国産ガス開発活発に、帝石は新潟・新日石など北海道で
ttp://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20050611AT1D1001P10062005.html 資源各社が国内で天然ガスを中心に地下資源開発を活発化している。帝国石油は新潟県で開発初期に当たる
探鉱に着手。ジャパンエナジー、新日本石油などは共同で北海道沖合などで試掘に入る。今年度の国内探鉱の
総費用は約180億円と過去10年間の平均の倍。資源高とガス需要増加を背景に、海外開発に比べ投資負担が
軽く輸送インフラの整った国産資源に注目している。
資源開発はまず音波調査や試掘を実施する探鉱を経て、有望鉱区の埋蔵量を確定して生産に着手する。国内
開発を手掛ける16社の04年度探鉱費(政府補助金除く)は110億円。今年度はこの1.5倍に増える。
[紙面より]
帝石が探鉱するのは、生産量国内最大の「南長岡ガス田」(1日当たり生産量191立方メートル)の北西部。
投資額が25億円。石油資源開発も北海道苫小牧市の石油ガス田近くの未開発地域を7億円で探査し、生産量増
を目指す。
ジャパンエナジー、新日石子会社の新日本石油開発、石油資源開発の3社は共同で青森八戸市沖合いで試掘
に入った。投資は30億円。300億立方メートル以上の埋蔵量が確認できれば、12年の生産開始を目指す。
北海道の胆振沖でも年内に試掘する予定だ。石油資源開発と三菱ガス化学は、ガス生産中の新潟県内の鉱区
内で探鉱する。
(*他、図表では、帝国石油・ジャパンエナジーが秋田県由利本荘市と仁賀保町で、石油資源開発・三菱ガス
化学は新潟県沖合いでも、帝国石油は長岡市と福島県沖合い遠方で。)
国内で使う天然ガスの97%は海外から輸入するLNG(液化天然ガス)に頼っており、残りが国産だ。国産天然
ガスの2003年度の生産量は28億立方メートルと、10年前に比べ26%増加した。ガスの可採埋蔵量は確認分だけ
で505億立方メートルと、国内使用量の約半年分に当たる。今後の探鉱次第では増える可能性が高い。
国産のエネルギー資源は明治期に新日本石油の前身企業などが、新潟県の尼瀬油田や秋田県の黒川油田
で生産を開始。天延ガスも新潟県や千葉県ないで生産が本格化したが、高度成長期以降は圧倒的に量の多い
中東原油やLNG輸入に押され、国内の新規開発は低迷していた。