日本経済を救ういい方法を考えますた!!!

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128金持ち名無しさん、貧乏名無しさん
小泉首相を始めとした「痛みの後の再生」を唱える構造改革論者は
経済学者シュンペーターの創造的破壊説を援用しているように思われる。
“不況は非効率な部門に退出を促し、効率的な部門が参入する発展基盤を創造する”
直感的には一見筋が通りそうだが、はたして現実にはどうだろうか?
竹森俊平著 『経済論戦は甦る』 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492393862/
で紹介されるカバレロとハマーの実証研究から、その『誤算』の構図を抜粋しよう。

『創造的破壊シナリオの誤算』

●「破壊」の誤算
(1) 「無益な破壊」が不況によって起こる。
(2) 不況時には「シュンペーター的破壊」も増加するが、景気回復過程に至り急激に減少する。

「無益な破壊」
通常であればまだ退出の年限に達していない既存企業が、不況の影響で損失を被り、
しかもそれをカバーするだけの外部資金が得られなくなって退出する場合。
社会的にまだ有用な企業が退出する望ましくないケース。

「シュンペーター的破壊」
設備の老朽化による既存企業の「退出」。社会的に有益でなくなった生産主体が退出して、
新規参入企業に道をあけわたす経済にとって有益な現象。

●「創造」の誤算
(1) 不況により企業家の純資産が低下し、新規参入のハードルが高くなる。開業率は低下。
(2) 不況からの回復期には、破壊に急速なブレーキがかかる、つまり既存企業から労働力が流出せず、
   創造の増加にも歯止めがかかる。これも新規参入企業には不利。

以上の通り構造改革論者の意図する所とは逆に、不況はそれ(不況)がなかった場合と比べて、
古い体質である企業の存続を促進する一方、創造性の高い企業の新規参入を抑制する。
その結果、経済全体の生産性をむしろ下げてしまうのである。