日) 20:47:31

/// 早川書房 //////////////////

 カレル・ヴァン・ウォルフレン(Karel Van Wolferen) (著)、篠原 勝 (翻訳)、
 原著1989年発行、邦訳 早川書房1990年発行
 「日本/権力構造の謎」 The Enigma of Japanese Power
 日本 権力構造の謎〈上〉 ハヤカワ文庫NF、840円(税込)、ISBN: 4150501777

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9940226551
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=18988933
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150501777/qid=1104753738/ref=sr_8_xs_ap_i1_xgl/250-1157004-2829055
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/40b9c78bede2b01032ee?aid=&bibid=01055138&volno=0000
http://books.rakuten.co.jp/RBOOKS/0000650744/

///////////// 絶賛発売中!///



325 ◆eliAxluGeQ :2006/08/08(火) 21:10:34

/// ジャパン・プロブレム 62 //////////////

        "不可思議"という煙幕

 日本を"理解"させること自体が、いくつかの<システム>の構成グループの
出資による重要な輸出産業になってしまった。だが、多くの日本人、とくに
外国に向かって日本の利益を代表しなければならない人は、自分たちが
本当に理解されてしまうと考えると、不安になるのである。日本人であることには
固有の精神的な元がある、そして、それはその基本的性質によって外国人には
不可能だという考えは、日本人の自尊心の重要な要素であり、それゆえに
広く日本人の間で信じ込まれている。

///////////////////// 原書1989年刊 ///



326 ◆eliAxluGeQ :2006/08/11(金) 23:06:12

/// ジャパン・プロブレム 63 //////////////

 日本のある全国紙の編集幹部が話してくれたことがある。彼によれば、
外国人の発言は、どんなにひどい批判でも、ほとんどすべて自分の新聞に
(競争紙も同じである)印刷できる。というのは、編集者も読者も、外国人には
彼らが発言している問題の微妙な本質はとうてい分かるはずがないという
信念をもって、みずからを慰めることができるからだ。つまり、外国人による
対日酷評をよむ読者は、ほんとうに深刻た結論は引き出さぬまま、表面的で
自虐的なスリルだげを味わって楽しむそうだ。

///////////////////////// 早川書房 ///



327金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2006/08/12(土) 13:41:14
文芸春秋編集長

「相続税はもっと累進的にかけ、
金持ちは一代限りで終わらせなければならない。

私腹を壊さないと、資本主義は駄目になってしまう。

政府は取った遺産を法人で所有させるか、所得再配分にするか、
新規ベンチャーへの資本として有効に生かせばいい。

生まれがどこでも競争が出来る社会にするのが好ましい。」

文芸春秋編集長

「相続税はもっと累進的にかけ、
金持ちは一代限りで終わらせなければならない。

私腹を壊さないと、資本主義は駄目になってしまう。

政府は取った遺産を法人で所有させるか、所得再配分にするか、
新規ベンチャーへの資本として有効に生かせばいい。

生まれがどこでも競争が出来る社会にするのが好ましい。」
328 ◆eliAxluGeQ :2006/08/14(月) 21:25:03

/// ジャパン・プロブレム 64 ////////////////

 日本人のあいだでは、自分たちの文化はユニークだということが、ほとんど
信仰のようになっている。それも、すべての文化はユニークである、という
意味でのユニークさではなく、いわくいいがたいユニークさ、究極的に他の
文化とは異なる、ほんとうにユニークなユニークさである。それは日本人の
ユニークな感受性の源であり、そのために外国人がそれに言及しては
いけないということはないにせよ、理詰めに追求されることからは守られて
いるというものである。外の世界と比較する場面が生じるたびに、日本人は
学校でも会社でも、報道メディアや役人のスピーチを通して、日本という国は
特別なのだと言い聞かされる。

/////////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///


329金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2006/08/15(火) 00:54:55
文藝春秋編集長

「相続税はもっと累進的にかけ、
金持ちは一代限りで終わらせなければならない。

私腹を壊さないと、資本主義は駄目になってしまう。

政府は取った遺産を法人で所有させるか、所得再配分にするか、
新規ベンチャーへの資本として有効に生かせばいい。

生まれがどこでも競争が出来る社会にするのが好ましい。」
330金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2006/08/15(火) 10:20:11
にんげんクラブミーティングを終えて一夜明けると自分の中で咀嚼しきれなかったものというのが色々でてきた。
スピリチュアルな、意識の話になるとやっぱりアホなんだろうか、にぶいのかよく分かってない。
唯物主義にどっぷり浸ってしまっていたからかそちらの感性が人様よりにぶいようだというのはよく分かるのだが(笑)、
意識は意思力、生まれ変わりはDNAの情報というふうに勝手に曲解してしまっている。

ただ、今回の世界覇権構造についての話と合わせると言いたい事もなんとなく分かった気がした。
レジュメを見ると精神病者は230万人、ニート64万人、フリーター213万人、自殺者3万人、不登校14万人とある、
バブル崩壊以降こんなに息苦しい世の中になってしまったのはシークレットガヴァメントの意思に合わせればよく分かる。
先日のイラク占領も、今後中国への覇権も、そして先年(あるいは近著かWebででも紹介していたが)

船井幸雄がロックフェラー一族から国連への手紙を紹介していた内容通り
(近々世界は無政府状態に陥るが一部のエリート層からなる国を超えた統一政府が生まれるような内容だった)
の絶対管理主義へ向かっているからだ(実際ディビットはワンワールドという言葉を使っている)。
いずれにしても金の支配力が強すぎる。人間性を失ってまでこの代価というのは必要なものなのだろうかと思うのだ。
こんなアホな仕組みのせいで追い詰められ自殺した経営者は死んでも死にきれないだろう。
人が地球のガン細胞にならないためにはこの枠組みにはまるか、それとも正しい心をもって生きていくかだろう。

船井幸雄が紹介しているエネルギー、農業の新しい技術は未来は悲観的じゃないことを教えてくれる。
長命となる健康の秘訣もある。意識の力というのもおぼろげながらわかってきた。
薄皮一枚でもあすなろの気持ちは持っていたい。


戦争に駆り出されたら、ロックフェラーセンターへ突撃すると宣言した大和魂をもつ日本男児がいた!。
http://rengoukantai.cocolog-nifty.com/blog/2006/07/post_7cd0.html#comments
『時の権力者によって語られた歴史.......はどれも最大の疑念を持って見なければならない』歴史家 マイケル・スタンフォード
育児板【独りで】虐待をやめたいと思う人 5【悩むな】
http://life7.2ch.net/test/read.cgi/baby/1151998845/

21 名前:名無しの心子知らず[sage] 投稿日:2006/07/06(木) 17:15:49 ID:C9eIZrXF
さっき、オムツ替えてる時に吐いたりしたからイライラが一気に爆発してかなり強くお尻と太ももの後ろ側を叩きました
ベビは物凄く泣いて真っ赤になって声が擦れて出にくいのに、泣きまくっています。
それに、またイライラして頬を力任せにつねりました。ベビは泣きまずにずっといます。

28 名前:可愛い奥様[sage] 投稿日:2006/07/06(木) 19:26:34 ID:ZMKP+FEy
毎日一緒にいると疲れてイライラしてひどい罵声とともに叩いてしまう。
外では優しいいいお母さんのところに生まれて幸せだね、何て息子に声をかけてくれる人がたくさんいる。
でもそれは外だけ、私は鬼母です。最近は息子はおびえています。さっきも頬が真っ赤になるまで叩いてしまった。

32 すぐカンシャクを起こし、ごはんを食べない一歳二ヶ月の赤を怒鳴りながらビンタしてしまいました。

61 赤のほっぺをつねってバタバタもがきながら泣いてる姿を見たら楽しくてスカッとした。
お尻もつねって青く腫れた。腫れた赤のお尻をまた指で弾く。
ギャン泣き通り越してひきつけ起こすかってくらい絶叫泣き。このまま、ひきつけ起こしてほしいよ。

78 赤は、叩いたりつねったりしたり眠らせなかったのでひきつけ?みたいな(過呼吸みたいなの)を起こし、
唇が紫っぽくなり顔が青白くなったので一時預かってもらえました。今は赤と離れてホッとしています。

149 夜旦那が仕事でいない間気持ちのコントロール出来ないで子供を蹴ったり殴ったりしてしまいます。

276 まだ産まれて12日目なのにイライラして叩いてスッキリしてしまった。あたしは心の病気?それとも育児疲れ?

既婚女性板【心の】旦那には絶対言えない過去【奥に】
http://human5.2ch.net/test/read.cgi/ms/1154259322/
・援、風呂、整形、堕胎。言ってない   ・経験人数40人以上
・中学の頃円光・整形・家出・乱交やりまくり・風俗・家庭内暴力  他多数
332 ◆eliAxluGeQ :2006/08/17(木) 20:48:09

/// ジャパン・プロブレム 65 //////////////

 日本はまったく摩詞不思議な国だという考え―それが安易にユニーク
だという考えに転換されるのだが―を、西洋の知識人が抱きはじめたのは、
もう何世紀も前のことだ。日本がまだ「世界の裏側」にあったころ、マルコ・
ポー口は皇帝の宮殿の金無垢の屋根を想像しながら、ジパング(彼は、
日本をそう呼んだ)を神秘的で天の楽園のようなところだと描いた。英国の
作家ジョナサン・スイフトは、ガリバーが帰途につく前の最後の訪問先として、
ラグナグ国についで日本に立ち寄らせている。

/////////////////////// 840円(税込) ///



333金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2006/08/17(木) 23:00:42
>>329
共産主義者乙
マッカーサーが連れてきたニューディーラーの正体

日本の戦後は、アメリカの政界の最も悪質な部分である「ニューディーラー」にたちによってつくられた。
彼らニューディーラーたちは、1930年代のアメリカのリベラル勢力である。彼らの代表がフランクリン・ルーズベルト大統領であった。
この一部が敗戦直後にマッカーサー元師の取り巻きとして日本にも上陸した。
この者たちによって私たち日本人は、敗戦直後から現在までずっと管理・教育されてきた。この事を英文で書くと次のようになる。
The‘New Dealers'(i.e the prototypical globalists)brought int japan with their ideeas that brainwashed the japanese people
during the Occupation years.As a result,japan has led a sheltered existence for the past half-century from the rest of
the world in terms of prevailing political thoughts,thus creating a one- domineted ruling class. This ruling class then
intentionally isolated the country from the outside, in order to maintain control over the japanese people.
上の英文の訳
ニューディーラー(すなわち、グローバリストの初期の形態)が、占領時代に日本に彼らの思想を植えつけた。
その後、それらの意図的な思想が、日本国民の思考の中に根づいた。だから日本は、この半世紀の間ずっと、
世界中で通用している本物の政治思想や考え方から壁を作られて遮られてきた。
そして国内に専制的なひとつの支配階級をつくった。この支配層は日本国内の支配を維持するために、
日本を外側世界と意思が通じない状態に置く原因をつくった。
この英文を、自分の友人や知人のアメリカ人やイギリス人その他の英語圏国民に見せてみとよい。
政治問題に関心のある少し知的な英米人であれば、必ずそれなりの興味深い反応を示すだろう。
もし、本当に頭の良い賢明なアメリカ人であったら、「どうして、お前は、このことを知っているのだ?」
と驚かれたあとに、さらに多くの恐るべき真実をあれこれ語ってくれるだろう。
引用は副島隆彦「日本の危機の本質」P33〜34
335 ◆eliAxluGeQ :2006/08/20(日) 20:38:11

/// ジャパン・プロブレム 66 //////////////

近代において初めて日本の状況を詳しく分析した西洋人、ラフカディオ・ハーンは、
前世紀末に「外に現われている日本人の生活のその下に、何があるのかを
捉えて理解することの途方もない難しさ」を書いている。ハーンは、「日本の
内と外を、歴史的にまた社会的に、心理的にまた倫理的に描き出す作品は、
少なくとも今後五〇年間は現われないであろう」と思った。そして一九四六年、
ルース・ベネディクトが、日本の総括的な評価をはじめて試み、賞賛すべき
労作『菊と刀』を発表した。その中で、彼女は「日本はアメリカが総力をあげて
戦ったもっとも異質な敵国」であり、「過去の大戦争でも、これほど極端に
異なった考え方と行動に配慮する必要はなかった」と書いている。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



336 ◆eliAxluGeQ :2006/08/23(水) 22:49:07

/// ジャパン・プロブレム 67 //////////////

 ラフカディオ・ハーンとルース・ベネディクトにこれほど強い言葉をはかせた
同じ事柄が、今日の日本についての議論に烈しさを加えている。西欧人は、
今なお日本ではなにもかもがあべこべだというハーンと同じ発見をし、興奮
している。さらにまた、日本は文化的に世界からまったく切り離された、
本質的に他所とは異なる、一つのまとまった国だとするルース・ベネディクトの
解釈に、多くの真剣な観察者は依然として惹かれている。しかし、このことを
地理的孤立のせいにできる時代は、すでに過ぎ去った。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



337金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2006/08/24(木) 20:15:52

日本経済新聞は信用できるか  東谷 暁
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4569639127/503-7846486-2039950?v=glance&n=465392

経済議論を形成するうえで最大の影響力を振るってきた日本経済新聞の論調を検証。
「バブル」「日本的経営」「グローバル・スタンダード」「成果主義」「IT革命」
「構造改革」「中国経済」等について、“日本最大の経済メディア”が何を報じ、
そしていま、どのような論を展開しているかを克明に分析する。


カスタマーレビュー

過去の記事、データベースを丁寧に参照しながら、日経の「節操のなさ」、
「煽り体質」を丁寧に検証していきます。


分析・評論・予測・はたまたキャンペーン結構である。
しかし、それに対して日経が言い放しであることが問題なのである。
全く持って、経済紙といい経済学者といい、反省する気があるのかといいたいほど、
彼らは言い放しである。
自己検証という言葉を知らないのかと言いたくなるほどである。

338 ◆eliAxluGeQ :2006/08/26(土) 21:02:20

/// ジャパン・プロブレム 68 //////////////

一九六二年、筆者はその年日本に入国した外国人二〇万二一八一人の
うちの一人であった。その年に外国に向けて旅立った日本人は、わずか
一四万五七四九人。二五年後、ほぼ六五〇万の日本人が海外に行き、
二〇〇万人以上の外交人が日本に来た。こうして、国際的な往来が
大いに増えたにもかかわらず、特殊で微妙な雰囲気を持つ外つ国という
昔のイメージが今も大いに残っている。日本は、いまなおロマンチックな
想いの対象なのだ。礼儀正しさ、勤勉さをはじめ、この種の徳目が
自国では少なくなったと嘆く一部の西欧人にとっては、日本はユートピア
のような国である。

///////////////////// 原書1989年刊 ///




339 ◆eliAxluGeQ :2006/08/29(火) 22:26:16

/// ジャパン・プロブレム 69 //////////////

 われわれはよく、とくに学術論文の中で、日本をあまり特殊扱いしないよう
にと警告される。たしかに、日本人も人間であることを強調し、彼らも人間
としての基本的な特性を共有していると述べるのは結構なことである。日本を
もっと全面的に世界に組み入れたいという知的欲望は、賞賛にあたいする。
だが、この使命遂行への熱意のあまり、一部の西欧人は、類似性を不当な
までにあげつらい、いかに懸命に試みても西欧の経験律には当てはめようがない
日本の習慣や制度を、結局無視してしまう。

///////////////////////// 早川書房 ///



340 ◆eliAxluGeQ :2006/09/02(土) 01:05:47

/// ジャパン・プロブレム 70 //////////////

 ある国民を他国民と比較研究しようとする際に直面するのは、"相似点"と
"相違点"のどちらに重きをおくかという、長年つきまとってきた選択の問題
である。日本を考察する場合にも、このことが事情に詳しい評者たちの間で、
見方に大きな食い違いを生じさせてきた。世界のどこにでも見られる人間の
重要な習慣や行動で、日本人にはまったく見られないというものはない。
逆に、他の国ぐにでも、日本にある習慣や制度に相応する事柄が認められる。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



341 ◆eliAxluGeQ :2006/09/04(月) 23:26:19

/// ジャパン・プロブレム 71 //////////////

ところが日本の場合について述べる時には、しばしば「ずっと多く」とか
「はるかに少なく」という副詞を加えなくてはならなくなる。そして、その
程度の差、組合せの要素の違いを積み重ねていってある点に達すると、
そこから先は別種の問題に変質してしまう。いくつかの権カグループの
野望と気まぐれに左右される社会・政治的構造に支配されている
状況下では、特にそうである。

/////////////////////// 840円(税込) ///



342 ◆eliAxluGeQ :2006/09/07(木) 22:09:26

/// ジャパン・プロブレム 72 //////////////

        岐路に立ちつづける日本

 過去四半世紀以上にわたって、数えきれないほどの新聞記事、雑誌の特集、
そして学術的な論文で言われつづけてきたのは、日本は岐路に立っている
ということである。なにか差し迫った変化のきざしはないかと、これほどたえず
ジャーナリストや学者から注目されてきた国はおそらくほかにはないだろう。
どこの社会でも起こりそうなありきたりの変化ではなく、もっと根本的で、
日本人の日本人観が変わり、ひいては国全体の世界に対する態度が
変わるような変化がいつ起きるのか、と期待されてきたのである。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



343 ◆eliAxluGeQ :2006/09/10(日) 19:49:00

/// ジャパン・プロブレム 73 //////////////

 岐路に立つ日本をテーマにしたたいていの報告が暗に示唆しているのは、
日本は変わらなければならないという考えである。そのような報告の中では
日本が世界の他の国ぐにとは違っていても、それは一時的、例外的なものだと
見なされることが多い。一九六〇年代には、日本の若者が影響力を発揮できる
地位に達すれば、彼らが状況を変えると広く信じられていた。また当時、
労働者の要求は、社会・政治的構造に劇的な変化をもたらすはずであった。
一九七〇年代には、企業が海外に派遣した多くの駐在員が帰国すれば、
彼らがすぐにも日本を"国際化"すると考えられていた。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



344 ◆eliAxluGeQ :2006/09/13(水) 20:23:35

/// ジャパン・プロブレム 74 //////////////

また、多くの人びとがより良い生活を切望する風潮が一般化したので、
日本人の生活目標の優先順位が変わり、努力の対象も変わってくるとも
考えられた。次にはやりだしたのが、日本の金融市場の"国際化"や、
その他の止まることを知らない経済発展によって、日本は世界の期待に
合わせて、国際社会全体の利益のために、もっと関心を寄せ、イニシアチブを
とらざるをえなくなる、という考え方であった。一九八七年には、国民大衆は
変化を求めているとの想定からの圧力と、官僚のビジネスマンに対する
管理力が失われたことが相まって、日本の政治経済は従来よりもっと
明らかな形で市場経済の働きによって動くという形に変身しはじめたという
考えが広く行きわたった。

///////////////////// 原書1989年刊 ///


345 ◆eliAxluGeQ :2006/09/16(土) 21:38:01

/// ジャパン・プロブレム 75 //////////////

 さて今日、日本は二五年前と同じ岐路に立たされたままである。国内から
生じるはずの社会変化に助けられて、しかしつねに欧米人によって描かれた
方向に向かってのものではあるが、日本人は世界に対する新しい道を
選ぶことを期待されているのである。どの国であっても、これほど長く居心地の
悪い岐路で待たされつづけるべきではない。このような日本岐路説になによりも
明確に表われているのは、非西欧諸国の制度や構造がとりうる形態についての、
近視眼的な西洋の既成概念である。欧米諸国の多くの観察者が必然だと
考えた方向への進行は、とても起こりそうもないのである。

///////////////////////// 早川書房 ///



346 ◆eliAxluGeQ :2006/09/19(火) 21:49:51

/// ジャパン・プロブレム 76 //////////////

 一九七〇年代末のある時期しばらく、日本の役人が、変革があるとすれば
西側諸国においてであろうと主張して、論駁しはじめたことがあった。政府の
刊行物は、次のように具体的に述べて論点を明らかにした。もし先進工業社会が
産業をさらに発展させるための合理的なコースを進みたいと望むならば、
「日本式の社会的・経済的経営管理が、すべての先進工業社会において
普遍的に活用されよう」

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///


347 ◆eliAxluGeQ :2006/09/22(金) 21:29:46

/// ジャパン・プロブレム 77 //////////////

 ほぼこのころから、日本的な慣行を採用すれば利益があがるのではないか
という考えが、ヨーロッパでもアメリカでも広がりはじめた。もっともなことである。
日本を訪れた人は、日本には暴力犯罪が存在しないも同然であり、産業の
障害になる労働紛争もなく、石油危機その他の難局もどこよりもうまく切り抜け
られるらしい経済システムがあるのを知ると、西欧も現在の日本のような社会を
目標にすべきではないかという考えが生じてくる。

/////////////////////// 840円(税込) ///



348 ◆eliAxluGeQ :2006/09/26(火) 22:53:49

/// ジャパン・プロブレム 78 //////////////

しかし、この"日本から学べ"論は、うわべのよさに目がくらみ、日本と
西欧とのいくつかの決定的な違いを見落としている。<システム>の一部を
適用しても、日本式のあとの大部分とセットでなければうまく行かない。
だが、日本式<システム>を全部こみで引き受けることの代償を西欧の国が
負担することは不可能だ。西欧の慣行を日本方式の方向へ変革しよう
という試みは、社会的、知的な自由というものに価値をおくかぎり、
想像も及ばない状況をつくりだしてしまうことになる。

////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///

349 ◆eliAxluGeQ :2006/09/29(金) 22:50:56

/// ジャパン・プロブレム 79 //////////////

 日本岐路説がなくならないということが、日本の相違点が強調される
基本的理由なのである。欧米諸国の冷静な分析家の多くが、大規模な変化を
期待しつづけている。「『日本株式会社』は、そのようなものが過去にあった
としても、いまや解体しつつある」と主張するのは、高い評価を得ている経済紙
エイジアン・ウォール・ストリート・ジャーナルである。日本の"国際化"の
スローガンが額面どおりに受け取られているのである。民間企業に対する
さまざまな形での政府の行政指導のウエートは過去に比べて顕著に
低くなっている、というのが一九八○年代の日本の公式路線である。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



350 ◆eliAxluGeQ :2006/10/03(火) 23:00:29

/// ジャパン・プロブレム 80 //////////////

この主張にはきまって、現行の関税規制では日本は世界一自由な市場だ
ということを示す統計データが添えられているが、実際には、日本は
西欧型自由市場経済の類型には移行していない。日本では、紙の上の
事実はしばしば実際とは違っていて、しかもその違い方は西欧の場合より
顕著である。日本の役人は、表立たない徴妙なやり方で規制する方法を
考え出したり、規制に椀曲な呼び名をつけて耳あたりをよくすることに
かけては、ひじょうに創意工夫にたけている。外国政府やコラムニストたちは
機械的に、日本は新しい選択と新たな責任感をもつように迫られていることを
自覚していると決めこんで、日本に大きな変化を期待しつづける。

///////////////////// 原書1989年刊 ///



351 ◆eliAxluGeQ :2006/10/06(金) 21:12:07

/// ジャパン・プロブレム 81 //////////////

だが、現時点では予想できない激変でも起こらないかぎり、日本の制度や
機関がより円滑に外の世界とかみ合うようになるとはとても考えられない。
なぜなら、そのような激変が起これば、日本<システム>の根幹である
官僚と実業界とのパートナーシップが壊されることになるからである。
 日本岐路説からはこの辺でもう脱却したほうがよい理由がもう一つある。
期待された変化が実際に起こらなければ、欲求不満を募らせる。それは
結局、日本非難がさらに強まる結果になる。

///////////////////////// 早川書房 ///



352 ◆eliAxluGeQ :2006/10/09(月) 22:35:22

/// ジャパン・プロブレム 82 //////////////

 さて、岐路説を捨てると、残るのは、ラフカディオ・ハーンやルース・
ベネディクトの言う、日本文化の特異性という議論である。だが、この
接近法では、その主張そのものからして、より広範で普遍的な理解を
得られる人類の経験律の領域という枠組の中で日本を論ずることは
できない。また現実的に考えて、政府や各国のビジネス界が日本と
実務のレベルで妥協を見いだして共存の道をさぐる上で、なんの役にも
立たない。
 しかし、この概念的迷路から抜け出す方法はある。文化的な面から
説明しようとする通常の接近方法ではなく、日本ではどのように権力が
行使されるかを問いただしていけば、"日本問題"の神秘性もしだいに薄れ、
多くの疑問も解けるはずだ。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



353 ◆eliAxluGeQ :2006/10/12(木) 21:40:33

/// ジャパン・プロブレム 83 ////////////////

    見逃されてきた権力の役割

 人間社会の事柄を研究する方法は、社会的側面、文化的側面、経済的側面、
政治的側面のどれを強調するかによって、一般に四つのアプローチがある。
しかし、問題がどの側面に属するかは、一部の学者が設けた一区分に収まりきる
ことではない。さらにいえぼ、社会的生活、文化的生活、経済的生活、政治的
生活は、互いに関連し合っているから、どれもがあるていど他の三つを組み
入れている。したがって、人間社会の事柄はこれら四つの区分のどの名前でも
扱える。どれか一つのアプローチを選ぶのは、その側面を強調するためである。
 日本の評論家も日本を研究する外国の学者もともに好むのは、これまでの
ところ、たいてい文化的側面から見るか社会的側面から見るか、あるいは
よくあるように、その両方を一つに合わせた視点を用いる方法である。

/////////////////////// 840円(税込) ///


354金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2006/10/12(木) 23:03:06
【  構 造 改 革 は 虐 殺 だ !  】
http://p2.chbox.jp/read.php?host=money3.2ch.net&bbs=eco&key=1034500613&ls=all

      ,,、,、、,,,';i;'i,}、,、
       ヾ、'i,';||i !} 'i, ゛〃
        ゛、';|i,!  'i i"i,       、__人_从_人__/し、_人_入
         `、||i |i i l|,      、_)
          ',||i }i | ;,〃,,     _) イヤ〜ッハ!構 造 改 革 は 虐 殺 だ !!
          .}.|||| | ! l-'~、ミ    `)          
         ,<.}||| il/,‐'liヾ;;ミ   '´⌒V^'^Y⌒V^V⌒W^Y⌒
        .{/゛'、}|||//  .i| };;;ミ
        Y,;-経団連  .i|,];;彡
        iil|||||liill||||||||li!=H;;;ミミ
        {  く;ァソ  '';;,;'' ゛};;彡ミ
         ゛i [`'''~ヾ. ''~ ||^!,彡ミ   _,,__
          ゛i }~~ } ';;:;li, ゛iミミミ=三=-;;;;;;;;;''
,,,,-‐‐''''''} ̄~フハ,“二゛´ ,;/;;'_,;,7''~~,-''::;;;;;;;;;;;;;'',,=''
 ;;;;;;;;''''/_  / | | `ー-‐'´_,,,-',,r'~`ヽ';;:;;;;;;;, '';;;-'''
355 ◆eliAxluGeQ :2006/10/15(日) 20:50:27

/// ジャパン・プロブレム 84 //////////////

        日本文化の政治的起源

 日本の政治は文化によって規定されるものとして描かれることが、現在でも
多い(とくに日本の公式スポークスマンは熱心にそう説く)。非マルクス主義の
立場をとる評論家は、必ずといってもいいほど、彼らの生まれた日本という
世界は、過去何代もの人の好みが総集されてできた産物だ、と当然のことの
ように言う。日本の政治および歴史に関する書物のはとんどは、歴史の
それぞれの段階において支配される側の人びとの生活の枠組を決める
手段をもった権力者が存在した、という印象を与えない。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///


356 ◆eliAxluGeQ :2006/10/18(水) 21:24:55

/// ジャパン・プロブレム 85 ///////////////////

日本の社会的・政治的生活を、すべてを包含する新しい視野でとらえようと
する三人の著名な学者の最近の著作『文明としてのイエ社会』(村上泰亮、
公文俊平、佐藤誠三郎著)では、あたかも日本では権力の行使などまったく
なかったように、すべてが見事なまでに、文化的要因に還元されている。
もし、支配的な社会・文化的特異性が、政治的決定に起因していて、
それ以外の影響から切り離して見ることができる国があるとすれば、
それは日本なのである。だから、文化へのこのような単純還元は、
いっそう驚くべきである。

//////////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



357 ◆eliAxluGeQ :2006/10/21(土) 21:53:43

/// ジャパン・プロブレム 86 //////////////

 もし筆者が生まれ育ったオランダの基本的な特徴を説明するとなれば、政治的な
決定要因を経済生活、宗教生活、そして一般的な社会生活の発展過程の中に
見出せるが、必ずしも政治を強調するアプローチは取らないであろう。オランダは、
ギリシャ思想とヘブライの思想、ローマ法、そして強力な影響力をもつキリスト教
からなるヨーロッパの伝統を受け継いでいる。ちょうど日本が儒教と仏教と道教
とからなる大陸アジアの伝統を受け継いで共有しているのと同じである。しかし、
当時オランダの支配階級だった貴族は、キリスト教の教理やローマの法思想の
中から自分たちになじむものだけを選んで、勝手にオランダの文化に組み入れたり
する立場にはなかった。また、ヨーロッパの絶対君主にしても、自分たちの
気にいらない思想が国境をこえて入って来るのを排除するだけの力を持たなかった。

///////////////////// 原書1989年刊 ///


358 ◆eliAxluGeQ :2006/10/25(水) 22:46:19

/// ジャパン・プロブレム 87 //////////////

 ヨーロッパのどの国についても、説明したいと思う事柄がなんであれ、
その起源や原因をつきとめるのに使える手がかりはいろいろある。
別の似た例をあげるなら、インドがある。中国文化にしてももっとも
重要な事柄の原点を探るには、何から先に見ていけばよいのだろう。
国家だろうか、それとも、その国家に正統性を与えた哲学だろうか?

///////////////////////// 早川書房 ///



359 ◆eliAxluGeQ :2006/10/29(日) 00:04:27

/// ジャパン・プロブレム 88 //////////////

 日本については、この"ニワトリと卵"式の問いは、あまりあてはまらない。
歴史をさかのぼってゆくと、明らかに政治的方策が日本の文化の発展を決定する
主な要因であったことがわかる。日本が相対的にいつも孤立していたのは、
そのほうが、権力維持をはかるエリートが、外国の文化の流入や衝撃を容易に
コントロールできたからだ。権力者はまた、外の世界にあるさまざまなもののうちで、
自分たちの地位を強化するのに最適だと思われる技術や態度だけを選んで、
取り入れることもできた。このように、広範囲に文化を管理できるということは、
体制をくつがえす可能性のある思想をもほぼ完全に近く排除できるという
ことでもある。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



360 ◆eliAxluGeQ :2006/10/31(火) 23:32:46

/// ジャパン・プロブレム 89 //////////////

        文化の政治的コントロール

 日本の公的文化を形作るうえで、中国の思想や方法論が多大な影響を与えた
ことは、一般的によく知られている。漢字体系や芸術の技法と様式などの
大いなる文化遺産は別として、外国から移入された文化は、主として政治目的
のために役立てられた。六世紀には、政治的な理由によるという説明のもとに、
日本の為政者は仏教を取り入れている。その後まもなく中国の国家統治(律令)
制度をモデルとして導入したのも、明らかに政治的な目的があってのことだった。

/////////////////////// 840円(税込) ///



361 ◆eliAxluGeQ :2006/11/03(金) 22:44:36

/// ジャパン・プロブレム 90 //////////////

 その後、中国との外交ルートが断たれ、為政者の判断により何世代にもわたって
国交途絶の状態が続いたが、一四〇一年に足利義満が明朝との交易を再開した。
明朝との貿易は、義満に莫大な利益と数々の賛沢品をもたらしたにもかかわらず、
彼の後継者たちはふたたび中国との往来を止めてしまった。朝廷と将軍が
中国との国交を途絶している期間にも、日本の南部では中国との交易が
続けられていたから、中国文化の浸透は続いていたにちがいない。だが、
日本の支配エリート文化にはこれといった影響のあとを残さなかったようだ。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



362 ◆eliAxluGeQ :2006/11/07(火) 22:04:38

/// ジャパン・プロブレム 91 //////////////

 一六世紀のなかばに、ポルトガル人が鉄砲、医学、天文学、時計、そして
何より重要なことは、彼らの宗教を持ち込むことを許された。ところが、
世紀が変わってすぐ、この寛容さも逆転する。将軍がポルトガル人を外敵に
内通する政治的第五列(スパイ)として恐れはじめ、彼が支配する者の忠誠心が
雲の上なる天帝(神)の方に転ずるおそれがあると気づいたからである。
将軍のこの政治的洞察力の結果は、その後、一九世紀なかばまで保たれる
ことになる、独居仙人のような鎖国政策だった。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



363金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2006/11/08(水) 17:25:00
北朝鮮も日本リスペクトしてるからな
アフリカのチュチェ思想の国なんかも日本にたくさん留学してくるよ
364 ◆eliAxluGeQ :2006/11/09(木) 22:16:11

/// ジャパン・プロブレム 92 //////////////

 一八六八年の明治維新とともに統治者となった新しい一群のエリートは、
アメリカやヨーロッパに派遣された使節団が新しい日本に役立つと考えたものなら、
なんでも輸入するよう奨励した。その結果、必然的に広まることになった
体制破壊的な思想はエリートの弾圧するところとなり、彼らは"往古からの"
伝統を広く宣伝しはじめた。この往古からの伝統なるものは、それまでにあった
政治的イデオロギーの断片を拾い集めて彼ら自身が作り上げ、天皇を日本という
家族国家の大家長にまつりあげる思想であった。

///////////////////// 原書1989年刊 ///



365 ◆eliAxluGeQ :2006/11/12(日) 20:18:45

/// ジャパン・プロブレム 93 //////////////

 一九四五年まで、日本の権力者たちは、"危険思想"の排除を仕事とする
特別高等警察(特高)を擁していた。戦後、この特高関係者で、文部省、法務省、
運輸省、自治省、厚生省の大臣になった者が六人いる。一九八○年代になっても
日本のナショナリズムの基本的な性格は、依然として明治の寡頭政権が
作り上げた神話的思想によって形づくられているのだ。

///////////////////////// 早川書房 ///



366 ◆eliAxluGeQ :2006/11/15(水) 23:54:16

/// ジャパン・プロブレム 94 //////////////

 一四〇〇年前、日本の権力者たちは、中国の文物を物色し、外部からの
文化的影響は、自分たちの意に沿う制度と思想・信条だけに限定した。
一九世紀後半ふたたび、西洋の影響に対処するに際し、このやり方が
またも見事に成功した。その間におきた何世紀にもわたる内戦の後、当時の
権力者たちは、宗教紛争を政治の領域にまで持ち込むおそれのある
土着化した仏教の宗派を抑圧し、さまざまな社会的、経済的、文化的動向を
自分たちの権力の座を守るうえでの重要性に応じて適宜、奨励したり、
抑えたりした。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///


367 ◆eliAxluGeQ :2006/11/18(土) 21:56:26

/// ジャパン・プロブレム 95 //////////////

ポルトガル人によって導入された火器を禁止したら、その使用法まで
忘れてしまったほど、権力者は、テクノロジーの発達でさえ逆行させる
ことができた。彼らは、民衆が新しい技術を得て立ち上がり、自分たちに
歯向かってくる危険を未然に防いだ。いうまでもなく、マスケット銃や
ライフルを撃つほうが、日本刀でやり合うよりはるかに単純だ。反乱を
城壁で食い止めるには、銃をばんばん撃ちまくる連中より、刀をふりまわす
連中のほうが相手として都合がよい。

/////////////////////// 840円(税込) ///



368 ◆eliAxluGeQ :2006/11/21(火) 22:56:32

/// ジャパン・プロブレム 96 //////////////

 先に見たように、普遍的または超越的な真理が日本の思想の中に根づく
ことは決して許されなかったから、知的勢力が政治エリートの権力を支配したり、
くつがえすことは不可能だった。日本の権力者は、知力まで制限できたのである。
実際、これまでどのような法律によっても、彼らの権力が制限されたことがない。
こういう次第だから、日本の宗教生活および思想の許容限度を決めるうえで、
政治的な方策が決定的な要因となったというのは、決して誇張ではない。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



369 ◆eliAxluGeQ :2006/11/25(土) 18:31:46

/// ジャパン・プロブレム 97 ////////////////

 一九世紀ヨーロッパの、法律家や知識人、哲学者やフリーメーソン、さらに
作家やジャーナリストが参加した"知的総動員"は、社会・政治的行動とは
はっきりと区別できるが、日本の場合にはそのような区別ができない、と
アメリカの比較政治史学者フランク・K・アパムが指摘している。"蘭学"を始めた
大名や武士も同じように知的活動に従事したが、「蘭学を学ぶのに極端に
いちずな政治的目的をもってしたという点で、一九世紀ヨーロッパの"知識階級"とは、
はっきり違う」。

///////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///




370 ◆eliAxluGeQ :2006/11/27(月) 21:58:04

/// ジャパン・プロブレム 98 //////////////

 日本の知的営みは、時の権力者の意向によって、指導・監督あるいは禁止
されたりしてきた。日本の司法に対する概念や社会における法律の地位・扱いは、
統治者の都合のよいように変えられ、彼ら自身の振る舞いや統治方法に決定的な
影響を与えることはなかった。したがって、集団生活、会社・集団への忠誠、
協調的な傾向、個人主義の欠如、なきに等しい訴訟闘争など、日本の社会や
文化の典型的な側面とされている事柄は、究極的には、政治的方策に起因する
ものであり、政治的な目的のために維持されているのである。

///////////////////// 原書1989年刊 ///



371 ◆eliAxluGeQ :2006/11/30(木) 21:11:50

/// ジャパン・プロブレム 99 //////////////

 社会的・文化的な面を主にして日本を見るかぎり、いつも一つの基本的な
疑問につき当たる。つまり、日本人と他国の人びとの習慣や制度との間に、
これほど大きな違いがあるのはなぜだろう、その根源は何なのだろうということだ。
一つの答えは、日本の歴史的な孤立性にある。だが、いちばん満足のいく
答えを出せるのは、政治的な側面からのアプローチではないだろうか。政治的
アプローチによって、日本の社会形成の背後で働いた強い力をはっきり見きわめる
ことができるからだ。

///////////////////////// 早川書房 ///


372 ◆eliAxluGeQ :2006/12/03(日) 20:51:29

/// ジャパン・プロブレム 100 //////////////

 もしソビエト社会が自由とは何かを知っていたとしたら、また、もし共産党の
特権階級が抑圧を手控えていたとしたら、もし自分の利益を守るため人に
嘘をつかせる力がシステム内に組み込まれていなければ、ボルシェビキ革命
から七〇年たった今、ソ連はまったく違う社会になっていただろうことは容易に
想像できる。ソビエト社会に比べ日本は、より自由で、より暮らしやすい、
まったく異なる社会だ。ところが、これまでのところ、日本の<システム>は、
ソビエト連邦の政治システムと同じに、日本人にとっては逃れえないもの
となっている。そして、その根ははるかに深い。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



373 ◆eliAxluGeQ :2006/12/06(水) 21:47:41

/// ジャパン・プロブレム 101 //////////////

        権カを見る目の偏見

 それにしても、なぜ、日本の文化を政治的な視点から見る方法よりも日本の
政治の在り方を文化的な側面から説明するという方法のほうが、ずっと魅力が
あると思われるのだろうか?この国の表面を一見しただけでは、政治的な
視点から眺めてみようという気はまったく起こらないのかもしれない。独裁者が
いるわけではない。それどころか、政治権力のはっきりした中核さえ存在しない。

/////////////////////// 840円(税込) ///



374 ◆eliAxluGeQ :2006/12/10(日) 18:41:24

/// 早川書房 //////////////////

 カレル・ヴァン・ウォルフレン(Karel Van Wolferen) (著)、篠原 勝 (翻訳)、
 原著1989年発行、邦訳 早川書房1990年発行
 「日本/権力構造の謎」 The Enigma of Japanese Power
 日本 権力構造の謎〈上〉 ハヤカワ文庫NF、840円(税込)、ISBN: 4150501777

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9940226551
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=18988933
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150501777/qid=1104753738/ref=sr_8_xs_ap_i1_xgl/250-1157004-2829055
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/40b9c78bede2b01032ee?aid=&bibid=01055138&volno=0000
http://books.rakuten.co.jp/RBOOKS/0000650744/

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375 ◆eliAxluGeQ :2006/12/12(火) 22:18:28

/// ジャパン・プロブレム 102 //////////////

一見したところ、個人に対する特に強力な抑圧がある状況でもない。日本に
長く滞在しても、たとえば警察権力や政府機関などによる抑圧があるとは
気づかない。日本関係の文献にむしろ充満しているのは、調和をめざして
努力する協調一色の社会というような記述である。一口で言えば、日本の権力は
高度の分散型で、それゆえ浸透力はいっそう強いにもかかわらず、すぐには
なかなか気づかないだけである。

/////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///


376 ◆eliAxluGeQ :2006/12/15(金) 22:45:53

/// ジャパン・プロブレム 103 //////////////

 にもかかわらず、欧米人が文化的側面からの見方で成功したのには、もう一つ
別の、もっと重要な理由があるのではないかと思う。民主的に成立している
社会に暮らす多くの人にとって、権力などというものは考えるだけでも気分が
悪くなる。権力ほど恐ろしくない"政治"ということばでさえ、強欲や嘘つき、
そのほか人間の品位をおとしめるものを連想させて、嫌われる。まして、
「権力」は一段と下劣なことばであり、権力に餓えている者以外には心地よく
響かないことばに違いない。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///


377 ◆eliAxluGeQ :2006/12/18(月) 21:43:36

/// ジャパン・プロブレム 104 //////////////

 人間社会の事象を研究する現代の大半の学者の用語集から、「権力」という
概念が排除されてしまっているのである。知識人、とくにアメリカの知識人にとっては、
あまりにも不快な意味が含まれているので、時としてこんなことばはすっかり
なくすべきだと本気で言うほど、その概念を否定したり拒絶してしまうところがある。
一つには、権力の概念が、イデオロギーにまで高められた機会均等という
アメリカの理想と、心情的に衝突するからかもしれない。少数の者が大多数の
人間を支配するという意味での権力や、主人が召使に対してふるう権力は、
不愉快ではある。そこで汚い部分を消毒して無害化する、ある種の知的創造物が
頭のなかに構築され、権力というものは集団による意志決定の結果としての
完全に合理的な力関係であると見なされるようになったのである。

///////////////////// 原書1989年刊 ///



378 ◆eliAxluGeQ :2006/12/22(金) 21:44:29

/// ジャパン・プロブレム 105 //////////////

 この本の目的は現代政治学の弱点をあげつらうことではない。しかし、
二つ三つ、このアプローチを全体の構図のなかでとらえるのに役立ちそうな
観察を続けることにする。第二次世界大戦以来、学者や研究者は概して、
セロハン紙に包んだ、清潔そのものの社会・政治的世界像をわたしたちに
見せてくれた。このような見方においては、「権力」という概念が、時として
「影響」に置き換えられる。「影響」という表現はより中立的だとされるが、
その場合、権力という概念のもつ(潜在的な)力の要素が欠落してしまう。
主従関係は、もし認められても、もっぱら経済面からとらえられ、しかもだれに
とってもよいものだと考えられる。一方、「ツメをたて、歯から血をしたたらせる」
権力という概念は、革命的状況について述べる場合に登場するだけになる。

///////////////////////// 早川書房 ///



379 ◆eliAxluGeQ :2006/12/24(日) 19:42:32

/// ジャパン・プロブレム 106 //////////////

 とくに「多元的国家論」の支持者によって提供されるこのような解釈では、
改良すべき細かい点は残っているものの、基本的には、どのような政治的方策
でも必然として受け入れてしまうことになる。つまり権力は学術的な議論の対象
からすっかりはずされたいまでも、その鋭い鉾先はすっかり削り落とされてしまう。
権力がしばしば稀少商品のように扱われ、市場機能によく似た取引方法
(入札など)で、ある勢カグループから他の勢カグループヘ移るというのである。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



380 ◆eliAxluGeQ :2007/01/01(月) 00:17:41

/// ジャパン・プロブレム 107 //////////////

政治的な世界をこのように経済的に説明するのは、権力という観念の
本質を見失わせる。このような見方では、たとえば、学校の「倫理・道徳」への
支配をとりもどそうとする国の文部官僚の試みに反対して、血のにじむような
闘いに身を投じる日本の教師のことは説明できない。権力が情け容赦なく
使われ、そのために、国がまっしぐらに大災難に向かって突進しつつある姿など、
想像することさえできないだろう。

/////////////////////// 840円(税込) ///



381 ◆eliAxluGeQ :2007/01/02(火) 19:43:13

/// ジャパン・プロブレム 108 //////////////

 民主主義的に成立している欧米社会における責任と義務との細分化―
「多元的国家論」の根本原理である―は、権力をどのように制限するかについて、
また、権力がどこまで一般市民に影響を及ぼしてもよいとされるかについて、
事前の合意があってはじめて可能である。権カに対する考え方は、法律の存在を
あだやおろそかにではなく、誠実に認めるという前提のもとに成立する。また
この考えは、多元主義代表制の理想が現実化された一つの姿であると仮定し、
この現実を出発点にするのである。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



382 ◆eliAxluGeQ :2007/01/06(土) 20:38:50

/// ジャパン・プロブレム 109 //////////////

 日本の市民は実際上、何かあったとき法律に頼ることができない。それどころか、
「市民」と「臣民」は違うということすら、ほとんど理解されていないようだ。
もちろん、紙の上では多元主義代表制が存在するのだが、これによって日本の
実態を説明されて額面どおり信じるのは、もはや信仰と言うべきだろう。
 これから先の章で、日本の権力には油断ならないところがあるという印象を
言外に与えても、それは意図してのことである。"多元的国家論"のモデルとなった
国ぐにの権力者と異なり、日本の権力保持者は組織的に権力を行使する。その
方法と目的を、有権者は究極的になんら制御できないのである。

///////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///


383 ◆eliAxluGeQ :2007/01/09(火) 21:57:09

/// ジャパン・プロブレム 110 //////////////

        政治的な動役を解明する

 日本の権力の実態を認識すれば、それまで気づかなかったことに気づく。
その一つは、日本の<システム>が現在、今世紀のどの時期よりもうまく機能
しているということだ。第二次世界大戦の敗戦とそれに続く占領は、一般に
考えられているほど、日本の政治の分水嶺にはならなかった。戦前および
戦時中の官僚的な権力組織から軍部を除いただけという組織が、戦後その力を
強化し、今またその力の強化が進められている。

////////////////////////// 原書1989年刊 ///



384 ◆eliAxluGeQ :2007/01/12(金) 23:43:35

/// ジャパン・プロブレム 111 //////////////

 筆者が提案するように政治的な視点から見れば、日本の国際ビジネスのやり方に
ついても、新しい見方ができる。日本の大企業が、中期的利潤よりもマーケット・
シェアの拡大に重点をおいているという点で見方が一致してから久しい。また、
その戦略上の目標を達成するためなら、欧米諸国の企業にはとうてい不可能なほど
長期間、健全な経営を維持していくのに必要な利潤さえ我慢するということも、
周知の通りである。マーケット・シェアの拡大は、国の領土の拡大と同じく、
より強大なカヘの欲望、政治的な動機に由来する。

////////////////////////////// 早川書房 ///



385 ◆eliAxluGeQ :2007/01/17(水) 22:47:30

/// ジャパン・プロブレム 112 //////////////

利潤最大化は、金への欲望、つまり経済的な動機があってのことだ。この二つは、
いうまでもなく、欧米諸国の企業でも日本の企業でも、互いに関連して渾然と
まじり合っている。だが、その重点の置き方の違いによる結果が重要である。
戦後日本のビジネスの官僚化は、官僚による統制と保護の強化、また、省庁と
折り合いのいい役人的企業管理者が企業家にとって代わったことによって、
国際市場のシェアをひたすら増やしていくという政治的な動機に直接結びついている。

//////////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



386金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2007/01/21(日) 17:14:27

/// ジャパン・プロブレム 113 //////////////

 日本が一九七〇年代に見せた、相互主義(互恵主義)ぬきで外国市場の一角に
くいこんで勢力を築こうという海外進出熱の歴史が、一九八○年代後半に、
金融市場でふたたびくり返されている。日本企業が欧米諸国の金融機関を多数
買収しつつある。日本企業が、(完成品の国際市場で獲得したマーケット・シェアを
強化して得た)莫大な利潤を国内に再投資すれば、国内的にも国際的にもさまざまな
問題の解決が図れるにちがいないのだが、そうはしないで、マーケット・シェアを
さらに増やそうとして海外に投資している。大蔵省による金融・資本市場の
"自由化"が大々的に宣伝されたのだが、その結果は、日本の銀行、証券会社、
保険会社の海外進出を助けることになった。そのため、これら企業の活動が
国際的に自由になって、さらに好条件で世界の金融市場で競争できるようになり、
また、日本の商社が海外投資できる領域が新たに大幅に広げられることになった。

/////////////////////////// 840円(税込) ///



387金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2007/01/21(日) 17:45:19
日本は、社会主義国家なのか?

http://www.eonet.ne.jp/~0035/sanpou.htm
388 ◆eliAxluGeQ :2007/01/24(水) 23:24:49

/// ジャパン・プロブレム 114 //////////////

 こうした事態の進捗は政治的に重大な意味をもつと考えられる。というのは、
もし現在のマーケット・シェア拡大の活動が目指そうとしているとおりに、
世界の金融市場において日本が強大な影響力を持つようになった暁には、その
一方的な経済的制覇に抵抗して世界がそれを食い止める可能性が著しく制限を
うけるだろうと思われるからである。欧米諸国は一貫して、そのような結果になる
ことを予知できずにきた。明らかに、彼らは日本人のように先の可能性について
考えられないということになる。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



389 ◆eliAxluGeQ :2007/01/27(土) 22:00:27

/// ジャパン・プロブレム 115 //////////////

    日本人にとっての日本問題

 日本の権力の行使のしかたがもとで他の国ぐにとの摩擦や世界からの孤立が
起こっているのだから、ひとつの国として、日本は日本自身にとって問題である。
しかし、それだけではない。日本は個人レベルの日本人一人ひとりにとっても
問題である。筆者は、過去二五年間にわたって多くの日本人と話してきたが、
この国での権力の行使のされ方のため、彼らが不当な扱いを受けていると確信
するにいたった。日本人はもっと自由であっていいはずなのに、そうではない。
彼らは、教育制度や支配者によって、まるで庭師が生け垣の手入れをするのと
同じ取扱いを受ける。個性を少しでも出すと、ちょきんと切り取られてしまうのだ。
個人としての人間に対し思いやりのない政治システムの下では、国民の心理的
発達に重大な影響が及ばないはずがない。

////////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



390 ◆eliAxluGeQ :2007/01/31(水) 23:11:26

/// ジャパン・プロブレム 116 //////////////

 日本人は一人ひとりがみな個人であり、一億二〇〇〇万人のすべてが個人
であると、私は信じる。だれもが個人を主張したいと望んではいないかもしれない。
事実、大半の人が、長年にわたってこのように条件づけられてきたために、
そうは思わないようだ。だが、集団の中の目立たない一員というのではなく、
はっきりと一人の個人として認められたいという日本人にも、数多く会ってきた。
このように独立した考えをする人は、心穏やかではいられない。多くの場合、
自分だけの心の世界に引きこもってしまっている。日本の文化は、その巨大な内懐に、
あちこちに孤立して海図に載っていない群島のように散らばっている、このような
ごく個人的な世界をかくしもっている。個人主義的な日本人は概して政治には
関わらない。現存する権力構造に挑戦しようものなら、必ず火傷を負うからである。
しかし、体制への順応を拒む彼らも、日本人であることにはかわりがない。

////////////////////////// 原書1989年刊 ///



391 ◆eliAxluGeQ :2007/02/06(火) 23:06:07

/// ジャパン・プロブレム 117 //////////////

 日本について述べる際、個人の人間的成長を理想と考えることは、西洋の
自民族中心の発想であると片づけてしまい、日本人には日本人独自の個人の扱い方が
あると想定するのが、ここ数十年ほどの一般的な傾向になってきた。だが、
文化の違いにはよらない、普遍的な人間の成長の基準というものもありうる。
小さな花芽からバラが花ひらき、猫にみまがうトラの幼獣が立派な親トラに
成長するように、成長する人間には本来、円熟し完成した、より統一のとれた
一人の人間になるという目的が組み込まれている。日本以外のアジアの国ぐにや、
ものの分かった日本の人たちとの体験を通じて、筆者のこの信念はいよいよ
たしかなものとなった。

///////////////////////// 早川書房 ///



392 ◆eliAxluGeQ :2007/02/09(金) 23:35:01

/// ジャパン・プロブレム 118 //////////////

 日本について述べる多くの評論家が、価値判断と決められかねないことについて
言及するのは、これまで極力避けてきた。だが、筆者の立場からすると、なんらかの
信念と究極的につながる価値判断をぬきにして、意味のある政治的な議論を
展開できると考えるのは、幻想にすぎない。客観性を保つためには、できるかぎり
偏見を入れない注意がつねに必要だが、テーマの選択そのものにその人の関心事が
すでに反映されている。これは必ずしも偏見とはいえない。たしかに多くの事が
比較の問題だろうが、望ましい生き方の基準はたしかに存在するし、選択は
しなければならない。自分の属する社会で、一人の人間としてどこに自分を
位置づけるかが、運まかせであってはならない。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///




393 ◆eliAxluGeQ :2007/02/09(金) 23:45:35

/// ジャパン・プロブレム 119 //////////////

 自己を知るには政治生活の本質と範囲を理解しなければならない、という
意義深い発見をしたギリシャの哲学者プラトンは、権力は腐敗しやすいことを
十分に認識していた。プラトンの合理的で洞察力に満ちた詩的な頭脳は、
政治行動に正統性を与えるための基本条件として、神話からの、伝統からの、
また、野蛮な権力からの解放が必要なことを最初に見抜いた。このことは、
西欧社会だけに当てはまるとは言えないはずだ。
 ポーランドに生まれ、共産主義社会に合わせて考えを変えるように強いられた
哲学者レゼック・コワコフスキは、西欧に生まれた同輩の大方の者よりなお深く、
このことについて考えた。そして彼の考えは、急所をついている。

/////////////////////// 840円(税込) ///



394 ◆eliAxluGeQ :2007/02/14(水) 20:31:02

/// ジャパン・プロブレム 120 //////////////

 個人の自由には、人類学上の論拠がある―と仮定してよいであろう。これは、
疑いをさしはさむ余地のない原理であり、「証明する」ということばの通常の
意味で証明することも反証することもできない原理である。それにもかかわらず、
われわれの希望、すなわち、自由は究極において全体主義と、世界の広範な
官僚化傾向との共同圧力によってもなくなることはないという希望と、その
防衛のためにいつでもすぐ立ち上がる用意があることは、実に我々の信念に
分かちがたく依存しているからである。自由への欲求、侵すべからざる自由な
選択による自己主張への欲求は、決して歴史の偶発的気まぐれではなく、特殊な
社会条件の結果でもなく、特定の経済生活の形態や、市場メカニズムによって
生じた副産物でもない、という信念である。この信念は、人間であるという、
われわれの特質そのものに深く根ざしているのである。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



395 ◆eliAxluGeQ :2007/02/17(土) 21:05:19

/// ジャパン・プロブレム 121 //////////////

 これは哲学的な問題で、経験的な調査によって結論が出ることではないのを、
コワコフスキは知っている。そして、この問題を「科学的な探究を支配する諸原則
によっては解決不可能として、容易に無視あるいは否定することはできないだろう」と
考えた点で、彼は正しい。ひとたび、自由は個人にとって望ましいという哲学的見地に
立てば、社会秩序を維持するために必要とされる妥当な線を越え、自由をいちじるしく
侵す政治的方策をきちんと観察し評価するに当たって、人は批判的な分析アプローチを
用いる権利があるはずである。

////////////////////// 原書1989年刊 ///



396金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2007/02/18(日) 01:24:54
相続税はもっと累進的にかけ、
金持ちは一代限りで終わらせなければならない。

私腹を壊さないと、資本主義は駄目になってしまう。

政府は取った遺産を法人で所有させるか、所得再配分にするか、
新規ベンチャーへの資本として有効に生かせばいい。

生まれがどこでも競争が出来る社会にするのが好ましい。

生 活 苦 で 自 殺 し て い っ た 無 数 の 霊 魂 が

そ の う ち 優 雅 に 暮 ら す 金 持 ち を 呪 う の で は な い か

も の を 祖 末 に し て は い け ま せ ん

こ こ ろ を 祖 末 に し て は い け ま せ ん

お 金 を 祖 末 に し て は い け ま せ ん

相 続 贈 与 税 は 生 活 困 窮 者 救 済 の 財 源 に す べ き だ
397金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2007/02/18(日) 02:31:02
確かに日本は全体主義国家だね
歴史に登場するナチス等の全体主義と大きく異なる点は
それは農耕民族独特の自然発生的全体主義である点だ
この点において戦後60年間自民党一党独裁体制下の日本と
共産党一党独裁の中国とは非常に類似するのである
398金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2007/02/18(日) 02:32:31
砕けた言い方をすれば
村八分社会 いじめ社会 出る杭は打たれる社会
399 ◆eliAxluGeQ :2007/02/21(水) 22:50:26

/// 早川書房 //////////////////

 カレル・ヴァン・ウォルフレン(Karel Van Wolferen) (著)、篠原 勝 (翻訳)、
 原著1989年発行、邦訳 早川書房1990年発行
 「日本/権力構造の謎」 The Enigma of Japanese Power
 日本 権力構造の謎〈上〉 ハヤカワ文庫NF、840円(税込)、ISBN: 4150501777

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http://books.rakuten.co.jp/RBOOKS/0000650744/

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400金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2007/02/21(水) 22:58:44
>>398
出ようとする杭はうたれるが、出すぎた杭はうたれない。

401 ◆eliAxluGeQ :2007/03/07(水) 22:49:54

/// とらえどころのない国家 1 /////////////

カレル・ヴァン・ウォルフレン著、原著1989年発行
日本 権力構造の謎〈上〉 ハヤカワ文庫NF、篠原 勝 (翻訳)より

・・・・・
2章 とらえどころのない国家

 日本人が生活する姿は、失敗作の劇をみるようだ。役者の言うセリフと役柄を
表現するはずの衣装とがちぐはぐなのだ。日本での権力の行使に関係する諸機関、
行使の過程、様態なども、一見したところと、よく観察した後とでは印象はまるで異なる。
 もっとも基本的なレベルにおいては、日本の政治生活も他の国ぐにの場合と
異なるわけではない。権力を愛する人もいれば、実際に権力を握る人もいる。
だが、大多数の人は、他の社会と同様、個人への懲罰や社会秩序の混乱を考慮して、
行使される権力にみずからすすんで服従することになる。日本にも、法律、
立法者、国会、政党、労働組合があり、首相、利益団体、株主などがいる。
だた、このように聞きなれた名称だからといって、日本での力の行使のされ方について
早急に結論を出しては、間違いになる。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///


402金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2007/03/07(水) 22:51:46
>>396
嫉妬厨死ね
403 ◆eliAxluGeQ :2007/03/09(金) 23:20:26

/// とらえどころのない国家 2 /////////////

 日本の首相は、統率手腕をあまり発揮することは期待されていない。労働組合は、
昼の休みの時間に合わせてストライキをする。また、立法府は、実際に法律を
制定するわけではないし、株主が配当を強く要求するなどということもない。
また、消費者団体が保護貿易を支持し、法律は、有力者の利益を損なわない
かぎりにおいてしか、発動されない。そして、与党の自由民主党は、どちらかと
いえば保守的で権威主義的だが、ほんとうの意味では一つの政党でもなく、
実際に統治しているわけでもない。

///////////////////// 原書1989年刊 ///



404 ◆eliAxluGeQ :2007/03/11(日) 20:58:04

/// とらえどころのない国家 3 /////////////

 それなら、いっそのこと、そんな名称を変えてしまえばよいと思うかもしれないが、
ことはそれほど簡単ではない。日本の社会政治機関の中には、その名に
ふさわしい機能を果たすものもあるからだ。ところが、別の時には、程度は
さまざまだが別の意味をもつ。この混乱の主な原因は、日本のジャーナリストや
学者が、こうした食い違いを指摘する習慣―欧米のジャーナリストや学者なら
普通のことなのだが―を身につけていないということにある。彼らは、それが
名称どおりだとして扱ってしまいがちなのだ。

///////////////////////// 早川書房 ///


405 ◆eliAxluGeQ :2007/03/17(土) 19:39:59

/// とらえどころのない国家 4 /////////////

 だからといって、多くの日本人が自分でそう思いたがるように、日本が、
外国人には"理解"できない所であるわけではない。ただ、この独特の複雑さを
解明する目的にはほとんど役に立たないばかりか、かえって物を見えなくさせる
西欧の政治用語には頼らず、しんぼう強い努力を続ける必要がある。日本における
政治の世界の現実は、つかんだと思ってもすぐ指の間からするりと逃げてしまう。
筆者が日本についての記事を書くとき、いたる所で、普通に使っている用語を
定義し直したほうがよいのではないかと思わせられる。というのは、これらの
用語から受けるイメージと日本の現実とが、まったくではなくとも、かなりの部分、
違うからだ。正直なところ、日本の権力構造について真剣に考える人なら、
政治分野の語彙をすっかり書き直してしまいたい衝動にかられるにちがいない。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



406 ◆eliAxluGeQ :2007/03/21(水) 23:56:09

/// とらえどころのない国家 5 /////////////

    姿を見せない権力

 まず、国家(ステート)という概念の検討からはじめることにしよう。最近の
傾向は国家を政府や国と区別しないのが普通になっている。しかし、
これから先しだいに明らかになるが、その違いははっきりさせたほうがよい。
とくに、日本について考察する場合には、それが解明のかぎとなるのだ。
 国(ネーション民族国家)とは、共通言語を使用し、ほかとは異なる独自の
文化がある所と定義されている。この意味では、日本は明らかに一つの国である。
国家のほうは、簡単には言い切れないのだが、どの定義でも一致しているのは、
国家はその国土の究極的な統治権を有し、権力の最高裁決者だということである。
とすると、日本の場合、どこに国家と言えるものがあるのだろう。

/////////////////////// 840円(税込) ///



407 ◆eliAxluGeQ :2007/03/24(土) 23:18:09

/// とらえどころのない国家 6 /////////////

形式上あるいは公式には、議会制民主主義国ということになっているから、主権は
国民にあり、立法権は選挙で選ばれた議員によって構成される国会両院にある。
だが、この自由選挙によって選ばれた国民の代表たる議員の集まり、憲法に
国政の最高機関と定められている国会が、憲法の規定どおりの、いまの日本で
おこなわれることの最終的な裁決者であるとはとても考えられない。このこと自体は
別に驚くことでもない。ほかにも、本来そこに権力があると想定されているはずの
機関に、実際には権力がないという国がたくさんある。しかし、そのような場合には、
実際上の権力を握る別の機関か、一人の人物あるいは集団がいると考えて
ほぼ間違いない。ところが、日本の場合には、明確にそれとわかり他と一線を画せる
権力集団がないのである。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///


408 ◆eliAxluGeQ :2007/03/28(水) 22:55:23

/// とらえどころのない国家 7 /////////////

 国会両院以外に、国家の中核として権力を持っているらしく見える組織は、
官僚と大企業である。だが、この両者のどちらにも、究極的な権力はない。
ボスはたくさんいるが、ボス中のボスといえる存在はないし、他を統率するだけの
支配力のあるボス集団があるわけでもない。首都が国の経済、文化の中心だという
意味では、日本は高度に中央集中型の国と言える。東京は、パリやロンドンに
負けず劣らず、"すべてのものがある"大都市である。大企業は、中央官庁の
役人から離れないよう、本社あるいは重要な支社を東京に構える。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



409 ◆eliAxluGeQ :2007/03/31(土) 20:18:07

/// とらえどころのない国家 8 /////////////

主要教育機関も、ここに集中している。予算陳情のためには、地方自治体も国の
中央官僚に取り入らなければならない。東京以外には、重要な出版産業も
娯楽産業もほとんど存在しない。ところが、この地理的中心地には、政治の
中核がないのである。
 どの国についても、国家の実態をとらえるのは容易ではないが、日本の場合は
とくに、バケツの中のウナギを素手でつかまえる、ということわざのたとえ
そのものである。指令の流れる経路、責任の中心、見え隠れする政策決定上の
実際の動きなどが、すべて気が変になるほど、とらえどころがない。

///////////////////// 原書1989年刊 ///



410 ◆eliAxluGeQ :2007/04/07(土) 23:28:23

/// とらえどころのない国家 9 /////////////

        実権のない王

 日本の政治の姿を外国人が検討する際に、肝に銘じておくべきことは、外見と
中味が一致すること稀である、ということだ。体験にもとづくこの忠告は、
何世紀にもわたり、日本を訪問した外国人によって何度もくり返しいわれてきた。
なんと、神話や伝説ではない日本についての初めての記録にすでに、日本の
最高政治機関の目指すほんとうの目標と表向きの機能とされていることとは、
ほとんど関係がないと書かれているのである。時は三世紀、中国は魏の国の
史書に次のようなことが驚きをもって記されている―倭の国は、形式としては
卑弥呼という名の女王によって統治されているのだが、彼女は衛兵に守られた
宮殿の奥に隠れていて、外界とのやりとりは一人の男を通してお粉割れる。
そして、国を統治する仕事のほうは弟にまかせたままである。

///////////////////////// 早川書房 ///


411 ◆eliAxluGeQ :2007/04/11(水) 23:55:54

/// とらえどころのない国家 10 /////////////

 世界の歴史を見ると、世俗の権力を持った僧侶王、神王、魔術師、シャーマン
などがあふれている。"神々の意思を知る"のが仕事であった卑弥呼も、こんな類の
存在だったようだ。しかし、この倭の王国の名目上の長は、実権をもっていなかった。
そしてこの後に続く代々の天皇にも、形式上の権力と事実上の権力とを分ける
日本的性向が象徴的にあらわれている。
 日本の女帝や天皇は、先祖代々の神を精力的に鎮撫する仕事から解放された後でも
驚くほどややこしい儀式をとりおこなわければならなかったので、たとえ国を統治して
よいといわれても、とてもそんな時間はなかった。初期には、政治的支配力のある
天皇も数人いたようだが、その支配権はまもなく、まず皇太子に、ついで、
皇室顧問役に委託されている。

////////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



412 ◆eliAxluGeQ :2007/04/14(土) 19:10:00

/// とらえどころのない国家 11 /////////////

 一〇世紀および一一世紀の日本には、権力保持者の一団とはっきり言える
藤原家の一族がいた。一族の娘たちを次々と天皇に嫁がせて、権威者としての
地位を強化しながら、可能なかぎりの支配権を奪い取った老獪な一族であった。
藤原家衰退後およそ一世紀にわたって、皇室の実権は、上皇または法皇とよばれる
退位した天皇が握ることになる。その後、権力のほとんどが平家一族によって
握られた過渡期を経て、事実上の権力はいよいよ、産業化時代に至るまで日本を
支配することになる武家幕府政権に移る。一一八五年には、源頼朝が、日本の
全六六カ国を治める勅許を朝廷からもらった。そしてその七年後、彼は"野蛮人を
征服する大総統"すなわち征夷大将軍の称号を与えられたのであった。
この官職は、後にさらに強化されて、一八六七年(徳川幕府減亡)まで、日本の
権力の公的中心として残されることとなる。

/////////////////////// 840円(税込) ///



413憲法改悪:2007/04/14(土) 19:26:25

憲法改悪の為の自民党の国民投票法案によると、国民の承認は有効投票数の過半数で良いそうだ。
投票率が40%だったら、僅か2割の国民の賛成で改憲されてしまうことになる。
国の最高法規の改悪がそんなに簡単に出来て良い筈がない。
少なくとも、有権者の過半数とするべきだろう。

だが、国会での発議自体が国会議員の2/3以上必要と憲法が定めていることを鑑みると、
国民投票でも、有権者の2/3以上の賛成を必要とするが正しい憲法解釈だと思う。

また、自民民主の右翼政党は、憲法改悪の時に限って投票権を18才まで引き下げようとしている。
これは、まだ知恵の行かない子供を参加させる事により改悪を成功させようとする姑息な企みである。
414金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2007/04/14(土) 23:38:18
車検制度も社会主義みたいだね。
415 ◆eliAxluGeQ :2007/04/18(水) 23:04:25

/// とらえどころのない国家 12 /////////////

 一方、政治的な存在としての朝廷はこの間、ないがしろにされていた。
手元不如意の天皇も何人か出たほどである。たとえば、正親町天皇(在位
一五五七〜八六)は、手元の収支を合わすため、自筆の書や皇居の家具まで
売り歩かなければならなかった。このように弱体化させられた朝廷のなかで、
唯一の例外は、武士階級の独裁者たちへの挑戦に成功して、一三三三年から
三六年までのわずか三年間ではあったが、皇室の権威を取り戻した後醍醐天皇
だけである。他の国でも、立憲君主制が登場して国王の役割が変えられる以前の
歴史には、非力な国王がいたようだ。だが、日本の場合には、力がなかったのは、
天皇制そのものだった。

//////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///

416 ◆eliAxluGeQ :2007/04/22(日) 19:30:35

/// とらえどころのない国家 13 /////////////

 日本における権力は、つねに将軍という官職に最終的に託されていたのではない。
一三世紀には、歴史学者ジョージ・サンソムが言うように、「国家の頂点には
名目的な天皇がいて、そのわずかな名残りの機能は上皇が果たし、実権は
名目上は世襲制の軍事独裁者に委任されるが、実際には、その独裁者の顧問
(これも世襲によって受け継がれる)に握られているという、ただただ驚くべき
形態の国家」であったこともある。この最後に言及された独裁的な顧問というのは、
北条家のことで、この一族は、それ以前に勢力のある一族が天皇を支配したように、
将軍を支配していたのである。

////////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///




417 ◆eliAxluGeQ :2007/04/25(水) 23:53:20

/// とらえどころのない国家 14 /////////////

 このような仕組みは、何世紀にもわたり同胞の日本人を支配した権力者
にとって、明らかに好都合なものだった。彼らのうちだれ一人として、みずから
皇位を奪おうと本気で試みた者はいない。反乱に成功した将軍が、次から次へと
新しい王朝を築きつづける、権力移行の素晴らしい手本が隣の中国に
あったことを考えると、これはさらに、驚くべきことである。

///////////////////// 原書1989年刊 ///



418 ◆eliAxluGeQ :2007/04/28(土) 20:23:54

/// とらえどころのない国家 15 /////////////

 だが、目に見える栄光はなくても、影の実権者としての有利な地歩だけで
十分だったようである。このような統治形式を定型化した藤原家は、肩書以外は
すべて掌中にある統治者としての全特権を一族で代々継承できる体制を、
あえて壊す必要は感じなかったようである。この伝統的な統治構造はたしかに、
実権保持者にとって有利な仕組みである。本来その実権と共にあるべぎ肩書を
ほかのだれかに持たせておけば、安泰でいられる。実権をだれが握っているのかが
はっきりしなければ、的をしぼって攻撃しようもないからだ。

/////////////////////////// 早川書房 ///



419金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2007/04/28(土) 20:35:27
新自由主義の理念によれば競争原理や機会均等の
重視をしているはずなんだけど、
実態はあらゆる業種で企業の合併が起こり
大企業の寡占で競争原理も機会均等も
なくなりつつある。
420金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2007/04/28(土) 22:16:58
そうなんだよね。競争してるのは中小レベルだけで、大企業は国内で
は安泰なのに、何故か競争が激しくなったとか言ってるんだよね。
421 ◆eliAxluGeQ :2007/05/02(水) 23:02:24

/// とらえどころのない国家 16 /////////////

        操作される一党体制

 この形式上の権威と実質的な権威との不一致とうことは、近隣のアジア諸国にも
なじみが深い。今日のアジアの形式上の権力構造の多くは体裁をつくろうための
作りものである。アジアの非共産主義諸国の飾りものの公式の体裁は、
インド、インドネシア、フィリピン、マレーシアの場合には、旧植民地宗主国によって、
また、タイや日本の場合には、西洋的形態を取り入れたほうが自国の独立も護れ、
西欧諸国からも敬意の目で見られるだろうと考えた国内の改革者によって、
西欧からとり入れられたものである。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



422 ◆eliAxluGeQ :2007/05/05(土) 21:23:07

/// とらえどころのない国家 17 /////////////

 こうしたアジアの政治体系は大なり小なり、目に見えない権力構造を隠す、
みせかけの体裁であることが多い。したがって、これまでおこなわれてきた、
その国に固有な政治的行動の形態を明らかにすることによってはじめて、その
国の政治的過程が理解可能になる。欧米諸国においても法の規定を超えた非公
式の人間関係が、権力の行使に大いに影響を与えることはあるだろう。しかし、
ほとんどのアジア諸国の場合、個人的な人間関係が、歴史の浅い形式的に公平
な政治機構より、はるかに重要なのである。とはいえ、アジアの形式的な統治
過程を、無意味なパントマイムにすぎないと一笑に付してしまってはいけない。
西欧から移入された公式構造が、それ以前の政治的行為や慣習と作用し合って、
旧体制が根底から変えられた部分もあるからだ。このことにおいては、日本も
例外ではない。

/////////////////////// 840円(税込) ///



423 ◆eliAxluGeQ :2007/05/09(水) 23:52:51

/// とらえどころのない国家 18 /////////////

 ところが、日本は、欧米諸国以外で、民主主義国としての体裁がもっとも完壁に
整っている国であるし、地政学的に西欧の先進工業国と同じ類型に属すると
一般的に考えられているので、他のアジアの国々に比べ、いっそうその政治の
実体について誤ったとらえ方をしてしまいがちだ。また、日本は、近隣のほとんどの
国のように歴然と判るほど、権威主義の権力によって統治されているわけではない。
日本の政府は、権力の座を守るために、人びとを投獄したりはしない。というわけで、
日本は立憲制度がみごとに花開いていると、ずっと思われてきた。

/////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



424 ◆eliAxluGeQ :2007/05/13(日) 21:44:25

/// とらえどころのない国家 19 /////////////

 日本には、議会制民主主義には欠かせないとされる機関がすべてある。
そして、表面的に見るかぎり、別に並外れて特異なところがあるわけではない。
東京の都心には国会議事堂がある。衆参両院の議員たちが集まって
審議をする場所である。民主主義にそって自分の職務を遂行していない
のではないかなどといわれれば、彼らは激怒するであろう。日本国民には、
四年ごとに、また時によってはもっと頻繁に、広範にわたる候補者の中から
自分がよいと思う議員を投票で選ぶ機会がある。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



425 ◆eliAxluGeQ :2007/05/17(木) 22:18:59

/// とらえどころのない国家 20 /////////////

 ところが奇妙なのは、この自由選挙の結果が、一九五五年以来一党支配
となって現われていることだ。しかも、野党は一度も本格的に自民党の地位を
おびやかそうとしたことがない。一九四七〜八年社会党の保守派が窮余の
連合政権をつくった一〇カ月間を除き、終戦以来ずっと、比較的少数の政治家
グループが、大臣の座をたらいまわしにしてきたといえる。席にありつくのは
お気に入りの子飼いだけで、国民は重要な政治的決定にじかに影響を
与えることはなかった。

///////////////////// 原書1989年刊 ///


426 ◆eliAxluGeQ :2007/05/19(土) 22:27:11

/// とらえどころのない国家 21 /////////////

 この政治家の集団は現在、自由民主党と呼ばれている。だが、すでに見たように、
政治的徒党である派閥の連合体を一つの政党と呼ぶのは完全な誤称である。
この自民党には、政党にあるべき草の根レベルに達する組織もなく、党内の
指導権の継承についてもその選出方法をめぐって全体的に合意に達した
総裁選びの規則があるわけでもない。それどころか、政党としての明確な
基本的政治理念にも立脚していない。党員数もある年には一五〇万以下だったのが、
次の年には三〇〇万を越え、さらに次の年は、また一五〇万以下に減るという
ぐあいである。というわけで、これではとうてい西欧で一般的に政党と考えられている
類のものではない。

///////////////////////// 早川書房 ///



427 ◆eliAxluGeQ :2007/05/23(水) 22:50:20

/// とらえどころのない国家 22 /////////////

 日本は一党体制であるとは、めったにいわれない。むしろ、大衆は自国に
経済的繁栄をもたらした政治家を固く信じており、そういう政治家なら、いくら
大勢いてもいすぎることはないと考えているらしいと論じられている。事実、
ごく最近まで、日本について書く有力な外国の学者のほとんどが、この見方を
していた。だから、自民党が、この説をもって、その不動の地位を外部の
世界に説明するのも、それはそれで頷ける。アメリカの大統領が日本の首相に、
両国は共に複数政党制による民主主義によってたつといっても、日本の首相は
あえて異を唱えない。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



428 ◆eliAxluGeQ :2007/05/26(土) 19:38:45

/// とらえどころのない国家 23 /////////////

 だが、自民党が権力の座を維持してこられた本当の理由は、ゲリマンダー、
すなわち自党に有利な選挙区の改変・維持にある。自民党に必要な全投票数の
約四八パーセントを確保するために金をばらまき、そして、農村地域の基盤整備を
すすめるには自民党の候補者を選ぶしかないという口上を、地元の有権者に
くり返したたき込む作戦である。自民党によって作り出された今の地方の
状況からいうと、実に的を射たくどき文句である。制度的に地方自治体は、
中央官僚によって割り当てられる一連の補助金に大きく依存している。

/////////////////////// 840円(税込) ///


429 ◆eliAxluGeQ :2007/05/30(水) 22:08:33

/// とらえどころのない国家 24 /////////////

この補助金制度は、公平な規則によって運用されているわけではない。
割り当てる側の中央省庁の役人との間をとりもってもらうのに、政治家が
必要になる。そして、自民党の政治家が、唯一ではないまでも、いちばんの
コネを持っている。そこで、自民党の政治家は、地元有権者の欲する公共事業に
必要な予算を割り当てる官庁担当者とつながりがあることを、選挙運動の
目玉として強調する。不正な選挙運動に手をかすのは、中立がたてまえの農協、
おびただしい数の建設会社、そして自社の施設を事実上の選挙事務所に
提供するその下請け企業である。

//////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



430 ◆eliAxluGeQ :2007/06/02(土) 20:14:48

/// とらえどころのない国家 25 /////////////

 さらに、自民党の絶対多数は、日頃なにくれと面倒をみている農村地区の
一票が、都市部の三票に値するという、不公平な票の重みの上に立つ代表制によって
保証されている。大都市以外の地方で再選を狙う自民党候補者は、実に
手のこんだ巧妙なやり方で選挙区向けの利益誘導工作をおこなうのがつねだ。
 つまり自民党は、なによりも、一個の巨大な集票機構なのだ。選挙の結果は、
ある政策に有権者が賛同するかどうかではなく、その時どきによって変わる
任意の要素により決まる。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



431 ◆eliAxluGeQ :2007/06/06(水) 22:29:05

/// とらえどころのない国家 26 /////////////

投票率(農村部の投票率が高いほど自民党に有利)とか、複数の侯補者を
立てる選挙区であまり票が割れないよう、どの候補者を自民党公認にするかに
関してどの程度注意を払うかなどによって決まるのである。高名な政治学者、
升味準之輔が一九六〇年に指摘したように、自民党が日本社会党の
二倍の議席を獲得したといっても、それは、自民党の考えや福祉政策を
良しとした人が二倍多かったということではなく、自民党の出した金が、
社会党の単なる意見よりも二倍の重さがあったということなのだ。

/////////////////////// 原書1989年刊 ///


432 ◆eliAxluGeQ :2007/06/09(土) 20:50:49

/// とらえどころのない国家 27 /////////////

        野党がうたうギリシャ悲劇のコーラス

 日本の"野党"は、自分がいるべき場所は、永久に政府の外だと考えている
かのような政党ばかりなので、自民党は不当に政治体制を操作しつづけることが
できる。自民党が、政権担当の能力をそなえているのは自党だけというイメージを
容易に定着させられるのは、第二党である社会党のおかげだといえる。社会党の
非武装中立の擁護と長年にわたる反米一辺倒の立場とイデオロギー上の
味気ない教理論争は、一般の有権者をひきつけないためにわざとそうしている
のではないかとさえ思えるほどだ。

///////////////////////// 早川書房 ///



年金も若者の雇用もめちゃくちゃ。日本もう終わってる。北朝鮮へ向かってまっしぐら。
国粋主義化からなにまで、北朝鮮はきっと20年後の日本の姿だよ。

日本は破綻しないよ。あの北朝鮮体制ですら、なんだかんだでしぶとく存在しているんだから。
国民餓死して体制あり。
434 ◆eliAxluGeQ :2007/06/13(水) 21:45:07

/// とらえどころのない国家 28 /////////////

もうひとつのイデオロギー政党、日本共産党は、いくつかの点で純理論
一点ばりの非現案的、教条的なところがやや少なく、共産主義者以外の
有権者からの共感票をかなり大量に集めることがある。だが、党成立後すぐ、
あきらかにモスクワの外交路線の道具になった過去があり、また、なんであれ
"共産主義"というレッテルには恐れをなすという戦後の名残りもあって、
他の少数党の連合パートナーとしてさえ受け入れられることはない。
 小さな民社党と公明党は、時どき、国政に正式に参加してみたいという様子を
見せるのだが、それは、自民党との連合パートナーとして、というだけである。
この二つの党が社会党と組めば、自民党以外の政権が誕生した可能性も
あるのだが、これまで一度もそんな機会をものにできなかった。

/////////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///


435 ◆eliAxluGeQ :2007/06/16(土) 19:40:08

/// とらえどころのない国家 29 /////////////

 この日本の万年"野党"は、西欧の議会制民主主義国の有権者にはとても
想像もできないやり方で、機能する。これまでのところ、リベラル派の日本人に
戦前の政治や統制の悪夢を思いおこさせる立法に対するいやがらせ効果と
障害物としての役割を果たしてきたという意味では存在意義があった。国会の
常任委員会で、ニュースになるような議事進行をおこない、自民党を当惑させる
こともできる。しかし、政策について自民党と本格的に議論をたたかわす
ことはない。

/////////////////////// 840円(税込) ///


436金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2007/06/17(日) 20:35:58
http://www.adpweb.com/eco/
>小泉政権の5年半は、経済政策の「空白期間」であった。その影響もあり、日本の名目GDPはほと
>んど変わらない。世界中どの国も経済成長をしているのにである。経済が成長しなかったのは世
>界中で北朝鮮と日本ぐらいである。それにもかかわらず、小泉政権の経済政策を誉めているエコ
>ノミストやマスコミ人が山ほどいる。目が曇っているのか頭がおかしいのである。
>小泉政権下では全体のパイが変わらず、富の分配が変わっただけである。雇用者所得が減り労
>働分配率が下がっているということは、会社の利益と株主への分配が増えたことを意味する。構
>造改革派が言っていた「一時的に会社の利益と株主への分配が増えても、これによって投資が増
>え経済が成長し、最終的には雇用者の所得が増える」というセリフは大嘘ということが証明された
>のである。
>だいたい最終需要が増えないのに、設備投資だけがいつまでも増え続けるはずがない。これは減
>り過ぎた投資が幾分増えただけであり、それも今がピークで今後は再び減る可能性が強い。外需
>だけに頼る日本経済の限界である。
>全体のパイが増えない中で大都市の経済が好調ということは、地方の経済がそれだけ不調という
>ことを意味する。同様に輸出企業が利益を出している反面、内需関連の企業は落込んでいる。ま
>た大企業の業績が良く、一方中小零細企業の不振が続く。これらの経済の一連の流れは、明らか
>に小泉政権の構造改革政策を反映している。
景気ウォッチ GDP
http://rank.nikkei.co.jp/keiki/gdp.cfm
          名目成長率前期比(%)   実質成長率前期比(%)  税収(兆円)
2000年度        0.8                            50.8
2001年度       -1.1                            47.9  4月小泉総理就任
2002年度        -0.8                  1.1         44.1          
2003年度        0.8                 2.1         41.8
2004年度         0.9                 2.0         45.5
437 ◆eliAxluGeQ :2007/06/20(水) 22:03:09

/// とらえどころのない国家 30 /////////////

 "野党"不在のまま議案を通過させれば、自民党は独裁的だといって手きびしく
批判されるから、国会の議事進行ボイコットは象徴的に怒りを示すには効果的な
方法である。少数野党は、自民党の"傲慢無礼なやり方"に対し抗議する時、
"政治モラル"(自民党議員の政治腐敗をさしていう腕曲表現)を問う時、また
時には、政府予算案に同意できないという意思表示にも、この手に訴える。
一九八三年には、野党が二八日間にわたって国会審議を停止させて新記録を
作ったが、一、二週間にわたり国会審議を麻痺させることはたびたびある。
八七年の春には、ある少数党の審議ボイコットがきっかけになって、自民党支持者の
間で売上税案に反対の立場が強まり、やむなく大規模な税制改革案までが撤回の
うき目をみた(だが、一九八八年暮れに装いを変えて消費税法案が国会を
強行通過して成立した)。

/////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



438金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2007/06/20(水) 23:59:04
日本は政治が官僚を統制できないのがダメ。
官僚が操る国日本。

しかし、それでも日本の民間企業は優秀な企業が多い。
439金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2007/06/21(木) 00:09:30
http://headlinebar.blog105.fc2.com/

ニュースヘッドライン
440 ◆eliAxluGeQ :2007/06/23(土) 19:06:32

/// とらえどころのない国家 31 /////////////

たいていの場合、ボイコットの圧力を受けた自民党は、実際の政策にごく
わずかの影響しか及ぼさない象徴的な問題についてのみ、妥協する。
ごくわずかな例外を除いて、日本の国会審議は民主主義的雰囲気を改めて
作りだすパフォーマンスであり、国政の展開にはほとんど影響力を持たない。
 ひとことでいえば、日本の国会における野党は、ギリシャ悲劇のコーラス役の
ようなものなのだ。この国の政治について百年一日のようにくり返される
単調な説明、そして自民党の道徳上の罪の数々を嘆くことばは、あくまでも
儀式的であり、毒にも薬にもならない。

///////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



441金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2007/06/26(火) 20:17:03
440 名前: ◆eliAxluGeQ 投稿日: 2007/06/23(土) 19:06:32
↑コイツは工作員か?
IP抜いて阿修羅に送っといたが。

俺も日本は統制経済主義社会だと思う。
高度成長時には上手く作用したんだろうが
この頃は日本人に生まれて来た事すら恥ずかしく思う。

ライブドアやヒューザー、雪印は枝葉だ。
この国の本当の巨悪には絶対に手を出せない様に出来ている
戦前が軍事ファシズムなら戦後は経済ファシズム。

腐り切った人非人や人でなしが国を動かしていようと何もアクションを起こさない国民。
正直こんな国は滅びてしまえと思う。
442 ◆eliAxluGeQ :2007/06/27(水) 22:32:02

/// 早川書房 //////////////////

 カレル・ヴァン・ウォルフレン(Karel Van Wolferen) (著)、篠原 勝 (翻訳)、
 原著1989年発行、邦訳 早川書房1990年発行
 「日本/権力構造の謎」 The Enigma of Japanese Power
 日本 権力構造の謎〈上〉 ハヤカワ文庫NF、840円(税込)、ISBN: 4150501777

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9940226551
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=18988933
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150501777/qid=1104753738/ref=sr_8_xs_ap_i1_xgl/250-1157004-2829055
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/40b9c78bede2b01032ee?aid=&bibid=01055138&volno=0000
http://books.rakuten.co.jp/RBOOKS/0000650744/

///////////// 絶賛発売中!///



443 ◆eliAxluGeQ :2007/06/30(土) 19:34:39

/// とらえどころのない国家 32 /////////////

        非力な大臣

 自民党は慣例的に"政権党"と呼ばれるのだが、実際には、これも誤称である。
なにしろ、この党の発案で法律が制定されたケースはほとんどないのだから。
いくつかの政策については、もとをたどれば自民党の有力議員グループが
イニシアチプを取ったものにいきあたるが、たいていの場合、自民党はたいして
重要な役割を果たすわけではない。自民党が政策実施の優先順位をみずから
打ち出すことは、ほとんどない。その実力の限界は、政治的決定ができなかった例
―たとえば、諸外国との紛争軽減を目的にした政治的決定や、国内の社会基盤
整備のための政策など―を見れば、いちばんよくわかる。自民党内のある人物や
集団が間接的な方法で力を行使することはあっても、国家の運営にふさわしいと
一般的に考えられるような権力ではない。

///////////////////// 原書1989年刊 ///



444 ◆eliAxluGeQ :2007/07/04(水) 22:48:09

/// とらえどころのない国家 33 /////////////

自民党の議員と他の日本人の違いは、議員は、まず大きな私的特権があり、
また、支持者に頼まれた要望を官僚に伝達する能力があるということだ。
八○年代後半には、日本の状況を見ていた欧米諸国の多くの者が、自民党は
一念発起して、産業構造の再編成、国内市場の開放、金融の自由化、
教育改革についての政策を積極的に議論しみずから推進役を買って出はじめた
という印象を持ったものだ。新しい政策が必要だと強調する過剰なほどの
委員会報告書や新聞記事を読んでのこのような印象は、しかし実は、
大部分が事実誤認だった。国内の議論でも、こうした事態への認識が誇張して
とりあげられた。これらの議論は、外国の圧力によって国内に持ちこまざるを
えなかったものが多かったのだが、それを最小限に抑え、つねに状況を
監視していたのは、自民党ではなく官僚である。

///////////////////////// 早川書房 ///



自民党の公務員改革、何だ?あれ。

官民の交流だとよw

民間企業を政府の恒久的下請け機関にする積りかよ。
国家社会主義以外の何物でもないな。
これで自民党がナチ政党だと言うことがハッキリした。
446金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2007/07/05(木) 21:38:18
まぁ今の自民の国会の運営ぶりをみてたらわかるわね。
447 ◆eliAxluGeQ :2007/07/07(土) 18:43:18

/// とらえどころのない国家 34 /////////////

 自民党の総裁でもある日本の首相は力の弱い国会に君臨しているのだから、
理論的には強い権力を行使できる立場にある。ところが実際には、日本の首相は
外国人(外国政府も含め)からみて当然、首相の権限に含まれると考えている
権力を行使できない。もし、彼がある目標に全エネルギーを集中し、二年以上
首相の座にどまっていられたとしても、ほんの少し行政上の優先順位を変更
させることができるかどうかという程度の権力なのである。日本の首相が
直接行使できる具体的な権力の形は、衆議院の解散権だけである。もし、
それ以上に強大な権力を望もうものなら、自民党内のライバルたちと"野党"との
共同攻勢にあい、倒されてしまうのはほぼ確実だろう。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



448 ◆eliAxluGeQ :2007/07/11(水) 21:29:17

/// とらえどころのない国家 35 /////////////

 日本の首相の権力は、欧米やアジアのどの政府の首長のものよりも弱い。
証拠が必要なら、最近の中曽根康弘が経験したことを見てもらおう。政府の
最高指揮者としての実権を握り、実際にすべてを統治したいという野望が
中曽根にあることは、明白だった。彼はまた、戦後の首相のだれよりも懸命に、
首相という官職の権力を強化しようとした。ところが、最終的には、彼が強硬に
主張した政策調整をひとつとして果たせなかったのである。唯一、彼がなしえた
例外は、世界一の赤字会社、日本国有鉄道の分割だけだった。

/////////////////////// 840円(税込) ///


449 ◆eliAxluGeQ :2007/07/14(土) 20:36:37

/// とらえどころのない国家 36 /////////////

 憲法によれば、行政権は内閣に付与付与されている。ところが普通、日本の
閣僚は公式権能にうたわれているとおりには省庁の運営にはかかわらない。
省庁内で、大臣の影響力はほとんないかゼロである。ほぼ毎年、内閣改造が
おこなわれるから、大臣には高級官僚のうえをいくほど詳細な情報を吸収する
時間がない。力のある政治家なら、省庁の高級官僚の人事になんらかの
影響を与えたり、各省に対応する自民党内の政策グループ内での地位を昇る
ことによって、政策決定の分野で実力を示すこともできる。官僚全体のなかで
文部省、運輸省、建設省などの役人は、通産官僚や大蔵官僚ほど独自の
意志をもたない。だが、重大な決定を下す大臣はほとんどいないので、もしいたら、
そういう大臣は後のちまで官庁機構内部で語りぐさになり、新聞でとりざたされる
ことになる。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///

450 ◆eliAxluGeQ :2007/07/18(水) 22:05:51

/// とらえどころのない国家 37 /////////////

 大臣が、あくまでも正式の規定どおりに権力を行使することにこだわれば、
あなどりがたい官僚のサボタージュに出会うこと必定であろう。まれな例外を
除いて、閣議は、ものの一〇分か一五分ですんでしまうまったく儀式的なものだ。
その前日の次官(各省庁の最高位の官僚)会議で決まった法改正案などを、
正式に認めることがその日の閣議の唯一の目的である。ヨーロッパの閣議では
よくおこなわれることだが、日本の閣議では、官僚がまだ知らない新しい事柄や、
詳細まで検討していないことについては、討議されない。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///

451 ◆eliAxluGeQ :2007/07/21(土) 18:49:49

/// とらえどころのない国家 38 /////////////

 政治家の役割の重要性は、新しい政策目標にどれほどの緊急性を認めるか
によって、変わってくる。たとえば、一九五〇年代には、大半が官僚出身の
多くの自民党議員が、無制限産業拡大政策―当時は、当然の最優先国家目標
だとされた―を実施するのに必要な調整のための素案づくりに協力した。もっとも、
一九六〇年代のはじめには、池田勇人首相が、大蔵省の強固な抵抗を押し切って、
"高度経済成長"政策を打ち出した。その後は、政治家はこの政策にめったに
口をはさまず、他の新しい優先事項を持ち出したりもしなかった。

///////////////////// 原書1989年刊 ///

452 ◆eliAxluGeQ :2007/07/28(土) 22:29:35

/// とらえどころのない国家 39 /////////////

一方、教育政策に関しては、過去数十年にわたり、自民党議員が、文部省の
方針決定に積極的に介入してきた。また、七〇年代後半および八○年代に、
テレコミュニケーションのような新しい産業分野がどこの管轄に入るかということを
めぐり、省庁間の争いがあった際、降ってわいたような調整役を果たすことになった
自民党の一部の政治家は、政治力を増すことになった。総じていえば、自民党の
力は決して過小評価してはならないが、この国を統治することにおいては
官僚の力のほうがはるかに強いという結論はさけがたい。

///////////////////////// 早川書房 ///


453金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2007/07/28(土) 22:31:02
日本の貧乏人は税金を払わずパチンコやスナックでお金を浪費。
日本の国と地方を合わせた消費税率は先進国で最低。
貧乏人は本当に税金を払わない。

間接税が30%の国では遊びに5万円使えば1万5000円の税を納める。
もし日本がそういう国なら、遊んでばかりいて年金を納めなかった人も
おおよそ同額の税を納めるからいい。

しかし実際の日本の消費税は5%しかないから、5万円遊びに使っても税はたったの2500円。

まじめに年金を納めて国民年金をもらう人と本来年金に回るべき金を
浪費してしまって納めず老後に生活保護に転落する人とでは自己負担額に6倍もの
不公平があるのだ。

浪費者は老後に生活保護に転落する危険が高いのだから、自己責任を取らせる意味でも
間接税を思い切り増税すべきである(ただし、生活必需品は別)。

福祉へのフリーライダーを許すな!

いい加減、日本国民は税金は払わず福祉にただ乗りする連中を許さない
態度をはっきりすべきだ。
454 ◆eliAxluGeQ :2007/08/01(水) 22:12:46

/// とらえどころのない国家 40 /////////////

        権威主義的な官僚政治

 では、日本の国家権力を握っているのは官僚なのだろうか。日本の状況に
詳しい多くの人々が一見正しそうな、この結論に達している。
 日本の日常的行政活動において、官僚、とくに大蔵、通産省、建設省、
郵政省の官僚は、明らか理論的に認められた以上の権力を行使する。官僚は
さまざまな制限と規製を駆使して、経済発展を押し進める。法案もほとんど、
彼らがつくる。このことは、経済発展を押し進める。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///


455 ◆eliAxluGeQ :2007/08/04(土) 20:01:59

/// とらえどころのない国家 41 /////////////

法案も、ほとんど、彼らがつくる。このことは、実質的な権力ということからいえば、
かなり重要なことだ。彼らが作った法案には、ほぼまちがいなく国会の承認印が
ぽんと押される。そして、成立した法律を、官僚がもう一度自分が大事に
あたためている計画目標達成の手段として便うわけだ。官僚の非公式の権力は、
その専管領域における公式に認められている権限をいっそう強めることになる。
この非公式の権力は、良否の討議の対象にはならないので、歯止めがない。

/////////////////////// 840円(税込) ///




自民党と民主党の見せ掛けの対立劇はもうバレてると言うのに、改めて指摘されて、
ま〜だ猿芝居を続けてるよw
一度嘘を吐くと前の嘘を隠す為に次ぎから次ぎへと嘘を吐いて行くのに似ているね。
策士策に溺れると言うか、今度は自分で自分の首を絞め始めたよw

政治家一代やっただけで巨万の富を築いている者が居るよね。
政治家の給料である歳費だけで色々出費もあるだろうしそんな事はあり得ない。
よっぽど悪いことをしてなければ無理。
昔は賄賂。色々世間の目が厳しくなったが、政治家連はちゃんと抜け道を作っていた。
今は政治献金を着服すると言うやり方らしい。
それが出来なくなったら、そりゃ困るだろう。

政治資金収支報告書に本当に一円から、記載されるようになるか見ものだなwwww
457 ◆eliAxluGeQ :2007/08/08(水) 22:59:48

/// とらえどころのない国家 42 /////////////

 それなら、やはり、日本は"権威主義的官僚国家"だと考えれば、日本の
権力の謎も解きやすくなるのではないか。ところが、その官僚の中で、実権を
握っているのはだれかということを見極めようとすると、また判らなくなってしまう。
それぞれの省庁の次官は、その省庁として反対している事柄を承認するよう
迫られても譲らない。形式的な閣議に先立って開かれる次官会議にいつも
出席している人々が筆者に話してくれたところによると、賛否両論に分かれる
ような問題について、断固として譲らない省庁があると、行き詰まりを打開する
すべもなく、話し合いはそこで停滞してしまうのがつねということだ。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///


458 ◆eliAxluGeQ :2007/08/11(土) 21:07:16

/// とらえどころのない国家 43 /////////////

 官僚間の強烈な対抗意識のせいで、政策決定における全般的な支配力を
官僚が握るということは、これまでずっと妨げられてきた。同じ伝で、省庁間の
縄張り争いはしばしば名だたる争いに発展してしまうのだが、それは、ほんとうに
必要な、国の統一政策の形成を妨げる。このような内部的な拮抗はさておいても、
全体として官僚の権限がおよぶ範囲が制限されているのははっきりしている
のだが、どこにその限界があるのかということは、だれにも正確にはわからないのだ。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///


459 ◆eliAxluGeQ :2007/08/17(金) 21:14:08

/// とらえどころのない国家 44 /////////////

        財界

 さて、あと一つ、主要な権力集団がある。日本の政策の裏にはなにかの陰謀が
あると見る推理派が好んで引き合いに出す、ザイカイである。経済界の最高位
にある企業経営者、とくに、強力な経済団体を通して発言する大物実業家の
集団、それが財界である。日本の国際的な知名度は、主に、工業製品とそれが
他国に与える経済的影響を通してだけなので、ややもすれば、大実業家が
政治的な決定をも左右しているのではないかと外国人は考える。この解釈によれば、
自民党と官僚は、両者とも財界の代理人として働いているのである。

///////////////////// 原書1989年刊 ///


460 ◆eliAxluGeQ :2007/08/19(日) 20:47:20

/// とらえどころのない国家 45 /////////////

 だが、この図式は正しくない。たしかに、経済関係省庁の官僚や自民党が
産業拡大をこの国の最大目標だと考えるかぎり、日本の企業はきわめて条件の
よい政治的風土の中で活動を展開できるし、この目標達成のためなら、たいがいの
方法は当然のこととして認められる。だからといって、大企業の社長や会長が
日本の陰の支配者ということにはならない。
 周知のとおり、経済界の連合団体、とくに経団連(経済団体連合会)は、
強大な力をもっている。経団連は、日本自動車工業会、日本造船工業会、
日本鉄鋼連盟、石油連盟、日本化学工業協会などの主要業界団体のほかに、
商社、卸売業者、銀行、保険会社、証券会社なども加わった、産業団体の
上位連合である。

///////////////////////// 早川書房 ///


461 ◆eliAxluGeQ :2007/08/22(水) 23:23:46

/// とらえどころのない国家 46 /////////////

ついで重要なのは、日経連(日本経営者団体連盟)でこれまで労働運動の
コントロールや賃上げ抑制を主たる任務としてきた団体である。経済同友会は、
財界人の経営指針の理論的べ-スがつくれるよう、エリート財界人のための討
論の場を提供してきている。一九五〇年代なかばには、日本式の"修正資本義"が
必要だと提唱して注目された。第四番目の、いちばん歴史が古い日本商工会議所
(前身は一八七八年設立の東京商業会議所)は、より小規模の企業を統轄する。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///


462 ◆eliAxluGeQ :2007/08/25(土) 21:58:25

/// とらえどころのない国家 47 /////////////

 このような戦後にできた団体の創始者や大物リーダーを、企業家あるいは
企業家を代表しているとみなすのは誤りである。官僚と実業界のパートナーシップが
功を奏した理由の一つに、産業界の頂点にあるこれら経済団体が、発足以来
ずっと、戦時産業動員の責任者だった官僚と、官僚化した戦時カルテルの
指導者によって指揮されてきたということがある。一九五五年の保守合同を
実現させ、自民党発足に尽力したのも、彼らだった。彼らはまた、米占領軍撤退後の
日本の教育政策や、その後の学校教育制度形成にも決定的な影響を与えてきた。

/////////////////////// 840円(税込) ///


463 ◆eliAxluGeQ :2007/08/29(水) 22:00:27

/// とらえどころのない国家 48 /////////////

 八○年代も後半に入り、ますます官僚化した経済界のトップには長老格の
財界人がおさまって、老人政治を展開している。彼らは、それぞれの会社の
会長として、社長にも勝る猛烈な力をふるいつづけることも多い。会長になると
時間的余裕もでき、各種団体の委員をつとめる機会も増える。彼らは、社会に
なにが必要かについての高説を披露し、世界における日本の任務とか将来の役割、
財界人に貢献できることなどといったおきまりの陳腐な話を重ねているうちに、
彼らの会社の評判を高める。しかし、日本の任務や国際的な役割云々という、
その説どおりの新しい方向に日本を進めるよう舵とりをする力はないのである。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///


464 ◆eliAxluGeQ :2007/09/05(水) 22:41:44

/// とらえどころのない国家 49 /////////////

 現代の実業家は、個人としてではなく集団として、定期的に政治的な力を
金で買っている。個別業界、および個別の大企業は、自民党議員がそれぞれの
選挙区で集中的に広報活動を展開するのにかかる、途方もなく多額な費用の
肩がわりをして、自民党議員の大半を動かせるだけの影響力を維持している。
具体的に自社にかかわる行政上の決定に大きな影響力を持つ自民党の
代議士の政治力を金で買う企業もある。

//////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///


465 ◆eliAxluGeQ :2007/09/08(土) 20:09:29

/// とらえどころのない国家 50 /////////////

 だが、このような経済界の力にも限界がある。非公式に経済界を制御する
官僚の統制力のほうが、はるかに強いからだ。経済活動に限っても、既存の
国内市場を外国企業の競争から保護したり、新しい産業分野への移行を
行政指導し統合調整するのは、中央官庁であるから、財界は、関係省庁に
大きく依存せざるをえない。
 というわけで、右に述べてきた政治家、官僚、財界の三つの集団はそれぞれ、
ある時には、驚くほどの力を示し、またある時には、思わぬ弱さを露呈してしまう。
これらの集団が、互いにどのように関係し合い、権力を分け合うのかを明確に
示す図式をつくるのは不可能だ。いちばん重要なことは、どの集団をとっても、
それが日本の権力のヒエラルキーの頂点を構成しているとはいえないと
いうことである。

///////////////////// 原書1989年刊 ///


466 ◆eliAxluGeQ :2007/09/09(日) 22:55:33

/// とらえどころのない国家 51 /////////////

        国家は無用の長物か

 これまでに見てきた三つの権力集団と力を競い合うだけの強力な集団が、
もしほかに存在したいとすれば、国家としての日本の中心はどこにあるのか?
マルクスは、共産主義によって人間の必要物がすべて満たされると国家は
消滅すると予測したが、この場ちがいの日本で、まさにそのことが起きて
いるのだろうか。
 そもそも、日本人にとって、国家は必要なものなのか?少なくとも、中世から
一九世紀のなかばまでは、明らかに日本の政治エリートは、国家が必要だとは
思わなかったようだ。しかし、いつも不要だと思われていたわけでもない。

//////////////////////////// 早川書房 ///

467 ◆eliAxluGeQ :2007/09/12(水) 22:53:17

/// とらえどころのない国家 52 /////////////

現在の日本の中央部にあたる大和の国の統治者が、七世紀なかばに自分の
領地を統合した際、他の豪族をも支配下に入れて、中国をモデルにした
中央集権国家を日本に作ろうとしたことがある。しかし、この"国家"は長続きせず、
永続的な中央集権を確立するには至らなかった。大和政権は全国を行政区画に分け、
首都から国司(地方官)が一定の任期をもって派遣された。そのうち、彼ら国司は
任地にとどまったまま、権力を自分の子孫に継がせはじめたのである。さらに、
中国との国交が絶えてしまうと、国家の必要性も日本の権力者の頭からすっかり
消えてしまったようだ。権勢の春を謳歌した藤原家でさえ、後には、しっかりと
国全体を統治できるほど強い権力は持たなかった。

////////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///

468 ◆eliAxluGeQ :2007/09/15(土) 20:10:40

/// とらえどころのない国家 53 ///////////

 三人いた日本の天下"統一者"の中の一番手、織田信長(一五三四〜八二)は
国家を樹立したいと欲していた、といえるかもしれない。彼は、敵対する
大名領主を倒して領地を奪い、その後に自分の意のままになる忠実な武将の
家臣を配して統治させるという征服のしかたで、中央からの統治を試みた。
重要なのは、信長がこの武力による"平定"作戦の大義名分として、現存する
領国の単なる統合以上の国家概念を唱え、それを「天下」と呼んだことだ。
だが結局、この"天下"は実現できなかったのである。

/////////////////////// 840円(税込) ///



469 ◆eliAxluGeQ :2007/09/19(水) 22:22:59

/// とらえどころのない国家 54 /////////////

 彼の後を継いだ豊臣秀吉(一五三六〜九八)は、一五九〇年にはすでに、
ほぼ全国統一を果たした。おそらく彼が、ほんとうの意味での最高権力を有する
指導者にもっとも近い日本の権力者だったのではないか。ところが彼は、
打ち負かした領主を排除せずに、ほとんどの領主に以前どおり領地を統治させた
のである。事実、大名と呼ばれる半自治的な領主を軸に回転する封建制度を
つくったのは、秀吉であった。この政治的バランスに乗って、徳川の将軍たちは、
二世紀半にわたり権力の座を保てたのである。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///


470 ◆eliAxluGeQ :2007/09/22(土) 20:08:43

/// とらえどころのない国家 55 /////////////

        徳川家

 近世以前の日本国家樹立の最大のチャンスが生かされぬまま、一六〇〇年、
決定的な関ケ原の戦いとなった。この戦いによって、それまでの約三世紀にわたった
断続的な内乱に終止符が打たれ、新しい政治制度開幕の舞台が整った。
生き廷びた武家領主に忠誠を誓わせた上で、徳川家康が将軍の座におさまり、
その名も彼の姓氏からとった徳川時代という比較的平和な時代が長期にわたり
続くこととなる。もっとも、平和ではあったが、政治的な統一はなかった。将軍も大名も、
後継ぎに残すべきものをなくさないようにすることに心を奪われていたから、
中央集権政府を本格的につくる試みなどだれもしなかった。親藩・譜代・外様をとわず、
大名の権力を弱めるようないかなる統一国家の理想も危険すぎたのである。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///


471 ◆eliAxluGeQ :2007/09/29(土) 19:03:22

/// とらえどころのない国家 56 /////////////

 徳川幕府は、日本の国土の約四分の一を支配していたにすぎない。その支配は、
直接あるいは、約五〇〇〇の旗本家を通しておこなわれた。旗本は、俸禄を与えられ、
幕府の役人や事務官として働く。このほかに、徳川幕府に忠誠を誓う血縁関係をもつ
少数の親藩大名と一七〇家前後(平均)の譜代大名がいた。譜代大名はそれぞれの
領地内で自由裁量の権力を有し、徳川二代将軍以降は、幕府の幕政エリートの
供給源となった。さらに、平均八○家前後の外様大名がいたが、彼らについては、
将軍はつねに工夫をこらして幕府の決定権を持たせないようにしておかなければ
ならなかった。

///////////////////// 原書1989年刊 ///


472 ◆eliAxluGeQ :2007/10/03(水) 22:04:21

/// とらえどころのない国家 57 /////////////

 一部の大規模な外様大名の領地は、他の領地との関係以外は自治的で、
実質的には独立国家であった。幕府は、要所に関所を設け、スパイ網を張りめぐらし、
忠誠心の高い大名の領地を戦略的に配置することによって、一騒動もたらす
惧れのある領地を孤立させるよう工夫した。最終的に徳川政権を倒したのは、
外様大名の連合体である。この時点で、日本はすでにかなり複雑な政体に
発達していたが、中央の指導権の所在はまだはっきりせず、国家と呼べるものには
進化していなかった。

/////////////////////////// 早川書房 ///


473 ◆eliAxluGeQ :2007/10/06(土) 19:45:15

/// とらえどころのない国家 58 /////////////

 なんであれ、日本のこと、ものについては侵すべからずという強烈な意識を
もつのが、日本人の特徴なので、この強い不可侵の意識には、領土も含まれる。
しかし、これまでに見てきたように、日本の場合には、何世紀にもわたりその
領土保全に、国家への帰属意識は必要なかったのである。このことは、フビライ・ハンの
率いる蒙古軍が侵略(一二七四年および一ニ八一年)を試みた以外、だれも
日本に干渉しなかったという稀な状況におそらく関係があるのだろう。日本人は、
そっとしておいてくれるかぎり、国家という概念さえ必要としなかったと考えられる。
中国とは対極的な違いではある。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///


474 ◆eliAxluGeQ :2007/10/10(水) 23:15:01

/// とらえどころのない国家 59 /////////////

 だが、永久にそっとしておいてはもらえなかった。一八五三年、アメリカ合衆国提督
マシュー・ペリーが、不気味な黒船四隻をしたがえて到来し、日本近海を航行する
アメリカ船のための食糧と燃料補給の便益、それに難破した船員の人道的取扱いと
通商のための開港を要求したのである。八カ月後にペリーはなんとか条約の締結まで
こぎつけたが、日本がアメリカのために大した譲歩をしたわけではなく、また、
アメリカ人側が約束をとりつけたと思ったことも、日本の役人がぬらりくらりとうまく
切り抜けることのできる条約だった。しかし、この条約が、後に続くイギリス、ロシア、
オランダとの条約の先例となり、日本の鎖国政策に公的に終わりを告げさせたのであった。
ついに、日本は、一団の騒々しい世界の列強の争いの渦に、否応なく直面させられ、
外交政策の必要性にも迫られることとなった。

///////////////////////// 840円(税込) ///

475金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2007/10/12(金) 13:15:58
アメリカの経済学者ラビ・バトラ博士

「1979年、イランで革命が起こり、パーレビ国王は退位するだろう。」

「1980年からイランとイラクとの間に7年間におよぶ血生臭い
戦争が勃発するだろう。」

「1990年1月から3月の第1四半期の間に東京市場で株価の
大暴落が起こるだろう。」

「どんなに遅くとも2000年までに共産主義は断末魔の苦しい革命を経て
崩壊し、2010年までに資本主義は崩壊する。」

「資本主義の崩壊(世界同時大恐慌)は住宅バブル・原油バブルの2つのバブルの崩壊に
端を発するNY株式市場の大暴落から始まるだろう。資本主義は花火のように爆発する。」

「世界同時大恐慌の入り口は2005年。そして2010年までに
『搾取的資本主義』は崩壊するだろう。」

(大恐慌・資本主義の崩壊によって)
「日本と世界は同時に崩壊する。」

ラビ・バトラ博士の恩師、サーカー師

「共産主義は早死にするだろう。資本主義は爆竹のように弾けて終焉するだろう。」
476 ◆eliAxluGeQ :2007/10/17(水) 23:54:00

/// とらえどころのない国家 60 /////////////

        分断される明治の国家

 この外国の千渉が主なきっかけとなって、一八六八年には明治の寡頭政治政権が
支配権を得たのだが、これらの政治家の頭から離れなかったのは、強力な国家を
つくることであった。徳川幕府打倒から三年のうちに、「外国と対等な関係を保つためには、
ことばは本来の意味をもたなくてはならない。すなわち、この国の政府は単一の権威を
中心とするものでなければならない(〔内以て億兆を保安し、〕外以て万国と対時せんと
欲せば、宜く名実相副ひ政令一に帰せしむべし)」という詔書の説明と共に、旧封建領地を
廃止(廃藩置県)している。中でも勢力のある領主は、それまで独自に外国と交渉を保ち、
外国へ戦争をしかけたことさえあるほどだから、この布告は深い意味をもっていたのである。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///


477金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2007/10/18(木) 00:08:22
世界の都市と日本の都市を比較するスレ↓
http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/geo/1192611844/l50
478ぼかふき:2007/10/20(土) 07:56:58
官憲と役人は
海外迷惑メールを自作自演で増やしまくり
ネット規制やむなしの
世論を作ろうと画策している
479 ◆eliAxluGeQ :2007/10/20(土) 19:25:27

/// とらえどころのない国家 61 /////////////

 国家樹立のこころみは、はじめすばらしく順調に行きそうだった。それは西欧列強が
賞賛するほどで、とくに一九〇五年の日露戦争の勝利は、日本の海軍の手腕のほどを
世界に示すこととなった。しかし、この中央集権制度は、創始者の命より長生きできるほど
強固ではなかった。最初の少数独裁政権は、意見の違いを調整し、統一政策を打ち出す
ことができたのだが、次代の指導者たちには先代ほどの仲間意識もなく、実効ある
少数独裁政権を形づくることはできなかった。内務省、陸軍、海軍、外務省、大蔵省、
枢密院など、国家の中枢となるべき重要機関の指導者がすべて、自分たちを国家権力の
中核の代表であるというよりも、それぞれが所属する機関の代表であると考えた。
事実、互いにことばすら交わさない者が多かった。

//////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///


480 ◆eliAxluGeQ :2007/11/04(日) 19:29:50

/// とらえどころのない国家 62 /////////////

 歴史のあと知恵でいえば、明治の改革者が多くを成し遂げたのはたしかだが、現在の
日本がかかえているリーダーシップ問題についても、彼らの責任なのである。詳細に
吟味してみると、彼らが設立した国家は、彼らの寿命よりも長く持ちこたえなくて当然
という感じさえしてくる。彼らが作った規則に、だれが責任をとるのか具体的に明示されて
いないことを見てもわかるように、国家をしっかりと固めるためには彼ら創始者一人ひとりの
個人的な努力によって統一を保っていかねばならなかった。この寡頭統治は暫定的な
もので、後に日本の制度と西洋の制度とを混ぜ合わせた、十分に整合した制度に
とってかわられる予定であった。ところが、彼ら近代日本の政治制度の設計者は、みずからの
権力を失うのを恐れて、このような整合には不可欠な政治権力の責任の所在の問題を
無視してしまったのである。

///////////////////// 原書1989年刊 ///

481金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2007/11/04(日) 19:41:08
全体主義といえば、東ドイツやソ連を思い出すが。
日本で東ドイツのシュタージみたいなやつらがいるんだと思わせる情報がある。
「集団ストーカー」という嫌がらせがあるらしく、マスコミで報道されない代わりに
ネットでうわさがどんどん広がってるらしい。
2ちゃんねるやブログで情報がてんこ盛りなので調べてみることをお勧めする。
482 ◆eliAxluGeQ :2007/11/07(水) 21:07:12

/// とらえどころのない国家 63 /////////////

 時を経るにつれ、この国家の諸機関が、自分たちの偏狭な利益は国の利益にもなると
勘違いし、廃止された徳川時代の所領に似た自治観を持ちはじめた。世紀が変わった後、
枢密院、軍幹部、官僚、政治家、有力実業家、それに皇室顧問たちの間で、権力を得る
ための激しいつばぜり合いが展開されることとなった。二〇世紀のはじめの二〇年ほどは、
明治初めの少数独裁者たちが生きていて、元老という資格で全体を結合させる役目をした。
元老には、重大ないがみ合いになるのを防げるだけの実力があったのだ。しかし、
彼らがいなくなってしまうと、日本の指導者は、それぞれに天皇の命令によると主張
しながら、この国をいろいろな方向に激しくひっぱりはじめたのである。

///////////////////////// 早川書房 ///


484 ◆eliAxluGeQ :2007/11/10(土) 19:25:25

/// とらえどころのない国家 64 /////////////

 天皇には公式な主権があったが、統治しないことになっていた。立法府は、実際の
権力をもたないはずであったが、設計ミスによって、いつのまにか反対の方向に独り歩き
はじめた。諮問機関の役割を果たすはずだった内閣は、その本来の役割の枠から
逸脱しはじめた。だが、憲法には、そのような場合どうすればよいのかについて、
具体的規定がなかったのである。第一次世界大戦後、大企業から金をもらった政党が
正式な政府を構成した。しかし、これらの政党が、明治憲法によって保証された他の
中心的権力機関と、充分に張り合っていけるだけの実権を得ることは一度もなかった。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



485 ◆eliAxluGeQ :2007/11/17(土) 20:53:05

/// とらえどころのない国家 65 /////////////

 これら"天皇の役人"たちの間で、どれほど意見の衝突があったかは、強い勢カをもつ
内務省と陸軍とが争った"ゴーストップ事件"によくあらわれている。一九三三年のこと、
大阪である一等兵が二回も道路を赤信号で横断した。交通巡査が彼を逮捕したのだが、
その兵士が警官の指示に従う義務はいっさいないと主張したことから、けんかが始まった。
さて、この言い争いが、上部レベルへとエスカレートしていくのである。第四師団の
参謀長はこれこそ警察を非難し陸軍の権威を高める絶好のチャンスだと見てとった。
荒木陸相も同意見で、さっそくエリート憲兵隊の隊長に命じて、軍人に対する涜職、
障害、名誉毀損で軍事法廷に告訴させた。

/////////////////////// 840円(税込) ///


486 ◆eliAxluGeQ :2007/11/22(木) 21:55:31

/// とらえどころのない国家 66 /////////////

 一方、警察側では、この事件の報告は、地方警察部長経由で大阪市長、そして内務省
警保局長へと伝えられ、ついには内務大臣にまで達した。陳謝するなどもってのほか、
その兵隊のほうこそ裁判にかけられるべきだと、一同いきまいた。同じような事件が、
東京、名古屋、秋田、福山でも起こっていたから、内務省としては、断固として陸軍の
無礼な尊大さをただすことにしたのだ。ところが、陸軍の軍官僚は、あれやこれやの
手段で軍人への告訴を妨害した。争いは、ついに天皇の耳にも入り、荒木陸相がその件に
ついて問いただされた。そこで陸相は、陸軍の政務次官に、内務省の警保局長と話し合って
問題を処理するよう指示し、知事が和解の調停役として一働きさせられた。

/////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



487 ◆eliAxluGeQ :2007/11/28(水) 22:53:34

/// とらえどころのない国家 67 /////////////

        戦前の首なし鶏

 一九三〇年代には、西欧的民主主義へと進展するという希望がくじかれる一方で、
権力はしだいに軍部の手に握られていった。ところが、このような事態が起こっていても、
一体だれが軍部の責任者なのかは、だれにも判らなかったのである。陸軍、海軍、
いずれにも天皇に帷幄上奏できる長がいて、両軍が互いに相談しあうことさえなかった。
防衛政策をまとめるにしても、双方の目的がくい違い、戦略上の優先事項もくい違い、
上奏できる長がいて、両軍が互いに相談しあうことさえなかった。防衛政策をまとめるに
しても、双方の目的がくい違い、戦略上の優先事項もくい違い、仮想敵国も違ったから、
どうしようもなく難航してしまう。

//////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///


488 ◆eliAxluGeQ :2007/12/01(土) 19:46:18

/// とらえどころのない国家 68 /////////////

軍需品も別々に調達された。海軍兵学校の士官候補生は陸軍軍人と武器について
討議することもできなかったであろう。というのは、海軍と陸軍はまったく違う用語を
使っていたからだ。また一方で、陸軍、海軍とも、内部抗争によってずたずたに分裂
していた。たとえば、陸軍の場合には、皇道派が統制派と激しく衝突していた。両者を
分けたのは、士官たちの経歴の違いと、大和魂の精神力によりつつも、現実的な計画に
どの程度のウエートをかけるかという考え方の違いであった。その後さらに、清軍派と
国体原理派が加わった。後者は、急進的な若い将校で構成され、あのきわめて重大な
一九三六年の"二・二六事件"の首謀者となった。

///////////////////// 原書1989年刊 ///


489 ◆eliAxluGeQ :2007/12/01(土) 21:31:14

/// とらえどころのない国家 69 /////////////

 今世紀初頭に始まった中心的政治権力の消失現象は、一九三〇年代には、日本を
もうだれの力でもひきもどせないところまで漂流させていた。そして、狂信的な陸軍の
中間クラスの将校に、国を"乗っ取る"機会を与えることになったのである。一九三一年九月、
日本の関東軍の小部隊が奉天の中国軍守備隊に攻撃をかけ、それをきっかけとして、
満州征服が開始された。関東軍のこの途方もない反抗的独走を東京の政府がとがめ
なかったので、陸軍は思いどおりに事を進めてもよいと取り、勝手にみずからの発議で
満州国という傀儡国家を発足させた。この狂信的な将校による脅迫行動は、日本を、
真珠湾へ、そして広島へといたる道を歩ませることになる。

/////////////////////////// 早川書房 ///


490 ◆eliAxluGeQ :2007/12/05(水) 21:31:17

/// とらえどころのない国家 70 /////////////

 自国の一〇倍の産業観模を持つ国を攻撃するのは、自殺行為と言わなければなるまい。
もし一本にまとまった強いリーダーシップがあれば、こんなことは起こらなかったに
ちがいない。事実、アメリカを第二次世界大戦にひき入れた日本の奇襲は、陸軍と海軍の
対立が直接引き起こした結果だったといえるだろう。日本を戦争への道に導きつつあった
陸軍は、海軍が強大なアメリカの戦力に対する守りを固めるのは当然だと思っていた。
片や海軍は、その権力と愛国的な海軍としての信用を失いたくなかったので、すでに
海軍内部で勝利は不可能という考えが広がっていたのに、それをあからさまに表明する
ことは避けていた。
 戦争それ自体は、この国の政治機関を統合するうえで、ほとんどなんの影響も与え
なかった。たしかに戦争によって官僚の権力は強化されたが、その権力は、だれか一人の
人間や一機関に集中していたわけではない。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///

491金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2007/12/07(金) 11:55:50
自民民主公明は、電子選挙投票を実現させようとしています。
一切の証拠が残らない選挙。
ブッシュは電子選挙のおかげで勝って戦争をしているのです
農業は、護送船団方式が重要。
これはマジで。
493 ◆eliAxluGeQ :2007/12/12(水) 22:04:39

/// とらえどころのない国家 71 /////////////

 内閣は、それぞれが周到に特権と省内自治を守る省庁の寄合所帯のままであった。
首相は決して執行最高責任者ではなく、内閣の政策統一をはかろうとするコーディネーターの
最高位者である。彼は他の大臣に命令することも、意のままに大臣を変えることも
できなかった。大臣の更迭は、圧力と説得とを要する複雑な仕事である。
 戦時中の日本人は、ヒットラー、ムッソリー二、チャーチル、ルーズベルトらが握って
いたような権力にはるかに及ぼぬ程度の権力ですら、だれか一人の人物(あるいは
一政府機関)に与えることはなかった。戦争が終わりに近づいても、戒厳令をしけば日本の
総力防衛に必要な権力が得られたであろうに、政府は戒厳令を発動しなかった。
「理由の一つは、指導的エリートがだれも、他のエリートの権力が増すことを望まなかった
からである」。

//////////////////////// 840円(税込) ///


494金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2007/12/12(水) 22:17:13
阿保か。いまや世界各国とその企業は
新護送船団方式だぞ。

しかもスレッドタイが微妙に
サヨチックなのも経済的にマイナスだ。

護送船団だめなら日本丸を旗艦とした
連合艦隊で世界に突撃しろ!
495 ◆eliAxluGeQ :2007/12/15(土) 19:40:01

/// とらえどころのない国家 72 /////////////

        戦後の誤解

 太平洋戦争という悲惨な冒険の後も、新たに、本格的な中央集権制を確立しようという
動きは見られなかった。一九四五年にダグラス・マッカーサー元帥と部下の政治改革家は、
日本には、ヒットラーやムッソリー二のような独裁制の強固な残澤があると想像し、
それを解体するつもりで日本にやって来たのだった。強力な指導者がいなかったために、
日本が欧米連合国に攻撃をかけることになったなどとは、だれも思ってもみなかったのだ。
一方、日本人自身のほうは、生活や国内の復興におおわらわで、中央集権国家という
明治の実験をくり返す余裕などとてもなかった。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///


496 ◆eliAxluGeQ :2007/12/22(土) 19:54:20

/// とらえどころのない国家 73 /////////////

 外交政策優先の立場をとらざるを得なかった明治の志士は、他国との交渉には強力な
国家統治の中枢機関をつくることが必要だと、そのことを第一に考えていた。しかし、
一九四五年以来一九七〇年代のなかばまでの日本は、国際的に一つの政治単位としての
行動を要求されることはあまりなかったから、国家であるかどうかなど気にかける必要も
ほとんどなかった。外交政策の必要性すらも感じなかったのだ。そして戦後初の重要な
首相、吉田茂は、注目にあたいする政治的現実を発見した。アメリカが肩がわりを
してくれるので、日本は戦前のように国防に力を注がなくてもよいということ、そして、
一つの国家として認められるために必要なすべての対外活動も、アメリカが代理人を
つとめてくれるということである。

///////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



497 ◆eliAxluGeQ :2007/12/29(土) 20:57:44

/// とらえどころのない国家 74 /////////////

 日本は、国防だけではなく、ついには、外交でも、完全にアメリカに依存することと
なった。要するに、アメリカが外交上の後楯になり、日本は新重商主義とも呼ぶべき
貿易のやり方に助けられ、強大な戦後の経済マシーソをつくり上げたのである。
中曾根康弘が首相になるまで、理想的な新政策として日本が世界にかかげてきた、
いわゆる全方位外交というのは、実際には、日本製品を買ってくれる国、原材料を
売ってくれる国のすべてに気にいられようと努める八方美人的な商法だった。ただし
あくまで、アメリカ政府の許容限度内においてである。日本のアメリカとの特別な関係は、
単に外交上の援助、相互貿易、軍事的保護や確約にとどまらず、さらに広範囲に及ぶ。
そのおかげで日本は、政治的結果にはほとんど注意を払わず、経済だけに集中して、
他国との関係をもつことができたのである。

///////////////////// 原書1989年刊 ///



498金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2007/12/29(土) 21:21:27
歴史ひよく検討すれば
なにが元凶かあきらか。
戦前の国家も明治、大正の頃は当時の世界から見ても
おかしくはないし、むしろ優秀。
まだサムライがいた時代。サムライが政治家になった時代。

その後
国家を蝕んだのは官僚。
陸軍の独走にしろ、軍のというより正確には
官僚の独走と言い換えるべき。
499 ◆eliAxluGeQ :2008/01/01(火) 00:08:52

/// とらえどころのない国家 75 /////////////

        今日の先端のないピラミッド

 さて一方、国内では、重要組織間の関係はライバルとしての激しいつばぜり合いは
あるとしても、通常、問題にならない。官僚は、鋳掛け屋よろしく経済をあれこれ修理して
調整をおこない、なおいっそう成長するよう取りはからう。政治家をはじめとしてだれも、
その邪魔はしない。国会議員はもともと政府予算を自分の選挙区にまわす手腕を
買われて選ばれたのだから、再選工作に余念がない。再選されるかどうかは、国の富を
ばらまく能力次第なので、政治家は、つねに予算を握る官僚から恩義を受けている。
産業界は、官僚の助けをかりて、海外のマーケット・シェアを拡大し、新しい市場に参入
しつづける。そして、産業界は同業の仲間に監視される一方、政治家に資金を出す。
このように、三者の間にボスはいない。しかし、それぞれが他のだれかに対し、なんらかの
方法で、影響を与えるだけの力がある。こうして、社会的秩序が保たれる。

/////////////////////////// 早川書房 ///

500 ◆eliAxluGeQ :2008/01/04(金) 18:36:54

/// とらえどころのない国家 76 //////////////

 官僚-自民党-産業界という三極構造のほかにも、有力な半自治的組織がいくつかある。
報道機関もそのひとつだ。日本の巨大日刊新聞は、互いに他社のやり口をまね、時事問題に
ついても、ほぼ同じ姿勢で報道する。異口同音の切り口のニュースや見解による報道で、
国内問題についても国際関係への態度についても、日本のマスコミは一般大衆の
心情に大きな影響を与える。
 もう一つの影響力のある組織、全国農協中央会(全中)は、日本の労働人口の八パーセント
にあたる農業従事者の要求を満たすべく組織された各地の単位農業協同組合、地域の
協同組合県連合会、専業事業組織の多数を統轄している。この団体は、農林水産省と
一種の共生的関係を維持している。その農水省は、自民党と協力して国内の米価を
世界相場のおおよそ五倍に保っており、そのかわり、自民党候補者は農村地域の多くで
ほとんど無条件の支持を得る。

/////////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



501 ◆eliAxluGeQ :2008/01/09(水) 20:50:18

/// とらえどころのない国家 77 /////////////

 このほかに、官僚の規制があまり及ぼない組織がいくつかある。暴力団組織も
その一つで、用心棒やゆすりを仕事にする巨大な組織を運営しており、日本各地の
ほとんどの地方にある盛り場で威喝が大目に見られている。警察は、犯罪を組織的な
統制下におくという点で、暴力団組織と非公式な共生関係を保っている。一方、警察自体も、
広範囲に及ぶ自由裁量権をもつ半自律的組織である。また、日本の検察当局は、多くの場合、
独自の判断で、起訴・不起訴を随意に決める。

/////////////////////// 840円(税込) ///




502金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/01/10(木) 04:00:05
「横浜市立大学先天異常モニタリングセンター」
のHPがすべて消されました。
国民にとっては大変なことです。奇形児は鰻上りで増加しているのに。
奇形児総出産頻度
1.48%(1999)→1.42%(2000)→1.70%(2001)→1.77%(2002)→1.84%(2003)→
1.77%(2004)→1.95%(2005)

>日本産婦人科医学会先天異常モニタリングの本部およびクリアリングハウス
>国際モニタリングセンター日本支部は1992年より神奈川県にある横浜市立大
>学医学部産婦人科におかれています。

>実際にスタッフが常駐している場所は、
>横浜市立大学医学部付属市民総合医療センターです。

http://www.icbdsr.jp/2005data.html

データによると30歳以上の高齢出産は関係なく20代の若い人でも
奇形児を多く産んでいるそうです。

>横浜市立大学先天異常モニタリングセンター
>調査結果1) 
>表1は1972年から1999年までの調査対象数並びに奇形児数および
>奇形児出生率を示したもので、対象児数は3,272,379名でそのう
>ち奇形児数は31,093名で頻度は0.95%である。1997年から
>8種類の心奇形をマーカー奇形に加えたため頻度が1997年1.24、%、
>と上昇したが、1998年、1.50%,1999年1.48%とほぼ同様
>の値をしめしている。

これによると1.4%程度と安定するようにみえたのに、2001年以降奇形が急増しています。


503金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/01/10(木) 04:38:20
某外資系で働いてる俺様から見れば、
日本系であるか否かを強く意識するおまいらが解らんよ。
もはや純粋な日系と呼べるのは人種のところだけになってるぞ。
実は資本には国籍なんぞないのだよ。
現住所しかないよ。
504金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/01/10(木) 04:51:59
2005年度報告
統計の方法
平成17年度外表奇形等統計調査は、全国 施設において平成17年1月1日より平成17年12月31日までに出産した外表奇形等について行った。
*なお各施設より報告されたもののうち、妊娠22週未満の出生児および明らかに外表奇形でないと考えられるものについては本統計より除外した。
調査状況 届出施設   分娩総数 70064
奇形児総数 1409   出産時総数 72229
奇形総数 2516   奇形児出産頻度 1.95%
         
奇形種類別発生順位(上位20位)
The Order by Congenital Malformations

順位
Order 奇形の種類 Congenital Malformations 奇形数 No.of cong.
malformations
1 心室中隔欠損 Ventricular septal defects 178
2 口唇 ・ 口蓋裂 Cleft lip with cleft palate 97
3 ダウン症候群 Down syndrome 91
4 十二指・小腸閉鎖 Duodenal /intestinal atresia 70
5 耳介低位 Low-set ear 59
6 動脈管開存 Patent ductus arteriosus 55
7 水 頭 症 Hydrocephaly 52
8 口 蓋 裂 Cleft palate 48
9 鎖 肛 Anal atresia 46
10 多指症:母指列 Polydactyly(finger):radial 43
http://www.icbdsr.jp/2005data.html
505金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/01/10(木) 04:53:47
11 ファロー四徴 Tetralogy of Fallot 41
12 横隔膜ヘルニア Diaphragmatic hernia 40
12 食道閉鎖 Esophageal atresia 40
14 心房中隔欠損 Atrial septal defect 39
14 左心室低形成 Left ventricular hypoplasia 39
16 のう胞性腎奇形 Polycystic dysplasia 38
17 下顎形成不全・小顎症 Mandibular micrognathia 37
18 髄 膜 瘤 Spina bifida 34
19 口 唇 裂 Cleft lip 33
19 尿道下裂 Hypospadias 33
http://www.icbdsr.jp/2005data.html
506 ◆eliAxluGeQ :2008/01/27(日) 22:34:17

/// とらえどころのない国家 78 /////////////

 というわけで、日本の権力は、自律的でかつ、なかば相互依存的な多数の組織に
分散されていて、それらは主権者としての選挙民に対して責任を明確にすることもなければ、
互いの組織の間に究極的な支配関係もない。政府のさまざまな活動に、このような組織
すべてが関わっているが、ある組織が他の組織に命令を下すことはありえない。どの組織
ひとつをとってみても、国の政策の最終責任をとったり、緊急を要する国家的問題について
決定したりするだけの力はない。しかし、日本は、たとえばアメリカ社会のような、おびただしい
数の協議会や政府機関、委員会、裁判所などに権力が分散されている社会とは違う。

////////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///


507 ◆eliAxluGeQ :2008/02/02(土) 20:54:00

/// とらえどころのない国家 79 /////////////

アメリカの場合、どれだけの数の機関があっても、指令の流れる明確な経路があるし、
逆に国民はその経路をたどって中心まで自分たちの意思を伝え、政策を作らせたり
実施させたりすることもできる。日本はまたひじょうに強い利益団体が政治中心の
権力をそいでしまっているという点で、西欧の社会とも違う。というのはヨーロッパの
政府の閣議は、政策のイニシアチブをとるし、究極的に、決定も下す。日本では、
さまざまな"統治"グループが、だれに支配されることなく存在しているのである。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



508 ◆eliAxluGeQ :2008/02/07(木) 22:07:09

/// とらえどころのない国家 80 /////////////

        見えたり隠れたりの権カの正体

 ということで、また、とらえどころのない国家・日本というところにもどってしまう。
もちろん、国民は、税務署や警察や膨大な数にのぼる規制事項から、"国家"
というものを感じる。しかし、最終的な政治責任ということを考えたとたん、国家・日本は
消え去ってしまう。おもしろいのは、平均的在日本人は、傀儡国家だった満州国のことを
"われわれの植民地"だったとは思っていないということだ。それは、陸軍の植民地
だったのであり、日本の植民地ではないのだ。日本人には、自分が明らかに一つの
国家の一員であり、したがってその責任も分担するとは、思わないところがある。

/////////////////////// 原書1989年刊 ///

509 ◆eliAxluGeQ :2008/02/09(土) 19:49:39

/// とらえどころのない国家 81 /////////////

 ここには明白なパラドックス(矛盾)がある。一方において一般の日本人が、
大日本帝国の数々の勝利や征服を熱狂的に迎え、国としての目的への帰属意識が
ひじょうに強かったという証拠にもとづいた事実がある。しかし他方において
彼らは、陸軍の行為を否定することに対して矛盾を感じていない。というのは、
陸軍が自分たちの国家を代表していたとは思っていないからだ。それは、
ある集団、たくさんある中の一つの集団にすぎず、思い返してみれば、大変な
迷惑をひきおこした連中だった、というくらいの感じしか持たないのである。

///////////////////////// 早川書房 ///



510 ◆eliAxluGeQ :2008/02/16(土) 19:38:46

/// とらえどころのない国家 82 /////////////

 国家というのは、人によってその意味も違ってくる。しかし、少なくとも、
国家には、ある程度の"存在の一貫性"がなければならない。始終そこに
存在しつづけるべきものであり、突然、指の間からこぼれてなくなってしまうような
ものでは困る。一九八一年五月、アメリカ大統領を訪間した次の日に、当時の
首相・鈴木善幸が、みずから連署したばかりの共同コミュニケに書いてある
アメリカ合衆国との"同盟関係"について、一般の意味とは違う同盟関係だと日本の
新聞に話し、アメリカ政府をすっかり当惑させてしまった。このような場合、
外国側は、なにか隠された意図があるのではないかとすぐに勘ぐってしまう。
まさか、鈴木"首相"が、国家を代表していなかったとは、思いもつかないからだ。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///


511 ◆eliAxluGeQ :2008/02/23(土) 23:18:58

/// とらえどころのない国家 83 /////////////

東京でかなり紛糾した後、結局、伊東正義外務大臣が辞任するということ
になった。ところが、後任者の園田直も、共同コミュニケというものは署名者を
拘束する力はないなどと発言し、状況は少しも改善されなかった。
 国家であるかぎり、最低限期待されるのは、統一された組織体として行動する
ということ、そして、少なくともそこから発せられる見解は一つのまとまったもの
であるということだ。これは実際に筆者の同僚外国人特派員が経験したことなのだが、
農水省から得た情報にもとづいて書いた記事を、正確ではないといって、
外務省が叱責するということがあった。このような状態で、どこに国家があると
言えるのだろう。

/////////////////////// 840円(税込) ///



512金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/02/24(日) 01:34:26
極論すれば戦いや戦闘組織に
民主主義は不要。
むしろ邪魔だ。
513 ◆eliAxluGeQ :2008/03/01(土) 20:45:08

/// とらえどころのない国家 84 /////////////

また、これもよくあることがだが、ある省がすでに譲歩したことを、
外交交渉の席で別の省が否認するというようなこともどうであろうか?
 日本から入れかわり立ちかわり差しまわされてきた何人目かの調停役との
交渉で、ついにいらいらが爆発し、「責任者のところに連れていってくれ」と
叫びたくなる外国代表が多いはずだ。だが、日本にはそんた責任者などはいない。
日本には、筆者が<システム>と呼ぶものを構成する権力者たちが多数いるが、
彼らによって日本は押されたり、引きもどされたり、漂わされはしても、
率いられてはいないのである。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///


514 ◆eliAxluGeQ :2008/03/05(水) 21:45:35

/// とらえどころのない国家 85 /////////////

    ザ・<システム>

 みんながみんな、なんらかの形で権力行使過程に参加しているという政治体
(=統治体、つまり政治的に組織された国民の総体)を一応、"国家"と呼ぶことは
できる。しかし、まぎらわしいこの定義では、国家の概念があまりにも漠然としたもの
になってしまう。しかもこの場合でもなお、そこには政治的中心の存在を前提とする、
責任の所在がなければならない。では、国家の定義を適用できないが、しかし
一国の政治的営みをすべて包含するものを、何と呼べばよいのであろう。
筆者は、"システム"ということばを当てれば混乱がいちばん少なくてすむと思う。

//////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



515 ◆eliAxluGeQ :2008/03/08(土) 21:04:58

/// とらえどころのない国家 86 /////////////

これなら、社会・政治的な営為に携わる人びとの間のその相互作用が
おおよそ予想できる一連の存在、というほどの意味しかないからだ。
また、この"システム"は、個人が、暴力にでも訴えないかぎり手も足も出せない、
逃れようのない支配構造をさして言う時よく使われる用語である。さらに、
それは民主的な政治の調整力の範囲を越える権力をほのめかすものである。
私のいう<システム>は、時には騙されることもあるが、理屈というものをいっさい
受けつけない代物である。これはたまたまそうなっていいるということなのだが、
日本人は、個々人のいかなる力よりはるかに強い力をもつ社会・政治的な
仕組みの存在をいつも念頭におかなければならない状況下におかれている。

/////////////////////// 原書1989年刊 ///


516金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/03/10(月) 19:28:58
コピペしかできない
ステレオ人間が
左翼系人種の正体
517 ◆eliAxluGeQ :2008/03/12(水) 00:07:51

/// とらえどころのない国家 87 /////////////

したがって、その仕組みを変えるには、民主的な過程に訴えるのが理想的
だということについては、はっきりとは認識していないのである。だから、
一つの政治組織としての日本を述べる時には、この"システム"ということばが、
ひじょうに有効だと思われる。というわけで、"国家"でもなく"社会"でもない、
それにもかかわらず、日本人の生き方を、また、だれがだれに服従するかを決定する
機構をいうのにふさわしいものとして、あえて、強調のかっこつきで<システム>と
表現することにする。

/////////////////////////// 早川書房 ///



518 ◆eliAxluGeQ :2008/03/15(土) 23:53:52

/// とらえどころのない国家 88 /////////////

        あいまいな公私の境界

 外国人が日本でよく感じるのは、ここには"国家"という概念だけでは包括しきれない
なにかがあるということだ。この疑問の答えを探るうちに出てきたのが、流行語になった
あの"日本株式会社"ということばである。しかし、意見を統一し、それにもとづいて
重要決定をおこなう機関として、取締役会会長や代表取締役社長にあたるものや
取締役会すら日本政府にはないゆえに、この比喩は適当ではない。
 また一方、"日本株式会社"という考え方を好まない日本政府の公的スポークスマンは
西欧諸国を引き合いに出して、たとえば英国はフランスのほうが国営産業が多いのだから、
政府と産業界の利益が一体化しているのは、日本ではなく西欧諸国のほうではないかと
主張することがある。彼らは、日本について言及する評論家みなを待ちうける論理のわなの
誘惑に負け、リンゴをオレンジと言いくるめるに等しいことをしている。

//////////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



519 ◆eliAxluGeQ :2008/03/20(木) 22:33:13

/// とらえどころのない国家 89 ///////////////

 たしかに、官僚組織の規模の大きさからいえば、日本は西欧諸国と比べ、
とりたてて言うほどのことはない。たにしろ、西欧の福祉国家の肥大した官僚組織は
悪名高い。日本の公務員の数は、住民一〇〇人につき四.四人で、これは
英国の三分の一、アメリカや西ドイツの二分の一を少し上回るだけという数字である。
しかし、日本の<システム>についていう場合には、このことは直接関係はない。
西欧の混合経済においては、フランスでさえ、公私の間にまだかなりはっきりと
一線が画されている。国家の介入は理路整然とした計算にもとづいておこなわれ、
つねに効果のほどが監視されており、結果の成否は原因にさかのぼって評価される。
これと対照的に、日本の官僚による介入は分析になじまない傾向が強い。

/////////////////////// 840円(税込) ///



まずは簡単に始められる海外マネー撃退法を教えてあげよう。

日本の株式市場に流入している金の約6割が外資マネーということを知っているかな?
平均株価は外資によって維持されていると言っても過言ではない。もちろんこのような状態は
不健全であり、日本の株価は外資の思惑一つで簡単に上がったり下がったりしてしまうのが
現実なのだ。

しかし裏を返して言えば、あなたが株の売買を通じて利益をあげることができたとした場合、
その利益の6割は外資から金を奪うことによって成り立っていると言えるわけなんだ。
もしも君が株で100万円の利益をあげれば、外資から奪い取った金は60万円。
1億円の利益をあげれば、外資から奪い取った金は6000万円。
100億円の利益をあげれば、外資から奪い取った金は60億円にも達することになる。

つまり君が株式市場に参入し、利益をあげればあげるほど、外人投資家がそれに応じた
打撃を被るというわけだ。
君が利益をどんどんあげていけばいくほど、ハゲタカファンドは苦しんでいくんだ。

それがどれほど日本を守ることにつながるか、わざわざ説明するまでもないだろう。

株で勝つ方法は簡単。日経新聞や株に関する雑誌を講読すれば良い。
日頃から情報収集を怠りなくおこなえば、そして外資がすぐには入手することができない情報を
日本の地の利を生かして先に入手することができれば、外資を出し抜いて金を奪い取ることなど
造作もないのだ。
最近は株に投資するなとレスする奴がいるが、そいつは外資のスパイだ。日本の愛国者が株で
外資から金をせしめることを恐れて、外資のスパイが情報工作しているのだ、気をつけろ。

金が無いならサラ金で借りれば良い。株式トレーダーは自営業みたいなものだから、職業を聞かれたら
自営業と答えれば良い。
アコムで無理ならプロミスで借りろ、プロミスで無理なら武富士で借りろ、
武富士で無理ならアイフルで借りろ、アイフルで無理ならレイクで借りろ。

海外ファンドから日本経済を守るため、そして海外ファンドを苦しめるため、君も株に投資しよう。
521金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/03/20(木) 22:55:57
長いんだよ、禿げ
522 ◆eliAxluGeQ :2008/03/22(土) 21:47:46

/// とらえどころのない国家 90 /////////////

 しかし、日本での私と公の領域の渾然となった状況が、不可解だというわけではない。
官僚の介入をたやすくさせるさまざまな慣行は、すぐにそれと指摘できる。
日本の官僚は、営利事業にかかわる許認可権を握り、助成金、税法上の特典、
低利融資などを自由に裁量して実施できるから、異常に大きな権力をもつ。
省庁は、"行政指導"という手段に訴えて、管轄下の民間組織を、"自発的に"
役所に従わせることができる。この手をつかって通産省は、海外および国内市場で
日本のさまざまな産業分野が全体として最善の業績をあげられるよう、構成し、
参加させ、またある場合には形を作りかえたのである。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



523 ◆eliAxluGeQ :2008/03/27(木) 22:15:26

/// とらえどころのない国家 91 /////////////

日本の企業は一時期、資金をほとんど銀行借入金だけに依存していたため、大蔵省
および日本銀行には強力な規制力がある。一九八○年代には、大多数の大企業が
莫大な利潤をあげ、豊かな自己資本を持つに至ったが、今もなお、日本の官界と
産業界との関係は、欧米諸国とは比べものにならないほど、緊密である。
日本銀行は、窓口規制などの拘束力のある指示を市中商業銀行に出すことによって、
あらゆる大型投資に関する資金割り当てに、あいかわらず多大な発言権をもっている。

///////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



524金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/03/27(木) 22:37:22
なにお前?どういうつもりでそれを貼り続けているのだ?

そもそも著作権とかは無視か?
525 ◆eliAxluGeQ :2008/03/29(土) 19:49:55

/// とらえどころのない国家 92 /////////////

 官僚はまた、ありとあらゆる経済的・政治的目的をもつ多くの公益法人を統轄し、
ついでに抜け目たく官僚の退職後の再就職先として確保し、閑職について生計費を
かせぐ準備をしておく。主に日本の郵便貯金制度(非共産圏最大の金融機関)の
原資をもとにこうした法人が運営されるが、その予算は事実上議会のコントロールを
受けないので、人目を引かずに、官僚の特定の目的を遂行するために支出する
ことができる。

///////////////////// 原書1989年刊 ///



商品の単価が10万円以上場合、消費税の税率を8%にする。

商品の単価が10万円未満の場合の消費税率は現行のまま税率5%に据え置く。


これが最善の消費税率。
527 ◆eliAxluGeQ :2008/04/02(水) 22:08:37

/// とらえどころのない国家 93 /////////////

 毎年、およそ三〇〇人の高級官僚が、官庁在職中に監督していた会社の重役や
相談役として実業界に"天下る"。彼らは五五歳かその前に退官するので、
少なくともあと二〇年間は、産業界と省庁・中央銀行との間で"円滑なコミュニケーション"の
とりもち役でやっていける。政策を"調整"して合意に達するには、官庁の役人と
個人的なつき合いがあり、官僚の優先事項に精通していることが重要になる。
官僚と企業との間の情報伝達を密にするうえで、天下り官僚の存在は、どんな
公式のチャンネルよりも高率がよいのである。

///////////////////////// 早川書房 ///



528金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/04/02(水) 22:44:30
おい、おかしな外人経由の遠回りで日本を研究してるなよ低能。
商品の単価が10万円以上場合、消費税の税率を8%にする。

商品の単価が10万円未満の場合の消費税率は現行のまま税率5%に据え置く。


これが最善の消費税率。
530 ◆eliAxluGeQ :2008/04/05(土) 18:58:54

/// とらえどころのない国家 94 /////////////

 <システム>の上部では、官僚、民間企業の最高幹部に転じた元官僚、官僚出身の政治家、
官僚出身あるいは官僚化した財界指導者が渾然一体となり、親密につき合いながら、
経済全体を監督し、社会を管理している。"官僚"ということばを"管理者"に置きかえてみれば
伝統的な産業化社会における官僚、政治家、企業家などの峻別が日本ではほとんど
存在しないことが分かる。日本に特有なこうした人びとをこの本では管理者(アドミニストレーター)
と呼ぶ。
 戦後の実業界の領袖の大半は、その性質から企業家というよりも管理者といったほうが
ふさわしい。また、自民党議員の三分の一にあたる最有力政治家のほとんどが、元官僚で、
彼らがとる方法も態度もいかにも管理者らしい。形式上どのカテゴリーに入るかはともかく、
日本で最高位にある管理者は同じフィルターを通して選ばれた人間たちである。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



531金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/04/05(土) 19:07:34
http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/sy014/sy014d.htm

在中日本企業に赤字国債を全額負担させよう

532 ◆eliAxluGeQ :2008/04/09(水) 23:29:38

/// とらえどころのない国家 95 /////////////

同じフィルター、とくに東京大学と、数は少ないが京都大学―つまり、両旧帝国大学の
法学部である。<システム>の上部では反目も大いにあるが、国の公的機関が産業側の
組織と闘うという事態は、めったに起こらない。企業人集団と官僚集団が組むと、
同じ業種の他の企業人集団と別の官僚集団が向こうにまわることがあり、この裂け目は、
先端のないピラミッドを斜めに走ることになる。これに対し、このような省庁間の激しい
対立や縄張り争いは大変意味深いものであるが、官僚と手ごわい企業との本格的な
対立というのは、めったに耳にしない(もし、そんなことがあれば、その後何年も
とりざたされることになる)。<システム>のずっと下位に位置する新興企業、とくに
重要産業分野の中小下請け企業においてのみ、本来の意味での企業家を見い出す
ことができる。

////////////////////////// 840円(税込) ///


533金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/04/09(水) 23:41:50
ぺらっぺらの内容だなそれ
534 ◆eliAxluGeQ :2008/04/12(土) 19:31:39

/// とらえどころのない国家 96 /////////////

        統制される資本家たち

 産業ヒエラルキーの底辺に位置する中小企業と官財界トツプとの間には、
戦後、世界に日本の名を知らしめた企業群が、高度に組織化された序列にたがって
並んでいる。これら日本版"資本主義"の"私"企業はその名にかかわらず自立
しているわけではない。大企業の大半は―その関係に程度の差こそあれ―コングロマリット
(複合企業体)に属している。その中の巨大な六つが、三井、三菱、住友、芙蓉、
三和、第一勧業銀行の各グループである。

//////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



535名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/12(土) 19:41:29
アフィリエイターはなぜ3ヶ月でやめるのか?
http://kakitarou.com/url/files/accel.html
536 ◆eliAxluGeQ :2008/04/16(水) 23:25:04

/// とらえどころのない国家 97 /////////////

 これら"企業グループ"または単に"グループ"と呼ばれるコングロマリットには、
そのグループの銀行を中核に、不動産会社、保険会社、有名な総合商社などがあり、
そのほか、多種多様な産業分野の企業が多岐にわたって存在する。
どのグループでも、全体構造をつなぎまとめているのは兼任役員である。日本の
株式市場に上場されている株式の六〇〜七〇パーセントが、企業法人や
金融機関に保有されている。日本企業は、相互持ち合いの形で、株式をその
企業グルーブ内に留めておく。このような株は、投資というより、"政治戦略的な"
株とみなされ、売却されることは決してない。一社の株式の五割以上をグループ内で
相互保有することにより、外部の者による会社乗っ取りを未然に防げる。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



537 ◆eliAxluGeQ :2008/04/20(日) 20:46:18

/// とらえどころのない国家 98 /////////////

 グループには統率責任者はおらず、究極的な責任を負うものはだれもいない。
定期的に開かれる社長会は、相互規制のための機関である。その企業グループ内の
すべての主要企業の社長は、自社の株主としてではなく、自社が保有する他の
メンバー企業の株式を代表して、社長会に出席する。社長会のひとつの機能は、
メンバー企業による共同投資や新しい産業分野における共同出資の姉妹会社設立
について討議することにある。

///////////////////// 原書1989年刊 ///



538 ◆eliAxluGeQ :2008/04/23(水) 23:18:30

/// とらえどころのない国家 99 /////////////

 企業グループをさして言うのに、よく使われるもう一つのことばは、"系列"
である。しかし、この呼び方はもともと、メンバー間の関係がより緊密なタイプの
コングロマリットをさして使われていた。つまり、ある大手メーカーの子会社、
原材料供給会社、下請け会社、卸小売販売会社を整然と階層制により配列した
仕組みをいう。グループ内の大企業が、数百の会社を含む各タテ系列の頂点にある。
前記の六つの主要コングロマリットには属さないが、六大グループほどは大きくない、
戦後にできた巨大企業を中心に次々と登場した、新興企業グルーブもいくつかある。
 組織の仕組みやメンバー規制の度合いは、グループによって異なるが、相互に
援助し合い、できるかぎり取引をグルーブ内で自足するのが、当然のこととされている。

///////////////////////// 早川書房 ///



商品の単価が1万円以上場合、消費税の税率を8%にする。

商品の単価が1万円未満の場合の消費税率は現行のまま税率5%に据え置く。


これが最善の消費税率。
540 ◆eliAxluGeQ :2008/04/24(木) 22:17:28

/// とらえどころのない国家 100 /////////////

 こうした企業グループは、一九四五年以前は持株会社を中心に組織され、
占領軍当局により解体を指令された"財閥"の跡を受け継いだものである。
占領軍によるパージが、かえって多くの無用の長物を取り除いたうえでの再編成を
促す契機になり、この戦後育ちのグループには、戦前の財閥以上の実力が備わっている。
さらに重要なのは、銀行がかつての持株会社にとってかわることにより、融資網が
確立されたことである(銀行の復活と存続は日銀によって保証された)。
この資金ポンプがなければ、"経済的奇跡。もこれほど見事には達成されなかった
であろう。いや、あるいは、まったく不可能であっただろう。戦前および戦中の
経済統制制度を廃止するどころか、占領軍当局は、逆にいっそう活気づけて
しまったのである。

//////////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///


541 ◆eliAxluGeQ :2008/05/02(金) 21:22:06

/// とらえどころのない国家 101 /////////////

 実際には、日本の産業界は、先に述べたことから察しうる以上に厳格に統制
されている。企業グループの各メンバー企業は、業種ごとに重なり合うギルドの
ように――ただし、ここでも階層制の構造がとられている――組織されている。
不文律に従うことは義務になっているから、自社の政策決定も自由にはできない。
個々のメンバー会社が規律を乱したり、他のメンバーが良しとすることを理解
しない場合には、この産業組織体がまとまって制裁を加えるという、超法規的な
権力をもつ。ただし通常は、"不快の意"を示す軽徴なサインが出されるだけで、
強制破産といった究極の制裁処置がとられることは稀である。

/////////////////////// 840円(税込) ///



542 ◆eliAxluGeQ :2008/05/06(火) 21:48:58

/// とらえどころのない国家 102 /////////////

 この凄まじくからみ合うヒエラルキーの複合組織はその最下位に、いまだに
家族全員が一日一〇時間も働くような零細工場にまでおよぶ、無数の下請け
企業を養っている。日本の"二重構造"としてよく議論されるが、この下層レベルでこそ
西欧人が言う意味での"資本主義"ということばが思い起こされる。これらの
零細企業は、今も、大きたリスクをみずから負う企業家によって経営されている。
とはいっても、彼らが市場の状態に左右されるのは、ある程度までといえよう。
とどのつまり、零細企業の主な機能は、ヒエラルキーの上位企業のために
低賃金労働を提供することである。全体として、この階層が、不景気時のショックを
吸収するクッションの役目を果たしている。また、なぜ日本は企業倒産率が
高いのかの説明にもなる。つまり、おびだたしい数のこれらの小企業が、
不景気のたびに破産してはまた違う製造業の役割を担って再登場するわけである。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///


543 ◆eliAxluGeQ :2008/05/08(木) 22:41:23

/// とらえどころのない国家 103 /////////////

        相互抑制

 このような巨大な<機構>から、真に国家と呼べるものを見つけ出すのは不可能といえる。
日本が、関税引下げなど、外国製品の日本市場参入のための法律を承認したり
対策を講じたりする行為には、もちろん、一つの国家としての存在が感じられる。
しかし、実際的には、このような国家的行動はほとんどなんの意味もない。他の
産業諸国においては、こうした法律や対策には実効があるものだが、日本では、
必然的に、<システム>のはたらきによって打ち消されてしまう。つねに<システム>が
国家の上位に位置しているわけだ。

/////////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



544 ◆eliAxluGeQ :2008/05/10(土) 19:28:30

/// とらえどころのない国家 104 /////////////

 だが同時に、<システム>を一枚岩として見てしまわないよう気をつけなければいけない。
近代的な装いの東洋的専制君主制ではないのだ。専制君主はどこにも見あたらないし、
ジョージ・オーウェルの『一九八四年』にあるような、いつも目を光らせている
ビッグ・ブラザーがいるわけでもない。もし<システム>の構成員で、その役柄を演じてみたい
という野望を持つ者がいようものなら、たちまちにして、他の構成員が一団となって
反発することになる。<システム>において自己の力を保つことが、構成員それぞれにとっては
最優先事項である。自己の勢力の維持は、どれか一つの構成員が他の構成員を支配
できるほど強い力を得ないよう、始終、抑制し合い、相手をよく調べ、構成員間で互いに
介入し合うことによって、成し遂げられる。あの一九三〇年代のように、力のバランスが
くずれた時には、事がとりかえしのつかない悪い方向にいってしまうことがあるのを、
苦い経験をとおして日本人は知っている。

//////////////////////// 原書1989年刊 ///



545 ◆eliAxluGeQ :2008/05/14(水) 21:14:53

/// とらえどころのない国家 105 /////////////

 外の世界との取引の際、<システム>の構成員は、どちらかというと同じような
方向に向かい、同じような目標を達成しようと努力する。なにか巨大な陰謀を
たくらんでいるのではないかという印象を与えてしまうのはこのためである。
だが、国内では、互いに対立し合いながら取引を進め、互いの力を抑制し合う
一面もみせる。"日本株式会社"という比喩のそもそもの誤りは、タバコの煙が
たちこめる重役室で、取引や経済的征服の陰謀がおこなわれているという
印象を与えてしまうことだ。もし、それが事実なら、外国政府にとって、どれほど
事は簡単だろうか。少なくとも、役員会との交渉ができるのだから……。

///////////////////////// 早川書房 ///



546 ◆eliAxluGeQ :2008/05/17(土) 20:28:21

/// とらえどころのない国家 106 /////////////

 その独特の世界観を広め、<システム>内に現存する力関係を維持するよう奨励し、
かつまた、貿易相手国の不満をなんとなく散らしてしまうための宣伝をおこなう際の
<システム>の意思統一を、日本人も外国人もあまりにも過小評価しすぎている。
また一方、危機に瀕した時には、統一のとれた政策遂行のため、既存の力関係を
犠牲にできるという能力のほうは、はなはだしく過大評価されているといえる。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///


547 ◆eliAxluGeQ :2008/05/21(水) 23:07:36

/// とらえどころのない国家 107 /////////////

        麻痺した超大国

 中心を欠く<システム>でも国内向けには機能するが、明確なアクションをとらないために、
社会的機能不全に陥っている分野では問題が解決されないままに残されがちである。
役人や政治家や財界人が、枝葉末節の政策調整にうつつをぬかしている間にも、
日本はただなんとか転がりつづけて行くのである。
 戦後の産業債権は、強力な政治的中核によって決定されるまでもなく、明らかな
優先事項であった。その再建過程で、自然の成り行きとして、際限なくどこまでも
産業を発展させることが国の最優先事項であるという、政治的な前提が出てくることとなった。

/////////////////////// 840円(税込) ///



548 ◆eliAxluGeQ :2008/05/24(土) 19:38:22

/// とらえどころのない国家 108 /////////////

官僚が、その政策の推進・監督をみずから引き受けたが、他の重要事項はなおざりに
したままだった。政治家も、経済官僚の出した構想にあえて反対はしなかった。
日本は事実上の一党支配体制であるから、面倒な議会制民主主義的手続きに
煩わされることもなかった。しかしこれは、西欧の民主主義諸国では政治家の
責任が決定的な役割を果たすのに比べ、日本の政治家はその責任を放棄してしまった
ことになる。基本的には、日本はいまだに、一九五〇年代以来の政策に沿って事を
進めているのである。もはや、今世紀初頭の数十年間のように、それぞれが
"天皇の意思"を遂行すると主張する強力な対抗勢力によって、あっちの方向、
こっちの方向へと引きずりまわされる日本ではない。今の日本の問題は、新しい
政策を打ち出す仕組みもないままに、ただひたすら、一つの方向にあまりにも
強く引っばってゆかれているということなのだ。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



549金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/05/24(土) 20:40:20
そう言えばムーブで宮崎てっちゃんも、ひきこもりがなぜ男性に偏重してるかの分析で
男性だけが逃げ道がないからだと言っていたよ。
女性で就職できなくても、別に全然悲壮感や焦燥感がないのは、
社会が女性には正社員総合職であることを求めない。
一般職でも、派遣でもでもなんでも認められる。その上男性がなる総合職になっても逆にすごいと誉められる。
ほぼどんなレベルの生き方も許される。女でありさえすれば。
厳しいレールから外れたからって、社会的に迫害的な目線を受けない。
「結婚して養ってもらったらいいんだから
そんな頑張って一家の主みたいな職につかないでもいい」と言う意識があるから。
だから正社員経験がなくても、将来的にも傷にならない。
バイトや派遣なら職歴関係なく一生チャンスがある。

しかし逆に、男性が女性の生き方をすることは決して許されない。
社会が大学卒業後「正社員総合職」に滑り込めることを
「一人前の大人」の前提条件にされてる。30まで正社員総合職経験がなかったら、
それだけで社会不適合者扱いされて、アルバイトや派遣の面接ですら拒否される。
同じ10年ものの無職でも、片方専業主婦という肩書きで
10年家にこもって楽してても、さも10年間総合職と同等に働いてたかのように振舞える。
男性はニートの怠け者扱い。

男女共同参画になりました→貴重な正社員総合職を男女で取り合うようになりました
→公務員なんか意図的に女を半数近くまで増やそうとしました
→男性で正社員総合職・公務員になれない人が当然増えました
→でも社会は働く女性に男性を養う責任は全く求めませんでした
→しかも社会は、依然男性には今までどおり狭き門になった
 正社員総合職であることを求め、そうじゃないと人間否定を続けました

そりゃ男性だけがひきこもるし、自殺するでしょ。不思議な現象でもなんでもなく、社会の差別構造上当然の帰結。
550 ◆eliAxluGeQ :2008/06/05(木) 21:58:11

/// とらえどころのない国家 109 /////////////

 <システム>の構成員どうしの政治的かけひきが先行するため、国として外の世界と
関わる問題の処理が妨げられている。一例だけをあげれば、大半のとはいえないまでも
多くの政治家が、娩曲に"貿易摩擦"といわれていることに関わる、表向きにできない
なんらかの利害関係をもっている。彼らとしては、その問題が国益を大きく損なっても
困るので、ある程度まで表面をつくろう手を打ってくれと官僚に頼む。"貿易摩擦"問題が
完全に解決されれば、彼らは重要な資金源を失うことになる。国内市場での外国産業との
競合をもっとも恐れる業界は、もっとも気前よく"政治献金"を出してくれる資金源
であるからだ。

//////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



551金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/06/05(木) 22:10:29
戦時中 「非国民!(笑) 朝鮮人!(笑) アカ!(笑)」
現在   「ニート!(笑) フリーター!(笑) 派遣!(笑)」

戦時中 「祝ひ終った、さあ働かう!理窟言う間に一仕事!足らぬ足らぬは工夫が足らぬ!」
現在   「企業の利益を上げるためだ!サービス残業は当然だ!業績が悪いのは従業員が働かないからだ!」

戦時中 「空襲時にバケツリレーで消火できないのは根性が足りないからだ!全ては大和魂だ!」
現在   「正社員になれないのは努力が足りないからだ!全てはコミュニケーション能力だ!」

戦時中 「ぜいたくは敵だ!日本人ならぜいたくは出来ない筈だ!ガソリン一滴は血の一滴!一億玉砕だ!」
現在   「痛みを伴う改革が必要だ!改革で痛んでも凍死や餓死さえしなければ有難く思え!米百俵の精神だ!」

戦時中 「飛行士が足りん!とにかく若者をかき集めろ!練度など未熟でも構わん!離陸さえ出来れば充分だ!」
現在   「即戦力が足りん!外国人労働者をかき集めろ!団塊世代の定年を延長しろ!新人を育てる余裕など無い!」

戦時中 「今日も決戦明日も決戦!欲しがりません勝つまでは!月月火水木金金!」
現在   「甘えるな!国際競争に勝つためには長時間労働が必要なのだ!過労死など自己責任だ!」

戦時中 「先日我ガ軍ハ敵空母10隻ヲ撃沈、敵航空機100機ヲ撃墜ス!一方我ガ軍ノ損害ハ非常ニ軽微ナリ!」
現在   「景気は着実に回復している!現在のわが国は『いざなぎ超え』の空前の好景気である!」

戦時中 「若者をどんどん戦場に送り込め!代わりならいくらでもいる!大学生の徴兵猶予を廃止しろ!」
現在   「労働者をどんどん使い捨てろ!代わりならいくらでもいる!派遣労働の規制を緩和しろ!」

戦時中 「日本が戦争に敗れることなど決して有り得ない!最後には神州日本に必ずや神風が吹く!」
現在   「資本主義が崩壊することなど決して有り得ない!世界経済はデカップリングで必ずや息を吹き返す!」

戦時中 「安全な資産である国債を買え!国債は自国民からの借金なので経済が破綻する心配は無い!」
現在   「安全な資産である国債を買え!国債は自国民からの借金なので経済が破綻する心配は無い!」
552 ◆eliAxluGeQ :2008/06/07(土) 22:13:48

/// とらえどころのない国家 110 /////////////

 国際的視点から見れば、今ある日本の<システム>は時代錯誤ということになる。
貧しく孤立していた時代の日本には合っていたかもしれないが、国際的なパートナー
としての今の日本にはそぐわない。日本が、下手をすれば深刻な敵対関係に陥り
かねない可能性を秘めた外の世界となんとか妥協して共存できる方策を確立するのに、
効果的な方法を見出すためには、この、細かく網の目状にからみ合ったオール
日本製で構成される<システム>だけでは、あまりにもお粗末だ。

///////////////////// 原書1989年刊 ///




553 ◆eliAxluGeQ :2008/06/21(土) 20:09:40

/// とらえどころのない国家 111 /////////////

 この<システム>は、明らかなバラドックスをいろいろと見せてくれる。采配を
ふるう強力な指導者さえいないのに、世界の経済征服を狙う巨人がいるような印象を
海外に与えてしまう。政治的中核が存在しないのに、国内の反対勢力をほとんど
すべて抱きこんでしまう力がある。この<システム>は、とらえどころがない。西欧諸国の
人間が把握しようとしても、するりと逃げてしまう。それに参加しているはずの
日本人も、この<システム>を概念的にとらえることができないし、いわんや、変える
ことなどとてもできない。その参加者の大半に、そうとはっきり意識されないまま、
<システム>は存在する。姿も形もない。それどころか、法にてらした正当性もないのである。

///////////////////////// 早川書房 ///


554金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/06/21(土) 20:23:55
>>551
工夫が見られるね。
555 ◆eliAxluGeQ :2008/08/03(日) 00:16:26

/// 早川書房 //////////////////

 カレル・ヴァン・ウォルフレン(Karel Van Wolferen) (著)、篠原 勝 (翻訳)、
 原著1989年発行、邦訳 早川書房1990年発行
 「日本/権力構造の謎」 The Enigma of Japanese Power
 日本 権力構造の謎〈上〉 ハヤカワ文庫NF、840円(税込)、ISBN: 4150501777

///////////// 絶賛発売中!///


556 ◆eliAxluGeQ :2008/08/06(水) 10:46:13

/// 抱き込みの包囲網 1 ////////////////

カレル・ヴァン・ウォルフレン著、原著1989年発行
日本 権力構造の謎〈上〉 ハヤカワ文庫NF、篠原 勝 (翻訳)より

・・・・・
3章 抱き込みの包囲網

 無数の政治的勢力が、しかも、それぞれがその気になれば国家を揺るがしうるだけの力を有し、
自分の利益を守ろうとひしめき合うなかで、責任をとるものがまったくいなくても社会的混乱が
起こらない。それどころか、社会の秩序正しさと人びとの規律正しさというのが、日本の
際立った特徴である。これでは、どこか別のところになにか非常に有力な政治的勢力があって、
それが結合力のもとになっているにちがいないと思ってしまう人もいるだろう。
 日本人は、自分が生活していくうえでの大部分のことはだれかが決めて管理してくれる
という考え方を、子供の時から無意識のうちに教え込まれる。また、日本人を取りまく環境は、
一般的に、臨機応変に行動することを奨励しない。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



558金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/08/10(日) 08:46:42
>>1
>戦後の日本経済は官営経済・統制経済・市場経済が入り交じって効率を上げてきた。
>省庁による「行政指導」、銀行における「護送船団方式」、政府・農協によるコメの
>生産調整など。これらも規制緩和などにより大きな変化がおきた分野もあるが、
>未だに改革が全く行われていなかったり、不十分な分野も多い。
>日本経済における統制・全体主義的体質について考える。

04/06/30 22:14って事は今から4年前のレスか。
本当にくだらない事ばかり書いてあるな。
改革真理教徒の親米売国奴と自由主義者はさっさと日本から出てけ。
559金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/08/10(日) 08:51:00
社会主義者と反米欧州崇拝売国奴と反自由主義者こそさっさと日本から出て行け。
560金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/08/10(日) 09:34:02
てゆうか縁の下の力持ち的愛国者たちとそのよき理解者の逝き過ぎた日本は、

あらゆる意味で終わったといえるねw
561金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/08/10(日) 09:44:05
>>559
お前らのやった親米売国改革の犠牲者に謝罪しろ。そして日本からとっとと出てけ。
そして二度と帰ってくるな。
562 ◆eliAxluGeQ :2008/08/15(金) 20:11:53

/// 抱き込みの包囲網 2 ////////////////

心身を休めて楽しむ場合にも、えてして規律を重んじる。学校の行事から花見にいたるまで、
集団行動はほぼ例外なく苦心して準備され、本番はといえば予定どおりに進行される。
外部者の目から見ると、どんな楽しみもすべて周到な準備のためになくなってしまう。
 個々の日本人は自分にどのくらいの自由裁量が許されているのかをつねに念頭に置いて
行動するようだ。これは、日本の組織についてもほぼ当てはまる。既存の社会的、政治的な
仕組みに対する抵抗が長続きすることはまれである。たしかに、日本の組織も、勢力拡大を
図ることもあるが、それはあくまでも、ヒエラルキーの中で自分の地位を確保する最良の方策だ
というときのみである。通常、きわめて小規模な、少数の(誰が見ても)きわめて過激な小集団を
除けば、<システム>の秩序を乱すようなそぶりさえ見せるものはいない。

///////////////////// 原書1989年刊 ///


563 ◆eliAxluGeQ :2008/08/15(金) 21:38:27

/// 抱き込みの包囲網 3 ////////////////

  政治的な競争の欠落

 アジア諾国や西欧社会では、宗教担織や血縁同族集団などが、既存のエリート階級に挑戦し、
それらにとって代わろうとする勢力として存在してきたが、日本にはこのようなオルタナティプ
(二つめの選択肢)の組織がまったくない。だから、既存の政治体制に対する長期的で粘り強い
反対をする伝統はなく、労働運動も、消費者運動という単純な現象すらうまれなかった。
いろいろな利益集団や、農業協同組合や労働組合もあるが、そのほとんどが<システム>に
取り込まれ、<システム>の目的に利用されてしまっているのだ。

////////////////////// 早川書房 ///


564 ◆eliAxluGeQ :2008/08/23(土) 19:49:24

/// 抱き込みの包囲網 4 ////////////////

    骨ぬきされる伝統的挑戦

 日本の権力保持者は、これまで何世紀にもわたり、自分を脅かしうる集団を無力化あるいは
吸収するという技に磨きをかけてきた。この歴史は、少なくとも、仏教が「既存の社会体制
および伝統的価値体系の中の単なる小道具の一つ」になった時代にまで遡る。他の多くの
政治体制では、宗教が世俗の支配者に対抗して権力を求める最も強い勢力をうみだしてきた。
それらはある程度、個人を権力保持者の支配から解き放つ役割を果たした。
 したがって、インドでは武士階層に属するヒンズーの王侯は、つねに僧侶階層のバラモンに
目を光らせていなけれぱならなかった。プロヒタ(首相のようなもの)は宗教的に上位にある
僧侶階層を代表していたのである。彼の主な職務は形式的なものであったにもかかわらず、
王の意見に決定的な影響を及ぼすものとされた。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



565 ◆eliAxluGeQ :2008/08/30(土) 19:44:50

/// 抱き込みの包囲網 5 ////////////////

現代のインドでも、宗教的な配慮は政治生活の中で重要性を持ち、その傾向はより強くなって
いるようだ。タイでは、仏教が、国民の価値観の根幹として王制と同等の価値があると考えられている。
フィリピンでは、カトリックの司教が普遍的な原理に訴えて一九八六年のマルコス大統領追放の
先頭に立って、重要な原動力となった。また、インドネシアやマレーシアの政府はイスラム教指導者の
不興を買うような危険は決して冒さない。というのはそれらは、イスラム原理主義勢力に支援されて
いるからである。韓国の反政府運動は、全国に勢力を広げつつあるカトリックおよびプロテスタントの
教会を背景としておもに組織された。日本が主権在民の公式モデルとしている近代政治制度は、
いうまでもなくヨーロッパにならったものだが、これは何世紀にもわたりその時代の政治的論評の
テーマとなってきた、政教分離というヨーロッパの基本的な前提から生まれたものである。

/////////////////////// 840円(税込) ///


566金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/08/30(土) 19:47:41
結局 金融機関がすべての企業を掌握している
そしてその金融機関を財務省がぎゅうじっている
567 ◆eliAxluGeQ :2008/09/04(木) 22:32:54

/// 抱き込みの包囲網 6 ////////////////

 中国の場合、宗教は世俗的な権威に対抗する力としてはあまりにも弱かったが、そのかわり、
高度に中央集権化された行政制度は、別の勢力からの挑戦を受けた。中国の国家は皇帝を
中心にすえて、マンダリンと呼ばれる官僚が運営にあたる大規模な官僚制度が首都から地方へ
向かって力を及ぼした。その一方、この権力機構に並立する、まったく異なる社会組織があったのだ。
つまり、氏族および地主階級が頂点に立つ地方権力機構である。この二つの体制の軋轢から
生まれる緊張感は、つねに紛争の火種になる危険性をはらんでいた。

/////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



568 ◆eliAxluGeQ :2008/09/10(水) 23:39:07

/// 抱き込みの包囲網 7 ////////////////

 日本の場合、社会的なヒエラルキーと政治的なヒエラルキーとが一致していた。中国では、
家族の成員であるかどうかを決めたのは血のつながりで、儒教でいちばん大切とされる「孝」が、
皇帝や国家に対する政治的忠誠より重要なものとされていた。それに対し、日本では「イエ」に
政治的重要性があった。その成員としての基本的条件は、仕事の分担であり、血縁関係は
必要条件ではなかったのだ。家長の座の継承も、養子縁組によってなされることも多かった。
徳川政権が、「イエ」をその政治機構の基本単位にしたことは重要である。その結果「イエ」は、
公的に認められた家長の力に従わざるをえない財産所有権のない成員で構成される企業のような
組織となった。中国では国家に対立して存在した「イエ」が、日本では、このように、国家に
吸収されてしまった。この重要な歴史的展開については、6章で詳しく見ることにする。

//////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



569金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/09/11(木) 15:23:01
砂糖・すけそうダラ等価格安定事業団って まだ存在するのかなぁ?

米・麦・サトウキビ・トウモロコシ・・他にも政府に統制されてる食糧品まだあるんですか?
570 ◆eliAxluGeQ :2008/09/14(日) 22:05:43

/// 抱き込みの包囲網 8 /////////////

    無カ化される市民運動

 日本の政治的現状にさからって変革を試みる者が直面する相手は、変幻自在で、雲を
つかむように実体がないから、結局は攻略もできないという難物である。日本の権力は
分散されすぎているので、対決するにも捕まえどころがないのだ。<システム>に対抗してくる
不平分子の主要なものはみな、そして小規模なものも大半が、<システム>の個々の構成員の
平和的手段によってその懐の中に抱き込まれてしまう。顕在化したものであれ、潜在的な
ものであれ、反対勢力はすべて、すみやかに牙を抜か れて、忘れ去られる。また、
その規模からいっても声の大きさから見ても無視できないほど大きな勢力は、<システム>内の
一部として機能するよう、ごく自然に同化させられてしまうのである。

///////////////////// 原書1989年刊 ///



571 ◆eliAxluGeQ :2008/09/20(土) 19:46:22

/// 抱き込みの包囲網 9 ////////////////

 たとえぱ、消費者運動を例にとってみよう。日本の中産階級の主婦は、政治的に見て
重要な役割をになう可能性のある存在といえる。自由な時間が増えた主婦は、地域活動に
熱心にとりくむので、婦人会のない地域はほとんどない。主婦連は、もっとも古くからある
圧力団体の一つで、戦後の闇取引に対する反対運動などの中から一九四八年に結成された。
そして一九六〇年代の終わりから七〇年代の初めにかけて、地婦連(地域の数多くの婦人会を
統括する上部組織)と提携して、消費者運動の先頭にたってきた。それは、新しい形の
政治運動かとさえ思わせるほどの動きであった。ところが、缶ジュースの果汁含有量の
表示を義務づける法律をつくらせたり、カラーテレピの値段を下げさせるといった、小さな
問題ではいくつか成功したものの、活動は次第に尻すぼみになってしまった。

///////////////////////// 早川書房 ///


572 ◆eliAxluGeQ :2008/10/09(木) 22:56:47

/// 抱き込みの包囲網 10 ////////////////

 いたるところに存在するが、とらえどころがなく、すべてを抱き込んで吸収してしまう
〈システム〉が、自身にとって害になると見て骨抜きにしてしまったのだ。一九七五年には、
財界の代表が、二五〇べージもの報告書を作成して関係省庁と企業に配布した。
その中で彼らは結論として次のように書いている。「住民運動、消費者運動などについては、
これを新しい経済社会運営のエネルギー源として、積極的に評価し、対応すぺきものである。
……可能なかぎり政策などの企画、立案に反映させる努力が必要である」。しかし、
これら運動の「エネルギーのボルテージが上がりすぎて暴走するような場合には……
阻止すべきである。そして政府当局は秩序を乱す行動に対しては断乎とした態度を
とることが必要である」。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



573 ◆eliAxluGeQ :2008/10/12(日) 19:48:43

/// 抱き込みの包囲網 11 ////////////////

 なるほど、彼ら社会の管理者は、みごとにその"エネルギーのボルテージ"をずっと低い
レベルにまで下げさせたのであった。八○年代末現在、消費者団体の数は一万三〇〇〇
近くあると推定され、地婦連の主婦会員は六〇〇万人を越えると自称しているが、その存在は
ほとんど目につかない。ほとんどの商品(特に食料品)の過剰な値上げをはじめ、不正商行為
(ボロ儲け)の横行など世論に訴えて騒ぎたてるに正当な理由がありすぎるほどあったのだ。
ドルに対する円の価値が急騰した(八五年から八七年にかけておよそ二倍になった)にも
かかわらず、それを反映して価格が下がった主要輸入消費財はほとんどなく、その一方、
国内製品の価格はまったく変わらなかったばかりか"不安定な相場"を理由に値上がりした
商品すらあったというのに、なんの声も上がらず、ただ沈黙するだけだったのにはとくに
首をかしげたくなる。

/////////////////////// 840円(税込) ///



574 ◆eliAxluGeQ :2008/10/18(土) 19:57:57

/// 抱き込みの包囲網 12 ////////////////

 一九七〇年代には、政策決定に市民の意見を反映させようとする態度を少しはのぞかせた
役人も、いまや、消費者団体を懐柔する必要には迫られていないように見える。一部の
地方自治体政策決定時に市民の声を申し訳程度に入れて、彼らの逃走心を鎮めてしまう。
竹内直一を代表とする日本消費者連盟は、農産物の輸入規制撤廃に反対し、外国製品の
輸入を促進するための製品規格見直しに反対している。つまり、消費者運動の中ではもっとも
有力な団体が、食料品の高価格の維持と、消費者の選択を国産食料品に限定するために
熱心に運動しているわけだ。
 これは、消費者の利益のための深謀遠慮などではなく、この団体の代表者の力がなせる
業なのだ。竹内は農林水産省の高級官僚であった。同省の政策を批判して退職した彼を
天下りとはいえないが、彼が日本の官庁の中でももっとも保護主義的な役所の、昔の同僚に
背を向ける行為をするとは考えにくい。

//////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



575 ◆eliAxluGeQ :2008/10/25(土) 20:35:16

/// 抱き込みの包囲網 13 ////////////////

    圧カ団体

 政府の政策がいかにして形成されるかについて巷間有力な説は、"利益団体"や
"圧力団体"は、必要な協力を得るため、役所の都署をなんとかしていわぱ"取り込もう"と
するものだという。日本でまさにこの説どおりのことを、きわめて異例なほどにやってのけたのが
日本医師会(医師会)である。医師会は、圧力団体として日本以外の国では当然とされる
機能を発揮、あるいは、それを上まわる働きをして、一九五〇年代以来日本の圧力団体の
中でもっともはでな存在となった。他の多くの圧力団体とは違い、医師会は、官僚を
懐柔して意志を通すというやり方ではなく、官僚に真向から対決する姿勢をとった。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///


576 ◆eliAxluGeQ :2008/10/27(月) 22:58:54

/// 抱き込みの包囲網 14 ////////////////

 一九八二年まで、武見太郎という高圧的な個性を持った会長に率いられた医師会は、
医療問題に関する政策決定を支配するため、新聞に一ぺージ広告を出してはげしく
政府攻撃をするというような攻めの手段に訴えると同時に、会の内部をもかためた。
医師会は経口避妊薬「ピル」の使用禁止を声高に主張し、その結果、利益の厚い
中絶医療産業を保護した。国政選挙にも独自の候補者を立てる一方、多数の有力
自民党候補者にも資金援助をしてきた。

///////////////////// 原書1989年刊 ///


577 ◆eliAxluGeQ :2008/10/31(金) 22:56:22

/// 抱き込みの包囲網 15 ////////////////

 医師会は、もし自分たちの儲けがあぶなくなると見れば、特定の医療機器の輸入を
阻止できる。だれの指示にももとづかない自由裁量の結果という形にみせかけて、
特定の医薬品や治療法を患者に処方させないようにすることもできる。また、
健康保険制度を悪用した診療報酬、薬価の不正請求が蔓延するのを放置している。
日本の医師は処方する薬の量を健康保険で決められた点数に換算して収入を得る
ぱかりか、自分の医院でその医薬品を売る権利も持っている。このため医師と
製薬業界は癒着し、患者の薬づけや過剰診療がたえず一部の成金医者を
つくり出している。

///////////////////////// 早川書房 ///


578金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2008/11/05(水) 00:47:07
全体主義的なキチガイヒトモドキみっけ。

【正論】多摩大学情報社会学研究所長・公文俊平 地球という「コモンズ」の将来 2008.11.3
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/081103/env0811030251000-n1.htm

思い描いているのは「1984年」そのものだな。
579 ◆eliAxluGeQ :2008/11/06(木) 22:11:09

/// 抱き込みの包囲網 16 //////////////////

 武見太郎亡ぎあと、医師会の力はおとろえたが、今も<システム>の小さな構成員の一つ
ではある。厚生省の官僚は、医師会の意のままになることに慣れきってしまい、いまだに
医療関係の法案はまるで医師の発案によるかのように見える。欧米諸国でいう圧力団体
そのものの行動に訴える日本医師会ではあるが、日本では例外的な主要圧力団体として
これほどまで過激になれるというのは、注目に値する。公共サーピスとしての医療を守るため、
政府が医師を管理しなけれぱならないはずのところを、当の医師たちが政府の仕事を
乗っ取ってしまったのである。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///


580 ◆eliAxluGeQ :2008/11/13(木) 00:50:06

/// 抱き込みの包囲網 17 //////////////

 戦後の日本の社会には、圧力団体が雨後のたけのこのように続々と誕生した。主婦、
戦没者の遺族、退役軍人、傷痍軍人、戦後の農地改革で土地を失った旧地主、旧植民地
からの引揚げ者、そして売春業者など、よく知られているものをあげただけでこんなにある。
一九五〇年代のなかぱ以降、特に売春業者が売春禁止法案を阻止するために全国性病予防
自治会連合を結成したころから、こうした団体がたびたび新聞紙上で論評されるようになった
(結局、この法案は成立し、ざっと五〇万人の夜の女たちが、自分の職業を新しい名前に
かえなければならなくなった)。新聞で注目をあびた中でも成果を上げたのは、中政連
(中小企業政治連盟)で、これは後に中小企業の中核組織になった。

///////////////////// 840円(税込) ///


581 ◆eliAxluGeQ :2008/11/15(土) 22:34:43

/// 抱き込みの包囲網 18 ////////////////

 政治の舞台に登場したこれらの新手の役者に対して、国民の反応は複雑だった。
一九五八年には、二つの復員軍人団体が軍人恩給予算の三〇〇億円増額に成功し、一方、
日本医師会も二一〇億円の上乗せを勝ちとった。政治評論家や新聞の社説は、このような
ことは民主的政治をくつがえそうとするものだと論評した。圧力団体は全体のための福祉を
考える配慮に欠けており、自己の利益のみ図る、ごり押しをおこなうと非難された。ところが
皮肉なことに日本人が圧力団体を非民主的だと見ていた六〇年代に、西欧の観察者は、
圧力団体がでてきたのは、ようやく日本にも"民主主義"が根づき始めたことを示すなによりの
証拠として引き合いに出していたのである。八○年代になっても、圧力団体は西欧では、
より本格的な多元主義を進展させる力とみなされている。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///


582 ◆eliAxluGeQ :2008/11/20(木) 22:50:54

/// 抱き込みの包囲網 19 //////////////

 しかし、さらに詳しく見てみると、日本では圧力団体がかなり変わった多元主義を推進して
いるということが判る。医師会は例外としても、日本における力関係はちょうど逆の方向に
進展する。つまり圧力団体が政府を"とりこむ"のではなくいくぱくかの補助金と最小限の
譲歩と引換えに、官僚と自民党がそうした圧力団体を逆に利用することになるのである。
管理者と組織的に緊密につながりのある圧力団体をすぺて除くと、本当の意味での圧力団体は
ごくわずかになる。さらに、<システム>の他の主要構成員となんらかの公的つながりのある
団体を除くと、さらに数は減る。結局残るのは、そのメンバーの多数の者が公然と反<システム>
活動をおこない、体制側には決して組み込まれないことを示威するため、ときどき機動隊と
やりあう一握りの集団だけである。成田新東京国際空港の拡張工事に対する阻止行動を
続ける農民と過激派活動家との連合組織が、その最たる例といえよう。

//////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///


『日本人全員へ』
日本人は屑とか死ね言ってる奴らさあ、俺はこの番組が好きだね。http://www.tv-tokyo.co.jp/100japan/日本人もまだ捨てたもんじゃない
お前らも日本人だろ。自国民同士で憎しみ合うなよ。 我々(日本人)が変わるべきなんだ。
全体主義を主張する奴らさあ、何で自分の自由も規制する?全体主義ってあんたも空気に合わせなきゃいけないんだよ?
日本は互いの違いを認め合う個人主義になるべきだ。
俺が訴えたいのは俺の勝手だろ!なんていう利己主義ではない。
俺に合わせろ!なんて言ってるんじゃない。君たちの自由にしていい。
しかし、自由にするには互いの違いを認め合う個人主義だ!
全体主義では空気読まなきゃいけないから君たちの自由もない。
互いに違いを認め合うことを協調という。合わせるのは同調。俺は同調は嫌いだ!
日本人が日本を愛せないのは出る杭(個性がある、才能がある)になると
叩かれるからだ。全員に同じことをさせる教育が悪い。 体育祭で生徒全員に同じ踊りをさせたりな。
あんなことしたら、違う=悪いって思考になってしまう。 これからは一人一人が考えを持ってることを学ばせる討論などを入れた教育をしろ。
このサイト↓を見て日本がいかに異常かわかる。だから変えよう。 日本は教育が悪いんだ。 あれは教育ではなく洗脳だ。
http://www.l-net.com/tshp/essey01.htm http://www.l-net.com/tshp/essey02.htm http://www.l-net.com/tshp/essey03.htm
国が違えば文化・習慣も違うhttp://www2.crosstalk.or.jp/ryugaku/people.htm 単なる違いだ。
石景山遊楽園を許してやれよ。中国の人たちは楽しんでるんだからいいじゃん。
他人作のものがぱくられて何で怒るんだよ?
お前はウォルト・ディズニーでも藤子不二夫でもねえだろ?
戦時中、足手まといになるかえら置いて行かなきゃならなかった子どもを大人になるまで育ててくれた中国の方々を高く尊敬します。
一線退いた日本人技術者、韓国中小企業で大活躍 http://www.chosunonline.com/article/20081029000044
584 ◆eliAxluGeQ :2008/11/29(土) 22:33:36

/// 抱き込みの包囲網 20 /////////////

    公害と闘う活動家

 戦後の圧力団体の中で、<システム>の外に身を置いてもっとも成功した団体は――
〈システム〉が耳を傾けざるをえない状況をどの程度作りだしたかという基準でいって――
産業公害の犠牲者のために立ち上がった運動だ。とはいえ、日本で深刻な公書問題が
本格的に検討されるようになるまで、およそ一〇年はかかった。後に世界中で環境汚染の
シンボルになった水俣の間題にしても、水銀に汚染された魚を食べた猫が痙攣を起こし
海にとび込みはじめて、やっと一部の新聞が関心を示した。被害者の窮状が全国的な
間題になったのは、それからさらに数年後のことである。患者の数は急速に増え、
神径系銃を冒され、激しい痙攣に疲れ果てて死んでいった犠牲者もいる。

///////////////////// 原書1989年刊 ///


585 ◆eliAxluGeQ :2008/12/14(日) 20:15:12

/// 抱き込みの包囲網 21 ////////////////

 水銀を海にたれ流していた当の企業は、病気との因果関係を否定し、暴力団を使って
真相究明を求める患者やその家族に暴力を加えさせた。大半が貧しい村々に暮らしていた
患者たちは、自分の村で村八分にされた。まず、悪い報せをもたらした者、つまり水俣の
ケースや、同様の水銀中毒症が発見された新潟の症例を研究していた医師たちが、
信用できないとされた。次に熊本大学の研究調査チームの報告書が公表されずに
握りつぶされ、研究費が削減された。

///////////////////////// 早川書房 ///



586 ◆eliAxluGeQ :2008/12/23(火) 22:05:08

/// 抱き込みの包囲網 22 ////////////////

一方、富山県では、いわゆるイタイイタイ病の患者の治療をしていた萩野昇医師に対する
排斥運動も起こった。この病気は水田に流れ込んだカドミウムが原因で、骨がもろくなり
複雑骨折を起こす難病である。証拠は握りつぶされ、症状を訴えても、科学的な根拠が
欠けていると証言する医師が雇われるといったことがくり返されたのだが、水俣の
水銀汚染源の工場に犠牲者の家族や支援者がどっと押しかけ、全国紙が報道キャンペーンを
展開し、外国で広く報道されるようになって、やっとこうしたやり方は立ち行かなくなった。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///


587 ◆eliAxluGeQ :2008/12/23(火) 23:58:53

/// 抱き込みの包囲網 23 ////////////////

 一九六七年、左翼系の弁護団が公害の被害者救済のための最初の訴訟を起こすと、
すぐに三件の公害訴訟が続いた。七〇年代の初期には、このような訴訟によって首都圏の
深刻な大気汚染に対する一般市民の不満が噴出し、政府はやむなく一部の政治家や企業と
共ども、なんらかの対策を講じなければならないという結論に達した。いくつもの厳しい
産業規制法が制定され、生活環境を犠牲にした産業拡大を糾弾することが一夜にして
流行となった。裁判所も結審までに一〇年以上かかるものの、被害者に損害賠償を認める
判決を出しはじめた。もっとも、ほとんどの場合、裁判所はあくまで脇役としての役割を
果たしたにすぎない。マスコミによって大きく増幅された激しい抗議に<システム>が反応した
だけのことなのだ。これは不正が人目を引き、国民の怒りが社会全体に広がった場合に限り、
<システム>によって不正が正されるという証拠である。

///////////////////// 840円(税込) ///

588 ◆eliAxluGeQ :2009/01/03(土) 21:26:36

/// 抱き込みの包囲網 24 ///////////////////

 七〇年代後半になると、公害反対運動は日本の管理体制に対する新種の運動の前ぶれの
ようにも見えた。市民運動によって地域レベルで政治への関心を目覚めさせ、恒常的な
変化が到来したのではないかと考えられたほどである。各地で革新市長が生まれた。
ところが一方で、革新勢力が提案した政策を保守系自治体が取り入れはじめたのである。
自民党としては、こうして革新勢力を吸収したわけだ。八○年代もなかぱに入ると、
市民運動グルーブはみずからを"冬の風鈴"にたとえるようになった。夏には心地よい
風鈴の音も、冬には耳障りなものだ。革新自治体は、一九七四年には一三六あったのが、
八八年には六〇に減った。地方の自民党候補者は選挙公約に手を加え公害対策をあわてて
ねり直し、大型公共事業に必要な予算捻出は自民党しかできないと再確認することによって、
現状維持に反対をとなえる草の根運動に効果的にストップをかけたのである。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///



589 ◆eliAxluGeQ :2009/01/16(金) 00:04:33

/// 抱き込みの包囲網 25 ///////////////

    選挙運動員としての圧カ団体

 消費者運動や公害反対運動が政治の表舞台からしだいに消えていく一方で、他の
圧力団体は生き残り、政治的に重要な役割を果たしてきた。"圧力"を加えて、政治に
変化をもたらすのではなく、自民党議員の利益のために働くという意味においてである。
 与党には草の根的な支持組織がほとんどないに等しいので、国政選挙の候補者は、
後援会とよばれる個人の支持者組繊に頼らなければならない。たいていの場合、現職議員が
国会に議席を温存できるかどうかは、なににもまして、自分の後援会の組織と影響力を
次の選挙まで持続できるかどうかにかかっている。圧力団体は設立当初からうまく操れば、
理想的な後援会になるのは明白だった。こうして、圧力団体が日本の政治活動の前面に
躍り出ることとなった。彼らは個々の自民党候補者のために投票を依頼して歩き、
資金を集め、その他ありとあらゆる雑務を引き受ける。

//////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///


590 ◆eliAxluGeQ :2009/01/20(火) 22:47:28

/// 抱き込みの包囲網 26 //////////////////

 自民党議員にとっては、各省庁の官僚と友好的関係をもつことが、圧力団体との良好な
関係を保つためには決定的に重要になる。政治家は、少なくとも形だけでも見返りに
何かをおこなったということを証明しなければならないからだ。選挙区では、現職議員は
あいまいなものの言い方はしない。もし、地元民が新空港を欲しいと言えぽ、当方には
運輸省と大蔵省とにつながる一番強力なパイプがあるからおやすい御用だと請け合い、
もし道路拡張や橋の新設の要望が出れば、他候補よりもたくさん建設省に友人がいるから
任せてくれと言う。同じ選挙区で複数の自民党候補が立つ場合には、他候補より自分の方が、
関係官庁につながる強いパイプをもっていると強調することになる。いずれにせよ、他の
少数党にはこうしたパイプがないことはみなが理解しているのである。

/////////////////////// 原書1989年刊 ///


591 ◆eliAxluGeQ :2009/01/24(土) 19:03:03

/// 抱き込みの包囲網 27 /////////////

 同じ選挙区の国政選挙で、自民党候補者が競合して戦う党内の"同僚"は、必ずといって
いいほど別の派閥に属している。したがって派閥の領袖としては、各地の圧力団体や
陳情団を統率している全国組織とよい関係をもつことが重要になる。こうして、復員軍人団体、
傷痍軍人団体、戦没者遺族組織は、議論の的である過去の軍国主義を賞讃するための
象徴的活動に参加するよう、自民党に圧力をかける重要な勢力として存続することになる。
ある政治家が新しく自分の選挙区に加わった小さな村をはじめて回る時に、筆者も同行
したことがあるが、彼がまず訪ねたのは、両脚のない一人の男の家であった。その人は、
傷痍軍人会の地元代表だったのである。

///////////////////////// 早川書房 ///


592 ◆eliAxluGeQ :2009/01/28(水) 21:55:01

/// 抱き込みの包囲網 28 //////////////

    官僚の出先機関

 圧力団体の多くは、手始めにまず協力してほしい関係官庁へ直接出向く。比較的
弱小の地方の商工会は、「会に法的裏付けをもたせ、会員に強制加入を義務づけるなど、
組織の基盤の弱さを公権カの支持を借りて補おうと」官僚の力を利用してきた。
農業や他の経済関係の圧力団体は、所轄省庁に出入り自由である。その団体が
大規模で相当な力を持つと官僚が見た場合は、官僚側が積極的に接近する。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



593金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2009/01/28(水) 22:16:11
国民と麻生のチキンレース

麻生「俺はぶれない。断じて増税するぞ 増税するぞ 増税するぞ」
国民「断固反対! 改革断行!」

先に折れたほうが負け。
遅くても9月には勝負がつく。
どっちも折れなければ麻生が負ける。国民のみんな、あと7ヶ月、がんばろう!
594 ◆eliAxluGeQ :2009/01/31(土) 23:25:37

/// 抱き込みの包囲網 29 ////////////////

団体側は提示した要望を配慮してもらうかわりに、地元の様子や関係者の横顔、
重要な出来事について詳しく知らせる。こうして、その団体は、官僚が〈システム〉全体の
舵とりをすることを可能にする"レーダー"の一部と化す。情報は一方向にのみ、つまり
東京に流れるため、管理者たちは、これまで制御しきれず、したがって<システム>に
完全に組み入れることができなかった地方の政治的、社会的営みを意のままに
できるようになる。そして、多くの場合、その強化されたコントロールは、こうした
圧力団体を通しておこなわれる。

////////////////////////// 840円(税込) ///



595 ◆eliAxluGeQ :2009/02/06(金) 00:12:13

/// 抱き込みの包囲網 30 //////////////////

 地方の圧力団体は通常、設立当初の存在理由がなくなっても、なお存続していく。
団体としての活動や目的は拡散し不明確になってしまっていることが多いが、大企業では
なくとも何か大きな社会集団に属していたいという人びとにとって、その忠誠心をもっぱら
集中できる存在としての意味がある。大都市以外では、利益団体が政治家といったん
癒着すると、そのおもな機能は選挙運動を組織することだけになってしまう。ここまでくると、
元々の発起人たちは愛想をつかす。しかし、彼らにはもう当初の影響力もないし、
「結成の原点に戻れ」と訴えても理解は得られない。

///////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///


596 ◆eliAxluGeQ :2009/02/10(火) 07:34:12

/// 抱き込みの包囲網 31 //////////////

たとえ彼らが、役所との友好関係がもたらすメリット以上のものを欲しても、会員はすでに
確立した報償配分の仕組みを妨げれば恩知らずで危険でさえあると考え、「大人しく
物わかりのよい態度で臨むか、既存の仕組みに適応するしかないと考えるのである」。
<システム>に抱き込まれた圧力団体の支配権は、それを個人的目的に利用する
指導者に受け継がれていくことが多い。それでも、圧力団体は依然として会員の
熱い忠誠心をかき立てる。つまり、忠誠心そのものが最終目的になってしまうわけだ。
団体内に争いのきざしが見えると、官僚や政治家から植えつけられた団結第一という
考え方がたやすく優位になる。<システム>の代表が団体の指導者の交代に手を貸す、
ということさえしばしばおこなわれる。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///


細川政権時、今の民主党の構成員が小選挙区制を導入しようとした時に自民党は大反対した。
嫌だ嫌だの大合唱。
本当は喉から手が出る程欲しかったくせに、必死の大抵抗。
採決の時には拘束を掛けてまで強い反対を演出した。
だが、本当は欲しいからしっかり造反を出して通そうとしたが、
先に自民党が投票した為に社会党内の造反数を見誤って否決されてしまった。
普通ならそこで廃案となる筈だが、な何とやはり自民党と民主党の構成員はつるんでいるから、
もう一度採決することになった。
今度は社会党の造反数を読み誤らないように社会党から先に投票させた。
後攻めとなった自民党は、その社会党から出た造反数を少し超える造反を出してしっかり可決させた。
これが世に言う"まんじゅう怖いの大芝居"である。


今、麻生はわざとお仲間の民主党を勝たせて単純小選挙区制を手に入れようとしてアホやっているとしか思えない。

選挙前に消費税率上げるなんてことは禁句だよ。
明らかにわざとやっている。

自民党と民主党がグルになって国民を欺くのはもう止めてください。
598 ◆eliAxluGeQ :2009/02/12(木) 22:42:10

/// 抱き込みの包囲網 32 /////////////

 圧力団体、あるいは、各種の経済団体が<システム>にとって重要な存在だと
みなされると、まるで落下傘部隊のように官僚がそのトップに天下り、その集団は
すっかり支配されてしまう。このような場合、圧力団体は官僚出身者の政界進出への
足掛かりとしての役割をはたすことが多い。自民党議員の多くが官僚出身だという
事実から、圧力団体の幹部と官僚と政治家との間にいかに密接な取引関係が
生じるかということは、明らかであろう。

//////////////////// 原書1989年刊 ///



599 ◆eliAxluGeQ :2009/02/17(火) 22:53:40

/// 抱き込みの包囲網 33 ////////////////

 <システム>は、反対勢力をつぶし、金で黙従を買うために、行政上の柔軟性をかなり
犠牲にする。また、関係省庁は管轄下の団体とのつながりを深め、そしてその団体の
目標と自分たちのそれが一致していることを示す。だからたとえば、農水省が輸入食品の
自由化を阻む不動の障害として立ちはだかりつづけることにもなるのだ。こういったことは、
<システム>の他の構成員も必要と認めることであり、外国からの貿易問題がらみの
報復手段を未然に防ぐ対策として<システム>全体をよく守る働きをする。このように、
<システム>は、反対勢力や敵対する可能性のある団体を吸収することによって、
<システム>自体を維持しつづけようとするのだが、そのことが<システム>の一部を
麻痺させるのは皮肉である。

///////////////////////// 早川書房 ///



600 ◆eliAxluGeQ :2009/02/21(土) 20:44:53

/// 抱き込みの包囲網 34 ////////////////

 政府機関が他の政府機関や<システム>の構成員との間でもめごとや権力闘争を起こした
場合に、可能な場合はいつも圧力団体が利用される。市場開放のキャンペーン中、当時の
中曾根首相のもとに、あまり急激な変革は避けるよう訴える電報やはがきが何千通も
どっと届いたことがあった。嘆願状の文面がどれもひじょうに似かよったものであった
ことからして、限られた数の農業団体と産業界の利益団体から出たものだということが
すぐに判明した。その直後の閣議で中曾根は大臣に、中央官庁が産業界に頼んで
抗議運動を起こさせるとは不適切である、と怒りをあらわにして注意したということだ。

/////////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



601 ◆eliAxluGeQ :2009/02/25(水) 22:51:16

/// 抱き込みの包囲網 35 ////////////////

 圧力団体や陳情団は続々と新しく結成されているが、時にはこうした団体が
一般国民の声を<システム>に反映させる媒介をする。融通性のある<システム>の
ことだから、あるていどこうした団体と妥協することもある。
ただ、現状の抜本的変革や、息の長い本格的反対行動に対しては容赦をしない。

/////////////////////// 840円(税込) ///


602 ◆eliAxluGeQ :2009/03/03(火) 07:41:26

/// 早川書房 //////////////////

 カレル・ヴァン・ウォルフレン(Karel Van Wolferen) (著)、篠原 勝 (翻訳)、
 原著1989年発行、邦訳 早川書房1990年発行
 「日本/権力構造の謎」 The Enigma of Japanese Power
 日本 権力構造の謎〈上〉 ハヤカワ文庫NF、840円(税込)、ISBN: 4150501777

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9940226551
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=18988933
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150501777/qid=1104753738/ref=sr_8_xs_ap_i1_xgl/250-1157004-2829055
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/40b9c78bede2b01032ee?aid=&bibid=01055138&volno=0000
http://books.rakuten.co.jp/RBOOKS/0000650744/

/////////////// 絶賛発売中!///

603 ◆eliAxluGeQ :2009/03/07(土) 20:28:54

/// 抱き込みの包囲網 36 ////////////////

    自家製"反対勢力"

 問題の芽を手におえなくなる前に摘みとり、まだ十分に掌握しきれない領域へも支配を
及ぼすための<システム>の常套手段は、お手盛りの"反対"団体を仕立てることだ。
一九五〇年代から六〇年代にかけて、経営者側が第二組合をつくり、潜在的に敵対する
恐れのあるマルクス主義に傾倒する全国組織の労働組合員を吸収しようとしたのが
よく知られた例である。また同様に、一九六〇年代に農村地域の圧力団体を統合する
中枢的役割を果たしていた農政推進協議会は、農水省の官僚がその管轄下での支配力を
強化し、予算編成時期に大蔵省との交渉を有利にするため、知恵をしぼって作り上げた
ものであった。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///




604 ◆eliAxluGeQ :2009/03/13(金) 23:31:45

/// 抱き込みの包囲網 37 ////////////////

 購収賄事件が明るみに出て、怒ったマスコミの一斉攻撃の影響で自民党に対する
激しい批判が広がり、有権者の不満が高まった時に、自民党にとってなによりもの
救いとなったのは、掌中で手塩にかけて育てあげた反対勢カグループの登場であった。
一九七六年、自民党の大領袖の一人だった河野一郎の息子、河野洋平に率いられて
六人の自民党員が脱党し、表向きには反自民を掲げる新党、新自由クラブ(新自ク)が
結成された。新自クが、時折野党のように騒ぎ、きれいな政治を提唱したことで自民党に
不満を持つ保守層の有権者が良心の呵責に悩まされずにすみ、かつまた、自民党からは
離れないですんだのである。

//////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///

605 ◆eliAxluGeQ :2009/03/21(土) 22:54:47

/// 抱き込みの包囲網 38 ////////////////

実質的には、新自クは自民党の党外派閥であった。いかなる案件でも必ず自民党と
共同投票したので、自民党は国会で必要とされる過半数を割る心配がなかった。
自民党が記録的な議席減を喫した(ただし総得票数の減少によるものではない)
一九八三年一二月の選挙の後、中曾榎首相は新自クに入閣を要請し自治大臣の
ポストを彼らに与えた。新しい傾向に拍車をかける重要なニュースはないかと
ウの目タカの目で待ち受けていた内外ジャーナリストの多くは、期待されていた
"連合政権"の時代がやっと来たとの結論を出した。

///////////////////// 原書1989年刊 ///


606 ◆eliAxluGeQ :2009/04/01(水) 00:22:02

/// 抱き込みの包囲網 39 ///////////////////

 ところが実際にはそうではなかったのだ。それから二年半後、自民党が圧倒的勝利を
収め、新自クの必要性が失われた時点でこの"野党"は静かに解散し、新自クの議員は
一〇年前の党離脱時と同様にスムーズに、自民党にもどったのである。日本一の
発行部数をもっ読売新聞の社説が述べている。

  新自クは、自民党がロッキード事件によって失った都市部の票を吸収し、新たな保守票も
  掘り起こした。さらに、国会の与野党伯仲時代にあって、与党自民党を連立で支え、政局
  の安定に貢献した。

///////////////////////// 早川書房 ///



607 ◆eliAxluGeQ :2009/04/04(土) 23:57:39

/// 抱き込みの包囲網 40 ////////////////

  農村で機能する<システム>

 多くの先進工業国と同様、日本でも、一般に農業従事者は政治的に優遇されているようだ。
日本の農業は超・過保護で、米は世界のほかの産地相場の少なくとも五倍は高い。
日本の消費者は、実際、ほとんどの農産物に法外な代価を支払っているのだ。
 しかし、ことはそれほど単純ではない。日本の農業保護政策は、必ずしも農村部一般住民や
小規模の農業生産者の利益となってはいたい。農業生産はきわめて非能率である。
そして、農業全体を実質的に支配する巨大組織である農協がみずからの目的のために、
意図的にその非効率な生産性を放置している。農協は<システム>には不可欠な存在で、
これなしでは戦後の数十年もにわたって、今ある<システム>は生き残ってこられなかったに
違いない。農協は、農民が政治的行動を起こす前に、先制して、それを阻止する。
農協はまた、自民党の国会における不動の過半数を保証し、ひいては管理者の自由な
権力行使を可能にする働きをする。

//////////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///


608 ◆eliAxluGeQ :2009/04/08(水) 20:42:53

/// 抱き込みの包囲網 41 ////////////////

 いってみれば、"農協"は、"日本の農業"と同義語である。普通、"農協"という場合、
農業協同組合の中央組織のみならず、その関連事業組織および全国各地の農協支部など
農協関係のものすべてが含まれる。一般的には、この組織全体をひとまとめにして、
日本全国六三〇万の農民を代表する"圧力団体"とみなされている。ところが、これがまた、
日本の機関や組織の役割をわけの判らぬものにしてしまう、ことばの誤用の好例である。
利益団体に固有の反体制的要素というものが、農協の場合には失われてしまったという
ことではない。そんな要素など、はじめから農協にはなかったのだ。

/////////////////////// 840円(税込) ///



609 ◆eliAxluGeQ :2009/04/18(土) 20:54:21

/// 抱き込みの包囲網 42 ////////////////

 農協は政府補助金を受ける非営利団体で構成されているが、この複合体は、(2章で扱った)
一つの系列グループとして考えるのがいちばんよさそうだ。農民は、この農業系列によって
ほぼ完全に「捕らわれの身」ともいえる市場を形成している。現に、農産物の飯売、種子や
肥料の供給から、銀行取引、保険、そして結婚式のお膳立てまで、この系列が営む
諸種の営利サービスを利用する以外、農民にはほとんど選択の余地がないからである。
 また農協は、農業行政の"補助機関"として見ることもできる。さらに、農協の主要機能の
一つはその集票能力にある。しかし、政府の補助金を受けている団体は一党一派に与しては
いけないとされているのであるから、このような政治活動は、明らかに、法の枠を
越えていることになる。

//////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///




610 ◆eliAxluGeQ :2009/04/25(土) 21:37:38

/// 抱き込みの包囲網 43 ////////////////

    村人たちの管理

 農協が、<システム>のために果たす大きな役割をほんとうに理解するためには、歴史的に
見て日本の中央政府が地方におよぼす支配力がいかに限られたものであったかを、まず
見ておく必要がある。何世紀にもわたり、日本の村落はそれぞれに内部秩序を保つ
という意味で、実質的には自治をおこなってきた。大半の村落にとって、徳川幕府の
"共同統制制度"は単なる名目上のものにすぎなかった。地方によってかなりの違いはあったが、
多くの場合、村の自治の伝統は中央行政権力の介入を阻むうえでかなりの効果があった。

////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



611 ◆eliAxluGeQ :2009/05/05(火) 20:23:39

/// 抱き込みの包囲網 44 ////////////////

 この障壁に風穴をあけるため、明治政府は多様な全国組織をつくったが、効果は
はかばかしくなかった。中央からしかるべき愛国的な考えを浸透させるため、地方の地主を
利用したこともある。地主は、村全体を従わせられれば自分の利益にもなる。またさらに
強大な権力をもっていた戦前の内務省は、川の氾濫に苦しめられた地域では治水対策費の
配分を通じて地主勢力を支配下におこうとした。そんなことがあっても、村は
独立自治体だとの伝統的な考えが、多くの村落で続いた。

///////////////////////// 原書1989年刊 ///



612 ◆eliAxluGeQ :2009/05/12(火) 23:24:07

/// 抱き込みの包囲網 45 ////////////////

こうした背景の中、今世紀の初めにできた農業協同組合の組織は、当然ながら農民管理の
新たな一つの手だてとして、政府と地主によって認識されることとなった。しかし、
一九二四年になっても、地方の農業協同組合に加入していたのは全農家の半分以下で、
それが約二〇〇の横断的連合組織に分かれていた。だが、一九四三年に、すべての協同組合が
中央の管理下におかれ、都道府県レベルの組織が解体されたことにより、村落のしたたかな
反抗もついにつぶされたのである。そして戦争協力の名目で、可能なかぎり多くの組合を
統合し、強化するための政策の一部として、農業会という大日本帝国の農業統制団体が
作られた。こうなると加入はもはや強制的なものとなった。

/////////////////////// 早川書房 ///



613 ◆eliAxluGeQ :2009/05/21(木) 21:53:18

/// 抱き込みの包囲網 46 //////////////////

 今日の日本では、政府が警察官を通しておこなう地域社会の掌握力は、かなり弱いものだ。
二、三年の任期で地方の村や町に駐在する警官は、地元住民と酒を飲み交わし、村の
行事では名士として上席に座る。警官は、土地の人びとにとって貴重な情報源で、
相談をもちかけられたりもするが、あくまでもよそ者でしかない。また、建設業者も
地方の村をコントロールするもう一つの重要な媒介者なのだが、なんといっても、
日本の田舎は、まさしく戦時体制から受け継がれた農協を通して、もっとも効果的に
<システム>に、特に自民党に奉仕させることができるのである。

//////////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///


614 ◆eliAxluGeQ :2009/06/02(火) 23:06:23

/// 抱き込みの包囲網 47 ////////////////

 先に述べた戦時中の農業会が、戦後の農協体制の組織的基盤になった。その設備、
従業員、そしてその役割の大半が、戦後の新組織にそのまま受け継がれた。"新組織"は、
占領軍の肝いりで看板だけ変えて設立されたものである。日本の農業従事者のほとんどが
農協の事業活動やサービスに依存していることを考えれば、戦後の組織は一〇〇パーセント
近い組織率をも戦中から受け継いだことになる。

///////////////////// 840円(税込) ///



615 ◆eliAxluGeQ :2009/06/11(木) 23:20:42

/// 抱き込みの包囲網 48 ////////////////

 日本の農産物の価格を異常な高値に維持するのを助けている政府の食糧管理制度は、
農協の利益とわかちがたくからみあっている。同様に、農協にとって重要なのはアメリカとの
争いの骨格をなす、農産物に関する保護措置の障壁である。このことから、日本の
"過保護農業"といえば、実は、農協体制のことを指しているのだが、それは一九七〇年代末以来、
産業界と通産官僚の攻撃にあってきた。彼らは自分たちに向けられている国際的批判の
鉾先をかわしたかったのである。

//////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///


616 ◆eliAxluGeQ :2009/06/21(日) 21:22:19

/// 抱き込みの包囲網 49 ////////////////

だが、このような<システム>内での対立はあっても、問題の根本がどこにあるのかを
表立って解明しようとするところまではいかなかった。農協が農民を代弁してないことは、
早くも六〇年代に日本の専門家が指摘している。都道府県レベルの農協連合会は農協の
中央機関の下請けであるから、上部組織の利益にそった決定を推進しようとして、
県連と地元の単位農協とが相当にぶつかり合うことがある。農産物自由化の障害となっているのは、
農民の利益のためというより、農協と農水省が自分たちの利益を守ろうとする動きの方が
大きいと考えてよいだろう。

//////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



617金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2009/06/25(木) 13:18:25
信用金庫から金を借りると 偽の短プラ連動を使い莫大な金利を泥棒されますが 行政が信用金庫の金利泥棒犯罪に加担してる為に返して貰えない 中小零細企業を食い物にして 食い潰す信用金庫に御注意願います
618 ◆eliAxluGeQ :2009/08/04(火) 21:54:48

/// 抱き込みの包囲網 50 ////////////////

    農水省と農協の共生

 農水省の"下請け"としての役割を、誠心誠意忠実に果たすことによって農協組織は
生き残ってきた。農民自身は、むりやり組み込まれたこの組織に対して大いに割り切れない
感じを持っている。特に、農協が政府資金を導入して推進した農業近代化計画の破綻に
対しては批判的である。農業のみで生計を立てていける農民は、ほとんどないに等しい。
五分の四を越える農家が兼業で、近くの町の工場や運送会社や飲食店、小売店などの
サービス業に働きに出る人が多い。兼業農家の八五パーセント以上は、農業収入より、
いわゆる副業収入の方が多いのが現実である。

///////////////////// 原書1989年刊 ///



619金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2009/08/09(日) 21:03:36
日本官僚のエース、
通商産業省の感動秘話ドラマ、
官僚達の夏が始まりましたよ。
620金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2009/08/09(日) 21:06:07
経済産業省は日本を救う
必要官僚だ。
621 ◆eliAxluGeQ :2009/09/02(水) 23:23:01

/// 抱き込みの包囲網 51 ////////////////

ところが、毎年人為的に高値を保つ米価決定の時期に、農協コングロマリットの中央本部である
全国農協中央会(全中)が大騒ぎするので、日本人も外国人も、日本の農民は政府まで
思うように踊らせる強い力をもっているという印象を受ける。実権を持つのは、農協と
農水省との連合チームである。このため、大蔵省とのかけ引きで、農水省ほど主張を通せる
省庁はほかにない。農水省が提出する予算案は神聖にして侵すべからざる神牛のようなものである。
そしてまた、全中管理下の事業体ほど、規制事項おかまいなしに自由に運営できるところもほかにない。

//////////////////////// 早川書房 ///


622 ◆eliAxluGeQ :2009/10/12(月) 22:00:57

/// 抱き込みの包囲網 52 ////////////////

 政府は農協の集荷した米代金を農林中央金庫を通じて一括概算払いする。これが
「農協組織の各部署へ血液のように循環し、各部の栄養になる」わけだ。実際には、
政府から受け取った金を、農林中金が都道府県レベルの信用農協連合会を通して、米売渡し
各農家の預金口座に振り込むという方法がとられる。この自動振替払いという方式により、
農協系統の金融機関の資金コストは、市中銀行に比べてとるに足らぬほど低いものになっている。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///



623 ◆eliAxluGeQ :2009/11/07(土) 23:01:39

/// 抱き込みの包囲網 53 ////////////////

貸付部門を通して農村住民へのローンという形で支出されたり、多種多様な農
協の営利サービスに対する農家の支払いなど、同じ金が農協系列の事業体間でやりとり
される。農林中金は、全資金額のおおよそ半分を外部への投資資金として留保しておく。
全国キャンペーンの実施が農協の総会で承認されれば、本部が分担金を各担合員の預金
口座から自動的に引き落とすこともできる。こういう機構があるから、大蔵省や自民党
に向けた儀式化された陳情活動を、他の団体よりはるかに大規模におこなうのはもちろ
んのこと、国内外での農協の宣伝活動も充分にできるというわけだ。

/////////////////////// 840円(税込) ///



624 ◆eliAxluGeQ :2009/12/30(水) 00:02:17

/// 抱き込みの包囲網 54 ////////////////

 日本各地の町や村にある一万以上の地方単位農協は、(米以外にも)農産物を農家から
買い付け、それを農協系列上部に位する商社を通じて販売する。これに加えて単位農協は、
農業に必要なあらゆる商品を農村住民に売りつける。農家の預金口座の内容がすでに
農協に把握されていることを考えれば、これこそ完壁な隷属的独占市場の典型といえる。
農協の傘下にある関連組織はまた、保健・厚生施設運営、消費者金融、貯蔵保管・倉庫業、
営農指導などもおこなうが、中でももっとも興味深いのは、今や世界最大の保険事業にまで
発展した"相互扶助"共済事業である。

///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///

政府紙幣2000兆円を刷れ
■今の日本のような対外的に借金がなく産業が強いか又は経済が伸張している国の場合■
★普通の国の場合★
お札を大量に刷って、為替介入にお金を使い外国に大金を貢ぐのはバカげている。
→お札を大量に刷って、政府の債務を帳消しにする。
→余ったお金で経済対策、大幅減税実施、内需型企業が復活、消費が回復し、急速に景気回復
→大量にその国のお金が出回るので、自国通貨安になり、輸出企業が復活
→お金の価値の変化は世界中でその通貨を持っている人全員に及ぶので、その国の政府債務の負担は全世界の
人が負う
★日本の場合★
なぜか、お札を刷って借金を返すとハイパーインフレになると、反日マスコミと反日評論家が牽制
→政府当局、マスコミが怖くてお札刷れず。その為、現実に、年々拡大している世界一の金持ち国家・日本の経済
規模に比べ、
マネーの供給量が常に不足しているので、巨大な需給ギャップが解消されず、デフレが止まらず円高も止まらない。
→止まらない円高を止める為に、お札を刷って、為替介入。
→介入で得たドルの価値が減る一方の為、日本はいつも大損、結果的に、刷ったお金はすべてアメリカの懐に入る
→日本の膨大な借金は残ったまま
→借金の為に、予算削減、需要激減、大幅増税・・・・で景気更に悪化 バブル崩壊後20年経っても景気回復せず
→膨大な政府債務は増税で返すことになるので、政府債務の負担は日本人だけが負う
【結論】
お札を2000兆円刷って、借金を1日で解消し、残りのお金で景気対策すれば、景気は1年で急回復 日本人は損しない。
お札を刷っても、為替介入に使えば、日本は他国に貢ぐだけで、日本人は他国の債務も負担していることになり大
損する。
★日本がバブル崩壊後20年経っても景気が悪いのは、お札を刷って借金を返すことをしなかったからである★
つまり★日本が政府紙幣を大量に刷って、借金を1日で解消し無い限り、未来永劫景気回復は来ないと言える★
★もちろん、日本がお金を刷るとハイパーインフレになるというのは、反日勢力のついた大ウソである★
今の日本のような対外的に借金がなく産業が強いか又は経済が伸張している国の場合、2000兆円刷っても
なんともない。アルゼンチンや韓国とは前提条件が違うのだ、その点を誤解している人が多過ぎる
626 ◆eliAxluGeQ :2010/03/03(水) 22:39:35

/// 抱き込みの包囲網 55 //////////////////////

 農協法が作られた当初、占領軍当局は、農協の共済事業は大蔵省の所轄にすべきだと
主張していた。ところが当時の農水省の官僚は、災害時には互いに助け合うという日本の
農民の伝統的慣習を法制化するだけのことで実際の保険業務ではないと、うまく説得した
という経緯がある。農協の"相互扶助"事業の資産が八〇年代のはじめに、四兆九〇〇〇億円
以上に達するとは、当時の大蔵省も保険業界もまさか思いもしなかったであろう。
なんと、その資産は世界最大の生命保険会社、日本生命の総資産をはるかに上回り、
日本最大の損害保険会社、東京海上火災保険の資産額の五倍にあたる。組織の一番下の
農協一つ一つが、保険の取扱店になっているのである。そして農協の共済事業は、中央で
管理されている他の事業とともに非営利的事業として類別されているから、一般の
保険会社と違って生命保険と損害保険を一つの事業体が扱うことができる。ひとことで
言って、これほど驚くべき成功をおさめた産業コングロマリットは、おそらく日本でも
ほかにないだろう。

////////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///



627 ◆eliAxluGeQ :2010/03/27(土) 22:14:10

/// 抱き込みの包囲網 56 //////////////

    農村の集票マシーン

 選挙の時期がやってくると、農協の保険セールスマンも、ミカンの買い付け係も、種苗の
販売担当者も、農協のスタッフ全員が−−少なくとも、理屈の上では−−地元の自民党
候補の熱心な選挙運動員に変身する。農協の各組織は、終始自民党と共同作戦をとる
無敵の集票部隊だという前提のもとにその力が結集されるわけだが、実際に、どれだけ
彼らが票を動かせるかは地域によって大幅に異なる。総じていえば、自民党の農村票への
依存度は低下傾向にある。だが、一九八〇年代後期においても農家が全世帯の
三割以上を占める県が一一県あり、二割以上が一九県ある。

///////////////////// 原書1989年刊 ///


628 ◆eliAxluGeQ :2010/04/06(火) 22:08:02

/// 抱き込みの包囲網 57 ////////////////

一九八七年に、ガット(関税および貿易に関する一般協定)にもとづいて一二品目の
農産物の輸入を日本が自由化するよう勧告された時、四四五人の自民党議員のうち
三五九人もが、ガットの裁定には従いかねるという宣言書に署名した。国内のコメ市場を
保護しつづけるという政治家の長年の決意が鈍らないかと心配した農協は、一九八九年の
参院選で自民党絶対多数を失わせる方に加担して同党に警告することにした。
地方農協組織が自分たちの態度に不満をつのらせた場合、時としてその対立候補を
応援することが前にもあったのを、自民党代議士連は知っているからだ。もちろん、
組合員も、さまざまな政治的信条をもつ者がいるが、組織としては自民党支持をやめる
わけにはいかないという点では合意ができているのであろう。

/////////////////////// 早川書房 ///



629金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2010/04/07(水) 00:03:37
もっと規制緩和しないと駄目だな
630金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2010/04/27(火) 18:38:00
■[経済]『デフレ不況 日本銀行の大罪』の目次一覧
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20100425#p2

目次見る限り日銀批判入門書としてかなり期待できそう



■「国債金利の上昇=日本国の破綻」は間違っている
▼政府債務は長期的視野で考えるべき
▼官僚の「すり替えのテクニック」に騙されるな
▼ネットで250%に達しても破綻しなかった英国
▼財政再建の黄金律
では、具体的にはどのような経済運営であればいいのか。
グロスでもネットでも、債務残高対名目GDPが発散しないための条件は、厳密に数学で表現できる。
大雑把に言えば、プライマリー収支が改善していくのがわかれば、債務残高対名目GDPは発散しない。
実は、債務残高対名目GDPの動きを決めるのは、プライマリー収支対名目GDPの動きと、
名目GDP成長率と国債金利の大小関係なのだ。
後者の名目GDP成長率と国債金利の大小関係は、短期間にはいろいろな条件で変わるが長い目で見ればだいたい同じくらいになる。
だから、プライマリー収支対名目GDPが改善していけば、債務残高対名目GDPはあまり大きくならない。
税金には所得税のような累進構造があるので、名目成長率が高まると税収はそれ以上に増え、
プライマリー収支対名目GDPはまちがなく改善する。
このコラムで、名目GDP成長率が4%は黄金率であると書いたが、財政再建についてもこの黄金率は成り立つ。
国が破綻するかしないかは、名目GDP成長率が4%以上にできるかどうかがポイントだ。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/505?page=3
631金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2010/05/08(土) 10:42:40
公務員ってクビないんだったら民間より給料安くていいよな
クビないんだったらそれでも公務員にないたいって奴は後を絶たないだろうし
632金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2010/05/09(日) 23:43:57

/// 抱き込みの包囲網 58 ///////////////

   歴史的背景

「アナウンサーは火星から隕石が落下してきたといいましたけど、
 ボクはそれはかれがそう思ってるだけだと思いました。心のなかでは
 隕石はカムフラージュにすぎないと思っていました。それは本当は
 隕石みたいにみえるツエッペリン飛行艇に似たやつで、ガス爆弾で
 ドイツ人が攻撃してきたんだ。みんなの目をごまかすために、飛行機
 を隕石みたいにしたてたんだって思いましたね。」

「あたしは日本人かもしれないと感じました。連中はズル賢いからね。」

////////////// 『火星からの侵入』 H・キャントリル著 ///



633金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2010/05/10(月) 00:02:26

/// 抱き込みの包囲網 59 ///////////////

   ビックリしたことの運転への影響

「オレはよ、とってもおかしな感じだったよ。家までの四〇マイル、
 一時間ぽっきりで帰ったんだぜ。あの前も、あれからもあんなに
 うまくやれたことはないね。でもおかしなことに、家へ帰りついて
 時計をみるまでは、いつもよりあんなに早く運転してきたなんて
 考えもつかなかったよ。」

「ボクのガール・フレンドが赤信号をいくつか通りすぎたって教えて
 くれたんです。で、<天国行きの切符持っているのにどうだって
 んだい。あとは焼かれるだけじゃないか>って答えたんです。」

////////////// 『火星からの侵入』 H・キャントリル著 ///





634金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2010/05/29(土) 23:35:19
ちなみに、現在の日銀法は、目標の独立性まで日銀に与えており、バーナンキのいうように民主主義社会では正当化できないものだ。
この点を私はバーナンキ本人に説明したことがあり、彼も十分に承知している。
一部マスコミの報道では、政府がインフレ目標を日銀に要求することが、あたかも日銀の独立性に問題があるかのようであるが、
目標の独立性と手段の独立性の違いを知らない不勉強によるものだ。
世界のコンセンサスは、目標の独立性がないのだからインフレ目標を中央銀行が拒否すること自体がおかしいし、
目標の独立性まで与えている日銀法そのものがおかしいのだ。
だから、政府がインフレ目標を日銀に求め、そのために日銀法改正をするのは、
バーナンキのいう世界のコンセンサスに日本も合わせるだけなのだ。
また、バーナンキ議長は、量的緩和について、普通の金融政策と同じような効果があるので、手段の独立性を確保せよと論じていることも面白い。
日銀寄りのマスコミ報道では、これを政府から金融緩和策を求められる日銀への援軍と報じているが、そうではない。
今まで日銀は量的緩和の効果はないといってきたのに、普通の金融政策と同じ効果と言われたので、さぞ困っているだろう。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20100528/plt1005281634003-n2.htm
635 ◆eliAxluGeQ

/// 抱き込みの包囲網 58 ////////////////

 だが、複数定数選挙区で自民党候補がぶつかる場合、どちらの候補者を応援するかは、
まだ選択の余地が残されている。一九七六年に宮崎県であったように、地域農協が選挙運動に
本気でとりくめば、自民党本部の意志に反対する勢力として大きな力を発揮することができる。
この時、東京の党本部の選んだ候補者に反発した宮崎県の農協は、別の自民党候補を後援する
ことにしたのである。選挙運動期間中、毎日、四〇〇〇人から五〇〇〇人の農協職員と
組合員が、対立候補のために働いた。党公認候補が、二〇〇〇人の集会を企画したその当日に、
農協候補は農協の貸切りバスで集められた一万人の集会をぶつけるなど動員力で圧倒した。
農協チームは地元のあらゆる農協店で選挙運動を展開し、終盤戦では婦人部、青年部を
動員して、実に六万人の運動員を動かした。

///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///